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蛸林 Daily Work

お気楽な絵とグライダーのBlog
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両目で見れる絵。

2005年06月26日 | 芸術、技法
水彩画の本を幾つか買ったり貰ったりしたけど・・・
ローカル鉄道・水彩スケッチ紀行「途中下車の風景」塩沢 宗馬 日貿出版社
(ISBN4-8170-3130-1)
という画集がある。
この画集、淡彩水彩というふうに最初は捉えていたんだけど、線が素晴らしい。
久しぶりに眺めて気が付いた。
輪郭のように最初は感じていたのだが、そうじゃないんだ。
見たものを感じて頭の中で線に翻訳したという感じ。
その線は、あるべきところにある。
そして、ぼ~っと眺めていると、線が線で無くなる。
なんだろうこの感覚は。

同じように、水彩の本ということで衝動買いした水彩スケッチの本があるんだけど。
このAさんの画集は、写真をグラフィックソフトのポスタリゼーション加工で編集したような・・・写真で言うなら階調をスっ飛ばしたような絵。
米国でポピュラーな描きかたに類するもののようだ。
一見リアルに見えるのだけれど、よくも悪くも絵にしか見えない。
ずっと見てると飽きちゃう絵。
掴みはいいんだけどね。

それに対し、塩沢 宗馬氏の絵は、眺めているうちに絵の向こうにその景色が浮かんでくる。
氏の画集の最後に、「画材について」にカメラも含まれていたのだが、あくまで写真は、おぼろげになった記憶を確かめる為の素材であるのに対し、同じようにカメラが画材に加えられいたが、こちらは、その写真をもとに描いた感じ。
片目で見ると立体感は出てくるもののそれは一つの目で捉えた絵。
しかし、塩沢 宗馬氏の絵は、両目で見ても景色が見える。むしろ片目よりもハッキリと。

それは、画集の中程にあった「スケッチを始める方へ」にあった「陰影表現と日本の絵画」に述べられている、日本人の感性なのだろうか。

そう言った事を考えながら、前作の「娘20 紫陽花」を見ると・・・・
こりゃだめだ(^^;)

絵の具を使う前に、鉛筆やペンで描く事をやらなければと再認識した。


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2 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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Unknown (シャトル)
2005-07-02 21:57:40
私も塩沢宗馬氏の本持ってます。

後編?でしょうか、「心に残る途中下車の風景」です。

こんな淡彩画をかいてみたいなぁ・・といつも思ってます。でも鉛筆で簡単に描いてあるようでも・・とてもまねできませんね。

やはり基礎が違うのでしょうか・・・。

勉強せねばなりませぬ。
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眼力をやしなうしか・・・ (蛸林)
2005-07-03 19:54:36
シャトルさん どうも!

続編もあるようですね。捜してみようかな。



淡彩の線画って、外形と言うか輪郭かと思っていたのですが、塩沢氏の絵を見ていると何か違うみたいな感じがしてます。



Photoshopで写真をモノクロにして明暗の具合を見たりしているのですが、氏の線は、暗部なんですよね。やっぱり。そして、それだけじゃなくて、そこにあるものを暗示するような線のような気がしました。

あと、両目で見た絵。これは、眼力をやしなうしかなさそうですね。

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