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わんわんらっぱー

DIYやオーディオから社会問題までいろいろ書きます。

節約したいのなら、簿記3級は勉強すべき。

2017-01-12 20:37:49 | 財政税務
はじめての人の簿記入門塾―まずはこの本から!
かんき出版


 ブログランキング「節約」の部門にエントリーしていたが、あまりにトンチンカンな失敗談とか、FXとかの投資勧誘とか、反面教師としてしか役に立たなないので、エントリーを取り消した。そんな、駄目ブロガーの吹き溜まりであった「節約」部門でも、会計士の妻のブログはまともだった。

 そうなのである。つまり、節約するのなら、まず会計というか、最低でも複式簿記の知識が必要なのである。なぜかと言えば、今行おうとしている商行為が、簿記の上でどのように分類されるのか考えれば、無駄かどうかよく分かる。
 賭博で散財している人やFXなどに嵌っている人、それは仕訳日記帳にどうやって記載する?出来ないのである。賭博というのは「中長期的に見て一方的に収奪されるだけの行為」に過ぎない。
賞金引当率✕取引回数分の乗数だけ、お金が減る。宝くじなら1回で6割へり、2回買えば84%程度減る。賭博とはお金を減らす行為に他ならない。

 自分が会計主体として利潤を追求するに当たり、何が経費として必要で、どうやって利潤を得るか考えなくてはお金は貯まらない。そのためにも会計の技術は必要である。
 実際には、税務においては「弥生会計」などの会計ソフトを使うので、細かい事は知らなくても、経験則でどうにかなる。それでも実務は回るのだが、本当に節約したいのなら、簿記の知識は必要である。

 特段、お金をかけなくてもAndoroidアプリで「パブロフ簿記3級」というのがある。とりあえず、それをインストールして隙間時間で勉強すれば良いだろう。

今日も車検だ、年貢が重い。

2017-01-12 19:54:14 | 財政税務
ウルトラ怪獣 カネゴン
バンダイ



事情により4カ月に1台車検が巡ってくる。
重量税や自賠責の負担が大きい。別途自動車税も負担しなくてはならない。

しかも、車齢が進んでいても買い換える余裕もない。かといって、仕事で使うので売却してしまう事もできない。
ということで、少しでも車輌にかかる経費を減らすべく努力している。
車検を自分でやる「ユーザー車検」という方法がある。
そもそも、車検は本来所有者が行うべきものであり、業者への車検代行依頼することの方が傍流であるべきことなのである。

○ユーザー車検の薦め
 車検はユーザー自らが行なうことが出来る。自分で書類を書いて、自賠責+継続検査費用を払い、重量税を払い、車検窓口に書類を提出して、検査ラインを通って、合格すれば、新しい車検証が発行される。
 陸運局の人から聞いた話しでは、吉田茂の娘が(自家用車が超贅沢品の頃)ユーザー車検に行った所、車検通らなく、ぶち切れた吉田茂が車検制度そのものを無くす動きを見せたところ、ユーザー車検の取扱いが良くなった、とはいうものの、ユーザー車検が認知されて、陸運局がユーザー車検対策に真摯に取り組みはじめたのはここ十数年ぐらいであろう。
 車検自体はスムースに進めば、30分ぐらいである。これを業者に頼むと、安い代行業者でも2万円ぐらいとる。しかも代行業者は何も整備しない。自動車整備業者に頼むと、6万円~8万円ぐらいは取られる。ベンツなどでは30万円も取られたという話も聞く。その上、整備内容を見てみると不要なことをしている場合も多く、無駄にいじるので、車検後にクルマに不都合が起きることもあり始末である。常日頃から自分で管理する習慣を付けたほうが良い。
特にバッテリーは5年に1回は換えるようにする。タイヤの摩耗具合をチェックして適時交換を行うなど。
 法人所有車輌の場合、車検を業者に任せるしても「委任状」を書かないといけない。車検の間はクルマが使えない状態かもしくは代車を利用することになる。そういった手間や不利益を考慮すると、「頼む手間」よりも「ユーザー車検」の手間の方が少ない位である。
 そもそも、全交通量の内、0.5%ぐらいは車検関係で動いていると仮定すると、不慣れなクルマで運転する事故誘発の危険性を考えれば、車検制度そのものを無くしたほうが、交通事故発生や環境への負荷を低減できるはずである。

 今回車検を受けた車輌は遂に車齢13年に達し、重量税が値上げとなった。フランスでは車齢が伸びると、長らく同じ車輌に乗って環境負荷を低下させているとの事で重量税は値下げになるという。

 日本の場合は逆で、車検制度を逆手に取って、自動車販売店が瑣末な事で車を買い替えさせて、環境負荷を激増させている。もはや、燃費の向上はさして進んでおらず、買い替えても燃費は良くならない。車輌を新造する環境負荷は大きい。今ある車輌をメンテナンスしながら丁寧に長く乗るように心がけるべきである。

○車検のポイント
検査ラインではブレーキはゆっくり踏む。ハンドブレーキもゆっくり引く。
検査ラインで落とされた箇所だけ、テスター屋で修正して貰う。
事前にランプ類の切れを点検する。車幅灯やナンバー表示灯のような小さなランプ切れ見落としがある。
ランプ交換が自力で出来る場合は自分で行う。出来ない場合はイエローハットへ駆け込む。
車検の予約はできるだけ早い時間帯で申し込むべきである。検査ラインで落とされた場合、リカバリーの時間が必要となるからだ。
タイヤのナットが見えないホイールは、車検の時にホイールキャップを外す必要がある。地味に面倒なので、ホイール購入時には勘案すべき。
書類は住所などはハンコを付いて、事前に複数作成しておくべき。特にOCRシートは法人の場合に社判が必要で、書き仕損じた場合、社判がないと、検査が受けられない。であるから、OCRシートは複数枚社判を付いて所有しておくべき。OCRシート以外は車検場で無料で貰える。
定期点検記録簿は12ヶ月点検で項目が最も少ないもので十分。昔は内容にまで突っ込まれたが、現在は定期点検記録簿の有無しか確認していない。(法制度が変わったため)
ラインの通し方は見学できるので、事前に見学した方が良い。
車検期限シールがフロントガラス+ナンバープレート表示の2箇所に変更になっている。
シールの剥がしかた。私はブレーキクリーナーを吹き付けて剥がしている。

税制構造の問題点

2016-12-30 13:09:26 | 財政税務
L.E.Dデジタルコインピット(ブラック)
トイボックス


 消費税増税法「消費税率の引上げに当たっての措置(附則第18条)」に「努力目標」として名目3%、実質2%の経済成長率を明記している。安倍政権の掲げる経済成長率2%目標は消費税率を上げる前提条件を満たすためと勘案される。
 19世紀ドイツの社会運動家フェルディナント・ラッサールは、自らのベルリン王立高等法院弁護演説稿を収録した「間接税と労働者階級」において、「消費税は労働者が負担する税」と看破した。ラッサールは応能分担(応能課税)が公平であり、生活必需品課税の間接税(消費税)の様な比例税制は「人頭税の如き作用をする、いな、この点から言えば、それは貧者にとり恐らく人頭税よりも不利でさえある」とまで不公平税制であることを強調している。資本家階層が間接税を用いて、国の必要経費のほとんどを労働者階層に負担させてきた経緯に対し、ラッサールから遡る事、18世紀からすでに間接税(一般消費税)について有力な反論があった。
日本の戦後税制構造の骨格はシャウプ勧告に基づく。1950年第二次シャウプ勧告は将来の間接税導入に含みをもたせたが、それは消費税ではなく、現在施行されている法人に対する「外形標準課税」に相当するものである。
 1951年、間接税は酒税、関税等を除きかなりは廃止整理され、直接税中心の税制構造となった。物品税として宝石、毛皮、電化製品、乗用車、ゴルフクラブなどの贅沢品に高い税率が課せられた。現在欧米で導入されている間接税の物品別軽減税率は日本のこの間接税システムを真似したものである。一方、日本は1989年4月1日の消費税法施行にともない物品税を廃止した。日本の消費税は生活必需品にまで一律に課税するものである。課税ベースか広いことから、個別間接税に対となる名称として大型間接税が用いられている。欧米各国において生活必需品は非課税もしくは低減税率となっている。日本の消費税はかつてラッサールが人頭税よりも過酷と非難した、労働者に対する重度の逆累進性課税構造となっている。
 中小零細企業が簡易課税を選択している場合、仕入れ控除ができないため、複数の企業を経て加工過程を形成していると、多段階で消費税課税される。これを回避するために垂直統合(内製化)が進み、中小零細企業が淘汰される。また、輸出戻し税として、外国の付加価値税等との二重取りを避けるため、輸出品は消費税を免税される。輸出企業へ還付される輸出戻し税分の内、売上から仕入れを引いた付加価値分の消費税額が「輸出補助金」となっている。消費税は国内企業によって、大手輸出企業に対する輸出補助金を賄わせる役割を果たす形になってしまっている。
 年間売上高5000万円以下の企業における消費税納税調達資金は、43.2%の企業において代表者借入によって賄われている実態がある。企業規模が小さい場合、消費税前方転嫁が難しく、実際には利益を削るか、借入によって賄われているのが実情である。消費税に対する非難の声は特に零細小売業者から上がっている。私見ではあるが、商店街の衰退は消費税が最大要因ではないかと推測している。

古賀茂明氏のTPP賛成論には承服しかねます。

2016-12-18 15:16:24 | 財政税務
国際経済法
松下満雄
東京大学出版会


■古賀茂明氏のTPP推進論の問題点
 古賀氏はTPPに賛成の主張を行っており、ISD条項の存在を、日本の企業が途上国のルール変更に対抗できるため有利と評している。
 実際のISD条項の運用では、実質的にアメリカが支配している世界銀行下部にある裁判所が非公開一審で結審するという軍事裁判のような裁定が行われている。アメリカにとって有利な判決が乱発される裁判である。
加えて古賀氏は日本の農産物についての信頼性に疑義を唱えている。産地表示や食品の加工過程において、問題があることは確かだが、米国は柑橘類に自国では禁止されている発がん物質を防腐剤として使用している。狂牛病についても日本側に規制緩和を求めている。
 一般的に他国に輸出する農作物には安全基準が緩くなる。これはそれを許容する日本側にも問題がある。対米関係が隷属的であることもあって、米国の農作物は遺伝子加工食品なども含めて特に警戒するべきである。
 TPPに批准すれば関税が引き下がり、しかも、市場が閉鎖的だとみなされればISD条項で訴訟を食らって、日本政府は天文学的賠償の支払いを他国の企業へ行わなければならない。
 仮に関税引き下げ後に米国の食料商社が日本の市場へ輸出攻勢を強めた場合、日本の農業が厳しい状況へ追い込まれるのは確実である。既に米国産の小麦などに押されて、国産米の売上が減少している状態になる。
 自国の食料自給率が低下すればするほど、日本の自立への道は遠のき、より一層米国隷属状態が強化される。

■古賀氏主導による純粋持ち株会社の解禁
 古賀茂明氏の著書『日本中枢の崩壊』の主張は、産業構造を大胆に変えて活力を蘇らせるということだ。
 
 『日本中枢の崩壊』第7章230頁~250頁に純粋持株会社の解禁に至る経緯が書かれている。古賀氏をして「私の官僚人生で最も大きな仕事である」と言わしめた独禁法九条の改正である。
 著書から引用しつつ概要を説明したい。

【引用開始】
(部分的に省略有り)
 日本の独禁法九条では「純粋持ち株会社の禁止」が定められていた。小数の財閥が独占的な地位を利用して経済、そして社会全体を牛耳っていたことが戦争の原因の一つだ。そう考えたGHQは、戦後財閥解体を実施した。経済民主化の柱の一つである。
 財閥は持ち株会社を中心として運営されていたので、占領が解けた後も財閥が息を吹き返さないように、独禁法九条を作って持ち株会社を作れないようにしたのだ。
(略)
 日本の企業のなかには、ほとんど儲からない事業なのに、なかなか撤退せず、横並びで事業を続けているところがたくさんあった。
 多角化して様々な分野に進出していたが、どこかがいつも赤字で、利益率も高いとはいえないうえ、どんぶり勘定になりやすかった。
 子会社は当時でも認められていたが、子会社の資産が全体の半分を以上を占めてはなはならないなど制約が多く、すべての事業を子会社化して独立採算を徹底させるのは不可能だった。
 もう一つ、純粋持ち株会社の解禁が必要だと考えたのは、その頃から世界中でM&A(企業の合併・買収)が非常に盛んになっていたことである。選択と集中という概念もようやく日本で広がり始めた頃だ。
 各社はこれから本格的に戦略的な事業再編に着手するだろう。そのとき、日本の企業だけ持ち株会社という経営形態を封印されていては、自由に事業ごとのM&Aや再編を行うことはできない(M&Aや再編への配慮)

○大蔵省が連結決算を嫌がった理由
 税制の問題。連結決算に関する税制度が必要だが、当時はなく、大蔵省(当時)は法改正に難色を示していた。
 大蔵省が首を縦に振らない理由は二つあった。連結決算は読み解くのが難解で、大蔵省にはそれが分かる人間が三人しかおらず、人材育成もたいへんだし、税の徴収も面倒になるという理由が一つ。
 二つ目は、連結納税を認めると、実質減税になってしまうという理由である。
減税効果がある。連結納税 黒字と赤字で差引き利益は相殺され、税金を収めなくて済む。

○アメリカの系列批判。
 アメリカから公取を強化せよとの要求が来ていた。私は以前、産業構造課で日米構造協議を担当していた。(公取の強化は、日米の懸案事項の一つだった)

○公取に配慮
 公取の事務局を事務総局にする。経済部と取引部を統合して経済取引局に、審査部を審査局に格上げする。
 公取の事務局長は他省庁では局長に当たる。つまり、一番上のポストが次官級ではないのだ。事務総局にすると、そのトップ事務総長は次官級に、部が局になれば、部長は局長へと格上げになる。次官級ポストはゼロから一になり、局長九は一から二に増えるのだ。【引用終わり】

 元来GHQが財閥復活阻止の為に、純粋持ち株会社を禁止。日本の企業は経営多角化を企業内部もしくは一部を子会社化して実施していた。各事業の損益が曖昧だった。世界的に企業の合併・買収の流れにあるので、純粋持ち株会社を解禁すべき(この根拠が薄弱)。連結納税に”当時の”大蔵省は抵抗。アメリカは日本企業の系列を批判、及び公取を強化せよと要求。公取は純粋持ち株会社解禁に反対。しかし、公取格上げを餌にして取引した。1997年12月の独占禁止法は改正され、純粋持ち株会社は解禁された。

 要約するとこうなるのだが、非常におかしい話しだ。純粋持ち株会社解禁→産業再編→同業他社が減りカルテルし易い→一方で公取は強化。産業再編を促進させ、価格協定が結ばれやすい土壌を作る一方で、カルテル取締り強化を行うとは矛盾している。単にアメリカが株式持ち合いを通じて日本企業連合体を形成していた産業構造を、外部から見て分かりやすく、買収しやすくする為のようにもみえる。

■シカゴ学派の独占禁止法の考え方
 松下満雄著『経済法-市場の維持と補完の法-』55頁-58頁から
【引用開始】
 ハーバード学派の思想の根底にあるのは、分権的・多元的社会を理想とする社会体制観である。この思想によれば、権力の集中は腐敗の温床となり、また国民に対する圧政の基になるとされる。このような集権的体制にあっては国民の自由が侵害されるので、権力の集中を防止することが必要になる。政治体制としては、三権分立、連邦制度等により権力の分立とその相互間の抑制・均衡を図り、これによって政治的自由を確保することが必要である。ハーバード学派はこのような分権的体制は経済の領域においても必要であると主張するものである。すなわち、経済権力の集中によって、複数の企業が市場において相互に併存して競争を展開するという分権的・多元的経済体制が危機に曝される。そこで、独占禁止法の適用によって独占の禁止や企業間の競争制限(カルテル)協定を禁止して、多数企業が市場に存在して相互に競争を展開できる条件を維持すべきであるとする。
 ハーバード学派の思想においては、独占禁止法の適用は厳格にすべきであるという結論になる。たとえば、独占的企業はそれが市場において支配的地位にあるという理由で問題視すべきものとなり、市場占拠率が大きな企業はそれが大きいという理由によって危険な存在とみなされ、分割すべきとされる。また、大きな支配力が生ずるような企業合併は原則とて危険視されるべきこととなる。この思想においては、大企業の支配に対して中小企業の企業活動の機会を確保することも重要な事項と考えられる。
 以上のようにこのハーバード学派によると、独占禁止法はカルテルに対して厳格に適用されるべきことはもちろん、さらに独占、企業合併、垂直的制限(たとえば、メーカーが販売特約店に対して課する地域制限、競争品排除等)などについても厳しく規制すべきこととなるのである。
 ハーバード学派は米独占禁止法の伝統的な思想であるが、1939年代のニューディール政策の後期より盛んになり、1960年代の後半から70年代の前半に最盛期を迎えた。しかし、その後、以下に述べるシカゴ学派が有力になった。しかし、現在においても、この思想は米独占禁止法の究極にあると考えることができ、米民主党は伝統的にこの思想を維持している。現在、米行政府は共和党政権であり、シカゴ学派の思想を警鐘しているが、議会においては民主党が優勢であり、この意味において、この思想は米政府にも影響力があるとみるべきだろう。
 これに対してシカゴ学派は現在米国において有力な思想であるが、これによると独占禁止法の目的は、生産量の極大化と経済の効率化の増進にあるとされる。この思想においては、カルテル(企業間の協定によって相互の競争を制限すること、たとえば価格協定)は生産量の極大化や経済の効率化に資することがないので禁止されるべきであるが、独占、企業合併、垂直的制限等を原則的に独占禁止法上違反とすべきではなく、これらが競争にいかなる影響をえたえるかについて、ケース・バイ・ケースに経済分析を行ってそれらの当否を決定すべきであるとされる。
 (略)
 シカゴ学派の思想においては経済権力の集中排除、分権的・多元的経済体制の維持、中小企業の事業活動機会の確保等の「政治的価値」はあまり重視されず、もっぱら経済的価値が追求されているということができよう。この思想は1970年代の半ばより盛んになり、現在はそれの最盛期にあるといえよう。米行政府においては、この思想に基づいて独占禁止法の施行が行われており、最近は裁判所の判例においてもこの思想が有力になりつつある。この思想の背景には、米国の産業が日本等の産業との国際競争に直面しており、経済的効率性を重要視せざるを得ないという事情があるものと思われる。
 ともかく、シカゴ学派の思想によると、独占禁止法の規制はカルテルに対して厳格に行おうべきこととなるが、それ以外のい局面に関してはハーバード学派による場合に比較して、より企業活動にとて寛大なものとなる。そして、この学派の思想による場合には、独占禁止法による規制があまりにも強力であるのと、それ自体が過剰介入となり競争を疎外するとされる。
【引用終わり】

 ハーバード学派は独占、企業合併、垂直的制限を行い経済権力の集中を排除する事を主眼としており、シカゴ学派は産業競争力逓増を主目的して、企業合併に寛容である一方でカルテルに対しては厳格に臨むという方針だ。
 古賀氏はシカゴ学派の思想に基づいて行動してきたと言える。

■校正取引委員会のカルテル摘発が日本産業界疲弊させる。
 以前、「ベアリング」4社価格カルテルの疑いで、強制調査が行われた。その3年前には亜鉛鋼板のカルテルで捜査があった。近年では段ボール製造会社に対するカルテル摘発があった。
 ベアリング各社にしても亜鉛鋼板にしても、価格値上げの背景に原材料価格の上昇があった。一斉値上げには業界取引の混乱を引き起こさない利点もある。原材料価格の値上げを卸し売り価格へ転嫁する事には正当性がある。

 元財務官僚の竹島一彦公取委員長の元、2005年1月に独禁法が改正され、公取は『1.犯則調査権、2.課徴金の強化、3.課徴金減免制度』を手に入れた。
 これによって、公取は国税並の強制(犯則)調査と、「密告すれば刑事罰を見逃してやるとともに課徴金を減免する(課徴金減免申請・リニエンシー)」という日本では前例の無い司法取引制度を得たのだ。

 古賀氏が自画自賛する所によれば、持ち株会社解禁と同時を公取強化するという「取引」を行って、産業構造を改革したそうなのだ。
 ところが、日本では財閥が戦争を産んだ苦い経験から財閥を抑制的にする政策が取られてきた歴史がある。過度のカルテルは摘発されるべきだが、部品の品質維持などを考慮すると一定の価格協定(カルテル)は産業力維持のため合理性がある。それを監督官庁が自らの権力を振りかざして、特捜部と組んで強制捜査を行ったり、過大な懲罰金徴収を行えば、結果的に日本の産業力を低下させて、中長期的に国力の疲弊に繋がっていく。

 そのような悪しき「改革」に邁進した古賀茂明氏がTPPに賛成している。裏を返せばTPPが如何に危険であるかを証明したのである。古賀茂明氏のTPP推進発言には承服しかねますw

格差社会深化の後、津波のごとく押し寄せる国家破産によって、我々は押し流される。

2016-12-17 19:44:22 | 財政税務
1500万人の働き手が消える2040年問題--労働力減少と財政破綻で日本は崩壊する
ダイヤモンド社


■真の困難はこれからやってくる
 格差社会は確かに問題であり、その改善には政権交代が必要とされているのは自明である。労働法制・税制の改悪により、職の不安定や低所得者に対する課税強化や富裕層や高収益法人に対する減税処置が継続している。自由貿易により、ワールドワイド一物一価体制になり、価格競争に耐えられない国内産業の転出が続いている。この産業空洞化も格差社会成因の一つである。
 この格差社会に困窮する人達にとっては塗炭の苦しみにである現状であるが、やがて迫りくる国家破産が到来した折りには中産階級層も没落を余儀なくされる。なぜなら、円という通貨価値が大幅に下落するからである。我々は今が苦しい人はより苦しく、今はそれほど苦しくない人でも苦しくなる時代に突入するのだ。

○日本の破産処理はアメリカが勝手に決める
 1998年に「ハーバード・レポート」が提案され、ローレンス・リンゼーを直接の親分とし、背後にディビット・ロックフェラーが控えている竹中平蔵は国内でハーバード・レポートを実施した。

レポート内容は以下の通り
 日本は金融機関が過剰なので、不良債権処理が進まない。都銀は2~3行、信託は1~2行、地銀と第2地銀は半分に減らす。

○低金利政策は維持する。
○日本の護送船団方式は市場原理に反するので廃止する。
○不良債権を抱えたゾンビ企業は即刻処理する。

 都銀・信託は整理されたが、地方銀行は足利銀行だけ処理された。次は地方銀行合併淘汰の時代と言われている。

 ブッシュ政権内の対日政策官D・アッシャーによる「アッシャー・レポート」は5つの構造改革を迫っている。

○過大な負債(Debt)
○デフレ化した資産市場(Deflation)
○債務不履行の急増(Default)
○高齢化社会への移行(Demograhpy)
○生産性の悪化と過剰な規制(Deregulation)
であり、この5つを即刻改善する必要があるという。

 過大な負債は金利上昇によって顕在化するだろう。個人的な体験では債務不履行は増加している。高齢化社会はまったなし。生産性は電子情報化で上昇していると思われる。但し産業を守るために、規制はある程度必要である。

 ネバダレポートは公務員給与のカットや公務員数の削減を提案しているが、当面実施されず、先に国民資産の略奪が行わると想定される。


■金利上昇で住宅ローン破産激増。国家破産も視野に
 低金利政策で積立型生命保険の利率が切り下げられた。生保の社員がひょっこりやってきて
「こんなん切り下がりました~」
と抜け抜けと書面を置いていくのである。
詐欺だと思うのだが、刃傷沙汰になったという話しは聞かない。

 一方で、低金利で住宅ローンを組んだ人は、利息が少なくなった分、利払い額が減った分だけ得をしたのだが、今後コールレート政策金利の上昇→国債金利の上昇→短期プライムレート→住宅ローン金利の上昇で、住宅ローン破産が増加すると思われる。

 日本政府も巨額の債務を抱えている。市中の銀行が国債を購入できなくなってきたので、日銀が年率80兆円も引き受けている。日銀の国債保有額は400兆円を超え、財務省資産では1%の金利変動で68兆円の損失抱えるとの事だ。
 政策金利が3.5%になると利払いの増加で国家予算が組めなくなる。
仮に景気が過熱して税収が増えたとしても、国債・地方債などの利払いの方が増加して、国家破産に到る危険な状態にあるのが今の日本である。

 現在、我々日本国はアメリカの属国から経済植民地に成り下がった。アメリカの経済植民地になった国はほぼ例外なく国家破産している。その観点からも日本の国家破産は避けがたい。しかも、統治の腐敗に比例して債務も積み上がる傾向がある。表面的には1100兆円の債務だが、返済義務のある郵貯・簡保・年金マネーを足すと1800兆円超、年金の積み立て不足を含めると2200兆円以上の国家債務が存在すると言われている。

 日本も国力がある内は、内政においては財政政策・金融政策・税制などで手の打ちようがあるかと思う。外交においても国際貿易上のカードを持っている。しかし、国家破産してしまえば、円の通貨価値は暴落して、それらの手段も喪失する。我々国民はアメリカ隷属体制及び国内統治の腐敗による挟撃によって悲惨な運命に陥れられる境遇にある。