広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

春の嵐のあと

2012-04-04 21:39:45 | 秋田の季節・風景
猛烈に発達した、いわゆる「爆弾低気圧」により、日本各地で大きな被害や影響が出た。
関東地方では昨日の午後から夜にもっとも影響を受けた。気象庁が事前に外出を控えることを呼びかけたことや、東日本大震災発生時の帰宅困難者の大量発生の反省のおかげだろうか、多くの人が早めに帰宅して、大きな被害はなかったようだ。

昨日の夜から今朝にかけては、主に北陸から東北地方の日本海側が低気圧の影響を受けた。
いつもの台風でも同じだが、マスコミは関東地方が影響下になくなると、報道しなくなってしまう。今回もあまり報道されないが、日本海側各地では、大きな被害が出ている。台風以上の被害と言える。


秋田市は、昨日(3日)の22時頃から風が強くなった。特に4日の2時から6時にかけては、風速20m/s以上の風が吹き続け、4時53分には4月としては観測史上最高の最大瞬間風速40.8m/s(西南西)を観測。
昼間も10m/s以上の風が吹き、夕方になってやっと収まったかなという印象。
4日の午前中は一時雪が降ったが、3日から通しても雨も雪も降水量としてはわずか。4日午後は晴れ間ものぞいた。4日の最低気温は0.6度、最高気温6.2度。

未明の強風はすごかった。強いだけでなく、風が吹き続ける時間が長かった。我が家は時折家全体が揺れるほどで、こんなに強いのは久々。秋田市は秋から冬に風が強いことはよくあるが、春は珍しい。


被害としては、まず停電が各所で発生。
東北電力管内全体では、今朝6時で約22万6千戸、18時でも7万7千戸が倒木や飛来物による設備破損などで停電している。
なかなか復旧が進まないのは、停電箇所が多いことと、風が収まらなくて作業に手を付けられない場所があるためだそうだ。復旧が明日以降になるところもあるとか。
東日本大震災の時は、被災地以外では設備の損傷がほとんどなかったから、管内ほぼ全域が停電したのに復旧が早かったのであり、個別に何か所も停電している今回とは違うわけだ。

県別の停電戸数では秋田県が圧倒的に多く、6時で10万戸、18時で7万戸。
秋田市では17時現在で21935世帯が停電。飯島、土崎、八橋、広面、牛島、新屋の各一部など、ほぼ全域で散発的に停電しているようだ。
新国道や山王大通りでは信号機が停電し、非常用発電機で対処している所もあるし消えたままの所もあった。

そして、各地で電柱や木が倒れたり折れたり、屋根や看板が飛ぶといった被害が出て、道路が通行止めになった所があった。
各所からの情報をまとめると、電柱が国道7号線のJR下浜駅前で傾き、臨海十字路そばの秋田朝日放送本社前では折れた。JAビル前の「臨海十字路」バス停の上屋が倒れたとか。
それらの対応のために消防署は忙しかったようで、昨夜から昼まで消防車のサイレンが何度も聞こえていた。

鉄道や航空は午前中はほとんど運休。午後から一部が動き出した。
秋田市立の小中学校はまだ春休み中(6日が始業式のようだ。昔は4日からだったが、前・後期制で変わったのか)なので、特に影響なし。
土崎の市立港北小学校では、グラウンドの木が倒れたそうだ。


秋田市中心部の模様。
閉鎖するとかどうとかいう「イーホテルショッピングモール(旧AD)」と同じ建物の「イーホテル秋田」。かつての秋田ワシントンホテル。
青空が広がる
壁面から道路に出ている縦長の看板が風で壊れていた。
 「イー・秋田」と「イー・ホ秋田」
※その後の対処はこちら


広小路沿いの木内向かいにできたポケットパーク。展望デッキに立ち入りできるようになっていたが、風でお堀が波立っていて、ぷかぷか揺れていた。
2本の木が傾いていた
西からの風で同じ方向に傾き、ロープで結ばれていた。植えられたばかりで倒れやすかったようだ。


千秋公園。
二の丸広場を北から見る
上の写真、マル1の場所は、表門を通って本丸へ上がる階段の上り口で、売店がある(冬季閉鎖中)。
その売店ですが?
横の階段が通行止めになって、クレーンが来ていた。なぜなら、
売店の屋根に倒木が!
階段脇にあった松の木(アカマツ?)が根こそぎ倒れて、売店の上へのしかかっていた。
根元付近
階段の脇の石を巻き込んで倒れていた。

さらに上の広場全景写真のマル2。
売店からは二の丸広場を挟んだ向かい側で、東屋がある。
ここも!
こちらは並んでいた2本の常緑針葉樹がいっしょに倒れて、東屋に覆いかぶさっていた。
 
これも根こそぎ倒れている。
思ったほど根は深くなさそう(地中に残っているのだろうけど)

過去の写真から、倒れる前のこの木の姿。
 (再掲)左の緑の木が今回倒れた木だと思われる

 (再掲)右側の2本
この外側は土手になっているが、その上でも松の木が倒れていた。

その部分を、公園の外側から見る。公園の東側に当たり、脳研・成人病医療センターの向かい、お堀(黒門の堀)とバス駐車場付近。
斜面でも
何かの落葉樹(コブシだろうか?)が、倒れていた。


これは根こそぎでなく、根元付近で幹が折れている


さて、以上の倒れた木々の場所を地図上に示してみる。
Googleマップより【5日訂正】「マル4」は実際はもう少し上の位置でした。
1が売店、2が東屋、3が東斜面。
道路の向かい側、脳研・成人病医療センターの隣接地に、かつての「秋田県立衛生看護学院」(現在は横手へ移転)だった建物があり、その敷地内でも松が1本倒れていたのが「4」。
この周辺の木は倒れていないし、大きな枝が折れたようなものも見受けられなかった。
ほぼ一直線上にある木だけが倒れていることになる。どれも東側へ倒れているので、強い西風が通り抜けたのだと考えられる。(公園内のほかの場所でも倒れた木はあったとのこと)
木以外の建物などには被害が見受けられないが、一種の弱い竜巻みたいなものが起こったのかもしれない。

【5日追記】千秋公園の二の丸と本丸では、他にも大きな木が何本か倒れていた。続きはこちら
【11日追記】11日付秋田魁新報秋田市地域面によれば、千秋公園内で「約30本の樹木が倒れる被害が出ていた」そうで、東斜面の倒木はやはりコブシとのこと。

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3 コメント

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春の嵐のあと (オタチ)
2012-04-05 15:49:56
自販機が倒れたり、ローソンの小さい看板が倒れたりしていましたね。信号機の向きが変わっている場所がいくつか。真横になってしまった歩灯(歩行者用信号)もありました。木が倒れて道路が半分塞がっていたり、電柱が倒れたのか手形の方で通行止めになっている道路があったり。いろいろ倒れましたね。
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低気圧 (FMEN)
2012-04-05 19:45:14
東日本大震災やりんご台風並みの爪痕になりましたね。
標識がそっぽを向く、鉄柱が折れる、箱が飛ぶ、看板が落ちる、プレハブがめちゃくちゃになる…
地獄絵図でした。
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コメントありがとうございます (taic02)
2012-04-05 23:24:29
>オタチさん
小屋がひっくり返ったところもあったそうで、まさに暴風です。
倒木で通行止めになった道路がいくつかあり、秋田市郊外では路線バスが迂回している箇所がいくつかあるそうです。
微妙に向きが変わった信号機とか、フードが取れたのもありました。視認性には支障がなさそうですが。

>FMENさん
りんご台風は1991年でした。あの時もすさまじかったですが、今回はそれ以上かもしれません。
40m/sは山王の気象台の観測であり、海沿いはそれ以上だったのでしょう。
今回はビニールハウスの被害が多かったようですが、果樹はどうだったか心配です。塩害も。
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