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ポスター掲示板 若干変更

2021-03-15 21:01:26 | 秋田の季節・風景
統一地方選挙の年ではないが、今年の春の秋田は選挙の季節。
秋田市では、県知事、市長、県議補欠、市議補欠の4選挙が、4月4日投票で実施。

当ブログで選挙といえば、選挙ポスター掲示場(掲示板)である。
これまで取り上げたように、秋田市では秋田杉の間伐材を用いた木目が美しい掲示場
県議選と市議選が数週間ずれて行われる統一地方選の年は、巨大な掲示板を有効活用(前回2019年)しているし、知事選が無投票だった2013年にもアクロバティックな活用がされていた(急に新しい立候補者が出たら、大変だったけど)。
今年2021年は、知事選、市長選とも、動きが活発なようで、それぞれの掲示場を用意しなければならない。

例によって、委託業者による掲示場設置作業開始が、秋田市選挙管理委員会からマスコミへ公開された。3月5日9時、秋田市役所庁舎前のこと。
それと近い時間には、市役所向かいの秋田県庁において、これも恒例の秋田県選挙管理委員会から県内各地への知事選用投票用紙の発送も公開された。マスコミは取材しやすかったことでしょう。2017年同様、「ひっこし専門」と書かれたトラックが投票用紙を運ぶという、不思議な光景だったが。

秋田市の掲示場は、翌日の秋田魁新報では「16日までに582カ所に設置」「2019年7月の参院選より13カ所減った。」と伝えている。全体にいつもどおりの報道内容。
しかし、その他テレビも含めて、写真や映像を見ると、これまでの秋田市の掲示場とは変化しているのに気付いた。
秋田市のポスター掲示板になじんだ人なら、「あれっ?」と感じることが多いと思うのだが、確認した限り、どのマスコミも言及していないのが不思議。気付かないのかな。

自分の目で実物を見たくなったのだが、ほかの場所にはなかなか設置されない。
16日までに設置を終えればいい契約で問題ないが、これまでの例では、マスコミ公開されて2~3日中には、設置が終わっていたはず。今年は5日くらいかかった。
なお、秋田市では市内を7地域に分けて入札。雄和、河辺以外は1ブロックにつき各100枚弱になるように調整しているようで、地域区分は独特。各板面記載の「設置番号」の最初の数字がブロック番号。
秋田駅西口からいちばん近い久保田町交差点付近ポケットパーク前
掲示板が傾いて見えるが、ここの広小路は緩い坂になっているから。2枚の間に微妙な空間が生じているのは、報道時の市役所前でも、ほかでも同じ。

ここで、これまでの掲示板と比べると、
(再掲)2009年。鷹匠橋保戸野側
ここは広小路よりも急な坂。こちらは脚の長さを変えて、掲示板が傾いて見えないように設置。
同じ場所逆方向から今回。板上辺が揃うようにさらに工夫して設置している

掲示板の変化とは、そのサイズというか掲示枠のレイアウトが変わったと言えばいいのか。
今回のような6枠の場合、従来は縦2枠×3で掲示板全体として「横長」だったのが、今回は3枠×2で「縦長」に見える。
NHK秋田も魁も、縦1.8メートル×横1.3メートルと報道しているのだが、この高さは、脚を含んでいる。
入札資料によれば、板面本体は縦横とも1365ミリの正方形だった。各掲示枠も左のタイトル部分も、各455ミリ。

選挙ポスター掲示場というものは、1983(昭和58)年頃に初めてできたらしい。だから、記憶にあるいちばん古い掲示場=最初期の掲示場かもしれない。そんな中で、少なくとも秋田市ではこんな形状の掲示板は覚えがない。
変更した目的としては、複数の選挙の掲示板を並べるだけに、横方向に場所を取らないための工夫なのだと思う。今後、単独の選挙の時はどうなるか。

(再掲)2009年保戸野小学校正門横

今回
段差があって路面より高い位置に設置する場合、従来はそれでも他と同様の脚を付けていたが、現在は脚の長さを調整するようだ。見やすさ貼りやすさは、どっちがいいかな。
中通小学校グラウンド。この程度の高さだと通常の脚か
先週末までに、知事選と市長選の掲示場は設置が終わったようだ。設置~撤去の入札は4選挙のうち、この2つ分をまとめて行い、補欠選2つ分は別らしい。入札がどうなっているのかは分からないが、いずれもやらないといけないはず…
中通小は設置番号「4-94」。続番の4-95が道路2本東の堀反町街区公園にあった。
フル設置!
県議補選と市議補選も設置済み。ほかのエリアでも、ごく一部だけ4枚が揃った掲示場があるが、15日時点でも2枚だけの場所のほうが多い。設置番号とその筆跡は4枚同じだから、同じ業者が設置したっぽいけれど。どういう事情なんだろう?
揃った4枚は、左から知事、県議、市長、市議。市議は3×4=12枠だから、幅は2275ミリ。従来なら2×6の横長だったろうか。
これでも4選挙で7メートルは取ってしまう
選挙の告示日(今回は「公示」ではないそうだ)、つまりポスターが貼られる日は、知事18日、県議26日(県選管も市選管もサイトに情報が見当たらないのだが)、市長と市議28日。並び順は告示日順だが、設置される順番はそうではない。


実は(おそらく)今回から、秋田市の掲示場にもう1つ、変化があった。うかつにも、これまで気に留めていなかった。
今回。印刷状態も撮影状態も良くないですね。手書きの設置番号がバカデカイ

2013年
投票所検索へのQRコードは2014年からなので、別として。それに現行の左側の説明文は、文字が小さくなって見づらいのも別として。あと、投票日に(日)と曜日が入ったのも別(2019年時点ですでに曜日入り)。

説明文の文字と掲示枠の番号の書体が変わった! ※書体について詳しくは、当ブログ「文字・書体」カテゴリー参照。
現在はモリサワ「新ゴ」。以前は注意書きや番号は写研「ナール」、選挙名などは同「ゴナ」だと思う。文字の大きさの違いもあるし、新ゴもいいフォントだけど、やはりナールは読みやすい。でも、QRコードが入るようになってもなお、前回までナールだったとは意外。

ナールは1983年時点には存在していたがその時点でナールだったのだろうか。でも当時のお役所でナールを採用するのはまだ勇気が要ったかもしれない。
でなければ、ナールが道路標識(案内標識)の事実上標準書体となったのは1986年頃。それをきっかけにして、公的機関でもナールの使用分野と頻度が広がったと思うから、その流れか。ゴナも1983年にはあった。
そして、ナールはパソコンでは使うことができず、21世紀に入ると道路標識以外ではほぼ使われなくなったが、秋田市の選挙掲示板では使い続けた。
ところが、印刷屋側の事情か何かで、写研書体が使えなくなるか、もうナールにこだわる必要はないと判断して、新ゴに変えたといったところでしょう。
でも、2024年には写研書体がパソコンで使えるようになりそう。あと1期持ちこたえれば、次のこれらの選挙でも、ナールが見られたかもしれない。惜しい。


ところで、入札の資料には、7ブロックそれぞれ、掲示板面に印刷する内容も示されている。内容は同じ。だから、受注した業者がそれぞれ注文するから、地域によって若干内容に差があるのだと思いこんでいたが、違うらしい。
今回の資料をよく読めば「秋田市~花巻市愛宕町」の「掲示板印刷場運搬費」の項目があった。全ブロックとも必ずそこで印刷しないといけないらしい。
だったら、全市分の印刷~輸送を別に一括発注して、設置する各業者に配ったほうが無駄がないのでは、というのは素人考えか。
さらに、秋田杉=秋田県産だし、板は秋田市内の秋田プライウッドで作っていたはずだから、秋田県内で完結する地産地消の掲示板だと思っていたのも、少々違ってくる。印刷のためにいったん県外へ出して戻すというのは…【4月9日追記・その花巻市の2018年の掲示場を取り上げていた。秋田のと似ている。】
【2021年10月9日追記】花巻での印刷について。
衆議院議員選挙を控えた2021年10月5日のIBC岩手放送のローカルニュースで「衆院選19日公示 選挙用掲示板づくり急ピッチ/岩手・花巻市」として、花巻の印刷工場が紹介されていた。
・花巻で染物や印刷物の注文を請け負う「小彌太」です。1955年から掲示板や七つ道具と言われる選挙用の商品を作っています。
・小彌太には岩手を中心に秋田、青森、山形の各県から合わせて1万5000枚の注文が寄せらせています。
とのこと。


投票所入場券/期日前投票宣誓書のハガキも届いた。期日前で4選挙を同時に投票できるのは29日以降とのこと。
ハガキの構成は2019年と変わらないが、新型コロナウイルス感染症対策の注記が入った。
入場券となる宛名面には、
「☆投票所においでの際は、マスクの着用をお願いします。」
ちなみにフォントは「モトヤ明朝」「モトヤゴシック」。昔の多くのメーカーのワープロ専用機や以前の魁の小見出しでおなじみ。丸ゴシックは「モトヤマルベリ」。

裏の期日前投票用の面は、従来は宣誓書をあらかじめ記入して持参するよう書かれていた最上段の反転印字部分に、
「発熱や咳が出るなど体調のすぐれないかたは、投票所の係の者に声をかけてください。」

消毒液設置や鉛筆の都度消毒、各自持参可能など、投票風景もこれまでと違うものになりそう。

秋田市の掲示場の続き&県内他市の掲示場について
コロナが落ち着いた2023年の入場券

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2 コメント

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Unknown (FMEN)
2021-03-17 19:01:52
追分で今日やっと立ててるのを見ました。
7号は向かいで別な選挙になるので気をつけないとなりませんが…
ところで、ジグソー型のプラコンパネを選挙によって組み替えて広さを変えて、スペースを転写シール方式ではりつけにはムリなんでしょうか。
臨時の床材で使うようなやつ。
画鋲が通らないのがネックだったりするとか?
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素材 (taic02)
2021-03-18 00:22:28
今回は設置がゆったりしています。
市外に向けて設置しても、脇道よりは多くの目に入っていいのかも。
県外では再利用する金属板を使うところがありましたが、画鋲は使えないですよね。強風で壊れたり飛ばされたりしないような耐久性や、県産材使用と環境配慮の意味が大きいのかもしれません。
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