※順不同で続いている、八戸旅行記(前回の記事)。青森県南部地方の話題ですが、便宜上、津軽カテゴリーとします。
この記事やこの記事で取り上げたように、青森には「しとぎ(粢)」と呼ばれる食べ物がある。
そして、それは西側の津軽地方と東側の南部地方で、違うものらしい。
津軽のしとぎは、米粉であんこを包んで焼いた「しとぎ餅」。秋田県で言うところの「おやき」と同じものである。(秋田のおやきは、信州のおやきとはまた別物であり、さらに津軽では大判焼きのことをおやきと呼ぶ)
(再掲)弘前で買ったしとぎ餅
一方、南部のしとぎは、大豆を使った「豆しとぎ」だと聞いていたが、いまいちイメージが湧かないでいた。
八戸へ行った時、本八戸駅の高架下に「ふるさと市場」なるお店があって、リンゴなどを安く売っていたので、購入。(津軽だけでなく、南部もリンゴ産地である)
すると、レジの近くに、農家の人が作ったお菓子類が少々置いてあり、その1つが、
これが豆しとぎだ!
八戸市の南隣・南部町の農家が作った「青豆しとぎ」の名称で、200グラム250円。
原材料は「青豆、上新粉、砂糖、食塩」のみ。
大豆は黒豆を使う場合もあるそうだが、一般的には青豆(だから緑色なんでしょう)。東北地方では、青豆が好まれる。
つぶした豆と米粉をまぜて、成形したものが「豆しとぎ」。つぶし具合や米との配合割合は、製造元(家庭)ごとに違うそうだ。
輪切りにして食べる。軽く焼いて食べることもある。形状は、断面が長方形や台形だったり、もっと大きい小判型のものも存在するようだ。
鮮やかな若草色の塊
断面。つぶつぶが分かるでしょうか
味は、きなこの味(駄菓子の「きなこねじり」のような)をイメージしていたが、それとはちょっと違う。完全なペースト状ではなく、豆を砕いたつぶつぶ感もあり、宮城などの「ずんだ」によく似ている。原料が同じなんだから当然だけど。
食感は、そのずんだを「ぎゅっ」として水分を減らした感じ。水分はきなこねじりほど少なくはない。
個人的には、嫌いじゃないけど、大好きでもない食べ物だった。今回は生で食べてしまったので、焼くとまた違うかもしれない。
しとぎ餅と豆しとぎ。同じ県の同じ名前の食べ物が、これほどまで異なるとは驚いた。洋菓子のタルトと愛媛のタルト並みの違いだ。津軽と南部の文化の違いを象徴付けるものの1つと言えよう。
【15日補足】秋田市にある、米のしとぎを使った菓子を製造販売する「一乃穂」には、「しとぎ豆がき」という製品がある。これは、米(のしとぎ)で作ったおかきの中に、黒豆が豆粒のまま入っているもの。南部の豆しとぎとは無関係。
ところで、青豆しとぎの隣に、同じような雰囲気がするお菓子がもう1種類あったので、購入。生産者も同じ。
豆ぎんとん 10個290円
「豆ぎんとん」とは初耳。「豆の金団(きんとん)」ということ?
見た目は、豆しとぎよりもきなこねじりっぽい。原材料は、「青豆きなこ(南部町産)、水飴、こしあん…」。
うぐいす餅じゃありませんよ(ちょっと小さい)
柔らかめのきなこねじりのような、固めたきなこの中にこしあんが入ったもの。2口ほどで食べられるサイズ。
きなこinあんこ【10日訂正】あんこinきなこだから、元を正せば豆in豆。
予想通りの味で、これは好き。きなこやあんこが好きな方なら、好むでしょう。
ネットで調べても、豆ぎんとんのことは分からない。(おせち料理の栗きんとんの豆版のことばかり)
いやはや、南部の、いや青森の、いやいや日本の食文化は、まだまだ奥が深い。
※旅行記の続きはこちら
この記事やこの記事で取り上げたように、青森には「しとぎ(粢)」と呼ばれる食べ物がある。
そして、それは西側の津軽地方と東側の南部地方で、違うものらしい。
津軽のしとぎは、米粉であんこを包んで焼いた「しとぎ餅」。秋田県で言うところの「おやき」と同じものである。(秋田のおやきは、信州のおやきとはまた別物であり、さらに津軽では大判焼きのことをおやきと呼ぶ)
(再掲)弘前で買ったしとぎ餅
一方、南部のしとぎは、大豆を使った「豆しとぎ」だと聞いていたが、いまいちイメージが湧かないでいた。
八戸へ行った時、本八戸駅の高架下に「ふるさと市場」なるお店があって、リンゴなどを安く売っていたので、購入。(津軽だけでなく、南部もリンゴ産地である)
すると、レジの近くに、農家の人が作ったお菓子類が少々置いてあり、その1つが、
これが豆しとぎだ!
八戸市の南隣・南部町の農家が作った「青豆しとぎ」の名称で、200グラム250円。
原材料は「青豆、上新粉、砂糖、食塩」のみ。
大豆は黒豆を使う場合もあるそうだが、一般的には青豆(だから緑色なんでしょう)。東北地方では、青豆が好まれる。
つぶした豆と米粉をまぜて、成形したものが「豆しとぎ」。つぶし具合や米との配合割合は、製造元(家庭)ごとに違うそうだ。
輪切りにして食べる。軽く焼いて食べることもある。形状は、断面が長方形や台形だったり、もっと大きい小判型のものも存在するようだ。
鮮やかな若草色の塊
断面。つぶつぶが分かるでしょうか
味は、きなこの味(駄菓子の「きなこねじり」のような)をイメージしていたが、それとはちょっと違う。完全なペースト状ではなく、豆を砕いたつぶつぶ感もあり、宮城などの「ずんだ」によく似ている。原料が同じなんだから当然だけど。
食感は、そのずんだを「ぎゅっ」として水分を減らした感じ。水分はきなこねじりほど少なくはない。
個人的には、嫌いじゃないけど、大好きでもない食べ物だった。今回は生で食べてしまったので、焼くとまた違うかもしれない。
しとぎ餅と豆しとぎ。同じ県の同じ名前の食べ物が、これほどまで異なるとは驚いた。洋菓子のタルトと愛媛のタルト並みの違いだ。津軽と南部の文化の違いを象徴付けるものの1つと言えよう。
【15日補足】秋田市にある、米のしとぎを使った菓子を製造販売する「一乃穂」には、「しとぎ豆がき」という製品がある。これは、米(のしとぎ)で作ったおかきの中に、黒豆が豆粒のまま入っているもの。南部の豆しとぎとは無関係。
ところで、青豆しとぎの隣に、同じような雰囲気がするお菓子がもう1種類あったので、購入。生産者も同じ。
豆ぎんとん 10個290円
「豆ぎんとん」とは初耳。「豆の金団(きんとん)」ということ?
見た目は、豆しとぎよりもきなこねじりっぽい。原材料は、「青豆きなこ(南部町産)、水飴、こしあん…」。
うぐいす餅じゃありませんよ(ちょっと小さい)
柔らかめのきなこねじりのような、固めたきなこの中にこしあんが入ったもの。2口ほどで食べられるサイズ。
予想通りの味で、これは好き。きなこやあんこが好きな方なら、好むでしょう。
ネットで調べても、豆ぎんとんのことは分からない。(おせち料理の栗きんとんの豆版のことばかり)
いやはや、南部の、いや青森の、いやいや日本の食文化は、まだまだ奥が深い。
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