来春からの消費税増税が決まり、庶民の負担が増えるのは確実。
それ以前に、円安や原料価格の高騰により、いろいろな商品(特に日常的に購入する食品)がじわじわと値上がりしている。
といっても、今に始まったことではなく、2009年春頃には、ヨーグルトメーカー各社が、内容量を500gから450gに減量して、実質値上げを実施。
現在では、プライベートブランドも含めて、「ヨーグルトは450g」が定着してしまっている。
こうして、知らず知らずに負担は増えているのだ。今年もまた。
●お値段そのまま、量は…
はごろもフーズのシーチキンシリーズの一部が5月に値上げされたほか、我が家で愛用する「シーチキンマイルド(いちばん安い、カツオが原料の製品)」は6月1日出荷分から1缶80gから70gに減量された。
2009年のヨーグルトと同じく、値段を据え置き量を減らす、実質値上げ。
※セブンプレミアムのシーチキンマイルド(プライベートブランドなのにナショナルブランドとの“ダブルブランド”というのがおもしろい)は、80gのままらしい。
【12月13日追記】雪印メグミルクのヨーグルト「ナチュレ恵」の400グラム入りは、9月末で砂糖の添付をやめた。これも実質的な値上げと言えるだろう。
●リニューアルという名の…
「成分調整牛乳」という牛乳がある。
要は、牛乳から乳脂肪分をちょっとだけ除去して軽い飲み口にし、さらにお値段も控えめにした商品。
各プライベートブランドは別として、その代表的商品が森永乳業「まきばの空」。これが10月1日からリニューアルした。
左がリニューアル後、右が以前のもの
青基調のパッケージの正面は、「あじわいすっきり!」と小さく表示が加わった以外は、まったく変化なし。スーパーでの価格も同じ。もちろん、1000mlの容量も変わらない。
バーコードの番号は変わっていた。
森永乳業の9月24日付リリースによれば、10月に500ml紙パック(「ゲーブルトップ」と言うそうです)を新たに発売し、さらに「これを機に、近年のお客さまの嗜好にあわせ、よりすっきりとした味わいにリニューアルいたします。」とのこと。
容器側面の成分などの表示はレイアウトも内容も変更されていた。それを見ると、脂肪分や殺菌方法は新旧で変化なし。
ところが、栄養成分表示は変わっていた。
左が新、右が旧
いずれも200ml当たりで、エネルギーは111kcal→101kcal、脂質5.2g→4.1gと減った。たんぱく質、炭水化物、ナトリウム、カルシウムは変化なし。
つまり、今までより「薄まった」?
ただし、成分調整牛乳は、水分の除去または脂質の除去しかできないから、水で薄めたわけではない。(タンパク質、カルシウムなどが減っていないことからも分かる)
今までよりも、より多くの脂肪を除去するようにしたのだろう。
ということは、これも一種の値上げじゃないだろうか。
「お客さまの嗜好にあわせたリニューアル」を“口実”に、薄める(除去した脂肪はバターなどの原料に回せるそうなので)ことによって。
リニューアル後の商品をまだ飲んでいないけれど、まあ、この程度の変化じゃ、(人によるでしょうけど)味に大差なさそうだし、多少カロリー控えめ・脂肪控えめで悪くないかもしれない。
【3日追記】飲んでみたけど、やっぱり以前との違いは分からなかった。味にこだわる方は、成分調整じゃないほんとうの「(種類別)牛乳」を選べばいいわけだし。
●値下げしたのに???
最後は、まったくの謎であり、腹立たしくなる値上げ。事情に詳しい方がいらしたら、からくりを教えてほしい。
明治(旧・明治乳業)の「ブルガリアのむヨーグルト」。(「飲む」じゃなく「のむ」なんだ)
9月16日からリニューアルされている。大きな変化は、容器が1000mlの紙パック(こちらでは「ゲーブル容器」と呼称)から、900gの紙とプラスチック製のネジ式の広口のフタ付き容器に変更したこと。
注ぎやすさ、清潔感、そして世帯当たり人員の減少に伴う最適容量を追求したということらしい。味も若干変わった。(9月11日付リリースより)
左が新容器、右が従来の容器
大きなフタ
新しい容器は、上部だけがプラスチックで下は牛乳パックと同じみたい。じゃあ、下は開いてリサイクルに出していいの?
これもごちゃごちゃとリニューアルの理由を並べてはいるものの、量を減らしたわけだから、価格据え置きで実質値上げかと思った。ところが…
従来の1000ml紙パックはメーカー希望小売価格は税抜き310円だったという(報道より)。
これが900g新パックでは、同236円になる。
どろっとしたのむヨーグルトは1ml=1gではなく、新容器の表示には「100mlは106gに相当します。」とある。
グラム当たりの価格を計算すると、
これを伝える日本経済新聞では「原料高で食品値上げが相次ぐなか、値下げによる需要喚起は異例。高機能商品に流れる顧客を取り戻すことを狙う。」としていた。
旧容器のメーカー希望小売価格は税込みで325円だが、各店舗の実売価格はずっと安かった。
スーパーでは、230円前後で売るところと税込み198円で売るところに二極化していた。
希望小売価格と実売価格の差が大きかったとはいえ、リニューアルに伴ってメーカー希望小売価格が下がるのだから、当然、店頭価格も下がり、我々消費者は安く買えると期待していたのだが…
結論を述べると、なぜか各店舗での小売価格は以前より高くなっている。量が減って、さらに値段も上がっていて、メーカーの言い分とは違っている。
(前から200円台のところは置いておいて)秋田市内で以前198円で売られていたのを確認している店舗は、イオンリテール、マックスバリュ東北、ザ・ガーデン自由が丘西武。(たぶんドン・キホーテやジェイマルエーもそうなんだろうけど、行かないので)
マックスバリュでは、リニューアル後も198円で売られているが、量は減ったのだからこれでも値上げ。【13日訂正】マックスバリュ東北の198円も期間限定だった。終了後は220円くらいになってしまった。
さらにイオンやガーデンでは、なぜか200円台に上がってしまっている。(しかもガーデンでは、一時期、入荷していなかった)
秋田以外の各地でも、同様の傾向のようだ。
明治がリニューアルと値下げを発表した時は、一部のニュースサイトが取り上げ、それに対して好意的な感想を述べるネットユーザーがいた。
しかし、この状況では、メーカーが値下げしたのに、消費者までそれが浸透しないどころか、結局は逆に値上ってしまっている。消費者の期待を裏切るというかぬか喜びさせたというか、欺いていると言っては言い過ぎだろうか。
日経が伝えていた「値下げによる需要喚起」なんてウソじゃないか。結局は値上げなんだ。末端の消費者にしてみれば。
これは小売店が悪いのだろうか。
でも、どこのスーパーも揃って値下げしないところを見ると、そうでもないような気がする。
例えば、メーカーが希望小売価格を引き下げても、小売店への卸価格は下げておらず(もしくは値上げして)、小売店としては小売価格に転嫁せざるを得ないとか。(根拠のない素人の憶測です)
明治へ苦情を言ったとしても、「希望小売価格はあくまで弊社の『希望』です。お客さまへお売りする値段は各小売店が判断して決めており、弊社は関知しておりません」と言い訳(言い逃れ)することができるだろう。
事情はまったく分からないが、不信感が募ってしまうリニューアルである。
【5日追記】日清ヨーク「十勝のむヨーグルト」は紙パック1000gのメーカー希望小売価格が税抜き310円。これをイオンリテールでは178円で販売している。(ブルガリアの新容器はこの1週間ほど限定で特売で198円になっていた)
やっぱりブルガリアは卸値が高いのだろうか。
メーカーや小売店も努力の限界で、仕方なく値上げしているのだろうから、消費者としても理解して協力してあげたい。それなのにトリッキーなことをされると、消費者の信用を失ってしまうよ。
こんな調子で消費税増税の時も小細工をしてくる所が出てしまいそう。せめて、それを見抜ける賢い消費者でありたい。
それ以前に、円安や原料価格の高騰により、いろいろな商品(特に日常的に購入する食品)がじわじわと値上がりしている。
といっても、今に始まったことではなく、2009年春頃には、ヨーグルトメーカー各社が、内容量を500gから450gに減量して、実質値上げを実施。
現在では、プライベートブランドも含めて、「ヨーグルトは450g」が定着してしまっている。
こうして、知らず知らずに負担は増えているのだ。今年もまた。
●お値段そのまま、量は…
はごろもフーズのシーチキンシリーズの一部が5月に値上げされたほか、我が家で愛用する「シーチキンマイルド(いちばん安い、カツオが原料の製品)」は6月1日出荷分から1缶80gから70gに減量された。
2009年のヨーグルトと同じく、値段を据え置き量を減らす、実質値上げ。
※セブンプレミアムのシーチキンマイルド(プライベートブランドなのにナショナルブランドとの“ダブルブランド”というのがおもしろい)は、80gのままらしい。
【12月13日追記】雪印メグミルクのヨーグルト「ナチュレ恵」の400グラム入りは、9月末で砂糖の添付をやめた。これも実質的な値上げと言えるだろう。
●リニューアルという名の…
「成分調整牛乳」という牛乳がある。
要は、牛乳から乳脂肪分をちょっとだけ除去して軽い飲み口にし、さらにお値段も控えめにした商品。
各プライベートブランドは別として、その代表的商品が森永乳業「まきばの空」。これが10月1日からリニューアルした。

青基調のパッケージの正面は、「あじわいすっきり!」と小さく表示が加わった以外は、まったく変化なし。スーパーでの価格も同じ。もちろん、1000mlの容量も変わらない。
バーコードの番号は変わっていた。
森永乳業の9月24日付リリースによれば、10月に500ml紙パック(「ゲーブルトップ」と言うそうです)を新たに発売し、さらに「これを機に、近年のお客さまの嗜好にあわせ、よりすっきりとした味わいにリニューアルいたします。」とのこと。
容器側面の成分などの表示はレイアウトも内容も変更されていた。それを見ると、脂肪分や殺菌方法は新旧で変化なし。
ところが、栄養成分表示は変わっていた。

いずれも200ml当たりで、エネルギーは111kcal→101kcal、脂質5.2g→4.1gと減った。たんぱく質、炭水化物、ナトリウム、カルシウムは変化なし。
つまり、今までより「薄まった」?
ただし、成分調整牛乳は、水分の除去または脂質の除去しかできないから、水で薄めたわけではない。(タンパク質、カルシウムなどが減っていないことからも分かる)
今までよりも、より多くの脂肪を除去するようにしたのだろう。
ということは、これも一種の値上げじゃないだろうか。
「お客さまの嗜好にあわせたリニューアル」を“口実”に、薄める(除去した脂肪はバターなどの原料に回せるそうなので)ことによって。
リニューアル後の商品をまだ飲んでいないけれど、まあ、この程度の変化じゃ、(人によるでしょうけど)味に大差なさそうだし、多少カロリー控えめ・脂肪控えめで悪くないかもしれない。
【3日追記】飲んでみたけど、やっぱり以前との違いは分からなかった。味にこだわる方は、成分調整じゃないほんとうの「(種類別)牛乳」を選べばいいわけだし。
●値下げしたのに???
最後は、まったくの謎であり、腹立たしくなる値上げ。事情に詳しい方がいらしたら、からくりを教えてほしい。
明治(旧・明治乳業)の「ブルガリアのむヨーグルト」。(「飲む」じゃなく「のむ」なんだ)
9月16日からリニューアルされている。大きな変化は、容器が1000mlの紙パック(こちらでは「ゲーブル容器」と呼称)から、900gの紙とプラスチック製のネジ式の広口のフタ付き容器に変更したこと。
注ぎやすさ、清潔感、そして世帯当たり人員の減少に伴う最適容量を追求したということらしい。味も若干変わった。(9月11日付リリースより)


新しい容器は、上部だけがプラスチックで下は牛乳パックと同じみたい。じゃあ、下は開いてリサイクルに出していいの?
これもごちゃごちゃとリニューアルの理由を並べてはいるものの、量を減らしたわけだから、価格据え置きで実質値上げかと思った。ところが…
従来の1000ml紙パックはメーカー希望小売価格は税抜き310円だったという(報道より)。
これが900g新パックでは、同236円になる。
どろっとしたのむヨーグルトは1ml=1gではなく、新容器の表示には「100mlは106gに相当します。」とある。
グラム当たりの価格を計算すると、
旧紙パック1000ml=1060gだから 310円/1060g=0.29円/g
新容器 236円/900g=0.26円/g
と、リニューアル後のほうが値下がり(約1割)する。希望小売価格では。新容器 236円/900g=0.26円/g
これを伝える日本経済新聞では「原料高で食品値上げが相次ぐなか、値下げによる需要喚起は異例。高機能商品に流れる顧客を取り戻すことを狙う。」としていた。
旧容器のメーカー希望小売価格は税込みで325円だが、各店舗の実売価格はずっと安かった。
スーパーでは、230円前後で売るところと税込み198円で売るところに二極化していた。
希望小売価格と実売価格の差が大きかったとはいえ、リニューアルに伴ってメーカー希望小売価格が下がるのだから、当然、店頭価格も下がり、我々消費者は安く買えると期待していたのだが…
結論を述べると、なぜか各店舗での小売価格は以前より高くなっている。量が減って、さらに値段も上がっていて、メーカーの言い分とは違っている。
(前から200円台のところは置いておいて)秋田市内で以前198円で売られていたのを確認している店舗は、イオンリテール、マックスバリュ東北、ザ・ガーデン自由が丘西武。(たぶんドン・キホーテやジェイマルエーもそうなんだろうけど、行かないので)
さらにイオンやガーデンでは、なぜか200円台に上がってしまっている。(しかもガーデンでは、一時期、入荷していなかった)
秋田以外の各地でも、同様の傾向のようだ。
明治がリニューアルと値下げを発表した時は、一部のニュースサイトが取り上げ、それに対して好意的な感想を述べるネットユーザーがいた。
しかし、この状況では、メーカーが値下げしたのに、消費者までそれが浸透しないどころか、結局は逆に値上ってしまっている。消費者の期待を裏切るというかぬか喜びさせたというか、欺いていると言っては言い過ぎだろうか。
日経が伝えていた「値下げによる需要喚起」なんてウソじゃないか。結局は値上げなんだ。末端の消費者にしてみれば。
これは小売店が悪いのだろうか。
でも、どこのスーパーも揃って値下げしないところを見ると、そうでもないような気がする。
例えば、メーカーが希望小売価格を引き下げても、小売店への卸価格は下げておらず(もしくは値上げして)、小売店としては小売価格に転嫁せざるを得ないとか。(根拠のない素人の憶測です)
明治へ苦情を言ったとしても、「希望小売価格はあくまで弊社の『希望』です。お客さまへお売りする値段は各小売店が判断して決めており、弊社は関知しておりません」と言い訳(言い逃れ)することができるだろう。
事情はまったく分からないが、不信感が募ってしまうリニューアルである。
【5日追記】日清ヨーク「十勝のむヨーグルト」は紙パック1000gのメーカー希望小売価格が税抜き310円。これをイオンリテールでは178円で販売している。(ブルガリアの新容器はこの1週間ほど限定で特売で198円になっていた)
やっぱりブルガリアは卸値が高いのだろうか。
メーカーや小売店も努力の限界で、仕方なく値上げしているのだろうから、消費者としても理解して協力してあげたい。それなのにトリッキーなことをされると、消費者の信用を失ってしまうよ。
こんな調子で消費税増税の時も小細工をしてくる所が出てしまいそう。せめて、それを見抜ける賢い消費者でありたい。