広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

こまちらし

2012-03-14 21:25:21 | 各地お土産・食べ物
昨年9月に第一報をアップしていた、秋田新幹線開業15周年を記念した、産学連携の駅弁が8日から発売された。

昨年12月18日の秋田魁新報と今年2月24日付のJR東日本秋田支社のリリースによれば、12月17日に最終審査会(最終プレゼン)が行われ、秋田市新屋にある秋田公立美術工芸短期大学の学生3チームが発表した。
同短大産業デザイン学科の官能右泰(かんのうすけやす)教授の「地域対応演習」という授業(1・2年生どちらも履修できるらしい)で、昨年9月から学生17人が3チームに分かれて料理、パッケージ、名前を考案したとのこと。

その結果、「お祝い」と「春」をテーマにした「こまちらし」に決定。関根屋が製造して3月8日から約3か月間発売されることになった。1100円。
JRのリリースによれば、発売箇所は秋田、大曲、角館、田沢湖の秋田県内のこまちが停車する全駅の売店などとこまちの車内販売。
秋田駅では、NEWDAYSのほか、関根屋、NREそれぞれの単独駅弁売り場でも扱っているそうだ。

発売初日の8日は、中央改札口のNEWDAYS前で学生たちが呼び込みを行い、テレビで報道された(新聞記事にはならなかったかな)。
それによれば、当初1時間かける予定だったが、15個だか30個がわずか13分だか18分(←かなりうろ覚えですが)で売り切れたそうだ。

その中央改札・新幹線側横のNEWDAYSでは、9日以降ものぼり旗やPOPを出している。でも、
この時は売り切れていました

後日、入手。
「祝15周年! こまちらし」
のし紙と春・桜をイメージしたパッケージとのこと。デザインは美術系短大の学生だけに得意のものでしょう。
正面から見たE3系電車の顔(「JR東日本商品化許諾済」と記載がある)、大きな桜の花の中には「おめでとう15周年! お祝いのちらし寿司弁当です。」といった説明や商品企画&デザインを美短の官能ゼミが行ったことが記載されている。
E3系の上に四角く「15th」とあるのは、シール貼り。

ちょっと気になったのが、水引(紅白のライン)。
本来であれば、左が白で右が赤なのに、これは逆になっている。何か意図があるのだろうか。


原材料やバーコードを記載したシールでは、商品名は「こまちらし弁当」となっている。
製造者は関根屋名義で連絡先も同社のもの。しかし、バーコード(JANコード)は「45802217」で始まるもので、京都の「鐘通」という電子機器関係(?)の企業に割り当てられた番号。関根屋なら「45802213」なのだが。謎。

パッケージを外す
厚紙製のパッケージは、裏面にも桜と水引がデザインされている。
容器は八角形。割り箸はあるが、少し前まで関根屋の駅弁標準装備だったウェットティッシュはない。(つまようじもなし)

ふたを取ると
きれいでかわいい
最近は弁当の上に、透明なシート(JRのリリースでは「保護フィルム」)が乗っているが、このフィルムはこまちの車両が円形にデザインされ、中央に「Komachi 15th Anniversary」の文字。こまちは簡略化された可愛らしいデザインだが、ちゃんと6両編成。
こまちをかたどった「秋田新幹線こまち15周年記念駅弁紹介カード」も入っている。

箸袋もこまちをデザイン

箸袋裏側とカードの中身
紹介カードには、弁当の品書きと秋田新幹線の15年間の歩みを掲載。

お待ちかねの中身。
容器は、中の区切り方は違うが、一昨年の「あきたの宿おかみ弁当」のものと同じだ。
これが正規の向きのようです
品書きによれば、中央が「あきたこまちの山菜ちらし(穴子・かんぴょう入り)」。
8つに区切られた外側は、てっぺんから反時計回りに、(てっぺんは記載がないが紅しょうが・カラシ・醤油)、「ごぼう甘辛煮」「はたはた蒲鉾」「だし入り厚焼き玉子」「里芋、人参の煮物」「比内地鶏つくね串」「さくらこまち饅頭(さくら餡)(皮はあきたこまちの米粉入り)」「えびしゅうまい」。

以下、食べてみての個人的感想です。
ちらし寿司は、酢飯があまり酸っぱさを感じない。
個人的にはもっと酸っぱいほうが好み。(山陰の蟹の駅弁はどれもかなり酸っぱくてよかった)

でも、おいしい。特に穴子が柔らかくて、味付けが濃すぎずいい。

玉子焼きは既製品っぽい感じだけどおいしい。
シュウマイは大きめで味もいいけれど、若干水っぽいというか柔らかすぎる感じもした。
このシュウマイ1つのためだけに、カラシと醤油が付属するのがもったいない。

デザートは、
桜の花が載った白いまんじゅう

あんこはピンク色で桜の葉入り
あきたこまちの米粉入りとなっているが、ナガイモが入った「薯蕷(じょうよ)まんじゅう」のようだ。(米粉は「つなぎ」だろう)
皮はモチモチしていて、本格的だった。
あんこは、見かけほど桜の味がしなかった(ランチパックの桜あんのほうが桜の味がしっかりしていた)。これだったらこしあんのほうがよかったな…
以上、感想でした。


今までの関根屋さんの駅弁といえば、新商品でも他の駅弁から持ってきたようなおかずがいくつか入っているのが多かった。しかし、このこまちらしにはそういったものは少なく、定番の「いぶりがっこ」すら入っていない。
ちらし寿司やシュウマイ、まんじゅう(大福餅は前例あり)が秋田駅弁に入るのは初めてかもしれない。

こまちらしを開発したのは美短の学生なわけで、料理に関する知識が特に豊富というわけではないだろう。製造する関根屋側の都合とかコストもあるから、好き勝手におかずを選んで決めたわけではないはず。
「数回のコラボ会議」が行われたというので、その席上で学生と関根屋のすり合わせがされたと考えられる。

JRのリリースでは、ちらし寿司のほかにはつくねと蒲鉾がメインに位置づけられているような書きぶり(他のおかずへの言及がない)。
でも、個人的な感想としては、つくねや蒲鉾には、あまりインパクトがなかった。

全体的に見ても、量やデザインからすると、どちらかといえば女性向きのような感じもするが、おかずの内容はそれほどでもないように感じる。
それほど「秋田らしい」とか「春らしい」という感じもせず、単なるおかずの寄せ集めにも見えた。例えば、もっと秋田の素材を使ったおかずを増やすとか、「これこそがメインだ!」というおかずを際立たせるとかしてもよかったのではないだろうか。
あと、まんじゅうもいいけれどフルーツ系のデザートもほしい。リンゴとか桃のコンポートとかゼリーとか。

こまちらしに限らないことで、事情もあるのだろうが、関根屋の駅弁は若干価格が高め。これで1100円は高い。せめて1000円ポッキリなら、多少買いやすくなる。味はいいんだから。



2月に新幹線に乗った時の話。
JR東日本の車内誌「トランヴェール」では、表紙を開いてすぐの目次の横に「EKIBENギャラリー」という連載があり、管内の駅弁を紹介している。2月号で連載110回目だったから、9年も続いてるの?
その2月号では2種類が紹介されていたが、うち1つが「東北二食めし~秋田・青森編~」というのだった。(http://www.nre.co.jp/news/obj/file/000/089/111101-1136_pdf.pdf)
※NREのサイトによれば、これは昨年11月~2月の発売で、ほかに昨年8~10月には「福島・宮城編」が出ていて、現在3月~5月は「岩手・山形編」が出ている

車内販売アテンダントが企画した、両県の代表的な料理が味わえるというもので、秋田・青森編では「あつあつ亭の横手焼そば、きりたんぽ鍋風煮物、いぶりがっこ、牛焼き肉丼、りんごシロップ漬など」からなる。※サイトによれば焼き肉丼には「スタミナ源たれ」使用
NREから1000円で発売され、販売場所は「JR東日本の新幹線および在来線特急の一部列車」だけで、駅では売っていないらしい。(←じゃあ「EKIBENギャラリー」に入れていいのか?)
しかも「2月末までの限定販売となります」だそうで、これは買ってみなくちゃと思いながら乗っていた。

しかし、その時の「こまち」では扱っていなかったようだ。(他のお客が「お弁当は『いかめし』しかございません」と言われていた)
ということで結局食べられず、残念。
コメント (2)
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