著しい棘を持つ植物の一つ。高山帯に来れば一度は目にするある意味定番の種。雪消え直後にあわただしく花を咲かせることには変わりはなく、この種もまさに開花を行おうとしているタイミング。見過ごしそうな存在ですがちょうど花が目に留まりました。亜高山・高山帯でも林の縁や凹地などの幾分日陰になりやすい場所を好むようです。というよりも強い風を避けることができるような場所に自生しています。
ハリブキの棘は葉や枝の変形とは考えにくい構造をしています。おびただしい数の棘が茎の表面から不規則に発生しています。毛の変化したものなのでしょうか。
棘を作って身を守るように進化したと思われる植物は多いのですが、はたしてどれくらい役に立っているのでしょうか。極端に有利なこともないよう見えるのは私だけでしょうか。亜高山や高山ではあまり有刺植物は多いとは思いません。環境的に食害からの防御をするより低温などの対策を取る方がよりよく適応できそうな気がします。
棘を作って身を守るように進化したと思われる植物は多いのですが、はたしてどれくらい役に立っているのでしょうか。極端に有利なこともないよう見えるのは私だけでしょうか。亜高山や高山ではあまり有刺植物は多いとは思いません。環境的に食害からの防御をするより低温などの対策を取る方がよりよく適応できそうな気がします。
似た花のオンパレード。ハクサンチドリです。こちらは亜高山帯以上なら湿地や湿り気の強い草地で比較的よく見かける種です。北方系の種ですから分布は中部山岳以北のようです。栂池自然園ではテガタチドリよりは多く見かけました。花は先がとがっていますから、比較的離れた場所でも見極められます。花の色はテガタチドリやノビネチドリと同系統の赤紫色。慣れていればいいのですが、実に紛らわしいトリオで混乱しておられる方もしばしばです。
ノビネチドリもありました。ノビネチドリは比較的低海抜の沢沿いでも見かけます。垂直分布はテガタチドリよりは広いようです。栂池自然園では決して多くはないにしてもテガタチドリと混在していることが分かり意表を突かれた感じです。経験的にノビネチドリに出会うのは低地から山地帯の範囲で亜高山帯での出会いは記憶にないくらいだからです。
ハクサンチドリと思ったのですがよく見ると花弁は尖っていません。テガタチドリです。栂池自然園の入口近くで見かけました。園内にも自生はあると思いますがあまり気づかず、亜高山帯の草地に生育するとされますがここではそれほど多い種ではなさそうです。どうして「手形」というのか由来を知らないのですがどなたかご存知でしょうか?ハクサンチドリに比べ幾分地味な感じはしますが、素敵な花であることは間違いありません。
早春の高山湿地の定番リュウキンカもたくさんあります。雪が解けると何もかもが一斉に開花してくるという環境ですから、平地では見られなくなったものもここでは今が盛りです。雪という存在がいかに大きいか分かります。