森の切れ目、高木が少なく林床にも光が差し込んでいる雨の時には小川にでもなりそうな凹みにサクラソウが１株花を咲かせていました。人の植栽とも思えません。おそらくわずかに残っている自生株でしょう。周囲をくまなく探せば他にも見つかるのかもしれませんが、園路に面したところに花の盛りの１個体。とても貴重な株かも知れません。植栽されたサクラソウはときどき見かけます。しかし、自生の花は今回が初めてでしょう。
サクラソウの仲間は高山にいくつかあります。高山種は時期に出かければ簡単に出会えますがサクラソウは自生地が極端に減ってしまた種として話題になっています。新潟県内で野生のサクラソウの話を聞いたことがありませんから分布はないのでしょう。軽井沢辺りは生育する範囲のようで明るい沢地を調査すればきっとまだ見つかる気がします。
サクラソウの仲間はしばしば群生する性質があります。埼玉県には「田島ヶ原サクラソウ自生地」(天然記念物）という大規模な群生地があるのだそうです。時間を作って一度訪れたいところです。
明るく湿った草地が適地と思われますからもう少し開けた場所が良いかもしれません。周囲には高径の草本も散見されます。やがて覆われ光環境はかなり悪くなると思われます。