所在地 日光院 兵庫県養父市八鹿町石原450
養父市八鹿町石原にある日光院は、市街地から県道267入り途中から名草神社方面へ山間部に入りますと真言宗高野派に属して妙見山日光院があります。
寺伝では、六世紀に日光慶重という道士が草庵を結んで建立したのに始まると伝えています。本尊は弘法大師作とも言われる妙見大菩薩で、妙見信仰の一大霊場として発展しました。日光院本堂の左手に聳える大イチョウは、幹周/5. 2m、樹高/35mがあります。
伝えられるところによりますと山名宗全の祈願所であり、開運厄除けの妙見護摩祈祷のお寺として親しまれています。日光院では江戸時代に牛王札という護符を発行していました。これは妙見山の配札人が、浄財を募るため全国を巡って配ったもので、牛王(ごおう)の名の由来は漢方の妙薬である牛黄(ごおう:牛の胆石)を印色として朱印に用いていたためだと言われています。
日光院文書は県指定文化財で、巻子本六巻などに仕立てられた合計133通の古文書です。内容は応永十四年(1407年)から天正七年(1579年)までに書かれた室町時代の寄進状です。山名宗全をはじめ、垣屋・八木・太田垣氏など但馬の有力武将たちの祈願所となりました。
日光院の牛王札は厄除けに御利益があるとして信仰を集めていました。この牛王札の版木は、現在妙見山資料宝物館に所蔵されていますが、この版木には二匹の山犬像が彫り込まれています。つまり牛王札は狼の護符であり、日光院は狼の護符を配付する寺院だった事が分かります。
古刹のお寺の雰囲気がいたるところに残り、渡り廊下の雰囲気がいいです。
今の時期、新緑が美しく境内にいると心が落ち着きますが、境内には樹齢600年の大イチョウがありますので、秋の紅葉の季節には黄色の絨毯を敷き詰めたような景色を楽しませてくれます。
日光院のご本尊、妙見菩薩は北極星の化身であり宇宙の象徴とされ、また天皇の本命星であるとされています。妙見菩薩信仰とは、中央アジアのミトラ信仰が東アジアに伝播したものと言われ、ミトラ神は遊牧民族の神らしく馬に乗り、眷属である烏と狼をお供にして狩をする神と表象されます。
次回をお楽しみに では またね
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