平塚にあるキリスト教会 平塚バプテスト教会 

神奈川県平塚市にあるプロテスタントのキリスト教会です。牧師によるキリスト教や湘南地域情報、世相のつれづれ日記です。

成熟した人とは?

2013-03-06 18:19:14 | 牧師室だより

牧師室だより 2013年3月3日 成熟した人とは?

 「成熟した人は、愛することと働くことができる」とは心理学者フロイトの言葉です。人はだれであれ、特別な場合を除いて、まったく社会から隔絶して生きることはできません。社会とは具体的には人間関係ですから、その意味では生きていく上で、人間関係を避けて通ることはできません。何をするにも人間関係は付いて回ります。

 愛すること、働くこと、それこそ人間関係があってはじめて成立する営みです。かつその営みによってこの社会を円滑に生きることができます。しかし、愛することも、働くことも、時に人に強いストレスを与えることがあります。

 愛することは、最初自分の主観から始まります。しかし愛した結果は、裏切られたり、憎まれたりすることもあるでしょう。出発は自分のものであっても、結果は自分の手の中にありません。

 働くことであっても、一緒に働く人たちが気持ち良く、いつも心を合わせてくれるとは限りません。意見が合わなかったり、意地悪をされることもあるでしょう。また意に添わない働きを求められて、喜んで働けないこともあるでしょう。

 フロイトは、いやなこと、意に添わないこと、こんなはずではなかった、といったことは、愛すること、働くことに付きものだから、たとえ思いのままにならないことがあっても、それを包み込む包括的な態度が必要なのだと言っているのです。そして成熟した人は、その包括的な態度を身に付けているというのが彼の主張です。

 しかし、それを身に付けるには、なにが起ころうともそれを「よし」とすることができるかどうかにかかっています。では、どうすれば「よし」とすることができるのでしょうか。それにはまず何よりも本人が外から「何者」かによって愛され、働きかけられて「よし」とされ、「今、ここに」いることを知っている人です。そのような成熟した人は、愛すること、働くことの苦労をいといません。

*賀来周一著『気持ち整理&生き方発見』33‐35pを参考にしました。