牧師室だより 2012年9月16日 プロテスタントってな~に?
よく「お宅の教会はカトリックですか?プロテスタントですか?」と聞かれることがある。「プロテスタントです」と答えると、「ああ、そうですか」でこの会話は終わる。もっと質問してくれればと思うが、それ以上はなかなか進まない。でも「備えあれば憂いなし」。質問された時に簡潔に説明できるようにまとめてみた。
皆さんは、プロテスタントっていうと何を連想しますか?宗教改革者のマルチン・ルターでしょうか。中世の時代、宗教改革の波が次第に大きくなるなか、ルターは1517年10月31日、95ヶ条の堤題を発表しました(1517年を「一語否」と覚えましょう)。この時から宗教改革の波は大きくなり、歴史を動かしていきました。
宗教改革は当時のカトリック教会に抗議・抵抗したという意味で、「プロテスタント」と呼ばれますが、「抗議」よりも「公示、公告」という意味の方がよいかも知れません。なぜなら、福音の真理を聖書によって公然と証していたからです。では、ルターは何を訴えたのでしょう。それは「ただ聖書のみ」「ただ信仰のみ」の二つです。
教会の考え方もカトリックとは違います。プロテスタントはキリストを通して教会に結びつく。カトリックは教会を通してキリストに結びつくと言われます。教職の考え方も違います。プロテスタントはいわゆる「万人祭司」の考えです。「あなたがたは、選ばれた民、王の系統を引く祭司、聖なる国民、神のものとなった民」(ペテロ一2章9節)などが根拠です。
プロテスタントは宗教改革の伝統に立ちます。改革者が立った聖書に直接福音を聞くあり方、生き方、対し方です。その宗教改革者の精神とは、み言葉への復帰、良心的にして主体的信仰への立脚、そして十字架直下に立つ教会形成です。その意味で、宗教改革というより教会改革だということもできます。まず自らが改革されるべきで、その改革は今も続けられなければならない。信仰のあり方も含めて。常に改革者、それがプロテスタントです。