安倍晋三首相は、このところ時間さえあればば海外出張しているようだ。今回は、オーストラリア、ニュージーランド、パプアニューギニアのオセアニア3国を歴訪、経済連携の進展を図ると同時に、集団的自衛権行使容認の閣議決定について理解を求めたようだ。
今回の3カ国訪問で見逃せないのが、オーストラリアとの経済連携協定(EPA)について正式合意し、協定に署名するとともに、武器輸出3原則に変わる防衛装備移転3原則に基づき、同国と契約を交わしたことだ。
また、安倍首相は演説の中で、日本が集団的自衛権行使を容認したことにより、日米豪で幅広い軍事的連携が進められることになったと述べた。
この発言は、日本が集団的自衛権によって、オーストラリアなどと共に戦うことができる国になったと言いたげで、閣議決定の歯止めである新3要件を無視した言動になる。
一方、安倍首相のオセアニア3か国訪問は、これらの国との軍事的、経済的連携を図ると同時に、中国に対する包囲網をつくることが最大の目的とされている。
その中国は、先にドイツのメルケル首相を招き、友好関係の進化を演出した。中国の習近平国家主席は、日本と同じ第2次世界大戦の敗戦国ドイツとの親密さアッピールし、戦争の総括について、ドイツと日本と反省の違いを見せつける目的がある感じだ。
しかし、中独友好は、単に表面上のことだけではなく、相互貿易の促進を一層進めていることだ。具体的な現象の1つとしては、中国においては、既に、日本車の売り上げで、ドイツ車に逆転を許していることが上げられる。
安倍首相は、中国包囲網を見せつけ、習国家主席は、中韓、中独などと、日本を意識して親密な関係を誇示している。あげくの果ては、日中両国関係の溝が広がるだけだ。そこには、何にも得るものは無い。極めて、非生産的な愚行と言えよう。
安倍首相は、何ヵ国も行き易い国に行くのではなく、現在、行き難い国である中国、韓国に行かない限り、真の首脳外交を進めていることにはならない。
日本と中韓の行き違いには、いろいろな理由があるが、何といっても、安倍首相の歴史認識が一番ネックになっていることは間違いなかろう。
中国との尖閣諸島、韓国との竹島問題は、知恵を働かして棚上げにできるし、今まではそうしてきた。安倍首相は、中韓に対して、何時でも門戸を開いているなどと横柄なことを言っていては、いつまで経っても埒が上がらない。そうこうしている内に、どんどん経済的損失が広がっていく。
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