大型で稀に発生する台風と言われた8号が、昨日、東北沖で温帯性低気圧に変わり東方海上に去った。全国的に、長野県南木曽の土石流をはじめ、床上浸水など多数の被害が発生、土石流で家が流され、男子中学1年生が犠牲になるなど全国で3名の方が死亡した。
ただ、この台風は、鹿児島県に上陸した段階で、当初報道されていた猛烈な風よりも、大雨を伴う台風に変化したようだ。当初は、最大風速70M、瞬間風速50Mの強風が吹く、稀に見る大型台風と報じられたが、鹿児島上陸後はすっかり雨台風に変わった。しかも、台風の進路を離れた場所で大雨を降らせた。長野県南木曽の土石流は、その典型ではなかったか。
また、予報では、鹿児島上陸後、本州を縦断して東北から太平洋に抜けるとのことだったが、実際には、和歌山県南端をかすめて、日本列島に沿って太平洋上を東上した。
また、警戒された何100mmの降雨も、実はそれほどでもなかったようだ。台風の通路に予測された東海地方でも、中には風はおろか雨もさして降らなかった。
大型台風通過の予報に添って、11日に予定されていた様々な行事は、10日の段階で中止、または延期することになった。しかし、当日は、予想された台風通過の気配もなく、朝から雨が上がり、昼前から真夏の太陽が差し込み、予定していた行事を中止した人たちを残念がらせた。
むろん、大型台風が襲来し、多大な被害が出るよりも、予報が外れて、被害もなく、行事が中止になる程度の方がよほど良いには違いない。
しかし、あれほど大々的に報じた台風情報が、これほどあっさり外れることはどういう分けだろう。科学が発達している今日、気象情報に限り不確かな結果がしばしば見られるのは不思議なことだ。
気象情報は、経済的にも、日常生活などでも、正に必要不可欠で、これにより様々な営みがなされている。その予報が外れることによって、経済的、社会的損失を被ることは多い。
しかし、気象予報は、しばしば当たらなくても、気象庁は何もペナルティを受けない。気象の予測は難しく、そんなことをいちいちやっていたら、この仕事に就く人は居なくなる。と言われることは必至だろうが、少なくとも、今回の台風8号のような場合、予測が外れたら、その理由ぐらいは国民に説明があっても良いのではないか。
テレビに出る担当者が、何も無かったように悪びれず、次の予報を報じている姿を見ると、どうも普通の社会常識とは違っているように感じてならない。「関連:2月18日」
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