隅の老人のミステリー読書雑感

ミステリーの読後感や、関連のドラマ・映画など。

0161.淋しい狩人

2002年01月21日 | 短編集
淋しい狩人
読了日 2002/1/18
著者 宮部みゆき
出版社 新潮社
形態 文庫
ページ数 329
発行日 1999/04/20
ISBN 4-10-136917-8

 

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この作品は平成5年に単行本が出ているから、書かれたのはその年かその前の年くらいだろう。僕が目標を立てて本を読み始めたのが、それから6年もあとなので、その当時古本屋さんの業界がどのような状況にあったのか知らない。
最近は、駐車場完備の郊外型の古書店チェーンがそちらこちらに見られ、価格もまことにリーズナブルになっているので、経済的に余裕のない僕にとっては、ありがたい環境になっている。
また、インターネットで購入することも出来る、オンラインの古書店もあり、簡単に在庫を調べることも出来るので、便利になった。

しかし、本書の舞台である、いわゆる古本屋さんの店もまだ有るのだろうか?
東京下町・海抜ゼロメートル地帯にある古本屋、田辺書店が物語の舞台である。経営者イワさんこと岩永幸吉と、その孫の稔がアルバイトとして働くこの書店にまつわる6つの話が収録されている、連作短編集だ。
ある宗教団体の教祖のサイン入り自伝・5冊組みが、紙袋に入って店の前に置き去りにされていたのを、持ち主に有料で引き取らせるという、イワさんの機転から始まる第1話「六月は名ばかりの月」。
これもまた、姿の違う宮部ワールドなのだが、こうした作品を読んでいると、いつまでもその世界に浸っていたいと思う。

初出誌(小説新潮)
# タイトル 発行月
1 六月は名ばかりの月 1991年6月号
2 黙って逝った 1991年11月号
3 詫びない年月 1992年3月号
4 嘘つき喇叭 1992年6月号
5 歪んだ鏡 1992年12月号
6 淋しい狩人 1993年6月号

 

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