隅の老人のミステリー読書雑感

ミステリーの読後感や、関連のドラマ・映画など。

0278.8の殺人

2002年08月27日 | 本格
8の殺人
読了日 2008/12/17
著 者 我孫子武丸
出版社 講談社
形 態 文庫
ページ数 291
発行日 1995/06/15
ISBN 4-06-185100-4

 

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本格を提唱する島田荘司氏によって推薦された4人目の新進作家が描く、館殺人である。 二つの中庭を持つ奇妙な形の屋敷で、この屋敷の主人で、蜂須賀建設社長・蜂須賀菊雄の長男、蜂須賀菊一郎がボーガンで撃たれ死亡した。3階建ての屋敷は2階3階ともに部屋の回りが回廊で間に渡り廊下があり渡り廊下の両側が中庭というまことに奇妙な作りとなっていた。その3階の渡り廊下で菊一郎はボーガンで撃たれたというのだ。警視庁捜査一課の速水恭三警部補と、慎二、一郎(いちお)兄妹が事件の謎の挑むが・・・。
新本格派と称する新しい作家が次々と台頭する中、僕は読まないうちからそうした新しい作品群を、なんとなくk製塩していた。一つは僕の食わず嫌いというのか、新本格という事ずらから受ける印象が、昔からの本格好きだった僕には、従来の本格ミステリーを否定するような感じを受けたのだ。
しかし本書も読んでみれば本格ミステリーそのもので、いや、もちろん現在の舞台背景のもとでのストーリーだから、新しい感覚のミステリーであることに間違いはない。
この一般的に館ミステリーと呼ばれる、変わった形の建築物がトリックの根幹をなすという、ミステリーが数多く発表されているところを見ると、昔からのミステリーをどこかで踏襲しているといえるのではないかと、僕は感じたのだ。

 

 

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