隅の老人のミステリー読書雑感

ミステリーの読後感や、関連のドラマ・映画など。

0288.クロスファイア

2002年10月08日 | ファンタジー
クロスファイア
読了日 2002/10/8
著 者 宮部みゆき
出版社 光文社
形 態 新書
ページ数 (上)315
(下)282
発行日 1999/03/30
ISBN (上)4-334-07313-1
(下)4-334-07314-X

 

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この光文社カッパノヴェルスのカバー折り返しにあった著者の「この本を読む前に、“燔祭(はんさい)”を読んで・・・」に従って、“燔祭”の入った光文社文庫の「鳩笛草」(159.参照)を読んだのが、もう9ヶ月も前になる。古書店で上下別々に購入したもので、装丁が合っていない。
快楽殺人者の犠牲となった多田一樹の妹・雪江の敵討ちをした青木淳子。
多田一樹と同じ会社のメール部にいた青木淳子が、この「クロスファイア」の主人公である。つまり、燔祭はクロスファイアのプロローグに当たるストーリーだったというわけだ。
バイロキネシス(念力放火能力)を持つ超能力者・青木淳子は無軌道に殺人を繰り返す若者たちを処刑していくのだが、やがて彼女は謎の組織「ガーディアン」から狙われ始める。一方、若者たちの焼殺現場を見た石津ちか子、牧原両刑事は順子の存在にたどり着くが・・・・。
著者の作品にたびたび登場する超能力者は、下手な小説の主人公よりはるかにリアリティがあり、存在感が有るのは何故だろう?超能力そのものを面白おかしく語るストーリーではなく、人の持たない能力を持つ者の悩み、苦しみなどの、心理の奥底が丁寧に描かれるからか。
2000年に、金子修介監督、矢田亜希子主演ににより、東宝で映画化されているが、映画では、燔祭の部分も脚色されて前半に入っている。上巻のカバー装丁はそのスチールである。

 

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