ゆみねこ日記

日常日記です。

6月の読書記録

2018-07-01 08:28:46 | ブックレビュー
6月の読書メーター
読んだ本の数:41
読んだページ数:12162
ナイス数:4345

オーブランの少女 (ミステリ・フロンティア)オーブランの少女 (ミステリ・フロンティア)感想
「戦場のコックたち」で気になっていた深緑さんのデビュー作。表題作「オーブランの少女」は戦争の狂気と少女たちの暮らしを描きとても印象に残った。
読了日:06月01日 著者:深緑 野分
チュベローズで待ってる AGE22チュベローズで待ってる AGE22感想
就活に失敗してホストになった光太。源氏名「光也」を名乗り、22歳のチュベローズでの日々。面白い!一気に読了しました。さて彼の10年後はどうなる?AGE32へ。
読了日:06月01日 著者:加藤 シゲアキ
チュベローズで待ってる AGE32チュベローズで待ってる AGE32感想
光太32歳、ゲームメーカーのカリスマ社員となっている。この巻で、美津子の死の真相が明らかに。八千草の秘密にはちょっと驚き!先が気になって一気に読了しました。加藤シゲアキ、立派に実力派作家ですね。面白かった♪
読了日:06月02日 著者:加藤 シゲアキ
くらべる世界くらべる世界感想
世界と日本の違いかと思ったら、世界の中で国によって違うものの比較。中々目の付け所が斬新で面白かったです。
読了日:06月02日 著者:山出 高士,おかべ たかし
ふたりみちふたりみち感想
67歳のドサ回りの元ムード歌謡の歌手・野原ゆかりと家出した12歳の森川縁(ゆかり)。二人のゆかりの珍道中は、ちょっと切なくて、温かい。この二人のこれからは、きっと明るい。楽しくて、泣ける、素敵な1冊です。お薦め!
読了日:06月03日 著者:山本 幸久
日の出日の出感想
明治の終わり、13才で徴兵忌避の為、北陸小松の実家から飛び出した「馬橋清作」。数多の試練を乗り越え、鍛治職人として大成した。ひ孫の「あさひ」のパートと、清作の物語の繋がりが曖昧で残念。清作の後ろ楯になってくれた「浅間幸三郎」のことをもっと描いて欲しかった。
読了日:06月04日 著者:佐川 光晴
罪人が祈るとき罪人が祈るとき感想
いじめで我が子と妻を自殺に追い込まれた父親は、いじめの首謀者を探し復讐を遂げる。首謀者たちは他にもいじめや恐喝を重ね、反省の色もない。本当の悪人は誰なのか、とても重いテーマの1冊です。
読了日:06月05日 著者:小林 由香
ウォーターゲームウォーターゲーム感想
産業スパイ・AN通信社シリーズ第3弾!ダム爆破事件から壮大なアジアの水利権へ。女スパイ・アヤコが物語の鍵か。映画化されるとのこと、どんなキャスティングになるのでしょう?前作の内容を忘れていたけれど、面白く読めました。
読了日:06月06日 著者:吉田 修一
ディア・ペイシェントディア・ペイシェント感想
南杏子さん、デビュー作が素晴らしかったので、こちらも期待して手に。新人女医の真野千晶は、患者一人一人と真摯に向き合い丁寧な診療を行っていた。その千晶を執拗に攻撃するモンスターペイシェント・座間。佐々井病院で起こる様々なトラブル。「患者様」は呼ばれるこちらとしては、違和感しかないので、この作中の事務長にはうんざり。医療現場をなまなましく描いた力作。お薦め!
読了日:06月06日 著者:南 杏子
震える教室震える教室感想
歴史ある女子高に入学した真矢は、クラスメートの花音と手をつなぐと、不思議なものが見えてしまうように。古い学校に隠された少し怖い出来事。エピローグの不穏な終わりかた、これはシリーズ化? 怖さはそこそこ。
読了日:06月07日 著者:近藤 史恵
キネマトグラフィカキネマトグラフィカ感想
平成元年(1989年)に映画会社に就職した同期生6人。2018年春にある地方の映画館で再会する。映画産業の移り変わり、男女雇用機会均等法、時代の移ろいと6人それぞれの歩んだ道。映画会社に勤務されていた作者の力作、面白かったです。
読了日:06月08日 著者:古内 一絵
黙過 (文芸書)黙過 (文芸書)感想
命の重さを問いかける、下村さんの力作。意識不明の重症患者、過激な動物保護団体に執拗な攻撃を受ける養豚場、元厚労省高官の詐病疑惑、補助金の不正取得問題。一見バラバラに思えた出来事は最後の章でスッキリと収束する。これは中々面白かったです。お薦めします!
読了日:06月09日 著者:下村 敦史
さよなら、ぼくらの千代商店 (物語の王国2)さよなら、ぼくらの千代商店 (物語の王国2)感想
ここではないどこかへ行きたい、四人の小学生がそう思ったとき、誘われた先にあったのは昔懐かしい「千代商店」。優しい千代ばあちゃんに出会えた子供たちは、きっと辛い毎日から抜け出すことが出来るはず。児童書ですが、大人の皆さんもぜひ!
読了日:06月09日 著者:中山 聖子
10万個の子宮:あの激しいけいれんは子宮頸がんワクチンの副反応なのか10万個の子宮:あの激しいけいれんは子宮頸がんワクチンの副反応なのか感想
思春期の少女たちに行われた子宮頸がんワクチン接種。接種することでガンを予防できる、夢のワクチンであったはずなのに、激しいけいれんをともなう副反応が相次いだため、接種は中断され再開の目処はたっていない。とても難しい問題ですが、我が子もガンになり手術し、その後幸いにも子供を授かることが出来ました。娘と話したこと、ワクチンは絶対受けるべき。接種を躊躇っているうちにガンになってしまったら…?色々な障害を乗り越えてこの本が出版されたことに敬意を表したい
読了日:06月10日 著者:村中 璃子
首の鎖首の鎖感想
高校を卒業してから家業のトンカツ屋を手伝いながら、祖母と母の介護を担ってきた瞳子。妻の強烈な束縛とDVに悩む顕。心療内科で出会った二人が陥った地獄。はぁ、何ともやりきれなく、気持ちが沈んでしまいました。瞳子の両親、特に母親に対する怒りで最悪な気分です。でも、こんな風に家族に縛られている人が少なからず存在しているのが実情なのでしょうね。宮西さん、二作目。
読了日:06月10日 著者:宮西 真冬
熟れた月熟れた月感想
癌で余命半年のヤミ金業者のマキ子と落ちぶれた取り立て屋の乾、全く繋がりの見えなかった二人が、魔法の言葉「ウーピーパーピーの木の下に埋めた」で大きく動き出す。人間の業と不思議な縁、とても面白く一気に読了しました。これはお薦め!
読了日:06月10日 著者:宇佐美 まこと
雲上雲下(うんじょううんげ) (文芸書)雲上雲下(うんじょううんげ) (文芸書)感想
昔話やおとぎ話、幼い日に祖母や両親から聞かされてきたものの数々。こういうものは、語り続けられることに価値があるのでしょうね。現代人に対する皮肉も織り交ぜ、面白い物語でした。
読了日:06月11日 著者:朝井まかて
わたしの本の空白はわたしの本の空白は感想
目覚めた場所は病院のベッドの上、自分の名前もわからない。病室のネームプレートは「三笠南」、夫と名乗る人が現れても違和感が…。一気に物語に引き込まれました。徐々に明らかになる事実、複雑な事情。面白く読めましたが、近藤さんにはもっとガツンとした作品を期待しているからなのか、もやっとした読後感。
読了日:06月12日 著者:近藤史恵
ファーストラヴファーストラヴ感想
アナウンサー志望の美しい女子大生・聖山環菜が、画家である父を刺殺した。彼女の美貌とセンセーショナルな事件は、マスコミに大きく取り上げられる。この事件を題材にしたノンフィクションを執筆することになった臨床心理士・真壁由紀は、環菜やその周辺の人々と面会を重ねる。なぜ、娘は父を殺さなければならなかったのか?これはぐいぐい引き込まれ、一気に読了しました。島本さんの作品の中でもかなり上位、お薦め本です。第159回直木賞候補作。
読了日:06月13日 著者:島本 理生
六月の雪六月の雪感想
久しぶりの乃南さんの長編。祖母の生地である台湾の古都・台南を訪れることになった杉山未來。その地で彼女は台湾の複雑な歴史と戦前の日本人の暮らしを知ることになる。祖母の生家にたどり着き、そこで暮らす台湾人一家のことを聞き、通訳や案内をしてくれた台湾人たちと深く理解し合う。未來が下した人生の決断は清々しく、カスミのことを思うと涙が。台湾のことをもっと知りたいと思いました。
読了日:06月14日 著者:乃南 アサ
やまんば山のモッコたち (福音館創作童話シリーズ)やまんば山のモッコたち (福音館創作童話シリーズ)感想
読み友さんの感想から。格好良い山姥母さんと一人娘のまゆ、人間の友達・啓太。山の恵みの素晴らしさ、まゆの可愛らしさ、なんといっても山姥母さんが素敵です!
読了日:06月14日 著者:富安 陽子
海を抱いて月に眠る海を抱いて月に眠る感想
亡くなった在日一世の父、遺品の中から出てきた古びた大学ノートに綴られた、家族も知らなかった父の半生。決死の思いで海を渡った父、不器用で言葉少なかった男。しかし、時代がそうだったとは言え、奥さんは辛かったでしょうね。せめて奥さんには心の内を明かせたら良かったのに。
読了日:06月15日 著者:深沢 潮
大人になったら、 (単行本)大人になったら、 (単行本)感想
35歳の葛城メイは北欧系のチェーンのカフェの副店長。家族はなく天涯孤独のメイには、高校時代からの友人・みっちゃんと大ちゃんがいる。これは恋に臆病なメイの出会いの物語であり、女性のステップアップを描いたお仕事小説でもありますね。メイを応援しながら、最後の展開に思わずほっこりし、素敵な読後感でした。
読了日:06月15日 著者:畑野 智美
バルスバルス感想
就職浪人となった大学生・百瀬陽一はネット通販会社の物流センターでバイトを始めた。派遣労働者の過酷な職場環境、物流企業の苛烈な現場。「バルス」と名乗るものが宅配トラックにテロを仕掛けた。私はネット通販をほとんど利用しませんが、日本のこれからに大きな警鐘を鳴らす作品。「ドッグファイト」の続編とも言えるかな。
読了日:06月16日 著者:楡 周平
本のエンドロール本のエンドロール感想
安藤祐介さん、初読み。とても面白かった!この本、本を愛するすべての人にお薦めします。奥付に載らない、本造りの裏方さんたちを描いたお仕事小説。
読了日:06月17日 著者:安藤 祐介
生きる生きる感想
乙川さんの直木賞受賞作「生きる」・「安穏河原」・「早梅記」の三編。タイトル作の「生きる」、主君の後を追い命を絶つ追腹の禁令を頑なに守った主人公の生き方が描かれる。どの作品も武士の一生をガツンと読ませてくれます。名作は何年経っても色褪せないですね。
読了日:06月18日 著者:乙川 優三郎
青春のジョーカー青春のジョーカー感想
奥田亜希子さん、初読み。読み友さんのレビューで気になり手に。中高一貫校に通う島田基哉は、地味で目立たないスクールカースト下位の中3男子。異性に興味があり、気になる女の子もいる。そんな基哉が大学生の兄のサークル仲間の二葉と知り合い、少しずつ成長して行く。これは思春期のお子さんを持つ親世代にも共感出来る作品、もちろん中高生の皆さんにもお薦めです。また気になる作家さんを見つけられて嬉しいです。
読了日:06月19日 著者:奥田 亜希子
刑事の血筋刑事の血筋感想
15年前に捜査途上で亡くなった父、その父には暴力団との関係があるという噂が。高岡剣・守の兄弟は、警察庁キャリアと所轄刑事との立場の違いを生かし、父の噂の真相と県警の闇を探る。プロローグとエピローグの兄弟の作文が何とも素晴らしく、兄弟の性格が描かれる。三羽さんのイメージとは違い、本格的な刑事物でした。二人のお母さんが素敵!
読了日:06月20日 著者:三羽 省吾
よりみち3人修学旅行よりみち3人修学旅行感想
それぞれ訳あって修学旅行に参加できなかった天馬・柊・風知の3人は、中学校入学前の春休みに、風知の離れて暮らす父親を訪ねるために旅に出る。風知の父から与えられた課題に苦労しながら、色々な人と出会い、ちょっぴり大人になる。子どもだって人生をかけて頑張っているんだよ!ちょっと頑なな風知父、もう少し子供のことを分かって欲しかったなぁ。
読了日:06月20日 著者:市川 朔久子
路上のX路上のX感想
親に棄てられ、居場所を失った女子高生たち。渋谷で真由・リオナ・ミトが出会う。読んでいて苦しくて、それでも結末を知りたくて一気読みでした。現実問題として、こういう少女たちが大人に良いように踏みにじられることは許せない…。真由の母親、最低。
読了日:06月20日 著者:桐野 夏生
食堂メッシタ食堂メッシタ感想
イタリア料理と言うものは、存在しない!? 女性料理人・蘇芳満季は友人の父が経営するイタリアンレストランでのアルバイトをきっかけに、料理の道を突き進み、やがて小さな食堂「メッシタ」を営む。予約でいっぱいのその店が出来るまでと、終わりを迎えるまでのストーリー。とても面白く、お腹が空く1冊です。
読了日:06月21日 著者:山口恵以子
紅のアンデッド 法医昆虫学捜査官紅のアンデッド 法医昆虫学捜査官感想
古い一軒家で発見された、すさまじい血の痕と切断された3本の小指。忽然と姿を消したその家にすむ夫婦ともう一人。うじやハエの登場シーンは控えめでしたが、別の毒虫が…。依存症や偏った食育、精神まで蝕むような親では良くない。子供がかわいそうですね。
読了日:06月22日 著者:川瀬 七緒
伴侶の偏差値伴侶の偏差値感想
35歳独身の真紀は、結婚願望が強く、不実な恋人との付き合いを断てない。真紀の見栄っ張りな性格にイライラが募って、何となくモヤモヤ…。震災を絡めたり放射能不安のことを描かれると、この作品では嫌みに感じられてしまいました。タイトルも微妙な感じで残念ながら私には合わない作品でした。
読了日:06月22日 著者:深沢 潮
ご用命とあらば、ゆりかごからお墓までご用命とあらば、ゆりかごからお墓まで感想
笑えるイヤミスと帯にありましたが、真梨幸子さんなので単純な笑いでは終わりません。庶民には一生縁のないデパートの外商さん。ひとたびお客様として担当したならば、殺人以外は何でもしますって、恐ろしや敏腕外商・大塚佐知子。。
読了日:06月24日 著者:真梨 幸子
宇喜多の楽土宇喜多の楽土感想
父・直家とは全く異なる宇喜多秀家。備前備中美作五十七万石の国土と民の暮らしを守ることを第一義に生きた武将。関ヶ原で敗れて落ちのびる場面以降は特に読み応えあり。名作だと思います。第159回直木賞候補作。
読了日:06月26日 著者:木下 昌輝
傍流の記者傍流の記者感想
東都新聞社に入社した、優秀な記者たち。黄金世代と呼ばれた5人と1人。出世・保身・正義、彼らは何のために働くのか?男たちの出世争いの物語としか感じることが出来ず、あまり面白さはありませんでした。第159回直木賞候補作。

読了日:06月27日 著者:本城 雅人
つながりの蔵つながりの蔵感想
小5の遼子が四葉ちゃんの家の蔵で経験した不思議な出来事。30年ぶりに参加することになったクラス会を前に思い出がよみがえる。じんわりと心に残る良作です。美音の弟・利央斗の言葉で落涙…。
読了日:06月28日 著者:椰月 美智子
じっと手を見るじっと手を見る感想
富士山の見える町で介護士として働く日奈と海斗。老人の世話をして、ショッピングモールに出掛けることだけが息抜きの日常に、東京に住むデザイナーの宮澤が介入して、二人の関係は大きく変化して行く。大切な人、帰るべき場所、若者たちの恋の行方は?第159回直木賞候補作。
読了日:06月28日 著者:窪 美澄
こちら弁天通りラッキーロード商店街 (光文社文庫)こちら弁天通りラッキーロード商店街 (光文社文庫)感想
借金取りに追われ、見知らぬ町の無人の寺に逃げ込んだ笠井武。地元の老人たちに新しい住職と勘違いされ、ポックリ逝かせてくれと懇願される。ふと口にした思いつきがシャッター街と化した商店街を甦らせる!?うん、重い作品の間に読むにはもってこいの軽さ、楽しい読書でした。
読了日:06月29日 著者:五十嵐 貴久
にゃん!  鈴江藩江戸屋敷見聞帳にゃん! 鈴江藩江戸屋敷見聞帳感想
呉服商の娘・お糸は、三万石の小藩・鈴江藩の江戸屋敷に奉公することに。仕えた正室・珠子は、なんと猫の化身!お家騒動や狐との争いも加わり、てんやわんやどたばたの時代エンタメ。軽~く楽しむには良いですね。
読了日:06月30日 著者:あさの あつこ
噛みあわない会話と、ある過去について噛みあわない会話と、ある過去について感想
まさにタイトルの通り!「ナベちゃんのヨメ」「パッとしない子」「ママ・はは」「早穂とゆかり」の4編。無自覚に発した言葉で傷つけられたら?傷つけた側は忘れても、傷つけられた方は忘れない。何とも心にずっしりと残る重たい物語でした。
読了日:06月30日 著者:辻村 深月

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