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ゆみねこ日記

日常日記です。

4月の読書記録

2025-05-01 13:48:45 | ブックレビュー
4月の読書メーター
読んだ本の数:24
読んだページ数:7855
ナイス数:2751

いただきますは、ふたりで。:恋と食のある10の風景 (新潮文庫 し 21-112)いただきますは、ふたりで。:恋と食のある10の風景 (新潮文庫 し 21-112)感想
小説が7編エッセイが3つ。小説は尾形真理子さんはお初、エッセイはぼる塾の田辺さんと山本ゆりさんは初読み。古内一絵さんの「ワタシノミカタ」漫画家と歳下のアシスタントの物語と尾形真理子さんの「SUMMER STREAMER」古希目前の鈴子さんがカリフォルニアへ大谷翔平のゲームを観るために一人で行く、この2編が好きです。
読了日:04月01日 著者:一穂 ミチ,古内 一絵,田辺 智加,君嶋 彼方,錦見 映理子
C線上のアリアC線上のアリア感想
叔母・弥生の家で高校時代を過ごした美佐は役場から叔母に認知症の症状があると連絡を受け、自らも義母の介護を担うなか叔母の家に赴く。そこはかっての美しい姿が想像出来ないほどのゴミ屋敷と化していた。片付けの最中に恋人から借りた「ノルウェイの森」の下巻を見つけてからの展開は、先が気になり一気読み。叔母と恋人の母・菊枝とのつながり、叔母が金庫の中に隠していたものの意味。やり切れない重さはあるが、読後感は良い。湊かなえ、やはり上手いなあ←何様の言葉か😅
読了日:04月02日 著者:湊 かなえ
森田繁子と腹八分森田繁子と腹八分感想
身体は縦にも横にも大きく、自ら戦闘着と名付けるド派手なメイクとファッション。農業コンサルタント・森田繁子、なんと魅力的なキャラクターだろう!害獣問題と都会からの移住者との関係に悩む農家、山羊牧場を営む夫婦、祖父の農家を継承するために都会からやって来た若い夫婦。森田のスタンスは腹八分、0:10より8:8、納得!これ、ぜひ続編を。面白かった、お薦め!
読了日:04月03日 著者:河﨑秋子
願わくば海の底で願わくば海の底で感想
東北の海沿いの高校生・菅原晋也は美術部員。絵の才能はあるが、人からのプレゼントを置き忘れて周りを傷つけてしまうという悪癖が。そんな彼の高校3年間の軌跡。あの日、みんなの前から姿を消した彼。第5章は切なくて、最終章・禱では切なさが温かな気持ちに。誰かの心の中に菅原晋也は生き続ける。お薦め本。
読了日:04月03日 著者:額賀 澪
さよなら校長先生さよなら校長先生感想
長年小学校で教鞭をとり、校長までつとめた高村正子先生。かっての同僚たちが高村さんを悼むため「高村正子先生を偲ぶ会」を計画する。かっての生徒や保護者、同僚、推し活仲間、海外で暮らす一人娘。それぞれから「先生」の姿が浮かび、何とも素敵な読み心地に。こんな先生と出会ってみたかったな…。
読了日:04月04日 著者:瀧羽 麻子
隣人のうたはうるさくて、ときどきやさしい隣人のうたはうるさくて、ときどきやさしい感想
コミュニティ型マンション【ココ・アパートメント】は、心地よい暮らしを作るために住人が協働する形態をとる。いきなりここで暮らすことになったエリート高校生、モラハラ夫から逃れてきた母娘、発達障害の子どもを持つ家族の話など。様々な事情を抱える多世代住人の交流が描かれる。一番心に残ったのは重い過去を持つ老女康子さん。
読了日:04月05日 著者:白尾 悠
あいにくあんたのためじゃないあいにくあんたのためじゃない感想
6編の短編集。YouTubeで一方的に晒された被害者たちが結束して無責任な評論家を懲らしめる「めんや 評論家おことわり」と、悪阻に苦しむシングルマザーとネット上の知人のやりとりを描いた「トリアージ2020」が良かった。
読了日:04月07日 著者:柚木 麻子
ディア・オールド・ニュータウンディア・オールド・ニュータウン感想
父が遺した蕎麦店を30歳目前で引き継いだ鳴樹。幼なじみの小枝と再開した「ささはら」は父がやっていなかった出前で商機をつかもうとする。常連客とのやりとり、ヤンチャな若者・和太、出前先の老女の変化。鳴樹は人が好きでみつばの町が好きなのだろう。悪人の出てこない小野寺作品、あの郵便屋さんのように原付バイクでみつばを走るお蕎麦屋さん。これも良かった!
読了日:04月08日 著者:小野寺 史宜
氏家京太郎、奔る氏家京太郎、奔る感想
アパートの一室で天才ゲームクリエイター・九十九孝輔がゴミに埋もれた状態で発見された。死体には殴打された跡が。殺害現場から採取されたDNAは九十九の同僚の御笠徹二のものと一致し殺人容疑で逮捕された。現場には立ち入ったこともなく無罪を主張する御笠は、氏家の親友。圧倒的に少ない証拠品と科捜研や検察との闘い、氏家は親友の容疑を晴らすことが出来るのか?サクサク読めて面白かった。
読了日:04月09日 著者:中山七里
逃亡者は北へ向かう逃亡者は北へ向かう感想
震災の混乱のさなかに二つの殺人を犯し、逃亡を続ける真柴亮。彼が北へ向かうのは何故か?途中、家族とはぐれた子供と出会い共に逃亡を続ける。真柴を追う刑事の陣内も幼い娘を亡くしている。真柴の生い立ち、弾みで起きてしまった二つの事件。辛くて切ない結末だったが、エピローグで少し救われた。
読了日:04月10日 著者:柚月 裕子
潮音 第二巻潮音 第二巻感想
富山の薬売り・弥一が語る幕末のこと。京都での働きは家族にも秘密にする危険なもの。安政の大獄から蛤御門の変に至るまでの京都の動乱、弥一が富山の民のためにと心に決めたこと。いよいよ末期を迎える徳川幕府と沸き上がる倒幕運動の行方。聞き手がどういう人物なのか、次巻も楽しみだ。
読了日:04月13日 著者:宮本 輝
迷うこころ お勝手のあん (ハルキ文庫 し 4-13)迷うこころ お勝手のあん (ハルキ文庫 し 4-13)感想
紅屋ではとめ吉に料理を教えるため、下働きのおせいを新しく雇う。不器用で料理にもあまり興味もなさそうなおせいにはとんでもない才能があった。幕末の揺れ動く政情や世間の変化にもおやすの料理への一途さは変わらない。紅屋の跡取り問題にも進展があり、おやすのこれからはますます目が離せない。
読了日:04月14日 著者:柴田 よしき
今夜、喫茶マチカネで今夜、喫茶マチカネで感想
閉店が決まった喫茶店マチカネで、月に一度開かれる「待兼山奇談倶楽部」。その町にゆかりのある人々が語るとっておきの体験。どの話も心に染みる素晴らしいものだが、この企画の発案者の沖口氏の語る話で思わぬ方向に。しかし、とても温かい気持ちで読み終えた。良い本を読んだ。「銭湯のピアニスト」・「ジェイクとあんかけうどん」が良かった。
読了日:04月15日 著者:増山 実
さやかの寿司さやかの寿司感想
海辺の町の鄙びた商店街にある「夕凪寿司」。大将は江戸川さやかは、ふんわりした見た目と違い丁寧な仕事をする凄腕の寿司職人。住み込み店員の未来とさやかの祖父でレジェンド寿司職人の伊助。知ったかぶりの客をギャフンと言わせるシーンに拍手。町の名士の社長に仕掛けたサプライズも良かった。そして似たような過去を持つ、まひろと未来の友情。さやかの握るお寿司が食べたくてたまらない。良い本でした。
読了日:04月16日 著者:森沢 明夫
墓じまいラプソディ墓じまいラプソディ感想
墓じまいにまつわるあれやこれや、松尾家の母・五月と2人の娘、牧葉と詩穂の結婚問題を絡めたストーリー。出てくる男が全部ダメ男、お墓の問題は家長や跡取りが大切といういう制度の弊害。この先少子高齢化はますます進むし、無縁墓は増える一方だろうな…。柿谷さんの目の付け所は素晴らしい、面白かった。
読了日:04月17日 著者:垣谷 美雨
月とアマリリス月とアマリリス感想
一気に読んだ。事件記者を挫折し実家の北九州に戻ってきた飯塚みちるは、山中で見つかった老女の死体遺棄事件を追うことに。地方特有の男尊女卑、ジェンダー問題、DV、いじめ。胸が痛くなるようなことがたくさん、加害者であるが被害者でもある人たち。みちるは自らの贖罪と向き合いながら事件を追う。人は人で歪むなんて辛すぎる。しかし人によって立ち直ることも出来る。町田さんのサスペンス、堪能した。
読了日:04月18日 著者:町田 そのこ
流氷の果て流氷の果て感想
1985年の大晦日、真冬の石北峠で起きたバスの転落事故。知床半島ウトロに向かう豪華バスツアーに参加していた多数の人が亡くなり、生き残った少年と少女は1999年の12月新宿で再会する。謎の自殺、ポケットに残る石の欠片、身元不明の遺体を挟んで眼差しをかわす2人に気付いたひとりの老刑事。バブルの狂乱、利権、寄る辺のない子供たちの来し方、介護の問題。罪を犯した理由、隠されていた真実、最終章での驚きの展開。厚みのある本なのに一気に引き込まれて読了。お薦め!
読了日:04月21日 著者:一雫 ライオン
時ひらく (文春文庫 ひ 13-51)時ひらく (文春文庫 ひ 13-51)感想
日本橋三越は残念ながら行ったことがない。しかし、仙台三越は何度か訪れた場所。どの作品もそれぞれの作家さんの良さが出ていて読み心地が良い。中でも辻村さんと伊坂さんのが好き。お子様ランチ、食べたくなる!
読了日:04月22日 著者:辻村 深月,伊坂 幸太郎,阿川 佐和子,恩田 陸,柚木 麻子,東野 圭吾
問題。以下の文章を読んで、家族の幸せの形を答えなさい問題。以下の文章を読んで、家族の幸せの形を答えなさい感想
中学受験を目指し、塾に通う十和。竹を割ったようにさっぱりして楽しい母と優しい父、かわいい妹。そんな理想的な家族に苛立つ十和は志望校も決めることが出来ずにいたが、祖母の住む大阪の名門女子中学校を目指し、今の家族から離れることを決める。家族はバラバラになってしまうのか?中学受験、親友との関係、家族のこと、たくさん盛り込みながら最後は十和を応援する私だった。十和の苛立ちの原因は途中で予想した通りだったが、受験を通してこの家族は成長した。あの、山本店長と谷原さんの登場にニヤニヤした😊
読了日:04月23日 著者:早見 和真
遊園地ぐるぐるめ (一般書)遊園地ぐるぐるめ (一般書)感想
山中青田遊園地、通称「ぐるぐるめ」。訪れた6人のお客さんとちょっと不思議なピエロ、とても温かく優しい1冊。何と言っても青山さんと田中達也さんのコラボが素敵で楽しく読了。遊園地の名前も遊び心いっぱい😄
読了日:04月23日 著者:青山 美智子,田中 達也
鬼哭: 帝銀事件異説鬼哭: 帝銀事件異説感想
戦後の混乱期に起きた「帝銀事件」。事件後逮捕された画家は獄中で無実を訴えながら、病死。しかしこの作品では、千葉県の小作農の次男坊・穂月広四郎が貧しさと徴兵から逃れるため満州に渡り、731部隊で悍ましい体験をする。終戦・シベリア抑留・ソ連とアメリカの思惑や731部隊上層部の身勝手さそして事件が…。戦争は人の心を狂わせ、人の運命も狂わせる。事件の陰にもしかしたらこういう事実があり得たかもと想像をかき立てられた。
読了日:04月25日 著者:鳴海 章
猫の刻参り:三島屋変調百物語拾之続猫の刻参り:三島屋変調百物語拾之続感想
変わり百物語の聞き手・三島屋の小だんな富次郎は、絵師になりたい思いを両親に伝え、店の商いの手伝いと絵の修行そして百物語の聞き手と大忙しの日々を送る。今巻の語りは猫神、河童、迷い家と人外のものの話だが、どれも読み応えがあり面白かった。しかし、三島屋の長男・伊一郎の縁談のゴタゴタからの災難と富次郎が兄を救うためにしたとんでもない取り引き、先が気になる終わり方で、早くも次巻が待ち遠しい。
読了日:04月28日 著者:宮部 みゆき
猫を処方いたします。4 (PHP文芸文庫)猫を処方いたします。4 (PHP文芸文庫)感想
中京こころのびょういん、今作はスマホ依存の小学生、ルッキズムに囚われた女子大生、死んでしまった飼い猫が忘れられない夫婦、そして前作に登場した処方された猫を返せずにいる鳥井青。いよいよビルの取り壊しの話も出て、これからどうなるのか?心先生とニケは?間が空くと内容を忘れるので、続編は早く読みたい…。
読了日:04月29日 著者:石田 祥
風の向こうへ駆け抜けろ3 灼熱のメイダン風の向こうへ駆け抜けろ3 灼熱のメイダン感想
面白かった。G1レースを制したフィッシュアイズと芦原瑞穂がドバイのワールドカップに挑戦する。競走馬の海外移送の困難さや検疫の難しさを乗り越え、我らがフィッシュアイズは走る。これでシリーズ完結とのこと、またいつかフィッシュローズと瑞穂の物語を読んでみたい。
読了日:04月30日 著者:古内 一絵

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3月の読書記録

2025-04-01 18:05:18 | ブックレビュー
3月の読書メーター読んだ本の数:28読んだページ数:8429ナイス数:2812チェーン・ディザスターズチェーン・ディザスターズ感想高嶋さんの本領発揮、日本を次々に襲う大災害パニック小説。東南海地震からの半割れで南海トラフ巨大地震、追い打ちをかけるように首都直下大地震。そしてフィリピン海で発生した大型台風8号が被災地を襲う。相次ぐ災害で総理も閣僚たちも亡くなったり大怪我をして大混乱に。そして33歳当選2回の早乙女未来が総理に。類まれなリーダーシップで東京を日本を立ち直すために闘う未来だが次に起きたのは富士山の大噴火…。怖いけど面白く、災害への備えはキチンとやらなくてはと思える1冊。読了日:03月01日 著者:高嶋 哲夫
任侠梵鐘 (単行本)任侠梵鐘 (単行本)感想任侠シリーズ第7弾。今作は立て直しではなくトラブル解決。暴対法で神社のお祭りに出店出来なくなったテキ屋の悩み。神社の近くでは寺の除夜の鐘がうるさいと苦情が。話し合いをしていると即座に駆けつける地元の警察官。寺や神社には暴力団追放の住民運動が…。ピンチに対応する安岐本親分や日村たち。不穏な動きも安岐本の広い人脈と信頼でめでたく解決!安心して楽しめるシリーズです。読了日:03月02日 著者:今野 敏
四つの白昼夢四つの白昼夢感想巧妙さが光る4つの物語。「屋根裏の散歩者」理想的な家を借りたイラストレーターの妻と音楽家の夫。ある晩屋根裏から不穏な物音が…音の正体で怖さは消えた。「妻をめとらば才たけて」と「多肉」はコロナ禍を上手く取り入れた作品。「妻を」は切なく、「多肉」はホラー。「遺影」も認知症の義母の遺影にまつわる不思議な話。読み心地は悪くない。読了日:03月03日 著者:篠田 節子
冬に子供が生まれる冬に子供が生まれる感想久しぶりに読んだ佐藤正午さん。丸田誠一郎(マルセイ)・丸田優(マルユウ)・佐渡くん、3人の小学生がUFOを見た。その10年後の交通事故でそれぞれの運命が変わる。同級生の杉森真秀、教師である真秀の母、マルセイ・マルユウの担任の湊先生。語り手が変わるので少し混乱も。スッキリしないエンディングだけど最後まで読み切って良かった。読了日:03月04日 著者:佐藤 正午
母親になって後悔してる、といえたなら:語りはじめた日本の女性たち母親になって後悔してる、といえたなら:語りはじめた日本の女性たち感想女性なら母になって当たり前、子どもを愛するのは普通。そんな世間の常識って何だろう?子育てが上手く行かない悩みを母親だけに押し付けている社会。もし子どもを産んでいなかったら自分の人生はどうなっていた?タイトルが強烈なので家族の前では読みにくいかもしてないが、これは多くの人に読んでもらいたい。読了日:03月05日 著者:髙橋 歩唯,依田 真由美
楽園の楽園 (単行本)楽園の楽園 (単行本)感想人が作ったものは万能ではないことを突きつけられる。薄い本なのに凄く深い内容で、いつまでも心に残りそう。読了日:03月06日 著者:伊坂 幸太郎
その噓を、なかったことにはその噓を、なかったことには感想嘘をテーマにした5つの短編。「妻は嘘をついている」「まだ間にあうならば」「三年二組パニック」「家族になろう」「あの日、キャンプ場で」。どんでん返しというより嘘をついたのが誰なのかを考えながら読み進めた。「妻は嘘をついている」「家族になろう」が面白かった。読了日:03月07日 著者:水生大海
姥玉みっつ姥玉みっつ感想穏やかな老後を名主の書役として過ごすお麓、そこへ幼馴染のお菅とお修が転がり込む。能天気なお菅と派手好きなお修に振り回されるお麓、ある日空地で倒れた女と口のきけない少女をお菅が見つけたことから3人の暮らしは大きく変わる。名前を言わない(言えない)少女にお萩と名付け、世話を焼く三婆たち。お萩を執拗に狙う手嶋屋
。みずちとの対決は、瑠璃姫の勇気とお麓の知恵が勝ち、胸のすく思い。面白かった!読了日:03月07日 著者:西條 奈加
竜と蚕:大神坐クロニクル竜と蚕:大神坐クロニクル感想今作は大神坐(おおかみくら)という架空の町を舞台にしたクロニクル(年代記)。13人の作家による16編、ミステリーやファンタジーもありとても楽しめた。永嶋恵美・図子慧・柄刀一の三氏が2編。海なし県に位置する大神坐には浦島伝説や養蚕で栄えた町という歴史がある。そこから様々な物語を紡ぐ作家の皆さん、素晴らしい!読了日:03月10日 著者:大倉崇裕、大崎梢、佐藤青南、篠田真由美、柴田よしき、図子慧、柄刀一、永嶋恵美、新津きよみ、福田和代、松尾由美、松村比呂美、矢崎存美
11ミリのふたつ星~視能訓練士 野宮恭一~11ミリのふたつ星~視能訓練士 野宮恭一~感想視能訓練士・野宮恭一シリーズ第2弾。野宮は行きつけの喫茶店「ブルーバード」で斜視の4歳の少女あかりと出会う。あかりの訓練を行うことになった野宮のストーリーを軸に、視野が徐々に狭まりやがて失明する小学生のワタル、糖尿病網膜症の漫画家や従弟のスマホ斜視など様々な人と関わって行く。野宮を見守る北見眼科の先輩たち、あかりが世界を立体的に見ることを理解したシーンに感動!野宮くんが家族からの信頼を得られたことが嬉しい。目は大切にしなくてはと改めて実感した。読了日:03月11日 著者:砥上 裕將
責任責任感想職務質問中に逃げた犯人が起こした事故、一家4人の乗る車と犯人が死亡し、自責の念にかられる刑事の松野徹。12年の時を経て逃げた男の父親から、息子は本当に罪を犯していたのか真実を知りたいと依頼を受ける。上司や同僚の反対を押し切り事件を調べ直して辿り着いた真実。クズのような男のせいで…。読了日:03月12日 著者:浅野 皓生
光の粒が舞いあがる (カラフルノベル)光の粒が舞いあがる (カラフルノベル)感想母と2人暮らしの中学生心愛は忙しい母に代わり家事一切を担っている。しかし母は恋人との交際に夢中で心愛の気持ちは晴れない。そんなある日ボクシングジムでひとりの格好良い少女がサンドバッグに向かう姿に見惚れてしまう。思春期の少女たちがボクシングに打ち込み、自分の気持ちを守るために励む。清々しくとても良い読書が出来た。蒼沼洋人さん初読み。読了日:03月12日 著者:蒼沼 洋人
目には目を目には目を感想娘を殺害された母親が復讐のため犯人の元少年Aを殺した。元少年Aの居場所を母親に密告したのは共に少年院で過ごしていた少年B。重い罪を犯し少年院で出会った6人のうち、誰がBなのか?ルポライターの女性は5人の元少年たちを取材してゆく。ルポライターの正体が分かってからは読むスピードが増し、一気に読了。奪った命は二度と戻らない。罪を犯した少年たちの贖罪意識の低さ、気づきの遅さにばかり意識が向いて、辛い読書になった。
読了日:03月13日 著者:新川 帆立
花になるらん: 明治おんな繁盛記花になるらん: 明治おんな繁盛記感想京都の呉服商「高倉屋」の娘・みやびの生涯。美しいもの、新しいものが大好きで、時代の流れを読み世界に打って出る。蛤御門の変の大火で家や店を失い、夫の不貞と腹上死、妹の不幸と姪の不幸、夫の隠し子を引き取りと家庭の中も波乱万丈。そんな中での密かな恋を糧に商売に邁進する『ががご寮人』。高島屋の基盤を作った女性の物語。バラの包装紙の由来も明かされている。玉岡さんの描く明治の女の物語は読み応え満点。読了日:03月15日 著者:玉岡 かおる
家族家族感想火災現場から裸足で逃げた19歳の女性・美咲。焼け跡から遺体で発見されたのは美咲の母・祖母・そして重度障害者の兄。美咲は小学生の時から祖母と共に兄の介護を担い、中学生になると頼みの祖母も認知症に。母は一家を養うため看護師として働き、兄と祖母の介護は美咲がほぼひとりで担うようになる。警察は美咲が3人を殺害し家に火を放ったと考えるが、雑誌記者の真由美は美咲が家族を殺すとは思えず一家の事情を調べてゆく。ヤングケアラーの抱える問題と真由美自身の父の認知症の問題。国、行政がこの問題に真摯に取り組んで欲しいものだ。読了日:03月17日 著者:高嶋 哲夫
深淵のテレパス深淵のテレパス感想会社の後輩に誘われて、大学のオカルト研究会のイベントの怪談を聞いた高山カレン。その日を境に怪現象に襲われるようになり、「あしや超常現象調査」に助けを求める。晴子と越野のコンビが良い!ホラーだけどそこまで怖くなく、夜中でも読めた。上條一輝さん初読み。読了日:03月18日 著者:上條 一輝
枝豆とたずね人 ゆうれい居酒屋5 (文春文庫 や 53-9)枝豆とたずね人 ゆうれい居酒屋5 (文春文庫 や 53-9)感想秋穂さんのうたた寝で見る夢がだんだん面白くなっている😆婚活食堂とはじめ食堂のコラボも楽しくて良かった。読了日:03月18日 著者:山口 恵以子
みかんファミリーみかんファミリー感想椰月さん久々に手にした。同級生のシングルマザーの母親同士がいきなり古民家を購入し、それそれ三世代女6人で暮らすことに。大沢家の美琴と加藤・堤下家の野々花は同学年だがこれまで全く接点がなく、新しい暮らしに戸惑いながらの同居が始まる。母が同居を決めた理由とみかんファミリーと言う名前、素敵なステップファミリーのお話だった。読了日:03月19日 著者:椰月 美智子
風待荘へようこそ風待荘へようこそ感想いきなり夫から離婚を切り出され、一人娘も夫の元に。居場所を無くした眞夏はたったひとり京都のゲストハウスのオーナーを頼り、仕事を手伝うことになる。家族のために生きてきた眞夏はシェアハウスで共に暮らす仲間やゲストハウスのお客との関わりを通して少しずつ変わってゆく。元夫の身勝手さが腹立たしいが、娘と心を通わせることが出来て良かった。出てくる料理が美味しそう!読了日:03月19日 著者:近藤 史恵
結論それなの、愛結論それなの、愛感想一度も訪れた経験はないのに、熱気と湿度の高さと人々の喧騒が立ち昇るような感覚がした。タイ・バンコクの駐在員の妻たち、異国の地で夫とは心が通わず、現地の若い男や女性専用風俗に溺れてゆく。私の知らない世界を垣間見る読書。読了日:03月20日 著者:一木 けい
世界のすべて世界のすべて感想自身の性自認に悩む鳴海くん。恋愛感情や性欲がない、そのことを誰にも相談出来ないが見た目は普通に暮らし、喫茶店「ブルー」でアルバイトをしている。「ブルー」にやって来るお客たちやマスター夫妻も秘密を持つ人。頭で理解していても強烈な嫌悪感をあらわにするコトリさんが印象的。鳴海くんのお店が上手く行くと良いな。読了日:03月21日 著者:畑野 智美
アサイラムアサイラム感想行政がケアを目的に作り上げたとある街。そこで暮らすことになったスミレは、大学生の時に性暴力に遭い、それをなかったことにして日々を送るうちに心も体も動かなくなり、その街にやって来た。丁寧なカウンセリング、深い事情に踏み込まない周囲の人たち。しかし久しぶりに会った大学時代の友人たちの言葉や考えに再び傷つけられるスミレ。そんな中でスミレ自身も傷ついた人に寄り添う側になりたいと決意してゆく。被害者が守られる社会に、今の日本にはとても難しいものだろう。読了日:03月22日 著者:畑野 智美
星の教室星の教室感想酷いイジメで学校に通えなくなり、卒業証書も受け取らなかった潤間さやか。しかし、履歴書に小学校卒業としか書けない事実に愕然とし、バイト先にも提出出来ないでいた。しかし、「夜間中学」の存在を知り、20歳の春に入学することになる。様々な事情で義務教育を受けられなかった人、全く文字を読み書き出来ずに生きてきた人、仲間たちと触れ合うことで頑ななさやかの心は変わってゆく。さやかの成長とともに、両親との関係も変わり、叶えたい夢も明らかになる。とても素敵な1冊。お薦めです!読了日:03月23日 著者:髙田 郁
追跡追跡感想焼け跡から3人の遺体が見つかり、現場から子供ひとりが消えた。しかし、殺された3人は本当の家族ではなく、子どもの行方は不明。行方を追うのは謎の組織、半グレ、そして警察。警察も一枚岩ではなく、誰がどことつながるのか、少々混乱した。キッカケとなった輩がクズ過ぎて、こんな奴のために何人が命を落としたのかと思うとやり切れない。読了日:03月24日 著者:伊岡 瞬
青い絵本青い絵本感想とても素敵な短編集、表題作「青い絵本」「卒婚旅行」「鍵」が良かった。「卒婚旅行」のダンナさん、良い人じゃありませんか!卒婚しなくてもこの二人なら大丈夫。桜木さんの新しい一面をうかがわせる心に染みる1冊。読了日:03月25日 著者:桜木 紫乃
汽水域汽水域感想「死刑になりたかったから」と言う理由で歩行者天国で刃物を振りかざし3人の命を奪い4人を傷つけた35歳の深瀬礼司。フリーの雑誌記者・安田賢太郎は深瀬の素顔を追う。深瀬の過去を調べるうちに安田自身も深瀬に心を寄せてゆくが、安田の記事に寄り思わぬ事態が…。ジャーナリストとしての安田の苦悩、父親に対する憎しみ、オールドメディアとSNS。現代日本の抱える問題、「汽水域」と言うタイトルが秀逸だ。読了日:03月26日 著者:岩井圭也
ミナミの春ミナミの春感想大阪・ミナミが舞台の群像劇。各章に登場する女性漫才コンビ「カサブランカ」のチョーコ・ハナコ。彼女らを軸に様々な人間模様が描かれる。時代は1995年から2025年へ、カサブランカに憧れて漫才師を志したハルミと相方のヒデヨシ。ハルミの遺児・彩を育てる吾郎、そしてラストの粋な演出は心温まるものに。読了日:03月28日 著者:遠田 潤子
人生劇場人生劇場感想新川猛夫は室蘭で4人兄弟の次男として生まれ、兄に苛められ母からは疎まれ、居場所のない少年時代を送る。猛夫に愛情を注ぎ、育ての親になった伯母のカツ。猛夫が一人前の理髪師として成長するまでは、心の中で応援しながらの読書。しかし、妻の里美へのDVや身勝手な借金あたりから猛夫への怒りが増す。桜木さんのお父上がモデルの小説とのこと、「ラブレス」「ホテルローヤル」「家族じまい」既読のあの作品のあの人がと思い出しながらの充実した読書に。新川猛夫の人生劇場、お薦めです!読了日:03月30日 著者:桜木紫乃
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2月の読書記録

2025-03-02 08:10:31 | ブックレビュー
2月の読書メーター
読んだ本の数:24
読んだページ数:7385
ナイス数:2457

センシティブ・キリング 警視庁01教場 (角川文庫)センシティブ・キリング 警視庁01教場 (角川文庫)感想
甘粕仁子は犯人を追う際に転落して大怪我を負い相貌失認という重大な後遺症に。人の顔の見分けがつかない上ににおいにも過敏になるが、塩見助教官が献身的に支える。受け持つ学生たちには元力士がいて何かと注目を浴びる。学校付近で起きた転落事故、隣の教場との決闘事件、相撲部屋で起きていた事件など盛りだくさんだが、学生たちを立派に卒業させるための仁子たちの苦労、そして最後のラブラブ。目が離せず一気読み。
読了日:02月01日 著者:吉川 英梨
ロス男ロス男感想
40歳、母を亡くし漠然とした喪失感を抱えるフリーライターの吉井。ある日再会した歳上の元同僚カンちゃんの「死ぬまでにしたい10のこと」リスト作成を手伝うことに。アスペルガー女性との仕事と恋、婚活、カンちゃんの妻への思いと喪失感、マイノリティーであることに悩むコーキくん。吉井くん、いい奴なのに生まれた時が悪かったのか。たくさんの気づき、喪失(ロス)すらも愛する、吉井くんの未来は決して暗くはないと信じたい。
読了日:02月03日 著者:平岡 陽明
五葉のまつり五葉のまつり感想
天下人・秀吉が仕掛ける大事業を命がけで成し遂げた5人の奉行たち。北野大茶会・刀狩り・太閤検地・瓜畑遊び・醍醐の花見。様々な横槍をはねのけ、無理難題に挑んだ漢たちの物語。返却日が迫り流し読みになってしまったのが残念。また日を改めて読み直したい。
読了日:02月04日 著者:今村 翔吾
ドヴォルザークに染まるころドヴォルザークに染まるころ感想
出だしの1行に衝撃を受けて読み始める。廃校が決まった九州の小さな小学校の秋祭りの一日。そこに集う人たちの様々な思いが交錯する。閉塞的な田舎の集落、男尊女卑を当たり前ととらえる人々、駆け落ち・不倫・セックスレスなどなど。夕暮れ近くなるころ、ドヴォルザークの「家路」が流れる。重たいけど少しだけ明るいラストで読後感は悪くない。
読了日:02月05日 著者:町田そのこ
遥かな夏に遥かな夏に感想
あなたは私の祖父ですか?まっすぐに問いかけてきた若い女性。彼女の祖母は未婚のまま彼女の母を産み、けっして父のことを明かさなかった。1976年のベルリン映画祭とその場に居合わせたメンバー。祖父を探すと同時に主人公・本庄の映画への思いと若き日のことが甦る。当時の韓国の政情や在日韓国人、引き裂かれた若い2人の悲しみが胸に迫る。
読了日:02月06日 著者:佐々木 譲
潮音 第一巻潮音 第一巻感想
宮本さん初の歴史小説。幕末動乱の時代、越中富山の薬売り・川上弥一の物語。富山の薬売りの歴史、薩摩との関わり、とても興味深い。四ヶ月連続刊行ということなので先が楽しみ!
読了日:02月09日 著者:宮本 輝
桜が散っても桜が散っても感想
趣味の渓流釣りで訪れた桑畑村、大好きなこの村を自身が勤める会社がリゾート開発しようとしている。その事実を知って苦悩する忠彦は、親友に会いに出かけた村で大きな出来事に遭遇し、言葉を失い、心を病んでしまう。幸せだった家族は壊れ、それから20年の月日が。忠彦、妻の麻美・娘の里奈・息子の建斗の視点で語られる物語。プロローグは不穏な感じで森沢作品にしては暗いなと思いきや、エピローグがとても素敵で読後感は良好。
読了日:02月10日 著者:森沢 明夫
眠れない夜のために眠れない夜のために感想
「眠れない夜は」で始まる10の掌編。絵と文章がとても美しく、一人静かに夜に読む。【木守柿】が好き。
読了日:02月10日 著者:千早 茜
月花美人月花美人感想
菜澄班郷士・望月鞘音は傷の治療に使う〈サヤネ紙〉を作り、亡き兄の遺児・若葉との暮らしの糧としていたが、幼なじみの紙問屋・我孫子屋壮介と女医者・佐倉虎峰は「月役」の処置に使うため〈サヤネ紙〉の改良を持ちかける。女性の生理を穢れとし忌み嫌う時代に、武士としての誇りや立場を乗り越えて〈月下美人〉を開発し売り出そうとした彼らの前に立ちはだかるものは?着眼点が面白く、楽しい読書が出来た。女を穢れたものと言うなら、その女から生まれた男は何なのか?いつも疑問に思う私です。
読了日:02月11日 著者:滝沢 志郎
雷と走る雷と走る感想
学童期に父の転勤でアフリカの某国に引っ越したまどか。その国は治安が悪く、駐在員の住む家は高い塀に守られ
広い庭がある。家族の安全のために庭に放し飼いにされた大型のガードドッグたち。虎と名付けた犬とまどか、虎への愛と別れ。短い物語ながらとても読み応えがあった。
読了日:02月12日 著者:千早 茜
ヒポクラテスの困惑 (単行本文芸フィクション)ヒポクラテスの困惑 (単行本文芸フィクション)感想
ヒポクラテスシリーズ第6弾。2020年4月、大手通販サイトの創業者でセレブがコロナで急逝。しかし男は未承認のワクチンを独自に入手し自らの手で接種していた。その後人気ユーチューバーやベテラン代議士が相次いで亡くなり、未承認ワクチンに仕込まれた悪意が明かされる。誰が何の目的で仕掛けたのか?うーん…真犯人が明かされてもスッキリせず。相変わらず読みやすいのだが、光崎先生の出番が少なくて残念。
読了日:02月14日 著者:中山七里
架空犯架空犯感想
深夜に発生した火災、焼け跡から見つかったのは都議会議員と元女優という夫婦の遺体。無理心中かと思われた事案は殺人事件と断定された。手がかりがつかめないまま、かって教師と教え子という関係だったこの夫婦の過去に遡り捜査する五代刑事。共に捜査にあたる刑事に感じた違和感の正体。明かされた真相は過去からの逆襲なのか。若気の過ちと魔性の女に振り回される男たちの物語かも?一気に読ませる筆力はさすが。
読了日:02月14日 著者:東野 圭吾
謎は花に埋もれて謎は花に埋もれて感想
フラワーショップ橘の店主志奈子は50を過ぎて結婚した刑事の省司と暮らしている。2人の周りで起こる6つの殺人事件、花をモチーフにしたミステリー。「クレイジーキルト」「家族写真」が好み。
読了日:02月15日 著者:宇佐美まこと
スターゲイザースターゲイザー感想
アイドル事務所・ユニバースに所属するデビュー前の若者たち。通称リトルと呼ばれる彼らは10年以内にデビュー出来なければ自動的に卒業。6人の視点の物語は面白く、互いへの嫉妬や憧れ、自分の才能や容姿への不安。バラバラで纏まらなかった彼らがだんだんひとつになる。最後は爽やかな感動で読了。元J事務所が脳内チラホラ…😅
読了日:02月16日 著者:佐原 ひかり
連続殺人鬼カエル男 完結編連続殺人鬼カエル男 完結編感想
カエル男シリーズの完結編。「心神喪失者の行為は罰しない」刑法39条を盾に殺人犯を無罪にした【人権派弁護士】が相次いで殺害され、有働さゆりの犯行が疑われる。殺害方法は悲惨、追う渡瀬・古手川のコンビ。有働の真の目的が明らかになり、表紙の絵が…。最後は呆気なく感じたが、古手川は心の傷に引きずられそう。
読了日:02月17日 著者:中山 七里
死写会死写会感想
昭和の巨匠と呼ばれる白波瀬仁が25年ぶりに撮った映画「妖奇」。その試写会に参加した44人が集団自殺し、周辺でも不審な死を遂げる。先が気になってサクサク読んだけど、後味の悪さしか残らない。映画界の闇、ハラスメントへの恨み、当事者でなくとも傍観者まで引きずり込む恨みの恐ろしさ。
読了日:02月18日 著者:五十嵐 貴久
あえのがたりあえのがたり感想
10人の作家達による能登半島応援チャリティ小説。2024年能登の地震からほどなく直木賞の待ち会で加藤シゲアキさんから今村翔吾さんに持ちかけて始まった企画とのこと。10人それぞれ違った作風でとても楽しめた。蝉谷めぐ実さん、麻布競馬場さんは初読み。今村翔吾さんはさすがの面白さ、蝉谷さんの「赤門」の由来と麻布競馬場さんのカレーパーティーのオチが印象的。小川哲さん!今作は分かりやすい😆
読了日:02月19日 著者:加藤 シゲアキ,今村 翔吾,小川 哲,佐藤 究,朝井 リョウ,柚木 麻子,荒木 あかね,今村 昌弘,蝉谷 めぐ実,麻布競馬場
冷たい恋と雪の密室 (一般書)冷たい恋と雪の密室 (一般書)感想
2018年1月11日、記録的な大雪に見舞われた新潟県三条市でJR信越線が立往生した。閉じ込められた列車の中にはセンター試験を2日後に控えた3人の受験生が。これは恋物語ですね😅帯織駅が最寄りの3人という設定にしないと成り立たない物語なので仕方ないかなと思ったのですが、帯織は旧栄町で農村地帯。3人の家業があの地で三代続いて云々という辺りでリアルな舞台を知るものとしては内容に没頭出来ず…。千春の愛情は強すぎて怖くも。若い方が読むとまた違った感想になるかな?
読了日:02月20日 著者:綾崎 隼
蕎麦打ち万太郎 (単行本文芸フィクション)蕎麦打ち万太郎 (単行本文芸フィクション)感想
モンゴル出身の元力士・万太郎は妻の希子と新橋で蕎麦店を営んでいる。気は優しくて力持ち、困っている人を放っておけない万太郎。行きつけの酒場のバイト女性のピンチを救い、ネットで悪口を書いた人物と対峙し、力士時代の後輩を励ます。テレビ局の理不尽なやり方と戦い、蕎麦農家のピンチに駆けつける。読みやすくサクッと読了。面白かった。
読了日:02月20日 著者:原宏一
夜と跳ぶ  Re:東京ゴールデン・エイジ夜と跳ぶ  Re:東京ゴールデン・エイジ感想
夜と跳ぶ、シリーズ第2弾。ロス五輪を目指す決意をしたエイジの前に立ちはだかるパリの金メダリスト・マシュー。エイジと丈太郎のコンビが行くところにトラブル発生?智亜のピンチを救い、マシューをストーカーからまもったり、エイジの親探しのせいで命を狙われたり。技の名前で情景は想像出来ないけれど、試合の臨場感や緊張は伝わりとても面白かった。次はロスでの対決かな?続編を期待したい。
読了日:02月22日 著者:額賀 澪
アーセナルにおいでよアーセナルにおいでよ感想
高校3年生の千春は少し人付き合いが苦手。推薦で進学先が決まりあることで学校に行きづらくなっていたある日、幼なじみで初恋の相手甲斐君から突然の連絡があり、千春の能力を見込まれスタートアップ企業にスカウトされる。居場所のない若者たちを支援するその会社の名は「アーセナル」。甲斐・陽太・コトリ・千春、それぞれ得意分野の異なる4人、サクサクと読み終えた。
読了日:02月22日 著者:あさの あつこ
逃亡犯とゆびきり逃亡犯とゆびきり感想
売れないフリーライターの世良未散に一本の電話が入る。それは高校時代の親友・古沢福子。福子は未散が取材中の事件の真相を暴くヒントを与え未散の記事は話題となる。しかし、福子は4人を殺し指名手配をされていた。なぜ殺すのか?福子と未散の育ってきた家庭の酷さ、どこの家庭にも「クロゼットの中の骸骨」が…。人を支配し何も考えられなくする恐ろしさ、福子の犯罪は許せないことなのになぜか逃げて欲しいと思う私。これもシスターフッド小説か、面白く読了。
読了日:02月23日 著者:櫛木 理宇
板上に咲く MUNAKATA: Beyond Van Gogh板上に咲く MUNAKATA: Beyond Van Gogh感想
ゴッホの「ひまわり」に魅せられ画家を志した棟方志功。裸一貫で青森から上京したが絵を習う師もなく画材を買うお金もない。やがて辿り着いた木版画で世界を圧倒した志功、彼を支え共に生きた妻チヤ。彼はゴッホを超え世界のムナカタとなった。マハさんのアート小説、堪能した!
読了日:02月25日 著者:原田 マハ
シロガラス 6 ひみつの旅シロガラス 6 ひみつの旅感想
前作から6年、ほとんど内容を忘れていたがこれまでのストーリーがあったのですんなりと読み進めることが出来た。千里はご神刀を内陣から持ち帰り、その力で叔父真行の記憶が甦る。星司の母ミズキの失踪にまつわる秘密、手がかりをつかんでも動かない大人たち。千里と星司の秘密の旅の結末。これは早く続編を刊行してほしい!佐藤先生、よろしくお願いします😊
読了日:02月26日 著者:佐藤多佳子

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1月の読書記録

2025-02-02 08:15:29 | ブックレビュー
1月の読書メーター
読んだ本の数:22
読んだページ数:7234
ナイス数:2385

綱を引く綱を引く感想
2025年の読み始めは堂場さんから。休眠状態の東京蒲田の綱引きチーム「プルスターズ」の再生物語。綱引きというシンプルな競技の奥深さ、人間ドラマ。面白かった!
読了日:01月05日 著者:堂場 瞬一
太陽と月: サッカー・ドリーム太陽と月: サッカー・ドリーム感想
身体は大きいが気持ちの優しい大原月人。小柄で負けん気の強い小桧山太陽。プロサッカー選手を目指す2人の少年は、JFAアカデミーのセレクションで沢村歩夢という才能ある少年と出会う。アカデミーのセレクションには沢村歩夢のみが合格し、月人と太陽は様々な葛藤を経て次のステップへ。もうすぐ中学生になる彼らはこのあとどう成長してゆくのか?面白く一気に読了。続編も読みます!
読了日:01月05日 著者:はらだ みずき
太陽と月: ジュニアユース編太陽と月: ジュニアユース編感想
月人と太陽は中学生に。ユース世代のサッカー事情を知ることが出来、とても興味深い。母ひとりで2人の息子を育てる太陽の家。月人をしっかりと支える祖父の晴夫。コツコツと努力を重ね、チームには恵まれないなか成長してゆく月人。自分の思うようにいかずヤケを起こすこともあった太陽。それでも目指すのはプロ選手。とてもさわやかで読後感も良かった。高校生になった2人を見てみたい。
読了日:01月06日 著者:はらだ みずき
暗黒戦鬼グランダイヴァー暗黒戦鬼グランダイヴァー感想
近未来の日本、不法滞在の外国人(作中では異人)がやりたい放題。ダイバースーツと呼ばれる装甲防護服に身を包んだ警視庁機動制圧隊の深町辰矛は異人グループから襲撃を受ける。そんな辰矛を救ったのは異人を圧倒的な暴力でなぎ倒す「漆黒のダイバー」。その正体と目的は?これは深読みせず、ストーリーを楽しめば良い本。続編も在りそう。
読了日:01月08日 著者:誉田 哲也
【第172回 直木賞候補作】秘色の契り 阿波宝暦明和の変 顛末譚【第172回 直木賞候補作】秘色の契り 阿波宝暦明和の変 顛末譚感想
巨額の借財を抱える徳島藩。その藩政を改革したいと願う若き家臣たちと旧来の政に固執する五家老。そこに新たに藩主となった蜂須賀重喜。「政には興味なし」と言い放つこの藩主と、藩主による直仕置による藩政改革を目指す忠兵衛ら中堅家臣団。徳島の藍で藩を救うと言う目論見は上手くいくのか?これ、木下さんの作?と言うくらい読みやすいし、それなりに面白さはある。しかし、やはり重厚な木下作品を期待する私…。第172回直木賞候補作。
読了日:01月11日 著者:木下昌輝
気の毒ばたらき きたきた捕物帖(三)気の毒ばたらき きたきた捕物帖(三)感想
きたきた捕物帖シリーズ第3弾。北一の成長が著しい。千吉親分の文庫屋の火事、そこにつけ込む卑劣な「気の毒ばたらき」。喜多次とのコンビに新たに加わった可愛い仲間たち。北一の人柄は周りの人たちの助けを呼ぶ。千吉親分がずっと気にかけていた27年前の恐ろしい事件は、スッキリ解決とはならなかったが謎は解けた。おでこちゃんが素敵な大人になっていて、今作では弓之助の力も。作中に登場は叶わなかったけど、次作では大人の弓之助も見てみたい。読みやすく一気に読了、やはり宮部さん好き!
読了日:01月12日 著者:宮部 みゆき
闇医者おゑん秘録帖-碧空の音 (単行本)闇医者おゑん秘録帖-碧空の音 (単行本)感想
闇医者おゑんシリーズ第4弾。おゑんのもとで子を産み、はかなく命を落としたお竹。その子どもを産むと言う執念は尋常ならざるものだった。吉原惣名主・川口屋平左衛門から頼まれた遊女・桐葉(お喜多)は大店の主人との間に子を授かり身請け話が進んでいるのに頑なに子を産むことを拒み、異常な言動をとる。お喜多はなぜ子を産むことを拒むのか?その来し方を探り、隠されていた悲しい真実。おゑんと吉原首代・甲三郎のこれからも気になるシリーズ。シリーズ中一番の読み応えだった。
読了日:01月13日 著者:あさの あつこ
戸惑いの捜査線 警察小説アンソロジー (文春文庫 こ 32-70)戸惑いの捜査線 警察小説アンソロジー (文春文庫 こ 32-70)感想
手練れの作家7人の警察小説アンソロジー。佐々木譲・乃南アサ・松嶋智佐・大山誠一郎・長岡弘樹・櫛木理宇・今野敏。佐々木さん、乃南さん、櫛木さんのが面白かった。
読了日:01月15日 著者:佐々木 譲,乃南 アサ,松嶋 智左,大山 誠一郎,長岡 弘樹,櫛木 理宇,今野 敏
ひまわりひまわり感想
キャリア10年の総合商社勤務の朝宮ひまりは突然の交通事故で頸髄損傷、首から下の自由を奪われてしまう。厳しいリハビリを経て職場復帰を願うもヘルパーと共に仕事をすることに難色を示されて断念。幼なじみレオに勧められ司法試験を目指す。頭脳的には全く問題はないひまり、四肢が不自由と言う壁、それより前例主義と言う役所の壁。逞しくチャレンジするひまり、彼女のヘルパーとなったヒカル、良き仲間や家族。過酷な司法試験とその結果、思わず涙。この本にモデルとなった方がいたとは!「言葉の力は希望の光」、お薦め!良書です。
読了日:01月18日 著者:新川 帆立
猫を処方いたします。3 (PHP文芸文庫)猫を処方いたします。3 (PHP文芸文庫)感想
シリーズ第3弾。ニケ先生が待っていた「予約の患者さん」。不思議な【中京こころのびょういん】の悲しい過去が明らかに…。猫の愛らしさは読んでいてもニヤニヤするほど。私も猫を処方されたくなる。
読了日:01月19日 著者:石田 祥
ダ・ヴィンチ 2025年1月号ダ・ヴィンチ 2025年1月号感想
BOOK OF THE YEAR 2024は30冊中既読は13冊。未読のもので特に読みたいと言うものは見当たらず。2025年の隠し球は読みたい本がたくさん!参考にしたい。
読了日:01月19日 著者:
昨日への誓い 警視庁総合支援課3 (講談社文庫 と 55-26)昨日への誓い 警視庁総合支援課3 (講談社文庫 と 55-26)感想
被害者や加害者に寄りそい支援する「総合支援課」シリーズ第3弾。苦手意識のある柿谷晶、今作もグイグイと。しかし、今作の晶にはさほど嫌な感じがしない。支援課の仲間たちのフォローと本人の気づきなのか。ひき逃げ事故と迷惑ユーチューバー、突然失踪したOBの大岡。寄り添うことも中々大変な仕事、ガンさんや西川・沖田の登場も嬉しい。
読了日:01月21日 著者:堂場 瞬一
人魚が逃げた人魚が逃げた感想
3月の週末、銀座の歩行者天国で「僕の人魚がいなくなってしまって…逃げたんだ、この場所に」と語る王子。人魚騒動の裏に5人の男女が迎える人生の節目。歳上の女性に恋する若者、娘の旅立ちに心揺らぐ母親、自らの身勝手さから離婚に至った男性、妻との関係に自信を持てない作家、そして歳下の男性に恋した女性。あの2人はきっと幸せになるでしょう。地下の画廊が素敵、そして表紙が素晴らしい。
読了日:01月21日 著者:青山 美智子
雪夢往来雪夢往来感想
雪深い越後塩沢、そこで特産の縮織物の仲買商をしている鈴木儀三治(牧之)は江戸ではふるさと越後、とりわけ雪の季節を全く知られていないことに驚く。牧之が書き溜めた「雪話」は山東京伝の目にとまり、出版へと動き始めるが…。40年という長き年月を経てようやく世に出た名著「北越雪譜」。江戸出版界と人気戯作者、京伝・馬琴・京山たちの有り様。牧之の念願が叶って良かったと同時に馬琴の偏屈さが特に印象に残った。雪の季節にぴったりの名作。
読了日:01月24日 著者:木内 昇
幸せのカツサンド 食堂のおばちゃん(16) (ハルキ文庫 や 11-18)幸せのカツサンド 食堂のおばちゃん(16) (ハルキ文庫 や 11-18)感想
シリーズ第16弾。一子と二三のおばちゃんコンビの料理への挑戦は凄い。どんどんアイディアが湧き、しかも美味そう。人気女優の悩み相談を受けたり認知症のおばあちゃんを助けたり、隅田川花火大会の日は万里くんが寿司を握ったりと盛りだくさん。ラーメン屋店主はめでたく出産し、店を休む間に営業するサンドイッチ店へ揚げ物を提供することにも。内容はマンネリ化しているけど安心して読めるので、次も楽しみ。
読了日:01月24日 著者:山口 恵以子
コンビニ兄弟4:―テンダネス門司港こがね村店― (新潮文庫 ま 60-4)コンビニ兄弟4:―テンダネス門司港こがね村店― (新潮文庫 ま 60-4)感想
シリーズ第4弾。大好きな夫と離婚し、束縛の強い両親から離れて一人暮らしを始めた百合の章。ヒーローに憧れて果たせず自分を見失っていた舞人の章。テンダネス門司港こがね村店には素敵な人々と小さな幸せで溢れている。ツギ・ミツ・ジュエルに続いて長男がチラリと…。次巻ではどういう展開になるのか?次も楽しみに待ちたい。
読了日:01月25日 著者:町田 そのこ
魔女の後悔魔女の後悔感想
魔女シリーズ、久々の最新作。壮絶な過去を持つ闇のコンサルタント・水原。韓国の巨額詐欺事件の遺産を継ぐ13歳の少女を巡り、水原の過去が交錯する。水原の強さと格好良さは相変わらず、助けてくれる仲間も。本編の誘拐の主犯は水原憎しでぶっ飛んだ人物。由乃を庇護することになった水原、今後はどんな魔女ぶりを見せてくれるのだろうか?続編、待ちたいです。
読了日:01月27日 著者:大沢 在昌
あの日の風を描くあの日の風を描く感想
愛野史香さん、初読み。京都の美大の油画科を休学中の稲葉真は、バンドのパフォーマーとしてそこそこ名前が売れていたが、メジャーデビューと同時に切り離され、傷心のままほぼ引きこもる生活に。従兄の凜太郎の声かけで、参加することになった襖絵の復元模写制作。日本画科の修士の土師と蔡との三人で挑む復元模写。創作への苦悩と喜び、芸術の奥深さを感じさせてくれ、爽やかな感動で読了。第16回角川春樹小説賞受賞作。
読了日:01月28日 著者:愛野 史香
白紙を歩く白紙を歩く感想
怪我でリハビリ中の定本風香と本好きで小説家になりたい明戸類。走る理由を見つけたい風香は本が好きな類に憧れるが、読書をしたことのない風香は「走れメロス」を読み切るにも時間がかかってしまう。類の書く小説はいつもバッドエンドで面倒くさい性格。真逆な2人が出会ったことでみつけたものは?類の拗らせぶりにやや読みにくさを感じたが、校内マラソン大会のくだりでとても感動した。デビュー作以来の鯨井さん、とても良かった。
読了日:01月29日 著者:鯨井 あめ
ここでは言葉が死を招くここでは言葉が死を招く感想
医療刑務所シリーズ第3弾。今作で由衣が担当するのは外国人受刑者。ストーカー規制法で収監中のインド人女性、技能実習生だったベトナム人女性、宗教上のトラブルで逮捕されたアメリカ人男性。言語・宗教の違い、意思の疎通に悩みながら懸命に患者と向き合う由衣だが、その一途さで暴走気味。ベトナム人女性の受けた苦しみ、インド人女性に対する名誉殺人、輸血拒否、日本人同士でも互いを理解するのは難しいのに…。由衣はこれからどう成長してゆくのか?次、出たら読みたい。
読了日:01月29日 著者:嶋中 潤
死んだ木村を上演死んだ木村を上演感想
「死んだ」シリーズの第3弾。8年前、大学劇研の卒業講演を目前に、木村が死んだ。彼はなぜ死んだのか?共にその日を過ごした4人に送りつけられた手紙。8年前のあの日を再現して上演する。それそれが心の奥底に隠していた本音、クライマックスに向けての罵りあい。木村の妹の正体にはビックリ。これも面白かった!
読了日:01月30日 著者:金子 玲介
普通の子普通の子感想
小5の一人息子が学校のベランダから飛び降りた。息子はイジメられていたのか?仕事に追われ学校での息子の様子を全く把握出来ていないので母親・美保。美保自身も小学生時代に苦い思いをし、その記憶が甦る。うわー!なんだろう、感想書けない。。ラストの展開に息を呑むほどの衝撃。イジメは駄目、絶対に。
読了日:01月31日 著者:朝比奈 あすか

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12月の読書記録

2025-01-03 13:06:04 | ブックレビュー
12月の読書メーター読んだ本の数:21読んだページ数:6772ナイス数:2320夜更けより静かな場所夜更けより静かな場所感想とても良かった。古書店「深海」で開かれる読書会。参加者は店主・遠藤茂、姪の吉乃、非正規雇用の司書・安井京子、グラフィックデザイナーの中澤卓生、吉乃のゼミ仲間の真島直哉、深海のアルバイト・国分藍の6人。生き方に悩むこの6人が課題の本を選択し、読書会に臨む。読み終えたあとで余韻の残るステキな1冊、岩井さんの作品で最も好きです。タイトルが秀逸。そしてテーマになった本、読んでみたくて検索してしまった。「真昼の子」読みたい。読了日:12月01日 著者:岩井 圭也
要の台所要の台所感想「天の台所」の続編。何となく学校で居場所のない要は、たった一人の友だち・光(天の妹)のクラスメイト。ある日要は隣に住むネパール人の少女・サリタと知り合う。要の手作りクッキーをキッカケに少しずつ距離が近づくが…。夏休み、がみババに料理を習うことになった要。言葉や習慣の違いを乗り越えて、要自身も成長してゆく。天もちょこっと登場、高校生に!読了日:12月01日 著者:落合 由佳
【2023年・第21回『このミステリーがすごい!』大賞受賞作】名探偵のままでいて (『このミス』大賞シリーズ)【2023年・第21回『このミステリーがすごい!』大賞受賞作】名探偵のままでいて (『このミス』大賞シリーズ)感想2023年このミス大賞受賞作。元小学校校長の祖父は71歳でレビー小体型認知症を患い、介護を受けながら暮らしている。孫娘の楓は祖父のもとを訪れ、身の回りで起きた様々な謎を話してゆく。密室殺人・人間消失・殺人事件に巻き込まれた同僚などなど。祖父の知性と病ゆえの幻視、楓自身の危機。出だしは中々乗れずリタイアしようかと思ったが、読破して良かった。読了日:12月03日 著者:小西 マサテル
日比野豆腐店日比野豆腐店感想東京葛飾区の堀切菖蒲園のほど近く、家族で営まれている豆腐店がある。「日比野豆腐店」は、祖母・初と母の咲子、高校生の令哉と猫の福の三人と一匹。個人経営の豆腐店の厳しさ、早くに父を亡くした家族の日常が小野寺さんの優しい文章で綴られて行く。お客さん達とのやり取りや、ご近所の親子の話し、令哉の学校生活、猫の福だけに視えているもの。心が温かくなる1冊、お薦めです!読了日:12月04日 著者:小野寺史宜
誘拐ジャパン誘拐ジャパン感想高額報酬につられてゴミ屋敷の清掃に出向いたはずが、なぜか誘拐犯に加担する羽目になった天草美晴。誘拐の首謀者は大物政治家、狙うのは総理の孫。あっさりと誘拐に成功し、犯人たちが総理に突きつけた要求は?国民を巻き込んでの政治・行政の大改革。脇の甘い息子や某組織の問題も絡め、先が気になり一気読み。楽しい読書が出来た!読了日:12月07日 著者:横関 大
義父母の介護 (新潮新書 1052)義父母の介護 (新潮新書 1052)感想何冊か村井さんの著作は読んでいて、義理のご両親との関係は知っていた。あのしっかり者のお義母さんが認知症になり、お義父さんは脳梗塞で後遺症が…。車で30分の距離に住まう著者がケアマネとの連絡にあたり、何かことがあれば駆けつける。義母の認知症はレビー小体型、義父は頑固で扱いにくい。文章が平易でユーモアも織り込まれているので、辛く大変な介護の現実がサクサクと読める。感想としては、ダンナさんがもっと早い時期から関わってほしいなと。読了日:12月08日 著者:村井 理子
雫感想45歳の永瀬珠はジュエリーデザイナー。勤務先の「ジュエリータカミネ」の廃業を機に中学校の同窓生の4人が顔を揃える。社長の高峰能見・印刷会社に勤める森侑・金属地金加工職人の木下しずく。珠の視点で5年ずつ時をさかのぼる構成で物語が綴られる。不器用な彼らが歩んできた年月、数々の選択と人生の転機。新しい道を歩き出す彼らにはきっと素敵な未来が待っていると思う。読了日:12月10日 著者:寺地 はるな
鑑定鑑定感想近未来の日本、脳に働きかけ感情をコントロールする機器「エモーション・コントローラー」が普及している…。やがて心を支配された人間があちこちでとんでもない事件を起こす。精神科医の葛西、サラリーマンの葉柄、マヒルの視点で進む物語。怖いけど先が気になり読むことをやめられない。読了日:12月11日 著者:山田 宗樹
リンダを殺した犯人はリンダを殺した犯人は感想女性刑事・志々目春香と後輩の男性刑事・藤堂遥。警視庁捜査1課のコンビが新宿・大久保のマンションの一室で殺害されたベトナム人女性「リンダ」の事件を追う。外国人技能実習制度の闇、不法滞在者を食い物にする人々。誰がリンダを殺したのか?ハルカとハルカのやり取り、個性豊かな二係の面々。読みやすく面白かった。今までの伊兼さんの作風と違って少し軽く感じたが、シリーズになりそうなのでこのコンビの活躍をこれからも楽しみ。読了日:12月13日 著者:伊兼 源太郎
イクサガミ 地 (講談社文庫 い 148-2)イクサガミ 地 (講談社文庫 い 148-2)感想シリーズ第2弾。前作から間が空いてしまって、読み始めはちょっと人物関係に戸惑いながらの読書。しかしストーリーの展開が早く、一気に没入。化け物のように強いものだけが生き残るわけではなく、双葉や進次郎の役割りが見事。この恐ろしいゲーム・蠱毒の首謀者や企ての意味も明かされ、大久保利通・前島密・川路利良らも登場。侍たちの最後の戦いはこの先がどうなるのか、次巻は間を明けずに読みたい。読了日:12月15日 著者:今村 翔吾
いくつになっても 江戸の粋 (光文社文庫 ほ 7-1)いくつになっても 江戸の粋 (光文社文庫 ほ 7-1)感想江戸のお年寄りの生き方も様々。そんな人々を描いた6つの作品。大奥で出世を目指す奥女中を描いた永井紗耶子さん「つはものの女」、金貸しの老女の殺害事件から始まる坂井希久子さんの「ほおずき長屋のお豪」が良かった。浅田次郎さんの「五郎治殿御始末」素晴らしい!読了日:12月16日 著者:細谷正充
えどめぐり <名所>時代小説傑作選 (PHP文芸文庫)えどめぐり <名所>時代小説傑作選 (PHP文芸文庫)感想朝井まかて・篠綾子・田牧大和・宮本紀子・宮部みゆき、5人の江戸名所を舞台にした物語集。篠さんの「名水と葛」のみ書き下ろし。「名水と葛」、とても良かった!田牧さん、久しぶりに読んだが、やはり面白い。このシリーズ、何冊かは既読だけどまた読んでみたくなった。宮本さんの作品も良い。あとは安定の朝井さんと宮部さん。読了日:12月17日 著者:宮部 みゆき,朝井 まかて,田牧 大和,宮本 紀子,篠 綾子
青嵐の旅人 上巻 それぞれの動乱青嵐の旅人 上巻 それぞれの動乱感想幕末の伊予松山藩。おへんろ宿「さぎのや」で育てられた娘・ヒスイと弟の救吉。これは面白い!天童荒太さんの時代小説は初めてかな?感想は下巻で。読了日:12月18日 著者:天童荒太
百年かぞえ歌百年かぞえ歌感想群馬の山中で遺体で発見された若者が所持していた一葉のハガキ。偉大な作家「貴地崇彦」が幼なじみ宛に投函したものとみられるそのハガキに記された「かぞえ歌」。作家の生家館の担当者・由佳利、貴地崇彦を敬愛する艶子、幼なじみの孫にあたる夏央が、「かぞえ歌」に秘められた謎を解いてゆく。百年の時を超えて明かされた真実は、辛く切ないものだった。謎解きよりも艶子さんがとても魅力的だった。読了日:12月20日 著者:大崎 梢
恋とか愛とかやさしさなら恋とか愛とかやさしさなら感想重い…。なんと感想を書いたら良いのか?関口新夏(にいか)はプロポーズを受け幸せな気持ちで目覚めた翌朝、彼氏・神尾啓久(ひらく)が女子高生のスカートの中を盗撮して警察に連行されたとの電話を受ける。許して何もなかったことにして結婚出来るのか、煩悶する新夏。啓久の両親や姉の反応。示談になり前科前歴はつかなくても啓久は罪を犯していないのか?一転して後半の章で明かされる被害者家族たちのこと。一穂さんが投げかける問いに私は答えを出せない。読了日:12月21日 著者:一穂 ミチ
飽くなき地景飽くなき地景感想不動産で財を成した旧華族の烏丸家。美術品を愛し古い東京の景観を愛した祖父、伝統ある景観を打ち壊し無数のビルを建て続ける父。祖父を敬愛し、無銘の刀剣にこだわり、父と庶子の兄に対する憎しみに苦しむ烏丸治道。終戦間近の時代から東京五輪・高度成長期を経て現代まで、日本の近代史を思わせるような力作。荻堂顕さん、初読み。第172回直木賞候補作。読了日:12月23日 著者:荻堂 顕
時間の虹 紅雲町珈琲屋こよみ時間の虹 紅雲町珈琲屋こよみ感想シリーズ第12弾。今作はまさかの展開に驚き!久実ちゃんと一ノ瀬さんが幸せにって思っていたら別々の道に。7年の月日で大きく環境が変わり、小蔵屋が店じまいを。その理由は何とも不快で今の世相を反映している。しかし、最終章で明かりが見えて次作が楽しみに。読了日:12月24日 著者:吉永 南央
いのちの波止場いのちの波止場感想まほろば診療所シリーズの第3弾。看護師の星野麻世は能登半島穴水の「能登さとうみ病院」へ、ターミナルケアについて学ぶため半年の期限付きで看護実習に赴く。モルヒネを頑なに拒否する女性、認知症と癌を患い余命少ない老父に強硬に胃瘻造設をしたがる息子。両親の見舞いを拒否する末期癌の男性。そして麻世が最後にケアしたのは…。涙とともに読了、とても良い本だった。読了日:12月25日 著者:南 杏子
青嵐の旅人 下巻 うつろう朝敵青嵐の旅人 下巻 うつろう朝敵感想下巻は寺田屋事件から。戦を厭い命を尊び真っすぐに自らの役目にまい進するヒスイと救吉。龍馬や新選組のみならず長州の大物たちも次々に登場。伊予松山藩に降りかかる最大の窮地は、彼らと志を共にする辰之進らの活躍で良き方向に。天童さん初の時代もので新聞連載の作品とのこと。読みやすくとても面白かった。読了日:12月27日 著者:天童荒太
イクサガミ 人 (講談社文庫 い 148-4)イクサガミ 人 (講談社文庫 い 148-4)感想蠱毒の参加者は闘いを続けどんどん絞られ、愁二郎たちを待ち構える強敵は半端なく強い。島田宿での激闘から横浜、軍を巻き込んでの乱戦。そして鉄道での戦いも!札の計算は難しすぎて意識の外に置きながら(笑)の一気読み。さあ、東京で彼らを待ち構えるのは何か?結末が気になるので、早く刊行して下さい!読了日:12月29日 著者:今村 翔吾
冬と瓦礫冬と瓦礫感想神戸出身の砂原さんが自らの体験をもとに記した一書。神戸から離れ、東京で暮らす圭介は実家で暮らす母や古い戸建て住宅に住まう祖父母を案じ、新幹線と在来線を乗り継ぎ、重いザックを背負い現地へ向かう。30年の時を経ても当時の記憶がよみがえり胸が痛くなる。読了日:12月29日 著者:砂原 浩太朗
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