4月の読書メーター
読んだ本の数:24
読んだページ数:7855
ナイス数:2751
いただきますは、ふたりで。:恋と食のある10の風景 (新潮文庫 し 21-112)の感想
小説が7編エッセイが3つ。小説は尾形真理子さんはお初、エッセイはぼる塾の田辺さんと山本ゆりさんは初読み。古内一絵さんの「ワタシノミカタ」漫画家と歳下のアシスタントの物語と尾形真理子さんの「SUMMER STREAMER」古希目前の鈴子さんがカリフォルニアへ大谷翔平のゲームを観るために一人で行く、この2編が好きです。
読了日:04月01日 著者:一穂 ミチ,古内 一絵,田辺 智加,君嶋 彼方,錦見 映理子
C線上のアリアの感想
叔母・弥生の家で高校時代を過ごした美佐は役場から叔母に認知症の症状があると連絡を受け、自らも義母の介護を担うなか叔母の家に赴く。そこはかっての美しい姿が想像出来ないほどのゴミ屋敷と化していた。片付けの最中に恋人から借りた「ノルウェイの森」の下巻を見つけてからの展開は、先が気になり一気読み。叔母と恋人の母・菊枝とのつながり、叔母が金庫の中に隠していたものの意味。やり切れない重さはあるが、読後感は良い。湊かなえ、やはり上手いなあ←何様の言葉か😅
読了日:04月02日 著者:湊 かなえ
森田繁子と腹八分の感想
身体は縦にも横にも大きく、自ら戦闘着と名付けるド派手なメイクとファッション。農業コンサルタント・森田繁子、なんと魅力的なキャラクターだろう!害獣問題と都会からの移住者との関係に悩む農家、山羊牧場を営む夫婦、祖父の農家を継承するために都会からやって来た若い夫婦。森田のスタンスは腹八分、0:10より8:8、納得!これ、ぜひ続編を。面白かった、お薦め!
読了日:04月03日 著者:河﨑秋子
願わくば海の底での感想
東北の海沿いの高校生・菅原晋也は美術部員。絵の才能はあるが、人からのプレゼントを置き忘れて周りを傷つけてしまうという悪癖が。そんな彼の高校3年間の軌跡。あの日、みんなの前から姿を消した彼。第5章は切なくて、最終章・禱では切なさが温かな気持ちに。誰かの心の中に菅原晋也は生き続ける。お薦め本。
読了日:04月03日 著者:額賀 澪
さよなら校長先生の感想
長年小学校で教鞭をとり、校長までつとめた高村正子先生。かっての同僚たちが高村さんを悼むため「高村正子先生を偲ぶ会」を計画する。かっての生徒や保護者、同僚、推し活仲間、海外で暮らす一人娘。それぞれから「先生」の姿が浮かび、何とも素敵な読み心地に。こんな先生と出会ってみたかったな…。
読了日:04月04日 著者:瀧羽 麻子
隣人のうたはうるさくて、ときどきやさしいの感想
コミュニティ型マンション【ココ・アパートメント】は、心地よい暮らしを作るために住人が協働する形態をとる。いきなりここで暮らすことになったエリート高校生、モラハラ夫から逃れてきた母娘、発達障害の子どもを持つ家族の話など。様々な事情を抱える多世代住人の交流が描かれる。一番心に残ったのは重い過去を持つ老女康子さん。
読了日:04月05日 著者:白尾 悠
あいにくあんたのためじゃないの感想
6編の短編集。YouTubeで一方的に晒された被害者たちが結束して無責任な評論家を懲らしめる「めんや 評論家おことわり」と、悪阻に苦しむシングルマザーとネット上の知人のやりとりを描いた「トリアージ2020」が良かった。
読了日:04月07日 著者:柚木 麻子
ディア・オールド・ニュータウンの感想
父が遺した蕎麦店を30歳目前で引き継いだ鳴樹。幼なじみの小枝と再開した「ささはら」は父がやっていなかった出前で商機をつかもうとする。常連客とのやりとり、ヤンチャな若者・和太、出前先の老女の変化。鳴樹は人が好きでみつばの町が好きなのだろう。悪人の出てこない小野寺作品、あの郵便屋さんのように原付バイクでみつばを走るお蕎麦屋さん。これも良かった!
読了日:04月08日 著者:小野寺 史宜
氏家京太郎、奔るの感想
アパートの一室で天才ゲームクリエイター・九十九孝輔がゴミに埋もれた状態で発見された。死体には殴打された跡が。殺害現場から採取されたDNAは九十九の同僚の御笠徹二のものと一致し殺人容疑で逮捕された。現場には立ち入ったこともなく無罪を主張する御笠は、氏家の親友。圧倒的に少ない証拠品と科捜研や検察との闘い、氏家は親友の容疑を晴らすことが出来るのか?サクサク読めて面白かった。
読了日:04月09日 著者:中山七里
逃亡者は北へ向かうの感想
震災の混乱のさなかに二つの殺人を犯し、逃亡を続ける真柴亮。彼が北へ向かうのは何故か?途中、家族とはぐれた子供と出会い共に逃亡を続ける。真柴を追う刑事の陣内も幼い娘を亡くしている。真柴の生い立ち、弾みで起きてしまった二つの事件。辛くて切ない結末だったが、エピローグで少し救われた。
読了日:04月10日 著者:柚月 裕子
潮音 第二巻の感想
富山の薬売り・弥一が語る幕末のこと。京都での働きは家族にも秘密にする危険なもの。安政の大獄から蛤御門の変に至るまでの京都の動乱、弥一が富山の民のためにと心に決めたこと。いよいよ末期を迎える徳川幕府と沸き上がる倒幕運動の行方。聞き手がどういう人物なのか、次巻も楽しみだ。
読了日:04月13日 著者:宮本 輝
迷うこころ お勝手のあん (ハルキ文庫 し 4-13)の感想
紅屋ではとめ吉に料理を教えるため、下働きのおせいを新しく雇う。不器用で料理にもあまり興味もなさそうなおせいにはとんでもない才能があった。幕末の揺れ動く政情や世間の変化にもおやすの料理への一途さは変わらない。紅屋の跡取り問題にも進展があり、おやすのこれからはますます目が離せない。
読了日:04月14日 著者:柴田 よしき
今夜、喫茶マチカネでの感想
閉店が決まった喫茶店マチカネで、月に一度開かれる「待兼山奇談倶楽部」。その町にゆかりのある人々が語るとっておきの体験。どの話も心に染みる素晴らしいものだが、この企画の発案者の沖口氏の語る話で思わぬ方向に。しかし、とても温かい気持ちで読み終えた。良い本を読んだ。「銭湯のピアニスト」・「ジェイクとあんかけうどん」が良かった。
読了日:04月15日 著者:増山 実
さやかの寿司の感想
海辺の町の鄙びた商店街にある「夕凪寿司」。大将は江戸川さやかは、ふんわりした見た目と違い丁寧な仕事をする凄腕の寿司職人。住み込み店員の未来とさやかの祖父でレジェンド寿司職人の伊助。知ったかぶりの客をギャフンと言わせるシーンに拍手。町の名士の社長に仕掛けたサプライズも良かった。そして似たような過去を持つ、まひろと未来の友情。さやかの握るお寿司が食べたくてたまらない。良い本でした。
読了日:04月16日 著者:森沢 明夫
墓じまいラプソディの感想
墓じまいにまつわるあれやこれや、松尾家の母・五月と2人の娘、牧葉と詩穂の結婚問題を絡めたストーリー。出てくる男が全部ダメ男、お墓の問題は家長や跡取りが大切といういう制度の弊害。この先少子高齢化はますます進むし、無縁墓は増える一方だろうな…。柿谷さんの目の付け所は素晴らしい、面白かった。
読了日:04月17日 著者:垣谷 美雨
月とアマリリスの感想
一気に読んだ。事件記者を挫折し実家の北九州に戻ってきた飯塚みちるは、山中で見つかった老女の死体遺棄事件を追うことに。地方特有の男尊女卑、ジェンダー問題、DV、いじめ。胸が痛くなるようなことがたくさん、加害者であるが被害者でもある人たち。みちるは自らの贖罪と向き合いながら事件を追う。人は人で歪むなんて辛すぎる。しかし人によって立ち直ることも出来る。町田さんのサスペンス、堪能した。
読了日:04月18日 著者:町田 そのこ
流氷の果ての感想
1985年の大晦日、真冬の石北峠で起きたバスの転落事故。知床半島ウトロに向かう豪華バスツアーに参加していた多数の人が亡くなり、生き残った少年と少女は1999年の12月新宿で再会する。謎の自殺、ポケットに残る石の欠片、身元不明の遺体を挟んで眼差しをかわす2人に気付いたひとりの老刑事。バブルの狂乱、利権、寄る辺のない子供たちの来し方、介護の問題。罪を犯した理由、隠されていた真実、最終章での驚きの展開。厚みのある本なのに一気に引き込まれて読了。お薦め!
読了日:04月21日 著者:一雫 ライオン
時ひらく (文春文庫 ひ 13-51)の感想
日本橋三越は残念ながら行ったことがない。しかし、仙台三越は何度か訪れた場所。どの作品もそれぞれの作家さんの良さが出ていて読み心地が良い。中でも辻村さんと伊坂さんのが好き。お子様ランチ、食べたくなる!
読了日:04月22日 著者:辻村 深月,伊坂 幸太郎,阿川 佐和子,恩田 陸,柚木 麻子,東野 圭吾
問題。以下の文章を読んで、家族の幸せの形を答えなさいの感想
中学受験を目指し、塾に通う十和。竹を割ったようにさっぱりして楽しい母と優しい父、かわいい妹。そんな理想的な家族に苛立つ十和は志望校も決めることが出来ずにいたが、祖母の住む大阪の名門女子中学校を目指し、今の家族から離れることを決める。家族はバラバラになってしまうのか?中学受験、親友との関係、家族のこと、たくさん盛り込みながら最後は十和を応援する私だった。十和の苛立ちの原因は途中で予想した通りだったが、受験を通してこの家族は成長した。あの、山本店長と谷原さんの登場にニヤニヤした😊
読了日:04月23日 著者:早見 和真
遊園地ぐるぐるめ (一般書)の感想
山中青田遊園地、通称「ぐるぐるめ」。訪れた6人のお客さんとちょっと不思議なピエロ、とても温かく優しい1冊。何と言っても青山さんと田中達也さんのコラボが素敵で楽しく読了。遊園地の名前も遊び心いっぱい😄
読了日:04月23日 著者:青山 美智子,田中 達也
鬼哭: 帝銀事件異説の感想
戦後の混乱期に起きた「帝銀事件」。事件後逮捕された画家は獄中で無実を訴えながら、病死。しかしこの作品では、千葉県の小作農の次男坊・穂月広四郎が貧しさと徴兵から逃れるため満州に渡り、731部隊で悍ましい体験をする。終戦・シベリア抑留・ソ連とアメリカの思惑や731部隊上層部の身勝手さそして事件が…。戦争は人の心を狂わせ、人の運命も狂わせる。事件の陰にもしかしたらこういう事実があり得たかもと想像をかき立てられた。
読了日:04月25日 著者:鳴海 章
猫の刻参り:三島屋変調百物語拾之続の感想
変わり百物語の聞き手・三島屋の小だんな富次郎は、絵師になりたい思いを両親に伝え、店の商いの手伝いと絵の修行そして百物語の聞き手と大忙しの日々を送る。今巻の語りは猫神、河童、迷い家と人外のものの話だが、どれも読み応えがあり面白かった。しかし、三島屋の長男・伊一郎の縁談のゴタゴタからの災難と富次郎が兄を救うためにしたとんでもない取り引き、先が気になる終わり方で、早くも次巻が待ち遠しい。
読了日:04月28日 著者:宮部 みゆき
猫を処方いたします。4 (PHP文芸文庫)の感想
中京こころのびょういん、今作はスマホ依存の小学生、ルッキズムに囚われた女子大生、死んでしまった飼い猫が忘れられない夫婦、そして前作に登場した処方された猫を返せずにいる鳥井青。いよいよビルの取り壊しの話も出て、これからどうなるのか?心先生とニケは?間が空くと内容を忘れるので、続編は早く読みたい…。
読了日:04月29日 著者:石田 祥
風の向こうへ駆け抜けろ3 灼熱のメイダンの感想
面白かった。G1レースを制したフィッシュアイズと芦原瑞穂がドバイのワールドカップに挑戦する。競走馬の海外移送の困難さや検疫の難しさを乗り越え、我らがフィッシュアイズは走る。これでシリーズ完結とのこと、またいつかフィッシュローズと瑞穂の物語を読んでみたい。
読了日:04月30日 著者:古内 一絵
読書メーター
読んだ本の数:24
読んだページ数:7855
ナイス数:2751

小説が7編エッセイが3つ。小説は尾形真理子さんはお初、エッセイはぼる塾の田辺さんと山本ゆりさんは初読み。古内一絵さんの「ワタシノミカタ」漫画家と歳下のアシスタントの物語と尾形真理子さんの「SUMMER STREAMER」古希目前の鈴子さんがカリフォルニアへ大谷翔平のゲームを観るために一人で行く、この2編が好きです。
読了日:04月01日 著者:一穂 ミチ,古内 一絵,田辺 智加,君嶋 彼方,錦見 映理子

叔母・弥生の家で高校時代を過ごした美佐は役場から叔母に認知症の症状があると連絡を受け、自らも義母の介護を担うなか叔母の家に赴く。そこはかっての美しい姿が想像出来ないほどのゴミ屋敷と化していた。片付けの最中に恋人から借りた「ノルウェイの森」の下巻を見つけてからの展開は、先が気になり一気読み。叔母と恋人の母・菊枝とのつながり、叔母が金庫の中に隠していたものの意味。やり切れない重さはあるが、読後感は良い。湊かなえ、やはり上手いなあ←何様の言葉か😅
読了日:04月02日 著者:湊 かなえ

身体は縦にも横にも大きく、自ら戦闘着と名付けるド派手なメイクとファッション。農業コンサルタント・森田繁子、なんと魅力的なキャラクターだろう!害獣問題と都会からの移住者との関係に悩む農家、山羊牧場を営む夫婦、祖父の農家を継承するために都会からやって来た若い夫婦。森田のスタンスは腹八分、0:10より8:8、納得!これ、ぜひ続編を。面白かった、お薦め!
読了日:04月03日 著者:河﨑秋子

東北の海沿いの高校生・菅原晋也は美術部員。絵の才能はあるが、人からのプレゼントを置き忘れて周りを傷つけてしまうという悪癖が。そんな彼の高校3年間の軌跡。あの日、みんなの前から姿を消した彼。第5章は切なくて、最終章・禱では切なさが温かな気持ちに。誰かの心の中に菅原晋也は生き続ける。お薦め本。
読了日:04月03日 著者:額賀 澪

長年小学校で教鞭をとり、校長までつとめた高村正子先生。かっての同僚たちが高村さんを悼むため「高村正子先生を偲ぶ会」を計画する。かっての生徒や保護者、同僚、推し活仲間、海外で暮らす一人娘。それぞれから「先生」の姿が浮かび、何とも素敵な読み心地に。こんな先生と出会ってみたかったな…。
読了日:04月04日 著者:瀧羽 麻子

コミュニティ型マンション【ココ・アパートメント】は、心地よい暮らしを作るために住人が協働する形態をとる。いきなりここで暮らすことになったエリート高校生、モラハラ夫から逃れてきた母娘、発達障害の子どもを持つ家族の話など。様々な事情を抱える多世代住人の交流が描かれる。一番心に残ったのは重い過去を持つ老女康子さん。
読了日:04月05日 著者:白尾 悠

6編の短編集。YouTubeで一方的に晒された被害者たちが結束して無責任な評論家を懲らしめる「めんや 評論家おことわり」と、悪阻に苦しむシングルマザーとネット上の知人のやりとりを描いた「トリアージ2020」が良かった。
読了日:04月07日 著者:柚木 麻子

父が遺した蕎麦店を30歳目前で引き継いだ鳴樹。幼なじみの小枝と再開した「ささはら」は父がやっていなかった出前で商機をつかもうとする。常連客とのやりとり、ヤンチャな若者・和太、出前先の老女の変化。鳴樹は人が好きでみつばの町が好きなのだろう。悪人の出てこない小野寺作品、あの郵便屋さんのように原付バイクでみつばを走るお蕎麦屋さん。これも良かった!
読了日:04月08日 著者:小野寺 史宜

アパートの一室で天才ゲームクリエイター・九十九孝輔がゴミに埋もれた状態で発見された。死体には殴打された跡が。殺害現場から採取されたDNAは九十九の同僚の御笠徹二のものと一致し殺人容疑で逮捕された。現場には立ち入ったこともなく無罪を主張する御笠は、氏家の親友。圧倒的に少ない証拠品と科捜研や検察との闘い、氏家は親友の容疑を晴らすことが出来るのか?サクサク読めて面白かった。
読了日:04月09日 著者:中山七里

震災の混乱のさなかに二つの殺人を犯し、逃亡を続ける真柴亮。彼が北へ向かうのは何故か?途中、家族とはぐれた子供と出会い共に逃亡を続ける。真柴を追う刑事の陣内も幼い娘を亡くしている。真柴の生い立ち、弾みで起きてしまった二つの事件。辛くて切ない結末だったが、エピローグで少し救われた。
読了日:04月10日 著者:柚月 裕子

富山の薬売り・弥一が語る幕末のこと。京都での働きは家族にも秘密にする危険なもの。安政の大獄から蛤御門の変に至るまでの京都の動乱、弥一が富山の民のためにと心に決めたこと。いよいよ末期を迎える徳川幕府と沸き上がる倒幕運動の行方。聞き手がどういう人物なのか、次巻も楽しみだ。
読了日:04月13日 著者:宮本 輝

紅屋ではとめ吉に料理を教えるため、下働きのおせいを新しく雇う。不器用で料理にもあまり興味もなさそうなおせいにはとんでもない才能があった。幕末の揺れ動く政情や世間の変化にもおやすの料理への一途さは変わらない。紅屋の跡取り問題にも進展があり、おやすのこれからはますます目が離せない。
読了日:04月14日 著者:柴田 よしき

閉店が決まった喫茶店マチカネで、月に一度開かれる「待兼山奇談倶楽部」。その町にゆかりのある人々が語るとっておきの体験。どの話も心に染みる素晴らしいものだが、この企画の発案者の沖口氏の語る話で思わぬ方向に。しかし、とても温かい気持ちで読み終えた。良い本を読んだ。「銭湯のピアニスト」・「ジェイクとあんかけうどん」が良かった。
読了日:04月15日 著者:増山 実

海辺の町の鄙びた商店街にある「夕凪寿司」。大将は江戸川さやかは、ふんわりした見た目と違い丁寧な仕事をする凄腕の寿司職人。住み込み店員の未来とさやかの祖父でレジェンド寿司職人の伊助。知ったかぶりの客をギャフンと言わせるシーンに拍手。町の名士の社長に仕掛けたサプライズも良かった。そして似たような過去を持つ、まひろと未来の友情。さやかの握るお寿司が食べたくてたまらない。良い本でした。
読了日:04月16日 著者:森沢 明夫

墓じまいにまつわるあれやこれや、松尾家の母・五月と2人の娘、牧葉と詩穂の結婚問題を絡めたストーリー。出てくる男が全部ダメ男、お墓の問題は家長や跡取りが大切といういう制度の弊害。この先少子高齢化はますます進むし、無縁墓は増える一方だろうな…。柿谷さんの目の付け所は素晴らしい、面白かった。
読了日:04月17日 著者:垣谷 美雨

一気に読んだ。事件記者を挫折し実家の北九州に戻ってきた飯塚みちるは、山中で見つかった老女の死体遺棄事件を追うことに。地方特有の男尊女卑、ジェンダー問題、DV、いじめ。胸が痛くなるようなことがたくさん、加害者であるが被害者でもある人たち。みちるは自らの贖罪と向き合いながら事件を追う。人は人で歪むなんて辛すぎる。しかし人によって立ち直ることも出来る。町田さんのサスペンス、堪能した。
読了日:04月18日 著者:町田 そのこ

1985年の大晦日、真冬の石北峠で起きたバスの転落事故。知床半島ウトロに向かう豪華バスツアーに参加していた多数の人が亡くなり、生き残った少年と少女は1999年の12月新宿で再会する。謎の自殺、ポケットに残る石の欠片、身元不明の遺体を挟んで眼差しをかわす2人に気付いたひとりの老刑事。バブルの狂乱、利権、寄る辺のない子供たちの来し方、介護の問題。罪を犯した理由、隠されていた真実、最終章での驚きの展開。厚みのある本なのに一気に引き込まれて読了。お薦め!
読了日:04月21日 著者:一雫 ライオン

日本橋三越は残念ながら行ったことがない。しかし、仙台三越は何度か訪れた場所。どの作品もそれぞれの作家さんの良さが出ていて読み心地が良い。中でも辻村さんと伊坂さんのが好き。お子様ランチ、食べたくなる!
読了日:04月22日 著者:辻村 深月,伊坂 幸太郎,阿川 佐和子,恩田 陸,柚木 麻子,東野 圭吾

中学受験を目指し、塾に通う十和。竹を割ったようにさっぱりして楽しい母と優しい父、かわいい妹。そんな理想的な家族に苛立つ十和は志望校も決めることが出来ずにいたが、祖母の住む大阪の名門女子中学校を目指し、今の家族から離れることを決める。家族はバラバラになってしまうのか?中学受験、親友との関係、家族のこと、たくさん盛り込みながら最後は十和を応援する私だった。十和の苛立ちの原因は途中で予想した通りだったが、受験を通してこの家族は成長した。あの、山本店長と谷原さんの登場にニヤニヤした😊
読了日:04月23日 著者:早見 和真

山中青田遊園地、通称「ぐるぐるめ」。訪れた6人のお客さんとちょっと不思議なピエロ、とても温かく優しい1冊。何と言っても青山さんと田中達也さんのコラボが素敵で楽しく読了。遊園地の名前も遊び心いっぱい😄
読了日:04月23日 著者:青山 美智子,田中 達也

戦後の混乱期に起きた「帝銀事件」。事件後逮捕された画家は獄中で無実を訴えながら、病死。しかしこの作品では、千葉県の小作農の次男坊・穂月広四郎が貧しさと徴兵から逃れるため満州に渡り、731部隊で悍ましい体験をする。終戦・シベリア抑留・ソ連とアメリカの思惑や731部隊上層部の身勝手さそして事件が…。戦争は人の心を狂わせ、人の運命も狂わせる。事件の陰にもしかしたらこういう事実があり得たかもと想像をかき立てられた。
読了日:04月25日 著者:鳴海 章

変わり百物語の聞き手・三島屋の小だんな富次郎は、絵師になりたい思いを両親に伝え、店の商いの手伝いと絵の修行そして百物語の聞き手と大忙しの日々を送る。今巻の語りは猫神、河童、迷い家と人外のものの話だが、どれも読み応えがあり面白かった。しかし、三島屋の長男・伊一郎の縁談のゴタゴタからの災難と富次郎が兄を救うためにしたとんでもない取り引き、先が気になる終わり方で、早くも次巻が待ち遠しい。
読了日:04月28日 著者:宮部 みゆき

中京こころのびょういん、今作はスマホ依存の小学生、ルッキズムに囚われた女子大生、死んでしまった飼い猫が忘れられない夫婦、そして前作に登場した処方された猫を返せずにいる鳥井青。いよいよビルの取り壊しの話も出て、これからどうなるのか?心先生とニケは?間が空くと内容を忘れるので、続編は早く読みたい…。
読了日:04月29日 著者:石田 祥

面白かった。G1レースを制したフィッシュアイズと芦原瑞穂がドバイのワールドカップに挑戦する。競走馬の海外移送の困難さや検疫の難しさを乗り越え、我らがフィッシュアイズは走る。これでシリーズ完結とのこと、またいつかフィッシュローズと瑞穂の物語を読んでみたい。
読了日:04月30日 著者:古内 一絵
読書メーター