1月の読書メーター
読んだ本の数:27
読んだページ数:8297
ナイス数:3391
タスキ彼方の感想
第100回の節目を迎えた箱根駅伝。戦中戦後、スポーツを楽しむことの出来なかった時期を乗り越え今に続く。ボストンマラソンの会場で古びた日記を受け取った新米駅伝監督・成竹と学生No.1ランナーの神原。過去を覗いた2人に突きつけられた事実。先人たちの熱い想いが今に繋がっている。令和の今と過去を交互に描き、感動の一書!お薦めです!
読了日:01月06日 著者:額賀 澪
紙屋ふじさき記念館 あたらしい場所 (角川文庫)の感想
大学を卒業した吉野百花は晴れて藤崎産業に入社、川越に移転する新記念館開設に向けて同期の仲間たちとプロジェクトに携わる。どうしたら和紙の魅力を人々に伝えられるか?記念館でのバイト経験はあるが他の同期メンバーの広い知識や考え方に刺激を貰う百花。亡き父が百花の名前に込めた想いを綴った文章に感動。三日月堂や月光荘で馴染みのメンバーも登場したり、その後も語られたり。百花の成長譚としてもとても興味深く爽やかな感動で読了。またいつかその後のふじさき記念館を読みたいのでほしお先生、よろしくお願いします。
読了日:01月07日 著者:ほしお さなえ
清算の感想
経営悪化で会社を解散・清算することになり、全く畑違いの総務部長に任命された畑井伸一。経験のない会社解散の手続きと清算に頭を悩ませる中、負債の返済用資金二億円が元社員と共に消えてしまう。極秘にしていたことが漏れていたり、隠し事をしていたり、正直で小心者の畑井は翻弄される。真相は少し切なく、最後畑井が無事に清算を終えることが出来てホッとした。伊岡さんの作品には珍しいパターン。
読了日:01月08日 著者:伊岡 瞬
未来地図の感想
国語教師を目指し花屋と塾講師のバイトを掛け持ちしながら頑張っていた赤木久児(ひさこ)。銀次との結婚生活を諦め、ふと降り立った奈良の小さな駅。その町で中学教師になり愛する人に出会うが、彼の想いに応えることの出来ない久児には重い過去を抱えていた。久児の生徒たちに向き合う姿、素敵な授業。この人に幸せになって欲しいと思いながらの読書は、最後感動でページを閉じた。とても良い本。
読了日:01月09日 著者:小手鞠 るい
続 窓ぎわのトットちゃんの感想
「窓ぎわのトットちゃん」のその後の物語。トットちゃんの明るさとたくましさ、それ以上にお母さまの素晴らしさ!お父さまが出征されてから、おひとりで家族を守り抜いた。トットちゃんのNHKに入ってからのエピソードはドラマをシーンを思い出しながら読んだ。今、この続編を出版されたことに意義があると思った。読みやすいので様々な年代の方々にお薦め!
読了日:01月10日 著者:黒柳 徹子
星を編むの感想
タイトルの「星を編む」は、夭折した青野櫂と久住尚人の作品を再び世に出すため魂を燃やす編集者たちのこと。「春に翔ぶ」は北原先生の過去の物語。「波を渡る」で暁海の親たちや、北原先生と暁海のことが語られる。櫂はこの世に居なくてもいつも暁海に寄り添っていて、それを大きな海のように包み込む北原先生。こんなに素敵な続編を刊行してくれた凪良先生に感謝です。
読了日:01月11日 著者:凪良 ゆう
アンと幸福の感想
みつ屋東京デパート店は椿店長の栄転で新しく藤代店長に。タイプの違う店長に戸惑いながらも頑張るアンちゃん。お客様とのやり取りから学びもたくさん。そして藤代店長の推薦でめでたくみつ屋の正社員となったアンちゃん!乙女立花くんの元気のなさを心配したり、椿さんとの出張は楽しそうで、和歌山に行きたくなる。また一歩成長したアンちゃん、早く次が読みたい。ああ面白かった!
読了日:01月11日 著者:坂木司
はじめてのの感想
島本理生・辻村深月・宮部みゆき・森絵都、4人の作家による「はじめて」をモチーフに描かれた物語。島本さんのアンドロイド、辻村さんのユーレイはとても好き。森さんのは幼馴染の椎太に恋する由舞が可愛くて大好き。宮部さん、スケールが大きくてさすが。どの作品も素晴らしく、とても良かった。YOASOBIとのコラボということだが、聴いたことがないので多分これからも聴かないかな?小説だけでも大満足。
読了日:01月12日 著者:島本 理生,辻村 深月,宮部 みゆき,森 絵都
絡新婦の糸:警視庁サイバー犯罪対策課の感想
幅広く有益な情報を発信し、熱狂的なフォロワーを獲得している「市民調査室」。ある日その投稿にフェイクが混ざり、悪意にさらされた夫婦の自死を招いてしまう。サイバー対策室の延藤は「市民調査室」を追うが、延藤もまた悪意に曝され捜査に支障を来たすように。やがて明かされた真実は予想されたもの…。うーん…面白かったけど、今ひとつ満足出来なかった。それにしてもネットは怖いよね。。
読了日:01月13日 著者:中山 七里
球形の囁きの感想
傍聞きの母子のその後。幼かった菜月が高校生になり「緑色の暗室」、大学生時代は「球形の囁き」「路地裏の菜園」、社会人になり「落ちた焦点」。シングルマザーになり「黄昏の筋読み」。菜月の着眼点の鋭さは変わらず。母のあとを継いで刑事になるかと思っていたら違った。
読了日:01月13日 著者:長岡 弘樹
この会社、後継者不在につきの感想
ちょっと風変わりな中小企業診断士・北川と3つの会社。兄弟のどちらに会社を継がせるか悩むケーキ屋チェーンの社長。部下に物足りなさを感じているバッグの製造販売会社のワンマン女社長。社長の急死で海外の会社に経営権を渡した刃物メーカーの社員たち。どの話も面白くサクサクと読了。経営って難しいだろうけど、北川のやり方はステキ!
読了日:01月14日 著者:桂 望実
ダ・ヴィンチ 2024年1月号の感想
Book of the year 30冊中既読は12冊。何だか知らない作品が多数。私の感覚がずれているのかも。未読の作品でこれといって興味のあるものも少ない…。
読了日:01月14日 著者:
こちら空港警察の感想
成田空港を守る空港警察の署長・仁志村。柔和な笑顔と軽やかなフットワークで空港の隅々まで歩く。違法薬物・密輸・密入国、そしてテロリストとの対峙。サラリと読むには良いけど、何だかすぐに内容を忘れそう…。まあ、次が出たら読むだろうけど。
読了日:01月15日 著者:中山 七里
懲役病棟 (小学館文庫 か 46-3)の感想
不思議な"聴診器"シリーズも第3弾。金髪の元暴走族医師の太田香織とベテラン看護師・松坂マリ江は女子刑務所に派遣される。刑務所に入る女に偏見を抱く香織は、彼女らに切実な事情があることに気づく。万引きを繰り返し懲役2年の清子、DV夫を殺害した美帆、覚醒剤使用のルル、放火犯の梢。難しいことを考えず、楽しむための1冊。解説が村木厚子さん!
読了日:01月16日 著者:垣谷 美雨
警視庁53教場 (角川文庫)の感想
吉川英梨版の「教場」シリーズ第1弾。警察学校教官の守村が死体で発見、臨場したのは守村と同じ1153教場で学んだ捜査一課の五味と、府中署刑事の綾乃。守村は自殺したと見せかけた他殺。彼の死に関わったのはかっての仲間たちなのか?守村の1281期と五味たちの1153期を行き来して語られる物語。面白く一気読み!しかし、こんなにキツイ思いをしないと警察官になれないのか…。
読了日:01月18日 著者:吉川 英梨
偽弾の墓 警視庁53教場 (角川文庫)の感想
53教場シリーズ第2弾。五味が教官になり助教官が高杉、40人全員卒業を目指すが近くの多磨霊園で射殺体が発見され学生が容疑者に。個性豊かな学生たちは抱えているものも違うが、隣の長田教場の学生たちまで面倒を見ることに。血の繋がらない娘・結衣との絆、綾乃の想いは届くか?そして高杉と五味のコンビは最高!次を読むのが楽しみ。面白かった!
読了日:01月19日 著者:吉川 英梨
デモクラシーの感想
近未来、憲法は改正され20歳以上の国民から1000人がランダムに選出された「国民議員」と直接選挙で選ばれた総理大臣に。議会はオンラインで。中々面白い発想だけど制度を元に戻そうとする勢力と維持しようとする勢力のせめぎあい、監視するシステム…。あまり興味を持てない内容なので集中出来なくて読了するのが大変だった。
読了日:01月22日 著者:堂場 瞬一
暗い引力の感想
最近注目している作家・岩井圭也さん。様々な理由で嘘をつく人を描いた6つの短編。妻に先立たれた夫と養子の息子・周りの人の顔色を覗いながら生きてきた男と気の強い妻・理不尽に仕事を無くした男達が起業?・認知症を装い借金取りから逃れる老女・過労死で夫を亡くした妻と会社の闘い・地方の美術館に就職した学芸員の女。どれもゾワっと…。
読了日:01月22日 著者:岩井圭也
ほろよい読書 おかわり (双葉文庫 お 42-02)の感想
5人の女性作家が紡ぐお酒がテーマのアンソロジー。青山美智子・朱野帰子・一穂ミチ・奥田亜希子・西條奈加。それぞれ作風が異なりどれも面白かった。下戸のライターが女性バーテンダーに惚れる「きのこルクテル」が特に好き!青山さんさすがです。
読了日:01月22日 著者:青山 美智子,朱野 帰子,一穂 ミチ,奥田 亜希子,西條 奈加
人間標本の感想
前半の標本作りのシーンの悍ましさ、気持ち悪くて恐ろしくて。そもそも私は蝶が苦手、あれを美しいとは思えないのでサッサと読み飛ばす。人間標本を作ったのは誰なのか?どんでん返しに驚く。でも、これは苦手な本。
読了日:01月23日 著者:湊 かなえ
一線の湖の感想
「線は、僕を描く」から2年、大学3年生になった青山霜介は大きな壁にぶつかっていた。進路のこと、揮毫会での大失敗で落ち込んでいる時、亡き母の勤めていた小学校から水墨画教室の講師を依頼される。子どもたちとの出会いで霜介が気づいたこと、湖山先生から託されたこと。もがきながら前を向く霜介、彼が決めた進路はきっと素晴らしいものになるだろう。何度も目頭が熱くなり、感動のうちに読了。お薦め本です!
読了日:01月24日 著者:砥上 裕將
狙撃手の祈りの感想
1995年の警察庁長官狙撃事件、未解決のこの事案をモチーフにした力作。楽器店を営む青井圭一と雑誌記者の妻・沙月、親子二代の警察官斉賀。離婚届を置いて取材旅行に出かけた先で死亡した沙月と彼女が残した取材メモから謎を追う青井圭一。警察官として触れてはいけないこの事件に関わる斉賀。複雑に絡み合った謎には家族を思う気持ちが。最後は少し光が見え、読後感は良かった。
読了日:01月25日 著者:城山 真一
縁結びカツサンドの感想
東京駒込のうらら商店街のベーカリー・コテン。三代目の悩める青年と、お店にやってくる様々なお客様。ドーナツ・カレーパン・コロネ・カツサンド、読んでいると無性に食べたくなる。冬森灯さん、初読み。
読了日:01月27日 著者:冬森 灯
火山に馳す 浅間大変秘抄の感想
天明の浅間山大噴火で土石流に襲われた鎌原村。村人の8割が土砂に埋もれ、高台の観音堂に逃げた93人だけが生き残った。現地に派遣された幕府勘定吟味役の根岸九郎左衛門は残された村人を組み合わせて家族を作らせ、故郷を再建しようとする。心に傷を負った村人たち、根岸の行動に無理解な幕府。「故郷」と「生きる意味」を描く物語。根岸がとても魅力的に描かれている。
読了日:01月27日 著者:赤神 諒
1(ONE) (創元クライム・クラブ)の感想
1(ワン)と名付けられた黒い犬、そしてゼロと名付けられた仔犬。大学生の玲奈と兄のはやて、そして母の駒子と優しい夫。すべての人も犬や猫などの動物たちも愛されるために生まれてきた。「ななつのこ」シリーズ、未読だったけど問題なく楽しめました。これはシリーズを読まねば!
読了日:01月29日 著者:加納 朋子
歌われなかった海賊への感想
1944年ナチ体制下のドイツで、愛国心を煽り自由を奪う体制に反抗しヒトラー・ユーゲントに戦いを挑む少年少女たち。「エーデルヴァイス海賊団」のヴェルナー・レオンハルト・フリーデ・ドクトルは、市内に敷設された鉄道とその終着地点に出来る施設に不審を抱く。彼らが見たもの、彼らの決死の行動に目をつむり口を閉ざした町の人々。やがて時を経て明かされる真実。重厚で読み応えある一書、お薦めです。
読了日:01月29日 著者:逢坂 冬馬
ジェンダー・クライムの感想
長い間この国に根付いた性差別。心と体に傷を負い立ち上がれない被害者とその家族。謝罪の言葉もなく生きる加害者たち。裸で縛られ土手下に転がされていた男性はレイプ事件の加害者家族だった。この変死事件を追う警察官たち。誰が真犯人なのかは最後まで分からなかったが、その過去も過酷なもの。「あなたの主人はあなたです」確かにその通り。天童さんの伝えたいメッセージ、しっかりと伝わった。
読了日:01月31日 著者:天童 荒太
読書メーター
読んだ本の数:27
読んだページ数:8297
ナイス数:3391
タスキ彼方の感想
第100回の節目を迎えた箱根駅伝。戦中戦後、スポーツを楽しむことの出来なかった時期を乗り越え今に続く。ボストンマラソンの会場で古びた日記を受け取った新米駅伝監督・成竹と学生No.1ランナーの神原。過去を覗いた2人に突きつけられた事実。先人たちの熱い想いが今に繋がっている。令和の今と過去を交互に描き、感動の一書!お薦めです!
読了日:01月06日 著者:額賀 澪
紙屋ふじさき記念館 あたらしい場所 (角川文庫)の感想
大学を卒業した吉野百花は晴れて藤崎産業に入社、川越に移転する新記念館開設に向けて同期の仲間たちとプロジェクトに携わる。どうしたら和紙の魅力を人々に伝えられるか?記念館でのバイト経験はあるが他の同期メンバーの広い知識や考え方に刺激を貰う百花。亡き父が百花の名前に込めた想いを綴った文章に感動。三日月堂や月光荘で馴染みのメンバーも登場したり、その後も語られたり。百花の成長譚としてもとても興味深く爽やかな感動で読了。またいつかその後のふじさき記念館を読みたいのでほしお先生、よろしくお願いします。
読了日:01月07日 著者:ほしお さなえ
清算の感想
経営悪化で会社を解散・清算することになり、全く畑違いの総務部長に任命された畑井伸一。経験のない会社解散の手続きと清算に頭を悩ませる中、負債の返済用資金二億円が元社員と共に消えてしまう。極秘にしていたことが漏れていたり、隠し事をしていたり、正直で小心者の畑井は翻弄される。真相は少し切なく、最後畑井が無事に清算を終えることが出来てホッとした。伊岡さんの作品には珍しいパターン。
読了日:01月08日 著者:伊岡 瞬
未来地図の感想
国語教師を目指し花屋と塾講師のバイトを掛け持ちしながら頑張っていた赤木久児(ひさこ)。銀次との結婚生活を諦め、ふと降り立った奈良の小さな駅。その町で中学教師になり愛する人に出会うが、彼の想いに応えることの出来ない久児には重い過去を抱えていた。久児の生徒たちに向き合う姿、素敵な授業。この人に幸せになって欲しいと思いながらの読書は、最後感動でページを閉じた。とても良い本。
読了日:01月09日 著者:小手鞠 るい
続 窓ぎわのトットちゃんの感想
「窓ぎわのトットちゃん」のその後の物語。トットちゃんの明るさとたくましさ、それ以上にお母さまの素晴らしさ!お父さまが出征されてから、おひとりで家族を守り抜いた。トットちゃんのNHKに入ってからのエピソードはドラマをシーンを思い出しながら読んだ。今、この続編を出版されたことに意義があると思った。読みやすいので様々な年代の方々にお薦め!
読了日:01月10日 著者:黒柳 徹子
星を編むの感想
タイトルの「星を編む」は、夭折した青野櫂と久住尚人の作品を再び世に出すため魂を燃やす編集者たちのこと。「春に翔ぶ」は北原先生の過去の物語。「波を渡る」で暁海の親たちや、北原先生と暁海のことが語られる。櫂はこの世に居なくてもいつも暁海に寄り添っていて、それを大きな海のように包み込む北原先生。こんなに素敵な続編を刊行してくれた凪良先生に感謝です。
読了日:01月11日 著者:凪良 ゆう
アンと幸福の感想
みつ屋東京デパート店は椿店長の栄転で新しく藤代店長に。タイプの違う店長に戸惑いながらも頑張るアンちゃん。お客様とのやり取りから学びもたくさん。そして藤代店長の推薦でめでたくみつ屋の正社員となったアンちゃん!乙女立花くんの元気のなさを心配したり、椿さんとの出張は楽しそうで、和歌山に行きたくなる。また一歩成長したアンちゃん、早く次が読みたい。ああ面白かった!
読了日:01月11日 著者:坂木司
はじめてのの感想
島本理生・辻村深月・宮部みゆき・森絵都、4人の作家による「はじめて」をモチーフに描かれた物語。島本さんのアンドロイド、辻村さんのユーレイはとても好き。森さんのは幼馴染の椎太に恋する由舞が可愛くて大好き。宮部さん、スケールが大きくてさすが。どの作品も素晴らしく、とても良かった。YOASOBIとのコラボということだが、聴いたことがないので多分これからも聴かないかな?小説だけでも大満足。
読了日:01月12日 著者:島本 理生,辻村 深月,宮部 みゆき,森 絵都
絡新婦の糸:警視庁サイバー犯罪対策課の感想
幅広く有益な情報を発信し、熱狂的なフォロワーを獲得している「市民調査室」。ある日その投稿にフェイクが混ざり、悪意にさらされた夫婦の自死を招いてしまう。サイバー対策室の延藤は「市民調査室」を追うが、延藤もまた悪意に曝され捜査に支障を来たすように。やがて明かされた真実は予想されたもの…。うーん…面白かったけど、今ひとつ満足出来なかった。それにしてもネットは怖いよね。。
読了日:01月13日 著者:中山 七里
球形の囁きの感想
傍聞きの母子のその後。幼かった菜月が高校生になり「緑色の暗室」、大学生時代は「球形の囁き」「路地裏の菜園」、社会人になり「落ちた焦点」。シングルマザーになり「黄昏の筋読み」。菜月の着眼点の鋭さは変わらず。母のあとを継いで刑事になるかと思っていたら違った。
読了日:01月13日 著者:長岡 弘樹
この会社、後継者不在につきの感想
ちょっと風変わりな中小企業診断士・北川と3つの会社。兄弟のどちらに会社を継がせるか悩むケーキ屋チェーンの社長。部下に物足りなさを感じているバッグの製造販売会社のワンマン女社長。社長の急死で海外の会社に経営権を渡した刃物メーカーの社員たち。どの話も面白くサクサクと読了。経営って難しいだろうけど、北川のやり方はステキ!
読了日:01月14日 著者:桂 望実
ダ・ヴィンチ 2024年1月号の感想
Book of the year 30冊中既読は12冊。何だか知らない作品が多数。私の感覚がずれているのかも。未読の作品でこれといって興味のあるものも少ない…。
読了日:01月14日 著者:
こちら空港警察の感想
成田空港を守る空港警察の署長・仁志村。柔和な笑顔と軽やかなフットワークで空港の隅々まで歩く。違法薬物・密輸・密入国、そしてテロリストとの対峙。サラリと読むには良いけど、何だかすぐに内容を忘れそう…。まあ、次が出たら読むだろうけど。
読了日:01月15日 著者:中山 七里
懲役病棟 (小学館文庫 か 46-3)の感想
不思議な"聴診器"シリーズも第3弾。金髪の元暴走族医師の太田香織とベテラン看護師・松坂マリ江は女子刑務所に派遣される。刑務所に入る女に偏見を抱く香織は、彼女らに切実な事情があることに気づく。万引きを繰り返し懲役2年の清子、DV夫を殺害した美帆、覚醒剤使用のルル、放火犯の梢。難しいことを考えず、楽しむための1冊。解説が村木厚子さん!
読了日:01月16日 著者:垣谷 美雨
警視庁53教場 (角川文庫)の感想
吉川英梨版の「教場」シリーズ第1弾。警察学校教官の守村が死体で発見、臨場したのは守村と同じ1153教場で学んだ捜査一課の五味と、府中署刑事の綾乃。守村は自殺したと見せかけた他殺。彼の死に関わったのはかっての仲間たちなのか?守村の1281期と五味たちの1153期を行き来して語られる物語。面白く一気読み!しかし、こんなにキツイ思いをしないと警察官になれないのか…。
読了日:01月18日 著者:吉川 英梨
偽弾の墓 警視庁53教場 (角川文庫)の感想
53教場シリーズ第2弾。五味が教官になり助教官が高杉、40人全員卒業を目指すが近くの多磨霊園で射殺体が発見され学生が容疑者に。個性豊かな学生たちは抱えているものも違うが、隣の長田教場の学生たちまで面倒を見ることに。血の繋がらない娘・結衣との絆、綾乃の想いは届くか?そして高杉と五味のコンビは最高!次を読むのが楽しみ。面白かった!
読了日:01月19日 著者:吉川 英梨
デモクラシーの感想
近未来、憲法は改正され20歳以上の国民から1000人がランダムに選出された「国民議員」と直接選挙で選ばれた総理大臣に。議会はオンラインで。中々面白い発想だけど制度を元に戻そうとする勢力と維持しようとする勢力のせめぎあい、監視するシステム…。あまり興味を持てない内容なので集中出来なくて読了するのが大変だった。
読了日:01月22日 著者:堂場 瞬一
暗い引力の感想
最近注目している作家・岩井圭也さん。様々な理由で嘘をつく人を描いた6つの短編。妻に先立たれた夫と養子の息子・周りの人の顔色を覗いながら生きてきた男と気の強い妻・理不尽に仕事を無くした男達が起業?・認知症を装い借金取りから逃れる老女・過労死で夫を亡くした妻と会社の闘い・地方の美術館に就職した学芸員の女。どれもゾワっと…。
読了日:01月22日 著者:岩井圭也
ほろよい読書 おかわり (双葉文庫 お 42-02)の感想
5人の女性作家が紡ぐお酒がテーマのアンソロジー。青山美智子・朱野帰子・一穂ミチ・奥田亜希子・西條奈加。それぞれ作風が異なりどれも面白かった。下戸のライターが女性バーテンダーに惚れる「きのこルクテル」が特に好き!青山さんさすがです。
読了日:01月22日 著者:青山 美智子,朱野 帰子,一穂 ミチ,奥田 亜希子,西條 奈加
人間標本の感想
前半の標本作りのシーンの悍ましさ、気持ち悪くて恐ろしくて。そもそも私は蝶が苦手、あれを美しいとは思えないのでサッサと読み飛ばす。人間標本を作ったのは誰なのか?どんでん返しに驚く。でも、これは苦手な本。
読了日:01月23日 著者:湊 かなえ
一線の湖の感想
「線は、僕を描く」から2年、大学3年生になった青山霜介は大きな壁にぶつかっていた。進路のこと、揮毫会での大失敗で落ち込んでいる時、亡き母の勤めていた小学校から水墨画教室の講師を依頼される。子どもたちとの出会いで霜介が気づいたこと、湖山先生から託されたこと。もがきながら前を向く霜介、彼が決めた進路はきっと素晴らしいものになるだろう。何度も目頭が熱くなり、感動のうちに読了。お薦め本です!
読了日:01月24日 著者:砥上 裕將
狙撃手の祈りの感想
1995年の警察庁長官狙撃事件、未解決のこの事案をモチーフにした力作。楽器店を営む青井圭一と雑誌記者の妻・沙月、親子二代の警察官斉賀。離婚届を置いて取材旅行に出かけた先で死亡した沙月と彼女が残した取材メモから謎を追う青井圭一。警察官として触れてはいけないこの事件に関わる斉賀。複雑に絡み合った謎には家族を思う気持ちが。最後は少し光が見え、読後感は良かった。
読了日:01月25日 著者:城山 真一
縁結びカツサンドの感想
東京駒込のうらら商店街のベーカリー・コテン。三代目の悩める青年と、お店にやってくる様々なお客様。ドーナツ・カレーパン・コロネ・カツサンド、読んでいると無性に食べたくなる。冬森灯さん、初読み。
読了日:01月27日 著者:冬森 灯
火山に馳す 浅間大変秘抄の感想
天明の浅間山大噴火で土石流に襲われた鎌原村。村人の8割が土砂に埋もれ、高台の観音堂に逃げた93人だけが生き残った。現地に派遣された幕府勘定吟味役の根岸九郎左衛門は残された村人を組み合わせて家族を作らせ、故郷を再建しようとする。心に傷を負った村人たち、根岸の行動に無理解な幕府。「故郷」と「生きる意味」を描く物語。根岸がとても魅力的に描かれている。
読了日:01月27日 著者:赤神 諒
1(ONE) (創元クライム・クラブ)の感想
1(ワン)と名付けられた黒い犬、そしてゼロと名付けられた仔犬。大学生の玲奈と兄のはやて、そして母の駒子と優しい夫。すべての人も犬や猫などの動物たちも愛されるために生まれてきた。「ななつのこ」シリーズ、未読だったけど問題なく楽しめました。これはシリーズを読まねば!
読了日:01月29日 著者:加納 朋子
歌われなかった海賊への感想
1944年ナチ体制下のドイツで、愛国心を煽り自由を奪う体制に反抗しヒトラー・ユーゲントに戦いを挑む少年少女たち。「エーデルヴァイス海賊団」のヴェルナー・レオンハルト・フリーデ・ドクトルは、市内に敷設された鉄道とその終着地点に出来る施設に不審を抱く。彼らが見たもの、彼らの決死の行動に目をつむり口を閉ざした町の人々。やがて時を経て明かされる真実。重厚で読み応えある一書、お薦めです。
読了日:01月29日 著者:逢坂 冬馬
ジェンダー・クライムの感想
長い間この国に根付いた性差別。心と体に傷を負い立ち上がれない被害者とその家族。謝罪の言葉もなく生きる加害者たち。裸で縛られ土手下に転がされていた男性はレイプ事件の加害者家族だった。この変死事件を追う警察官たち。誰が真犯人なのかは最後まで分からなかったが、その過去も過酷なもの。「あなたの主人はあなたです」確かにその通り。天童さんの伝えたいメッセージ、しっかりと伝わった。
読了日:01月31日 著者:天童 荒太
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