降版時間だ!原稿を早goo!

新聞編集者の、見た、行った、聞いた。
「降版時間」は新聞社整理部の一番イヤな言葉。

★ハラキリはダメだった(つい最近まではね)。

2014年03月16日 | 新聞


定年退職された整理部の元デスクから連絡があった。
「Eさんが亡くなったよ。憶えているか? 大組みのEさん……活版大組みのときはえらい世話になったなぁ」
「ええ⁈ あの怖い顔の人ですね( ←失礼だな )。
ど素人整理の僕に、大組み中ハラキリ・両ダレ・ナキワカレ【 注・下段 】の逃げ方、教えていただきましたよぉ」
………また1人、鉛活字で新聞を組んだときの活版部員がいなくなった。

大型CTS( 新聞コンピューター編集・組み版システム )すら、やや古い編集システムになり、
活版大組みは「大昔」なのかもしれない。
「縦書きの日本語を、電算機で縦組み新聞に組み上げるのは、人間を月に運ぶより難しいプロジェクトだ」( 1960~70年代のIBM技術陣 )
と言われたCTSが次第にDTPに移行し、大規模システムが必要なくなるよーになるとは思わなかった。
DTPの次は、なんだろう……………怖いから、考えない。

【 ハラキリ・両ダレ・ナキワカレ=はらきり・りょうだれ・なきわかれ 】
新聞割り付け上の禁忌。極力避けるべき組み方。
ハラキリは、現在の朝日新聞がよくやっている( ←こらっ )紙面の真ん中あたりでバッサリ真っ二つに切るレイアウト( 写真はイメージです )。
ちなみに、現在の東京新聞( 中日新聞東京本社発行 )も、いわゆる北半球・南半球真っ二つ型だけど、
この組み方は毎日新聞がつくったもの←これについては後日書こうかな、と。
両ダレは、流し記事の続きが右にも行ける、左にも行けるため、読者迷惑な組み方。
ナキワカレは、流し記事Aがちょうど
「……だった。」などで終わり、下段の近いところに
Aの本来の続き「さらに、余罪を追及する。……」
別記事Bの「しかし△△署の調べでは……」
とあるため、読みにくい組み方。
製作局の大組みデスクは、大刷りゲラを受け取ると、真っ先に欄外→広告→記事の流れを赤鉛筆で確認していた。



(T_T)