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絵画指導 菅野公夫のブログ

大好きな絵とともに生きてます

絵画指導について

2009-11-08 | 絵画指導
最近、私が教えている人が、あまりにいい絵を描くので、嫉妬をする人が出て来たようです。

あれは、先生の力だから本人の力ではないと思う人もいるようです。

さあ、どうでしょうか?

私は、「そうかもしれない」と答えても、いいですが、しかし、生徒たちは99パーセント自分で描いています。私が、手を加えてやることもありますが、それは、切っ掛けを与えるだけで、一部を描いてやり、後は、それを参考にしてやってみてくださいという方法です。

しかも、本当の最初は、かなり丁寧に指導しますが、段々と私の手は入らなくなります。

私は、よく自転車を教えることに例えます。自転車が乗れるようにしてやる時の方法は、後ろで抑えてやって本人にペダルを漕がせますが、抑えながら、段々と手を離して行きます。それに似た方法です。

だから、大きい絵の指導でも、三枚目くらいになると、私は口で言うだけで、全く手を出さないようになるのです。

或る人は、「~さんには、手を入れてくれるのに、私には手を入れてくれない」と嘆きました。同じ指導をしているのに、というのです。
しかし、「手を加えない方が進んでいるのですよ」と答えました。手を加える必要がなくなったということですから、自分でやれるようになったということなのです。

絵画指導とは、自分で描けるように指導してやるのですから、それで良いのです。

ーーーーーー
私が今指導している人は、初めて描く人であったり、今までは、絵画教室で10号程度を描いたことがあるという人であったり、30号くらいまでは描いたことがあるけれど、50号60号という大きい絵は初めてだという人です。

全くの素人は、少ないかもしれませんが、とにかく、大きい絵で、県展に入選するなどということは夢のまた夢という感じのレベルの絵を描いていた人ばかりです。

だから、その人たちが全員、県展入選を果たしてしまったり、麓原展で特選を取ってしまったりというのですから、それまでのその人たちを知っていた人は驚くでしょう。

だから、嫉妬が出てくるのです。

ーーーーー
しかし、それは、私が絵画指導において、テーマと構図を重要視しているためなのです。このテーマと構図をしっかり練って、制作に当たるなら、誰でも県展入選レベルの絵を描くことができます。

それを、実証してくれているのが、本庄第一高校の美術部と私が今教えている60歳過ぎの方たちなのです。

世間のサークル活動の展覧会を見ると、かわいそうでなりません。このテーマと構図に時間をかけて研究している人があまりにも少ないからです。
何も考えず、いきなり描いている絵があまりにも多いのです。

気の毒でなりません。

どうせ描くなら、もう少し、考えて描いたらどうですか?と言いたくなります。

ーーーーー
それは、指導者にも原因があります。テーマと構図について教えないからです。
それは、センスの問題だと思っているなら大間違いなのです。
センスも磨くことができるのです。構図の基本を教えて、その基本を元にして、それを自分なりに変えていくなら、いいのですが、基本を教えないで、いきなり描かせるから、構図も何もでたらめな絵画ができてしまうのです。

もちろん、楽しみで、描く喜びを体験できればいいという人たちには、それでも仕方がないですが、展覧会に出して入選したいという気持ちの人がそれでは、入選できないでしょう。

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だから、考えてみると、指導者がもっとテーマと構図の指導に力を入れるようにしないといけないでしょうね。それと、指導者がその基本を学ぶことと、センスを磨くことでしょう。

私は、どこで構図の勉強をしたのかと言えば、高校生に絵を教えながらです。
高校生が嫌というほど、駄目な構図を見せてくれます。それは、駄目だ、それは、もっとこうしたらどうかとアドバイスしている内に、自分で研究していたことになるのですね。

生徒の絵がどうすれば、良くなるかと思ってその都度、真剣に考えていたのですから、嫌でも力がつきますね。

部員が60人以上いて、一人が一年間に5枚くらいは描きますから、その全ての絵について、あーでもない、こーでもないと言っていれば、1年間で、300枚以上のテーマと構図の研究をしていたことになるのです。

しかも、いろいろな展覧会でアドバイスを頼まれると、行って指導するのですから、それも勉強の一つです。

このことは画集を見ていても同じです。最近は、歴史に残る有名な画家たちの作品でも、構図がおかしいと思う絵がたくさん出て来ました。

有名だから、全て良い訳ではありません。

私が好きな印象派の画家シスレーなどは、構図に問題がたくさんあります。
ルーベンスの絵でも、部分的には素晴らしくても、絵全体でみると、これではいけないという構図があります。

すこし、ペンが走りすぎました。

ただ、絵画指導において、もっとテーマと構図の研究を、先生も生徒もしてほしいと思います。そうすれば、或る程度描ける人なら、誰でも県展入選レベルの絵に到達することができます。
だから、私は、素人が一年でプロ級の絵を描く方法という本を書いたのです。正直に言えば、遠慮をして言ったので、本当は素人が3カ月でと言いたいのです。

いま、現実にそのような人がたくさん出ているからです。最も速かった人は、一か月で埼玉県展入選、群馬県展特選を取りました。

長年出品してなかなか入選できない人は驚くでしょうね。








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2 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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Unknown (ジャコメッティ)
2009-11-08 19:51:49
History repats itself.
嫉妬 ねたみ 本一の生徒さんにも向けられた事ありましたね。 そして先生が独りで守り通しましたね。
そして またですか?
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ジャコメッティさま (pikaso)
2009-11-08 21:01:39
自分より力が下だと思っていた人が、突然凄い絵を描くようになると、そういう妬みもでるのでしょうね。
「絵が良くなって良かったね」と言ってやれる余裕がほしいですね。
「自分も上達したいから、やり方を教えてよ」と言えばいいんですよね。
変なプライドがあると、できませんね。
だから、ピカソがライバルだと思えばいいのです。隣近所の人をライバルだと思っているから、嫉妬が出るんですからね。

私は、誰でも教えますよ。私でよければ、いつでもいらしてください。と言いたいです。全ての人に良い絵を描いてほしいですからね。

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