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絵画指導 菅野公夫のブログ

大好きな絵とともに生きてます

Mさんの人物画100号

2011-10-29 | 絵画指導
一水会展に入選したMさんが、100号を描いています。



これは、一水会展に出した50号の絵と同じモデルです。
モデルの研究をした時に撮影したポーズを使って描いています。

周りの物が、ほとんど絵の枠の中にあるので、外にはみ出すものを入れましょうと
話していますが、まだそれをやっていません。
右上に大きな植物を入れることも検討しています。

今は、画面の下の方が、Uの字になっているのが気になります。
筆の跡もそのようになっているので、箒で掃いたような感じに絵具を引っ張っています。
それは、できれば避けて、絵具を置いて行くようにしてみてくださいと話しました。

ターナーの風景の中に、嵐や霞など風や空気を感じさせるために、絵具を引っ張るようなタッチがありますが、
この絵の場合は、そういうものを表現している訳ではないので、絵具を引きずらない方が良いだろうと思います。

絵具を引きずると、蜘蛛の巣でも引きずったような印象になります。
その方向に目が流れるという言い方もします。ぬるぬるした質感にもなります。
現実の床の質感とは違ってしまいます。だから、落ち着かせるには、絵具を置くようにというアドバイスをします。

この絵は、人物のポーズが良いと思います。人物に当たる光も良く描けました。

その人物の表現と周りの表現が少し離れています。

人物は古典技法、背景は印象派という感じです。
この場合、どちらかに合せるか、両方から歩み寄ることが求められます。
私は、歩み寄る方法がいいのではないかとアドバイスをしました。

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良い点

1、膝の上に乗せた手がアングルの絵のような美しさがあります。
2、影の中の手も非常に良く描けています。
3、肌の色に温かみがあります。
4、目の印象がとても良いです。
5、背景の植物の描き方など、霞んでいますがいい感じです。

問題点

1、スカートの右端が単調なので、平面的に感じます。
2、スカートの左も上の方が平面的に感じます。
3、体に比べて、顔が大きく感じます。
4、画面の右側に外へはみ出す物がほしいと思います。
5、下のU字が気になります。

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その他、前回と比べてどうなったとか、細かいことを言えば、ここでは書き切れないほどありますが、
大きな点だけご紹介しました。


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