絵画指導 菅野公夫のブログ

大好きな絵とともに生きてます

MNさんの県展制作

2013-03-23 | 県展指導
MNさんが、県展制作をしています。



右の方はいいんだけど、左がうまくいかないと言っています。

私が見る限り、どちらもまだですが。
今は、物の存在が立体感がない物が多く、平面的でベタッとしています。
特に、左側のものがそうです。

箱の上にある円柱のような容器が四角い板に見えます。
これこそ、トイレットペーパーのデッサンを学んでいれば、できることです。

立体的にしてください。と言ったら、どうすれば立体的になるんですかと訊かれました。
立体的にするには、明暗表現をすればいいんですよと答えました。
光の辺り方を考えて、まず明暗を二つに分ける。それをまた更に二つに分ける。
反射光線をみて微妙に明るくする。その先に、その物の影を落とす。
その影が最も暗い。
そうすれば、立体的になりますよと話しました。

過去、県展に5回も入選した人とは思えない質問ですが、そう言う人でも
トイレットペーパーの基本的なデッサンが必要なのです。馬鹿にはできませんね。

この絵の場合、机の上の面と布が下がっている立面の違いを出さないと、落ち着きません。
それが出ている部分と出ていない部分があるので、おかしいです。
特に左側のその違いが出ていません。

また、少し難しい話になりますが、影の色は、物によって違うので、布に落ちる影の色は布の暗い色です。
テーブルの板が見えている部分の影の色は板の暗い色です。そう思わないと、おかしいでしょう。
影の色を統一して青で表現しようとしている感じがします。だから、ランプがレンガに落とす影の色も青にしてしまうと、後ろの布の色と同じで、間から布が見えるようなおかしなことになってしまいます。コーヒーカップの右側の下の影の色は、板の色の暗い色と考えないといけないでしょう。

左の布が被さっている白い箱のような物は、透視が狂っています。平行線は地平線の上の一点で交わるように見える。というルールに従えば、奥へ行く線は、その点を目がけて閉じるように向かう必要があります。今は、永遠に交わらない、むしろ開いています。
これは、そう指摘されると分かるのですが、結構平気で気づかないでいる人が多いです。

ランプの傘の上の部分も、立体感がありません。これも白くて丸いものですから、トイレットペーパーと同じことです。立体感を出してほしいです。
今は、後ろのスケッチブックの文字が黒くて強いので、ランプより前に飛び出して見えます。これをなんとかしないと、ランプとの関係がおかしなことになっています。ランプを強くしてもっと手前に立体感を感じれば、大丈夫です。

時計の数字の描き方を指導しました。布で隠されていますが、数字の見え方が違います。
左の布のしわもしっかり描けないといけないでしょう。模様に囚われて、布自体のしわや明暗の違いが描けていません。

言っていくと、まだまだたくさんありますが、全てここでご紹介する訳にはいきません。
この辺で、抑えます。本人には、この倍くらいの指導をいたしました。










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