絵画指導 菅野公夫のブログ

大好きな絵とともに生きてます

西洋絵画の謎

2016-05-30 | 読書
いま、読み始めた「西洋絵画の謎」という本をご紹介します。



文庫本と同じ大きさなので、手軽に持ち運べて便利です。

どこから読んでも良いので、短い時間に豆知識を得るにはもってこいです。

ちょっとした待ち時間、電車の通勤などには、とても良いと思います。

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私が今まで知らなかった知識を一つご紹介します。

スーラの「グランドジャット島の日曜日の午後」はとても有名な絵ですが、その絵の端には、細い枠のような部分が描かれています。
これは、この絵が後にどのような額に入れられるかを考えたときに、合わない額に入れらると困るので、仮にどんな額に入れられても困らないように、自分で外枠を描いたというのです。私はこのことを初めて知りました。
へええ、と思いました。

画家として、確かに絵は額によって見栄えが違ってしまうことを知っています。
だから、気持ちはわかります。しかし、この絵がそういう操作をしていることを知りませんでした。

額が買えないので、額も描いたという画家の話は聞いたことがあります。
ルオーは買えなかったのかどうかわかりませんが、額が描いてあったという記憶があります。

話をスーラの絵に戻すと、この外枠の色にも工夫がされています。
絵の色に合わせて、緑の部分には赤を、オレンジの部分には青をというように、補色を置いています。
ですから、外枠の色は一色ではないのです。微妙なグラデーションのような感じで、いろいろな色があるのです。
今度、その絵を見たら確認してみてください。

この絵です。



外枠があることは、わかりますが、色の工夫まではよく見えないでしょうか。
コメント (2)
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