STRONG 遠藤 創造と破壊 銀幕の隙間でひとこと。

映画 TV CM 映像の現場で、いい効果やビジュアルを作り出しながら
ここで喋ったりぼやいています。

友に送る。

2009-10-03 11:52:20 | ブログ
先ほど、小生の携帯に電話があった。

履歴のない初めての番号だった。

いつもなら出ることに躊躇するが、なぜかすぐに出てしまった。

電話の主は、先日までやっていた 作品 で、ご一緒させていただいたスタッフからだった。

彼女は、作品の当初レギュラーでついていたが、家庭の事情で降板して、代わりに彼女の旦那さんが引き継ぎ、以後作品の終わりまで 小生と彼は、ポジションは違うが一緒に現場で汗を流した。

電話の内容は、その「彼」が 10月30日の夜に 亡くなった事を知らせるものだった。


クランクアップして、29日に打ち上げがあり、翌日に亡くなったと言う。

故 あって、小生は打ち上げには参加しなかった。

彼と最後に酒を酌み交わしたのは、福島の猪苗代ロケの夜(明け方?)が最後となった。


彼は、タイ人だった。

小生は、いままでにいろいろな タイ人 に出会って来た。

リングの上、夜の店、旅先。

しかし、映像の現場で出会った最初のタイ人が「彼」だった。

そして、彼ほど一生懸命に仕事をする タイ人の男を見た事が無かった。

リングの上以外で、初めてリスペクトできる タイ人の男。

男の名は、ペーさん。

彼は、日本に来てまだ9ヶ月だと現場で言っていた。

言葉の違いを乗り越えようと必死に勉強していた。

生活だけなら、カタコトが話せればナントカなっただろう。

しかし、仕事の上での会話は、小生も経験したが外国と言う環境では 誰しも困難になるし苦しむ。

そんな苦しみの中、現場でカタコトのタイ語をしゃべる小生がいたことで、彼は心を開いてくれたのだろう?

もっと現場で会いたかった。

もっと一緒に汗を流したかった。

もっと一緒に 酒を飲み、タルーンな話をしたかった。

小生と風貌が似ていて、現場でよく間違われた ぺーさん。

同じような髪型。

毎朝、同じように現場まで 散歩 しながら向かう ぺーさん。

君は、間違いなく 小生の 友達だった。

君は、きっと天国でも タァ ルゥアック なほど、仕事をするんだろう?



小生と飲んだ事や話した事を「嬉しそうに話していた。」と彼女(奥様)より聞いた。

電話口の彼女が、涙を必死に堪えながら話しているのが解った。

「ありがとうございました。」と言われた 小生の無力さを情けなく感じながら 電話を切った。

ぺーさん!

いや、ピーペー!安らかに眠って下さい。


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