STRONG 遠藤 創造と破壊 銀幕の隙間でひとこと。

映画 TV CM 映像の現場で、いい効果やビジュアルを作り出しながら
ここで喋ったりぼやいています。

2020年、新年明けまして、おめでとうございます。

2020-01-03 00:04:23 | 職業としての映像
新年明けまして、おめでとうございます。
2020年となりましたね。

本年一発目は?長文になりますよ。

2019年は、じぶんにとって 本当に分岐点となる歳でした。
年頭から体調を崩し、検査で 悪性ポリープが発見され。
その頃に参加している作品が 自分とって人生を変えてくれた作品とも言える
「るろうに剣心 beginning final」の2本。
検査や治療で、度々 現場を部下に任せるという屈辱の日々。

いろいろな意味で、シリーズで一番辛い撮影となった。
るろ剣の地方ロケに通院の都合で同行できない身になった。

しかし、平成最後の月である 4月1日 に 自社 株式会社 eCyD ( el Crear y Destruir 想像と破壊 )を立ち上げ
たことで、休むわけにもいかず
前年よりオファーをもらっていた 福田組(新解釈 三国志)を 通院しながらこなす。
作品終了で、またるろうに剣心に合流して、無事クランクアップ。

7月に ポリープを内視鏡手術で除去。

体調を整える間も無く、次の作品を断ることができずに参加。
この作品は、自分が下積み時代にあしげく通っていた 鳥居塚美術研究所(鳥居塚誠一 主催の映像美術研究所)の
先輩 が 装飾部いなくて困っていて、このままでは作品そのものが消滅する危機にあると聞いたためにオファーを受けた。
先輩が困っているという現状と 自分も美術監督をやっている立場上、装飾を自分がやることによって
お互いが一緒の現場に立つことは?これが最後になるであろうと考えたから。

現場は、全編 富山ロケで想像を絶するほど辛く厳しく しょっぱいものだったが
なんとか切り抜けることができた。
この作品を乗り切ったことで? 自分はまだヤレるという自信につながった。

そんな作品「思い出写真」を撮り終え富山から帰ると?
自分の体調が上がり始めていることに気づいた。
辛く厳しい現場で リハビリ以上の効果を得ることができたようだった。

富山の残務処理をしていると?
すぐに次のオファーがやってきた。
それは、吉本興業で芸人さんをやっている  品川ヒロシ氏 の監督作品だった。

自分は、自慢ではないが。
監督という方々に 差別はない。
とても若い人であろうと? 女性であろうと? どちらとも言えない方であろうと?
初めて監督をやる方であろうと? どんな過去があろうと? 
監督として 自分の前に立った方は、監督として扱うし その方のイメージをいかに具現化するか?を
プロとして真剣に考える。
要は? 感性を理解できるか? 自分のイメージと共有できるか? 洞察できるか?
つまり、自分に合う人か?合わない人か?ってことだけ。

したがって、品川組のオファーを断る全くないとい結論。
そして、実際にお会いして俄然やる気がみなぎった。
準備期間撮影期間を合わせても?わずか 20日程度という 極小バジェット。
しかし、内容と充実感と達成感は普通の作品以上だった。
ここ5年間で、一番楽しい作品だった。
後で考えると?とてもいい環境でできた作品とは言い難いが。
まったく苦しいとも厳しいとも感じることなく終えることができた。
本当に後悔が楽しみ。

そんな余韻に浸っていると?
次も 挑戦的な企画が飛び込んでくる。
時代劇とスチームパンクを融合させた「大江戸スチームパンク」がそれだ。
どうもプロデューサーがこの企画を手がけるに当たって、遠藤しかアタマに浮かばなかったらしい。
この新しい時代劇の世界観を作れるのは? 遠藤しかいないと思ったと言っていた。
どんなプロデュサーも大抵上手いことを言って垂らし込むもんだだと思ってはいるが
悪い気はしないし、撮影場所が 自分の古巣  日光江戸村 では断る理由もない。
美術監督として復活!

いままでにスチームパンクというカテゴリーを扱ったことがないため
イメージを叩き込む作業からはいる。
本を買いあさり、関連映画を見て、いろんなスチームパンクのショップを検索して
実際に観に行く。
そこで、新宿にある スチームパンクショップ で、センスのいいグッズを取り揃えているので
いろいろインタビューをしていると?
タイアップに協力してくれることになった。しかも無償で貸し出しを引き受けてくれるという。

これで、肩の荷を半分おろし、美術プランに神経を集中できることなった。
そのショップとなんどもメールのやり取りをして、いよいよ翌日にかつら合わせとコンセプト打ち合わせが
行われるので、メールで段取りを決め ショップ に行くと?
来ない。 店も開かない。 連絡もない。 電話も通じない。
2時間ほど 店の前で待ったが諦めてアシスタント一緒に帰り、翌日の打ち合わせに対処すべく
写真集め(現物が手に入らなかったため)。

ふっとメールホルダーを見ると?
長い長い 謝罪文が入っていたので、咎めることなく穏便に対処して 来たる衣装合わせの前に
道具を借り受ける手はずを整えるが...........。

またもや、前日のなってタイアップをキャンセルしてきた。
あまりに 激昂したために聞いた理由は忘れてしまったが。
とにかくとんでもないドタキャンをやられた。
この時点で、「大江戸スチームパンク」クランクインまで 一週間しかない。
これから、アシスタントと二人きりで、登場人物 レギュラー6人の
スチームパンク的な持ち道具 と セット 4 杯 の建て込みと飾り オープンセット 4軒の飾り
をしなければならなかった。
しかし、この状況で言い訳をして手を抜く神経も持っていない。
座右の銘である「ここからのドロップキックこそが本物」を発揮。
(元気な時のドロップキックなんて、魂が入ったキックじゃない。
もう立てないという状況から繰り出す ドロップキックこそ、相手の心を折るキックということ。)
かなり ヤバイ戦いとなったが。
またなんとか うまい酒を飲めるようになった。

「大江戸スチームパンク」は、テレビ大阪 TSUTAYA premium で、1月18日から
オンエアされますが 一週遅れ?で ティーバでもご覧になれます。
この撮影期間の 遠藤の激闘の証は、1月8日より19日まで  渋谷TSUTAYA に展示されていますので
お時間ある方は。どうぞご覧になってください。

こうして、年末を迎え次の作品の準備をしながら
2020年を迎えることができた。

さて、本年はどんな戦いが待っているやら、

本年、小生が参加した後悔作品は、以下の通りです。

1月
連続だラマ「大江戸スチームパンク」美術監督として参加

2月
映画「 影 裏 」大友啓史監督作品 操演として参加

映画「山中静雄の尊厳死」美術応援として参加

4月
映画「 リスタート 」品川ヒロシ監督作品 美術監督として参加

現在準備中 連続ドラマ(情報解禁前)

7月
映画「 るろうに剣心 final 』大友啓史監督作品 操演として参加

8月
映画「 るろうに剣心 beginning 」大友啓史監督作品 操演として参加

12月
映画「新解釈 三国志 」福田雄一監督作品 操演として参加

上記8作品(もしかしたら?あと一本)が本年の STRONG 作品です。
どうぞ、お楽しみに。

本年最初の 講釈は、ここまで。


どこまでも 前に進んでいきます。