STRONG 遠藤 創造と破壊 銀幕の隙間でひとこと。

映画 TV CM 映像の現場で、いい効果やビジュアルを作り出しながら
ここで喋ったりぼやいています。

本日も「押し押し」。はぁ...。

2008-11-29 20:08:33 | 映像美術のお仕事
本日もセットで、撮影をしている。

小生は、午前中は病院に行っていた為に午後からの撮影所入り。

相変わらずのペースの遅さに「今後の不安」を払拭する事は出来ない。

くよくよとしていても何も進まないので、小生が出来る事やしなければならない事をするしかない。

そこで、作りかけの看板にとりかかる。

昨夜、無事に B 面が彫り上がったので、いよいよ彩色に入ろう。

11

眠気による目の錯覚と戦いながら、丹念に下地となる 黒(つや消し)を塗って行く。

のちに溝が生きてくるように、ハケを太い物と細い物で、すき間にも丁寧に 色をさして行く

まんべんなく塗る事が出来たら、次は........休憩です。下地が乾くまでは、横で友人が毒を飲もうとも触ってはいけませんゾ。

14

というわけで、タバコをくゆらせたり、スタバのラテを飲んだりして、ただひたすら乾くのを待ちます。

乾いて初めて解る「塗り残し」があるので、まだ下地は片付けてはいけません。

とか言ってる内に乾いた様なので、そろそろ次の行程に取りかかりましょう。

ここで用意するのは、何度も使って少々痛んだ「平ふで(お絵描き用)」と、カッパー(銅 色)です。
13
金属的なヘアラインを意識しながら、塗装面に筆先が触れるか触れないかくらいで、一方向から少しずつ色を入れて行きます。

下地の黒と銅の光沢で、金属風になっていきます。

もっとも手がかかった「薔薇の花」もご覧とおりなります。

同じ手順で他の部分も色を入れて行きます。

12

ここまで、下準備的な作業です。

設定では、店を出してから数年を経過しているので、あとは汚しを入れて出来上がりとなります。

残念ながら、本日の作業はココまでとなります。

コレばかりをしていると、他の仕事がたまってしまうので、次は発注の準備をします。

看板の完成は、後日までお預けです。

本日講釈はココまで。

15



由々しき事態?

2008-11-28 17:57:21 | 撮影現場って言うのはね
かなりヤバイ状況?

本日も3時間ほど「押して」いる。

昨夜.....これまた今朝もベッドに入れたのは、朝の5時過ぎとなった。

リポ D やらユンケルによる「薬物投与」で、「これで少しは元気になるんだ」と身体と心に言い聞かせて(と言うより誤摩化して)仕事をしている状況だ。Photo
そんな中、「看板」が彫り終えた。これに彩色して素晴らしい看板になる(あくまでも予定だが)。

しかし、よくよく考えると「切り返し(反対側からの撮影)」を考えていなかった。

作業続行! さっそく B 面に下絵をトレース。

撮影もまだまだだが、作業もまだまだ。先の見えないトンネルを行く気分。
Photo_2
しかし、こん状況はかなりヤバイ。

体制の悪い作品をやるたびに「これよりひどい作品は無いだろう?」と思うが、それはエスカレートする一方で、おかげさまで27年間も業界にいるが、いまだ「初体験」をさせてもらっている。

頼んでもいないけどね。

普通は、こんな状況だと「仕事の手を抜く」に陥りがちだが、生憎小生は「他人にも自分にも S 」なので、こんな看板を作っている。

「ストイックですねぇ。」と部下の バード君が言う。

何か集中出来る物が無いと、心が折れてしまうからね。

それに小生は、家に帰れば「何よりのクスリ」がありますから。

もう少しの間は、突っ走れると思う。Photo_3
お気に入りの音楽と帰ってからのミルコとのひとときが、いまの小生の原動力となっているのだ。

本日の講釈はココまで。


看板作り

2008-11-27 17:48:31 | 映像美術のお仕事
昨夜と言うか今朝の5時に現場を「放免」になり、帰宅したのは6時。

まだ辺りは暗いが、そろそろ通勤のサラリーマンが駅に向かう中を逆のベクトルでネグラに向かう。

「ネグラ」とはよく言った物で、まさに寝るだけに帰っている様なモノだ。

午前中のうちに起床して、某 調布の独占企業に道具を発注しに行く。

たったいまTMC に入り、現場の様子を伺いにスタジオに行ってみると、本日は「45分押し」だそうだ。

まっ昨夜に比べれば、「まぁまぁ」って事にしておきますかね。

美術ルームに戻り、昨日から作り始めている「看板作り」に取りかかる事に。13
まずは、PC によってデザインを起こして、それを写真のように「スタイロマット」にトレース。

我々の仕事は、本職の看板屋じゃないので、当然永久施行をしなくてもいい。

つまり加工しやすい、ある程度の耐久性(撮影期間中、モテばいい)があればいいのだ。それ故の「スタイロマット」です。作業も早いしね。

さてココからは、小生のお家芸「カッターの一本彫り」の始まり。

12
まずは、一番面倒くさい「薔薇の花」から彫り起こして行く。

ポイントは、どの花びらが一番手前にあるか?どの花びらに重なっているか?実物の花を見ながら(実は全く見ないで彫ったが、見た方がいいと思う)急がずに丁寧に彫って行く。

他に彫る予定の部位が傷つかないようにカッターの角度に気を付けてね。

14

一カ所を彫り続けると「飽き」が来てしまうので、所々部位を移動しながら彫って彫って彫りまくる。

こうして部位を変えると「オヤ?」と先ほどまで彫っていた所が気になり、またもとの部位に.....。

そんな事を繰り返しながら、作業を進めて行きます。

さて、ここまでが昨夜までの作業。

さて、本日もこれから 作業に取りかかる事にしよう。

この看板が、どう?変身して行くのかは次号のお楽しみ。

睡魔のイタズラで、失敗しないように頑張ります。

本日の講釈はココまで。


驚愕!6時間押し。

2008-11-26 23:39:03 | 撮影現場って言うのはね
本日は、セット撮影。

ナント、6時間以上の「押し」状態。

現在、予定表の昼休憩後の部分を撮影している。(ちなみに今は、夜の11時半です)

一体この先、どうなる事か?先が思いやられる。

いま建っているいるセットを、この先何回建て込んで飾らなくてはならないのだろう?

11月4日にクランクインして、まだ一週分も撮影出来ていない。

二十日以上も撮影して、一週分も撮れていないのはかなり深刻な問題だ。

最低でも一週間内に一週分を撮影出来ないと、オンエアに追い抜かれてしまう。

しかし、我々が出来る事と言えば、撮影が止まらないように次々に飾り、道具を揃えたり作ったりすることだけ。

現場で撮影を早めたり、円滑に進めるパートではない所にジレンマを感じる。

こうした状況を打開するには、トップの意識を改善するか変革する他無いと感じる。

いくら予定表に26時とか28時と書こうとも、実際の時間は24個にしか割れない。

次の日次の日に分量と疲労を残し、さらに能率を悪くする悪循環。

思考能力の低下と集中力の低下による怪我や事故が心配だ。

しかし、これがいまの映像業界の真実である事は否定出来ない。

やはり、日本にも「組合」や「組織」や「コミッショナー」が必要なんじゃなかろうか?

以前は、各パートに存在していたが、権限を行使出来ずに仕事を「干される」怯えから、ただの飲み会に成り下がっていた。

ヤルとなれば、全員での一致団結が必須だが、かならず抜け駆けする輩が現れ頓挫してしまう。

ビジネスとしての認識の無さが、今日の悪循環の元だと思う。

「でも、好きな事をしてんるんだから」と泣き寝入りしているのだ。

好きな事をしているんじゃなくて、「ヤラされている」のです。

「する」と「ヤラされる」では大きな違いがあります。考えてみましょう!

今日のブログは退屈だって?

たまには真面目な話しもするわいナ。

本日の講釈はココまで。(明日は、好評だった「看板作り」を紹介します)


本日は、セットリハ。

2008-11-25 12:00:50 | お仕事
昨日は、早めに帰宅してなんとか睡眠時間を確保する事が出来た。

寝れば、きっと頭がクリアになると思っていたが.....。

どうやら、小生の年齢での回復力では、このくらいの睡眠時間では回復しないようだ。

本日はタイトルにあるように「リハーサル」をやっている。

本日は、別セットの飾りもあるが、セットをリハーサルで使っている為に「夜逃げ」のようにコソコソと飾らなくてはならないだろう。

しかし、明日からの撮影がそれで早くなるなら仕方が無いだろう(スタッフみんなのために)。

リハーサルが一段落を終えるまで、搬入作業が出来ないので、それまでは美術ルームで次週のプランを練ぇ~り練りしている。081125_112301
次週は、今後重要な舞台となる「BAR」のセットの撮影が予定されている。

店の名前(まだ教えないよ)から、アメリカのテキサスを連想されるために「どんな風にしよう?」とツラツラと10分ほど、テキサスのイメージをイタズラ書きしていたら........アリゾナじゃんコレ。

幼き頃から見ている「西部劇」が頭から離れずに、描いていたらアリゾナの風景になってしまった。

頭の「引き出し」は、あまりアテにならないものだ。

物を作るのに一番大事なのは、やっぱりリサーチですな。反省しなければね。

日頃、若い連中に口を酸っぱくして「リサーチをしなさい!」と言っていた小生だが、言わんこっちゃない自分がしなさいって感じです。

いまは、ネットがあるからリサーチも楽になりましたが、所詮「タダで得られる情報」です。
足や金をかけた情報には届きません。 その深さや価値は、格段に違うのです。

手間を惜しまず、動き回って情報は収集しましょう。

えっ?小生ですか? だって、外は寒いし疲れてるしぃ.....。ハイハイ、がんばりますよ。

本日の講釈はココまで。


悲喜こもごも。

2008-11-22 21:02:19 | 映像美術のお仕事
本日は、久しく既に帰宅している。

本来ならいまだ、セットで撮影中のはずだったが「諸事情(またかよ)」により、午前中で撮影中止になってしまった。

その理由は、この場では発表できないが「誰のフォルトでもない」どうしようもない事が原因。

しかるに本日出来る自分の仕事をするのみである。

本日は、明日のロケで使用する「表札」を制作した。081122_155401
まずは、木材を買って来て表面に文字を書き、その外周から彫り始めて文字が「かまぼこ状」になるよう「まるみ」がでるまで彫ったり削ったり。

081122_160501
彫り上がったら、一度ヤスリをかけて表面を奇麗にしてから、バーナー等で焦がしていく。


081122_163301
万遍なく焦がしたら冷めるのを待って、ワイヤーブラシを使って水で流しながら焦げ付いた表面をゴシゴシと洗い流す。
再び乾くの待って、カシューと言う塗料で文字に彩色していきます。(ここが老眼の小生にはツライところ)


081122_173501
文字の部分にツヤを出すために、カシューを二度三度と繰り返して塗って行くと.......。
ハイッ! 出来上がり~!
小生は、「看板」と「表札」に関しては、かなり真剣に作ることにしている。

その理由は、美術の飾りや小物は「役者さん」の付け合わせのようなものだが、コノ看板や表札というヤツは、必ずと言っていいほど、ワンカットだけ主役になれるものだからだ。

アップを撮ってもらう事が多いのだ。

ココで、見苦しいものは見せられないでしょ?(最近は、ヒドイものもよくTVで見掛けますが)

やはり作る時は、同業者を意識して作っているのが正直な所ですかね。

とまぁ、そんなわけで、道具の一つ一つに思い入れが必要と言うことです。

明日も、また別の作り物が待っている。

本日の講釈はココまで。


待ち受ける、さらなる地獄。

2008-11-21 17:38:55 | 映像美術のお仕事
現在、スタジオ収録の3日間の中日を撮影中である。

さきほどスタッフルームに行き、来週のスケジュールをもらってきた。

「!!!」小生が見た物は、明らかに致死量を超えるスケジュールだった。

インフルエンザが流行っている昨今で、そこに記されているスケジュールを体験すれば、言うまでもなくスタッフ全員&キャストの抵抗力は激減する事だろう。おそらく誰か倒れるであろう。

それより、クリスマスまで生きていられるのだろうか?

スタッフルームのホワイトボードには、12月中旬までのスケジュールも記されていた。
そこには、びっしりと「Set」もしくは「Loc」の文字がならび、空白の部分は皆無だった。
小生は、見て見ぬフリをしてみたが、それは目に焼き付いて今も離れようとはしない。

12月は、個人的にもイベントがめじろ押しの月。

結婚記念日やら、実家の引越しやら、脚本の締め切りやら、通院やら、髪を切りたいやら、忘年会やら、飲み会やら、忘年会やら、飲みたいやら、あげたら切りがないほどヤルことがある。

仕事に生活の時間全てを捧げる年齢ではない。若いうちは仕方が無いが、コノ歳でソレはどうか?と思うのだ。

一体、この番組もどうなって行くのか?見当もつかないで迎える年の瀬でございます。

なおも、撮影は「押し押し」で行われている......。


本日は、いいこともあったので、報告しておこう。
探していた「ツボ」が、ようやく見つかり胸を撫で下ろした。
ある窯元に直接交渉して、撮影の前日に配達される手筈が整ったのだ。

「捨てる神あれば、拾う神在り。」というヤツで、親切にも窯元さんが無償で貸してくれる事となった。

無論、高価な物なので「保険」には入っておくが、こうした工芸品は「唯一」の物だと小生は考えている。

C
したがって、カネ云々の話しではない。二度と同じ物は出来ないのが「焼き物」だ。

現場で使用する場合は、十二分な注意を要する。

心してありがたく使わせて頂きます。

さて、コノ「ツボ」、劇中でどんなふうに使われるのか?は、オンエアをお楽しみに。

本日の講釈はココまで。(職場より)


待ち時間は........っと。

2008-11-19 18:11:56 | 映像美術のお仕事
たったいま、スタジオを使っている「別番組」の撮影が終わった。

いま建っている「別ドラマ」のセットをこれから取り壊して、「我々のセット」を建て込むわけ。

本日の日中まで、道具をかき集めてこれからの飾り込みに備えている。

おそらく建ち上がるのは、午前1時~2時って所だろう。

今夜は寝ること無く働くことになりそうだ。

こうしている間も無駄には出来ないので、作り物をしている。Photo
またまた別バージョンのワインラベル。

待ち時間は........まだまだ先だね。

作り物も目に限界があるし、夕食を済ませたら少しの間「深く考え込もう」としますかね。

しかし、毎度思っているが、この時間枠のドラマのセットはなんでこんなにいつもデカイんだろう?

いつもスタジオに目一杯に建っている。

「お金持ちの家庭」と「不幸もしくは貧乏な家庭」という縮図は変えられんのかな?

まぁ、それをよろこんで観ている国民性にも疑問を感じるが。

おかげでオマンマも食べて行けるわけだが。

そろそろ夕飯ですかね? 今夜はどこで食べましょうかね。

ひとまず、本日の講釈はココまで。


さぁ迫ってきたぞぉ。

2008-11-17 23:17:20 | お仕事
本日は一日準備日となった。

しかし明後日のロケーションを皮切りに、怒濤の如く撮影が入っている。

ロケ → セット3日間 → ロケ2日間 → セット3日間 を休み無くこなさなくてはならない。

おまけに要所要所に、新規の飾りを挟んでいるのだからタマラナイ。

そんなことから、本日は早めに帰宅した。

夕飯を食べ終わり、ひとしきり「不快じゃなかった!深い話し」とか言うバラエティーを見て、PC作業をしようと書斎にいって画面に向かうと.........あらら、次なる障害。081117_224501
といってもコレは不快じゃない。

しかし、作業はなかなか難しい。片手でキーボード操作するのと両手でするのでは能率が違う。

でも拒否できずに、軽くニヤニヤしている自分にも腹が立つのも確か。

シ シフトキーが.........ショートカットが.............。

だがPCと言うのは、いいものだ。アナログ作業だと、こんな場合は如実にクオリティーにでるものだ。

ごらんのように「ワインラベル 別バージョン」を作っている。081117_180201
あとは、銘柄を考えて文字を打ち込めばいい所まで出来上がった。

何か今後の作り物で、つけて欲しい「商品名」や「銘柄」や「ブランド」があったら、言って下さいね。

採用者には、素敵な商品.........なんてものは出せませんが、テレビを見て「あっ!アレは、私のアイデアだ!」

なんて、小さくガッツポーズができますよ。

正直言って、面白いネタが欲しい所です。

では、その辺ヨロシクお願いします。

本日の講釈はココまで。


日曜日だったんですね?

2008-11-16 23:04:29 | お仕事
日々のスタジオ生活による、曜日感覚の麻痺がもう始まっている。

まだ序盤だが、これが週に4日間とか5日間を四六時中セットの中で過ごすと「潜水艦」に乗っているのと同じで、昼夜が全く解らなくなる事がある。

現在が「昼」なのか?はたまた「夜」なのか?今日は「月曜日」?それとも「火曜日」と言った感じだ。

そんな事がスタッフの殆どに起こるが、小生のような年配がそうなると「シャレ」にならない。

「バァさんやぁ、ところでメシはまだかいのぉ?」的に受け止められてしまいそうだ。Img_2864
もちろん、そこまで小生は歳を取っていないが、最近同じ事ばかりを言っているような気はする。

指先を使わなくてはいけない。 そうだ!プラモデルはいいぞ!

とか言いつつ、先日の組み立て作業において「目と指先」にかなり限界を感じてしまいました。

歳は取りたくないものです。

さて、明日はリハーサル&次のセット準備です。

昨夜は......と言うか今朝、帰って来たのは朝の6時頃で、本日の起床は恥ずかしながら午後1時半でした。

おまけに久しぶりの「飾り&バラシ」で、少々腰に違和感を感じている。

まぁこれから毎週5日間くらいの作業で、身体は出来上がって行くだろうが、こんなことをいつまで続けていられるか?は、正直わからない。

ジャイアント馬場のような、インサイドワークだけのレスラーにはなりたくない。

かといって、山本小鉄のような解説者にもなりたくない。

猪木のような実業家も無理。

ワイフはレスラーではないので、佐々木健介&北斗のようなタレント活動も無理。

坂口征二のようにジムを開く事も出来ない。

生涯 リング立っているには、いったいどうすれば..........?......!

あっ、ていうか 小生はそもそもレスラーじゃない!

なぁんだ、今まで通りにヤレばいいんだ。

なんだか解らない内に安心したので、本日の講釈はココまで。Img_2870