STRONG 遠藤 創造と破壊 銀幕の隙間でひとこと。

映画 TV CM 映像の現場で、いい効果やビジュアルを作り出しながら
ここで喋ったりぼやいています。

またか.........。なんて事だ。

2012-06-29 23:31:33 | ブログ
今日の午後、また 悪い知らせを受けた。

地井武男さん 死去。

ワイフの早めの夏休みに付き合い、御殿場のアウトレットにいたときにそのメールを受けた。

実は、昨夜 普段は連絡して来ない後輩から電話があり「ツヨシさん、O が亡くなってたそうです。」
という知らせを受けていた。
その O は、「太陽に吠えろ!」時代からの友人で、近年は 大石(一昨日前に死去)同様、酒浸りのようだった。
しかも不憫な事に O の亡骸を発見したのは、もう90歳にもなる彼の母親だった。
なんとも例えようの無い悲しみにむせぶ夜だった。

明けて、PC を起動して FaceBook を見ると、旧友であり戦友であり悪友だった俳優 渡辺 徹 が病床より帰って来ていた。 昨夜の事もあり、その嬉しさはハンパではなかった。

そこへ宅急便が届き、中を明けると「るろうに剣心」劇場鑑賞前売り券。

落ちかけていた気分が、なんとか回復してワイフと出掛ける。
なんとか いい日 に持ちかえしていたが........... 。

さらに大きな悲しみが襲って来た。

今度は、ワシ等の 兄貴 地井さん が逝ってしまった。

同じく「太陽に吠えろ!」時代からの付き合い。

若い頃は、ほんとうに 侠気溢れる 快男児 で、女泣かせで格好よかった。

徹 や 良純 や 又野(故人)小生 や 菅原(当時助監督)長谷川(当時助監督)皆川(当時助監督)同年代が
みんな頭が上がらず、アニキのように慕い尊敬していた。

若手の役者を集めてのホームパーティーに何故だか? スタッフの小生とブンタ(菅原)だけ呼んでくれた。
「しょうがないだろ? いいか?悪いか?は別として、友達だからさ。」
って言ってくれたときは嬉しかった。

小生が 町でケンカして、二週間拘留されて、現場に復帰したときも一番笑ってくれて助けてくれた。

それが原因で「太陽~」をやめて、次に会ったのは大船撮影所で、西田敏行さん主演の「社長さんは、脱獄囚」。
それから、23年後「未来講師めぐる」で一緒になるまでは、砧の中華料理屋「東華飯店」でしか会わなかった。

それでも「太陽~」の話しで、いつも盛り上がりましたね?

もうお目にかかれないなんて、本当に信じられない。

どうか、どうか、安らかにお休み下さい。

決して忘れられない アニキ。地井武男。


バカヤロ~!

2012-06-25 23:24:41 | よもやま話し
さきほど、帰宅して Face Book を開けてみるとメッセージが届いていた。

「悪い知らせ」だった。

長い間、弟分として気を許していた 男 がこの世を去った。

また、弟分が先に逝っちまった。

彼は、そのむかし「三船プロダクション」内にあった

「タカハシコンパニア」と言う車両会社のドライバーとして業界に入って来た。

それ以前は、羽田空港で車両整備員をしていたと聞いている。

車両部だった彼と初めて一緒になった作品がなんだったか?は、まったく記憶に無い。

強面ではあるが、よく気が着き、よく動く腰の低い男だった。

小生に勝った事はないが、ケンカも強かった。

車両部にしておくには勿体無いと考え、ある人物と一緒に勧誘して 「美術部の大石」という男が誕生した。

人当たりとガッツで、仕事をするいい部下となり友人となった。

常に小生を立ててくれ、尊敬してくれていた。

ある日、小生と 小生の兄貴分である人物をまねて、仕事中にも飲酒するようになっていった。

それは、小生達が 時代の流れや体調によって、仕事中の飲酒をしなくなる時代も続いていく。

「職人は、仕事が出来れば 呑んでいようと構わん。」

そう彼に説いたのは、何を隠そう小生達だ。

世の中が体裁を気にし始め、職人気質は嫌われ、どんな要求も黙って受け入れる「奴隷のような美術部」の時代がやってきた。

それぞれが、自ら格好いいと思っていたスタイルを捨て、仕事を貰って生き延びる時代。

やがて、仕事中に酒を喰らうのは「悪い事」のようになっていった。

それでも彼は、呑み続けた。それが彼のスタイルなのか?現実逃避なのか?今となっては図るすべは無い。

ただ、彼の未来を按じて、そしてこうなる事を按じて、数回に渡り厳しい言葉をかけた。


しかし、彼は業界を追われ、そしてこの世とも決別してしまった。

小生達を見習って、呑み始めた「酒」が彼の命を奪ってしまった。

お決まりの「肝硬変」ってやつだ。

心優しいヤツだった。  

ほんとうは、人の数倍ナイーブなヤツだった。 

アウトローを気取っていたがなれなかった。  

見た目は、志賀 勝 に似ていた。 

パンチパーマ時代が長かった。 

頼んでないのにワシのケンカの助っ人に入って来た。 

よく一緒に呑んだ。 

よく一緒に笑った。  

よく一緒にナンパした。  

そして一緒に泣いてくれた。  

でもひとりで旅立った。 バカヤロウ!  こんど会ったら?絶対にぶん殴ってやっからな。

そっちで、待ってろよ。

結構 待たすからな。 だって、お前の分も頑張るからよ。 バカヤロウ!

そっちで、常磐としばらくバカヤロウ同士で、呑んで待ってろ! バカヤロウ!

今度は、ワシより先に行かずにそこで待ってろよ。 

バカヤロウ! 大石のバカヤロウ!


北海道より戻りました。

2012-06-24 00:46:02 | 撮影現場って言うのはね
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お久しぶりでゴザイマス。

19日より、北海道の小樽へ行っておりました。

今回の仕事は、操演部としてのオファー。

内容は、相変わらず語る事は出来ませんが テレビ のスペシャル枠です。
ザックリとですが、かなりの予算で製作されています。
スケジュールといい、出演者のグレードといい、監督スタッフ どれをとってもテレビの枠を超えていました。




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撮影本隊は、小樽のアチコチで撮影をやっていましたが、小生の現場はココだけ。


今回は、「 爆 破 」の仕事です。




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初日の夜は、仲良くなった地元漁師さん(漁業組合長)の口利きで、小樽駅近くの立ち食い寿司屋「高大」さん。
若いけど、腕のいい ゆるキャラ セントくんによく似てる 真田君の握る 寿司。
立っていたけど、久しぶりに廻らない寿司をいただきました。


さて、先ほども触れたと思うが、大作らしくスケジュールがとてもゆるい。

道入して2日目は、台風の影響で丸一日オフとなり、ホテル横の映画館で2本も映画を鑑賞。

「ソウルサーファー」

「M I B 3」

さて、道入して 3日目。 明日に出番を廻されて、仕込みだけの日となる。

材料を買って、爆破するための艀(ハシケ)的な土台を作成。



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なんだか、見た目が新手の寿司屋みたいになったのは、ご愛嬌というところ。

ビニールがかかている部分に特殊な仕掛けを施してある。手前のお盆は火が上がる事になる。

さて、明るいうちに作業を終えて、同じく明るいうちに今度は ジンギスカン!





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充分な仕込みの時間をもらったおかげで、爆破は大成功。

当初は、合成用の素材扱いされていたが、出来がよかったのでそのまま使われる事になった。

これで、パニックになって逃げ回っていた カモメ さんたちも喜んでくれるだろう。



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全てのミッションをコンプリートして、今朝(23日)レンタカーを返却して、小樽駅で仕上げに食べたのが




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ウニカニ丼です。

いやぁ~ウマかった。全部ウマかった!
今年は、まったく地方ロケがなかったが、本年初の地方ロケがこんなにいいと、あとが怖いよね?

ひとつ不満だった事は、3人部屋で 豪快な往復イビキのユニゾンに挟まれていた事。
睡眠不足で帰宅。

下半期は、地方ロケばかりの予定だが、またオイシイ想いが出来たらいいですね?

本日の講釈は、ココまで。





しょ... 賞金....。

2012-06-15 23:02:41 | よもやま話し
* 都内某所 

雑居ビルの狭い階段を上がって来る男。
キャップを深く被り、その表情は良く解らない。
3階まで上がり、あるマンガ喫茶のドアを開けて入って行く。


* マンガ喫茶 中

店員 A 「いらっしゃいませ!」

受付のカウンターに向かって行く男
カウンター内には、店員A と その後ろで作業している店員Bがいる。

店員A 「当店のシステムは、ご存知でしょうか?」

男  「はい。」

店員A 「今回のご利用は、どちらになさいますか?」

男  「個室.......は、....ありますか?」

店員A 「個室のご利用は、会員様のみとなっておりますが会員証はお持ちですか?」
店員の説明にやや被るように男が発する。
男  「じゃぁ、オープンスペースいいです。」

店員A 「オープンスペースですね?では、90分 ◯◯◯円になります。」

黙って支払いをする 男。

店員A 「◯◯◯円 丁度頂きます。では、空いているお好きなお席にどぉぞ。」

伝票を受け取り、自分の荷物を胸元に抱えて、カウンターから見え辛い席へと向かう男。
その後ろ姿を目で追う 店員A の後ろから 店員Bがやってきて。

店員B 「オイ、あのお客さん、昨日も来てたよな?」

店員A 「あぁ。 それより、この手配書のヤツに似てねぇ?」

店員B 「おぉ、オレもそう思ってたんだよ。」

店員A 「何 言ってんだ! いまオレが言ったから?乗っかってきたんだろ?」

店員B 「ちゃうわっ! なんかおかしいと思って、一応オマエに言っとこうと思っただけじゃ!」

店員A 「ウソつけぇ! オマエ、賞金が欲しいんだろ!」

店員B 「それより、警察に電話しようや!」

言われて、電話の受話器を手にとる店員A、慌てて110番をダイヤルする。

< 通報から 7分後 >

同 喫茶店 中

階段を駆け上がって来る 警官と刑事達。

警官A 「通報されたのは、どなた.........コレは。」

そこには、カウンターまえに倒れている 2人のアルバイト青年。

お互いが包丁で刺し合い、こと切れていた。


やや?!

2012-06-14 23:19:56 | 職業としての映像

またまた、なんだか 大きな波が来ようとしている。

最近、美術の仕事は相変わらずの 2時間モノばかりだが、

かたや 操演 の方はと言うと 比較的に大作が多く入って来る。

もともと 操演 というカテゴリーは、バジェットが低い作品ではオファーが掛かり難い性質がある。

準備稿(撮影前に準備用に刷られた台本で、見積もり前なので盛り沢山に書き込まれている)の時点で、
ドンパチ ドッカ~ン と書かれていても、決定稿として現場に降りて来た台本からは削除されている事が多い。

理由は、至極明快 「お金がないから、ヤメる」ということだ。

したがって、昨今のテレビの連続ドラマや二時間ドラマは、予算が切迫しているために 我ら操演が活躍する場が
割愛されるか?極少数に出番を減らされる。

例えば?人体弾着 を例にとると?


監督 「ここで、A が銃を発砲します。これは後ろ姿なので、撃ったと言う感じでリアクションしてもらい効果で音を点けます。」


小生 「なるほど、じゃぁ実際は発砲しないということですね?」


監督 「そうです。 そして、B はその時に胸の辺りを撃たれます。」


小生 「あぁ、そこで人体弾着ですね?」


監督 「えぇ、ボクは欲しいんですが、今回は予算がないんで寄りは撮りません。ヒキで撮って、あらかじめ手の平に血ノリの袋を持っておいて、撃たれたリアクションで胸でつぶします。」




小生 「あぁ、なるほどぉ。 じゃぁ、発砲も人体弾着も無いということですね?」




監督 「そぉなっちゃいますね? アノ、血ノリの袋は作ってもらえますか?」




小生 「それもソチラでなさった方が安あがりですよ。」



これは、以前ほんとうにあったやり取りです。
当然、打ち合わせでの日当はでませんよ。

テレビ関係は、こうした事がほとんどだが、もちろん全ての映画が 我々の出番をふんだんに盛り込んだ作品ばかりじゃない。
そんな中で、最近来る仕事は出番の多い作品が 嬉しい事に増えている。

いま日本の映画が元気になって来ている事を肌で感じる。



そして、8月に公開となる 「るろうに剣心」もそのムーブメントとなることは明らかだ。
この作品は、4ヶ月間ベッタリと現場に着く程の出番があった。

いまの流れがいつまでも続くとは思ってないが、願わくば身体が言う事を聞くうちに波に乗り続けたいと思っている。

そしてまた、観えるところに「大きな波」が近づいて来ている。

本日の講釈は、ココまで。








2012-06-07 23:34:31

2012-06-07 23:34:31 | 職業としての映像




ここ三日間、自宅でゆっくりと過ごしている。
仕事が無い訳じゃないよ。 出番に合わせて、調整してるだけ。

そう、この出番というのは「 操 演 」の時の立ち位置である。

かたや美術として参加した場合、寝る時間もとれないほどの労働となる。

だからといって、肉体的に楽な 操演 に逃げている訳ではない。

自分を根っからの美術部だと思っている。

どちらの知識も技術も持ったものが現場にいる事によって、より精度の高い映像を作り出せると思っている。

最近、このブログをヒットして、覗きに来てくれている方々の検索を見ていると「進路」について悩んでいるように見受けられる。

ブログを読み返してもらえば、小生がどぉいった人間なのか? これからどぉアプローチしていけばいいか?
業界に入るには? 業界の内情は? なんかが書かれている。

何かの足しになると思うので、読んでみて欲しい。

小生は、まだまだ止まらない。 

本日の講釈は、ココまで。








大変 ご無沙汰しております。

2012-06-02 09:52:24 | 職業としての映像
久々に更新します。
先月の29日に無事クランクアップいたしました。

今回は、美術 装飾 としての参加でしたが、内容はまさに盛り沢山という他ない作品でした。

ストーリーの性質上、細部の細部まで飾りを要するもので、膨大な時間と道具を必要としました。

しかし、昨今の2時間モノ の中でも最もローバジェットな枠の作品で、やりたいことや欲しいものの半分も出来ないというフラストレーションに加え、監督と我々のスポークスマン的な助監督が個性的(こう言うしか無い)過ぎて、円滑な作業が出来なかった。

久々に美術をやるので、それなりに燃えていたが............いやはやホントに美術という仕事は大変です。

やる事の多さ、要求される事の多さは、他パートの追随を許しません。

しかも昨今は、その仕事に対してのリスペクトもなく、要求はズゥズゥしくなる一方です。

どこがそうなのか?と言うと、予算が無い事を知っていて次々に要求して来ると言うところ。
その姿勢は、とくに局に近い TV業界の連中に顕著です。

スケジュールは超がつくほど厳しく、食事もままならない、人としての最低限の生活もできない現場。

そんな環境で「いい作品にして下さい」なんてのは、依存心を通り越している。

ズゥズゥしいにも程がある。甘ったれるんじゃない!

人を動かせば?金が動き、人を集めればそこには生活がある。

いい環境あってのいい仕事を思い出してほしい。

悲惨な事故や死人が出る前に。

我々が組織となった日、日本の映像界はどぉなるだろう?

本日の講釈は、ココまで。