STRONG 遠藤 創造と破壊 銀幕の隙間でひとこと。

映画 TV CM 映像の現場で、いい効果やビジュアルを作り出しながら
ここで喋ったりぼやいています。

5月になりましたね。

2014-05-01 12:25:03 | 撮影現場って言うのはね
いよいよ本年の3分の1が過ぎ去りました。
昨年の今頃は、映画『黒執事』の撮影で北九州の小倉にいました。
最近 当ブログにお越しの皆さんの多くが、業界に興味を持って『 進 路 』を意識しての検索でヒットしている感じを受けますので、今日は この業界での収入について少しお話ししましょう。

皆さん ご存知のように小生は、フリーランスとして活動しております。
しかし、ある会社の番頭さん的な事もしております。
これは、契約している訳でも何でも無いのですが、いずれその会社の役員になる事を約束した上での
活動となっており、毎月ちゃんとした手当を頂いている訳ではありません。
小生の我がままで、フリーランスの体制のままやらせてもらっています。
無論 その会社を通じての作品参加となれば? しっかりと頂いています。

小生がフリーランスと名乗っているのは?
あくまでも マネージメントを人に任せず自分ですべてを行っているからです。

会社に属さないと言う事は、自由に作品をチョイスできます。(生活に左右されますが)
その代わり、リスクも伴ってきます。
まずは、ギャランティの保証がありません。

正直に申しますと 本年 の収入は?
まだ 昨年の ひと月分 もありません。
オファーを受けて、作品に参加しても 先方(美術会社 や 製作会社)が一向に
ギャランティを振り込んで来ないためにこう言った現象が発生します。

現在 連絡がつかない会社が 2社ほどあり、そろそろ 裁判に持ち込もうか?
何て事を考え始めているくらいです。

業界で会社を起こしている人間は、綺麗に辞める人間はいません。
発つ鳥 跡を濁しまくりでいなくなります。
か?と思うと? またどこかで同じような会社を起業していたりします。

そんな人達のおかげで
幾ばくかの蓄えも?そろそろ 底が見えて来ている訳で(笑)
かなり厳しい年になっています。
ワイフが怖い。


こうして、われわれフリーランスの業界人は、たとえ仕事をしていても?
収入の方は無かったりもするのが現実です。

これを俗にいう『 貧乏 暇無し』ってやつです。

日本の業界は、契約書というものを書きません。
つまり 人と人の信頼関係と口約束の世界なんです。
ある日に電話が来て。
「いつから空いてますか?」
「◯月◯日からなら、動けますよ」
「じゃぁ、今度◯◯組で◯◯な映画なんですけど、やってもらえますか?」
「いいですよ。期間はどのくらいですか?」
「◯月中旬から準備で ◯月◯日インで、ざっと3ヶ月くらいですかね?」
「解りました。やらせてもらいます。」
と言うような?やり取りがあって、数千万円が動く世界なんです。
ほんとにアバウトなんです。

信用だけが頼りなんですが.............。
裏切られる事も チョイチョイ あります。
金の切れ目が縁の切れ目とは?良く言ったもんで。
友人だと思っていても..........?

と言う訳で、これから業界を目指す方。
堅実なアナタは、どこかの会社に所属した方がいいですよ。
冒険家なアナタは、フリーランスもいいですかね?

本日の講釈は、ココまで。








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作品も軌道に乗ってます。

2014-02-25 23:35:56 | 撮影現場って言うのはね
今回の作品は、そんなに大きな作品ではない。

いわゆる 2時間モノ というやつ。
しかし、個々最近ではない 現場 なんです。
それは、半世紀以上生き 30年以上業界でやって来たが、今回の現場は..........
なんと、メインスタッフのほとんどが........先輩や大先輩なこと。

こんな事は、最近めったにないことだ。

最近の作品では、ほとんどの現場で小生が最高齢者だった。

このキャリアで、この年齢でまだ諸先輩方と仕事ができる幸せ。
小生がここまでやって来た苦労をビハインドしてきて、なおかつ
現場でやっている尊敬すべき人達。

あまり長い作品じゃないけど、この時間は大事に過ごしたい。

最近 また小生のネット周りが騒がしい感じだけど。
まぁ、小生を嫌う連中ももちろん居るし、そうでない方々もいる。
世の中のバランスってやつは、いつも一定じゃないし安全なものでもない。

いま今時間だけが 見つめるべく現実であって、過去も未来も
イメージでしかない。

小生を突き落としたところで、世の中は何も変わらないし
過去を変えられる訳でもない。
いまの現場は、いろいろと考えさせてくれる場所なんだ。

本日の講釈は、ココまで。


先日 参加した 現場です。

2014-02-01 00:17:27 | 撮影現場って言うのはね
** お知らせ **

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本年 最初の仕事でした。

バンプオブチキン さん のスチール撮影です。

シャッターを切ったのは?
映画監督 の 紀里谷 さん でした。

スタート悪かった本年ですが、この現場は 超新鮮 で 超楽しかった。
テレビ に出ない彼らの ナマ演奏&歌 を聴きながらの贅沢な仕事でした。

ご縁があったら?また呼ばれたい。

お知らせでした。



責任を伴うポジション

2013-06-23 01:12:15 | 撮影現場って言うのはね




現在 大作の準備に奔走している。

作品のバジェットが大きくなればなるほど、そこに関わってくる人間は当然多くなってくる。

多くの人間が集まると?

多くの問題が伴って来るのも?当然。
十人いれば?十人の考えがある。

いろんなパートのいろんなポジションが集合して、出来ているのが映画の現場だ。

各パートを束ねている人間をさらに束ねなければならないのが、監督でありプロデューサーだ。

そこには、絶対と言っていいほどの カリスマ を要する。

特に『 監 督 』と言う職業は、その点に置いて大変である。

作品づくりに集中したくても? 台本直しをしたくとも?
政治的な立場で、いろいろな事象に巻き込まれていく。
自責がなくとも 恨まれてしまったり?
嫌われてしまったり?
そして好かれようと思っても?
嫌われる事を恐れても?それは成立しない。

一度は、やってみたい ポジション だし、「やってみれば?」なんてことも言われた事もある。
確かにやってみたい。

しかし、いま置かれている立場の 美術 や 操演 にも 大きな誇りをもっている。
そして、監督のような 吸人力やカリスマ 、そして責任能力があまり無い事も解っている。

そういった「大きな責任が伴うポジション」に比べると?
小生がやっている ポジション は実にシンプルなものだ。

『人が驚くような?創造』をして
『人が感動するような?破壊』をすればいい。

現在 お仕事をご一緒させていただいている 監督 をみて、こんな事を感じた日だった。
彼は、間違いなく『監督』である。

本日の講釈は、ココまで。











また ひとつの記憶を得た。

2012-12-08 01:50:01 | 撮影現場って言うのはね
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11月30日より東京に戻っている。
先日の 12月4日に CG 素材の撮影を終え、本作「ゆるされざる者」オールアップとなった。

すでに公開が 2013年 9月13日 と決まっている。

晩夏の北海道から行き始め、最後は完全な雪国となっていた。

撮影環境で言うと? 二十代に経験した ヒマラヤ を彷彿とさせるものだった。

生活環境においても?遊べるような所は皆無で、小遣いの殆どは防寒具に姿を変えていた。

こんなに完璧に雪山対策をしたのは、ほんとうに久しぶりだ。

なんにせよ、記憶に強く残る作品である事は間違いない。

俳優陣も とてもいい方ばかりで、古くから縁のある人達だった。

入った当初は、終わりが全く見えなかったが、終わってしまえば?どんな作品だろうと寂しいもんだ。

今回の作品は、間違いなく話題作になる。

きっと参加した事がなんらかの自慢になるはずだ。

まだまだ 風は吹いていると感じる。
この調子で、来年も行きたいもんだね。

本日の講釈は、ココまで。






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北の戦地に 再 再 再 合流!

2012-11-11 09:30:40 | 撮影現場って言うのはね
いま、空港に向かうリムジンバスのなか。

今回の作品については、求人でしか このブログで触れていないから?
これが初めてのアップとなる。

今回の作品に現場参加したのは、9月下旬からだった。
作品の規模としては、大きい方の部類だと思う。
まぁ、プロジェクトとしても 多くの人間を巻き込んでいる。

内容について、詳しく語る事は?例によってできないが
話題作である事は間違いない。

今回の参加は、遠藤 剛 ではなく STRONG 遠藤 として携わっている。
つまり 操演 としての参加だ。

STRONG 遠藤 の長編映画 2本目となる。

今回は、ベタで現場に就いている訳ではなく、出番がある時だけの参加。
そこには、大人の事情が多々あるわけだが、元々が美術(いまもやってますが)の小生にとって
みんなが一生懸命やっている時間、自分も何かをやっていないと?なんだか後ろめたい気持ちになってしまう。
そう、現場に出た時になんだか卑屈な気持ちになるのだ。

恐らく、だれも楽でいいなぁとは思っていないと思う。
なぜなら?自分が美術として参加している時に?そんな風に他のパートを見てないからだ。

しかし、現場と言うのは?ある種「 パーティー」みたいなもので、その一部始終を見ないと損をした気分になる。

いま、小生が感じている感情は、まさしくそれなのだ。

今回の合流は、最後までの参加となる。
救われるのは、最初と最後はみんなと同じ戦場で燃える事が出来ることだ。

いまは、ワンカットも現場を離れずに参加できた「るろうに剣心」が懐かしい。


さて、北の大地に忘れて来た 小生の心の一部を取りに帰ろう。
アレが無いと東京の仕事にイマイチ気持ちが入らない。

本日の講釈は、ココまで。


北海道より戻りました。

2012-06-24 00:46:02 | 撮影現場って言うのはね
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お久しぶりでゴザイマス。

19日より、北海道の小樽へ行っておりました。

今回の仕事は、操演部としてのオファー。

内容は、相変わらず語る事は出来ませんが テレビ のスペシャル枠です。
ザックリとですが、かなりの予算で製作されています。
スケジュールといい、出演者のグレードといい、監督スタッフ どれをとってもテレビの枠を超えていました。




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撮影本隊は、小樽のアチコチで撮影をやっていましたが、小生の現場はココだけ。


今回は、「 爆 破 」の仕事です。




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初日の夜は、仲良くなった地元漁師さん(漁業組合長)の口利きで、小樽駅近くの立ち食い寿司屋「高大」さん。
若いけど、腕のいい ゆるキャラ セントくんによく似てる 真田君の握る 寿司。
立っていたけど、久しぶりに廻らない寿司をいただきました。


さて、先ほども触れたと思うが、大作らしくスケジュールがとてもゆるい。

道入して2日目は、台風の影響で丸一日オフとなり、ホテル横の映画館で2本も映画を鑑賞。

「ソウルサーファー」

「M I B 3」

さて、道入して 3日目。 明日に出番を廻されて、仕込みだけの日となる。

材料を買って、爆破するための艀(ハシケ)的な土台を作成。



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なんだか、見た目が新手の寿司屋みたいになったのは、ご愛嬌というところ。

ビニールがかかている部分に特殊な仕掛けを施してある。手前のお盆は火が上がる事になる。

さて、明るいうちに作業を終えて、同じく明るいうちに今度は ジンギスカン!





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充分な仕込みの時間をもらったおかげで、爆破は大成功。

当初は、合成用の素材扱いされていたが、出来がよかったのでそのまま使われる事になった。

これで、パニックになって逃げ回っていた カモメ さんたちも喜んでくれるだろう。



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全てのミッションをコンプリートして、今朝(23日)レンタカーを返却して、小樽駅で仕上げに食べたのが




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ウニカニ丼です。

いやぁ~ウマかった。全部ウマかった!
今年は、まったく地方ロケがなかったが、本年初の地方ロケがこんなにいいと、あとが怖いよね?

ひとつ不満だった事は、3人部屋で 豪快な往復イビキのユニゾンに挟まれていた事。
睡眠不足で帰宅。

下半期は、地方ロケばかりの予定だが、またオイシイ想いが出来たらいいですね?

本日の講釈は、ココまで。





兼ねてよりの謎。 深まるばかり。

2012-05-05 00:47:05 | 撮影現場って言うのはね
きょうは、Twitter では文字数が足りず、ぼやけない事をここでぼやこうと思う。

今回の作品は、美術 装飾 として参加しているわけだが。

小生が業界に携わる姿勢としては、もっともネイティブなポジションであることはご承知かと思う。

その美術部において、昔から「謎」と感じていた事がある。

それは 我々 美術部 の立場や処遇についてだ。

とりわけ、装飾部 小道具 持ち道具 の「立ち位置」が問題なのだ。

長年この仕事をしているが、どのパートと比べても 「格段に多い仕事量とアイテムの数量」だと自負している。

昨今のスケジュールは厳しく、予算も超がつく程 侘しいものになっている。
その中で、現場での作業もさることながら、その準備やバラシにおいても他部署の比では無い。

そんな美術部だが、どうも他からは理解されていない。

正直言って、むかしからひどい扱いを受けているように思う。

仕事内容の性質上、要求を受け入れ全うする使命はある。

しかし、それも予算と時間があって精度が高まるという話しだ。

例えば、制作部が「お金がないから、そんな劇用車やロケセットは、借りられないよ。」とか?
衣裳部が「そんなに警官を出す予算もらってないから。」と言ったとしよう。

おそらくどちらの意見も認められ、監督もプロデューサーもそれを諦めてくれる。

それが、我々 美術部になると「あって、当たり前。無ければ、犯罪。」みたいな言い方をされる。

世の中には、タダで動く人も道具もない。

予算が無ければ、要求も遠慮しろ。

最初から予算がないのに「金のかかる台本」を書かせるな。もしくは、書き直せ!

金のかかる台本をズゥ~ズゥ~しく、知らん顔で持って来るな!
(ほんとうは、脚本は遠慮しないで、P が制御すべし)

P は、予算が無いの知ってるだろ?美打ちで涼しい顔をしてんじゃねぇ!

本日の講釈は、ココまで。

あぁ、スッキリした。 明日からも頑張ります。








もう少しだ。

2011-11-16 23:30:37 | 撮影現場って言うのはね
7月の末に京の地に着き。

何度か?東京に戻りはしたが、ほぼ4ヶ月の間を過ごして来た。

最初は、嫌で嫌で仕方が無かった 原谷のレオパレス も、仕事が終われば自然と戻れるような自宅になってしまった。

徒歩圏内に呑める所も喰える所も無い。

すっかり部屋呑みが習慣となってしまい、まるで ギネスビール の広告塔が如くネットでそれを中継する生活。

楽しくも空しくも寂しくもあるこの生活も、残す所僅かとなった。

明日の撮影で、お芝居部分は全てが終了する。

事実上のクランクアップとなるわけだ。

しかし、今回は 操演 で参加しているので、「小物撮影」「素材撮影」が山のようにある。

とは言うものの、今月の末には東京に戻っている。

春から、悪い事ばかりが続き、ギクシャクした人間関係もあり、半ば嫌気がさしていた頃にコノ作品で京都に赴いた。

ある意味、東京と言う現実から逃避したような感じだった。

時間が過ぎても、頭のモヤモヤは全く消えていないし、おそらくギクシャクも以前のままだろう。

全てが自分の気持ち次第である事は解っていても、この歳になってもそこがコントロール出来ない。

東京に戻る事によって、アノ現実も身近になってくるだろうし、聞きたくない情報も入ってくるだろう。

そして、次の仕事や来年に向けての計画や予想。

戻れば、問題は山積みなのは解っている。

しかし この 京の都には、いささか長居し過ぎた。

やはりここらが潮時だろう。そろそろ、「夢のような大作」からワシの現実に環境に古巣に戻るべきだ。

そして、ブログというのは?このこっそり感がいいなぁ。

さぁ、残りの撮影も頑張って、ワシの現実に戻ろう。 またこの「夢のような大作」に呼ばれる事を祈って。

来年は、また LA にでも行って、いろんな機材を入手したいな。

本日の講釈は、ココまで。








いい経験になっただろうか?

2011-11-05 01:29:10 | 撮影現場って言うのはね
長かった今回の作品も残す所僅かとなって来た。

この作品で小生のユニットには、まだ大学に在学中の若者がベタで着いている。

毎度のことになってきたが 等ブログ を通じて、小生に進路について相談して来た若者の一人だ。

最初はブログにコメントをくれ、そしてメールでやり取りをするようになった。

若者の希望としては「小生への弟子入り」だったが、このブログでも再三にわたって申しているように
小生が新しい事にチャレンジするために現在は弟子をとらない事になっている。

ではなぜ?その若者が現在小生と一緒に今の作品をやっているのか?というと?
弟子として迎える事は出来ないが、どんな仕事なのか?どんな業界なのか?を示してあげる事はできる。

ましてや学生と言う身分のうちに「業界がどんなところか?」「どんな事をするのか?」「どぉ言う風に撮影するのか?」を知る事が出来れば?卒業時にどれほど洗濯種を増やす事が出来るだろうと考えたからだ。

そのアドバイスに対して、若者はアクションを起こしたわけだ。

すでに正式なスタッフとして、3ヶ月以上を現場で過ごし学んでいる。

どうやら、東京に出て来て本気で業界入りの考えを固めたようだ。

そうなると、小生もある種の責任を取らなければならない。

若者が成長出来る環境.....つまりある程度は仕事を斡旋してやらなければならない。

こうした若者がまた来るだろうし、すでに来てもいる。

来年は、小生も気合いを入れ直してやって行かなければな。

伊藤さん、今回 現場に出て いろいろ学べたかな?

本日の講釈は、ココまで。