STRONG 遠藤 創造と破壊 銀幕の隙間でひとこと。

映画 TV CM 映像の現場で、いい効果やビジュアルを作り出しながら
ここで喋ったりぼやいています。

確かこんな季節の頃か?

2009-07-06 23:03:10 | よもやま話し
いまをさかのぼる事、35~6年ほど前と記憶する。

小生がまだ、10歳かソコらのころの話しをします。

小生は、高校を卒業するまで軽井沢に住んでいた。

軽井沢に住んでいると言うだけで、別段 財閥と言う訳でもコンツェルンと言う訳でもなく、

そのころの平均的家庭より やや貧乏くらいのものだった。

でも通っていた幼稚園は、みなさんがご存知の ココ。

T07082407

20年ほど前から、幼稚園を経営していないが、園長先生は現在もいる カルロス神父様です。

旧軽井沢で、少年期を過ごしていた訳で、当然の如く同級生達や友達も旧軽井沢の子供達ということになる。

そのお友達の中に コバヤシ君と言うのがいて、彼の家は 平成天皇陛下とミチコ様が出会ったテニスコートの前の酒屋を経営していた。

「オレの家に ドイツ人以外の外人が買い物に来るよ」コバヤシ君が ボク(小生)に言って来た。

「えぇ? ドイツ人以外の外人って、どんな感じなん?」

「ちょくちょく来るから、見に来ればいいじゃん。」

「うん、オヤジのカメラ持って行くよ。」

当時の軽井沢には、いろんな国から来た外人が多く住んでいて、在日していた同盟国のドイツ人が疎開して、そのまま住み着いていた。

現に同級生にも何人かのドイツ人がいたほどだ。ステッカー君やら、ダビー君と言った具合だ。


小生は、アメリカのテレビドラマが当時から好きだったので、彼の言う 外人 はアメリカ人と決めつけ期待していた。

しかしその期待は、もっと驚くべき出会いとなる。

父の机から、買ったばかりの FUJIKA の一眼レフを持ち出し、コバヤシ君の家で 張り込みを始めて2日目に
その男がやって来た。


小生は、目を疑った。 


そう彼こそが「ジョン レノン」だからだ。

少し変わり者だった 小生は、当時から洋楽を聴くというオマセさんでした。

驚きと興奮によって、ドーパミンやらエンドルフィンやらが身体中を駆け巡り。

その場のヤリトリは、ほとんど記憶に残っていない。

それほどのサプライズだったのだ。 軽井沢と言う町が、子供にはどういうモノ?なのかなんて関係ない。

ただ自分が住んでいる小さい町という概念しかない。

そこにいるべき人間ではないはずの ジョン レノンなのだ。

ガシャン!という音で、ボクは正気に戻った。

「ヤメナサァ~イ」 おぉお、ジョンが喋った!

「ゴメンナサイね、ジョンは写真を撮られたくないの」

誰だ、コノ髪の毛チリチリの汚いオバはんは?(オノ ヨーコさんです。子供が言う事ですから、許して下さい)

いまにして思えば、その記憶に無い部分で小生が失礼をしたのかも知れない。

しかし、大破した新品のカメラを持って帰った ボク が、その後にどんな制裁を受けたかは想像にお任せする。

コレだけは言っておくが、充分すぎるモノを頂きました。

いい記憶と悪い記憶とは、表裏一体なのです。

本日の講釈は、ココまで。


再会と別れ。

2009-07-06 00:13:24 | 職業としての映像
090704_083701
昨日は、飾りの応援に行って来ました。

このところ、応援ばかりで自分の作品を受け持っていないが、やはり現場いいなぁ。

早朝より、テレビ東京の報道部を飾り込み、続いて 神田 のとあるビルディングの小さなオフィスを飾る。

その現場で、古い仲間と再会する事となる。

彼は小生が「松竹大船撮影所」にいた頃に知り合った。

当時、明日に燃えていた 彼だったが、すっかり人間として出来上がり、どうやらいい歳の取り方をしたようだ。

何かにつけて小生を褒め讃えてくれる。

少々照れくさくなるが、やはり悪い気はしないものだ。

彼は、すでに監督になっていた。 風の便りには聞いていたが、是非一度 彼 のデレクティングを見てみたい。

松竹時代は、小生にとっても人生の大きな分岐点だっただけにね。

彼は、ありがたい事に「今度、是非 本を書いて下さいよ。」とまで言ってくれた。

一夜明けた本日も、早速の電話をくれた。 いやはやなんとも、有り難い話しだ。

離れて行くものもいれば、戻って来るものもいる。


我々の仕事は、例えるなら「毎度クラス替えがある学校」みたいなものである。

撮影所が違えば、スタッフが変わり。  作品が違えば、スタッフが変わり。 ポジションが変われば、メンバーも

変わり。 と言ったように毎度毎度知らない人に出会う職業なのだ。

作品中は、親兄弟よりもべったりと一緒にいて、終われば二度と会わなかったりもする。

それらの一期一会の繰り返しの結果、大変申し訳ないが、ついつい記憶から消されてしまう人達もいる。

特に小生のような旧式の頭脳は、CPU も遅いし メモリー容量が少ない。

出会った全てのスタッフを克明に覚えている 方 に出会うと、かなり驚いてしまう。

しかも小生は、人の顔と名前を合致させて覚える事を特に苦手としている。

四半世紀以上もこの仕事をしていると、二度と会わない 方も大勢いるし、何度会っても覚えられない人も、一度だ

けご一緒させていただいただけでも覚えている人もいる。

記憶と言うのは、書くもいい加減なものだ。

そして、刺激的な職業だよね?

覚えていてくれて、ありがとう。

これからもお互いに頑張って行こうぜ。 アサオ君。

小生も君を覚えていましたよ。

本日の講釈は、ココまで。

Img_3733