けっこういい加減になぐり書き!

主に1日の〈聴いた・読んだ・こんな事あった!〉を備忘録代わりに書いています。

「村上海賊の娘」(4) 和田竜

2016-09-03 | 本と雑誌
9月3日・土曜日。

数日前に東北・北海道を襲って被害を出した台風10号に続き、今度は台風12号が九州南方を北上、接近中です。最悪の場合、明日にも九州上陸が予想されています。

その九州の北部であるこちらは、まだ台風の影響は感じず、どんより曇っている状態で、嵐の前の静けさ・・・と言ったところでしょうか。
どうやら明日の午後から影響が出始め、夜~月曜日の朝方にかけてもっとも接近(もしくは上陸)との予想なので、これから警戒しなければいけません。
現在接近している南九州では、けっこう風雨強いみたいなので、ほんと心配です。



さて。
先月から読み始めた「村上海賊の娘」全4巻を、ついに読了しました。

『村上海賊の娘』 第4巻  和田竜 著   新潮文庫



難波海での睨み合いが終わる時、夜陰に浮かび上がったわずか五十艘の船団。能島村上の姫、景の初陣である。ここに木津川合戦の幕が切って落とされた!煌めく白刃、上がる血飛沫。炸裂する村上海賊の秘術、焙烙玉。眞鍋家の船はたちまち炎に包まれる。門徒、海賊衆、泉州侍、そして景の運命は―。乱世を思うさまに生きる者たちの合戦描写が、読者の圧倒的な支持を得た完結編。
(内容紹介文より



面白かったです。
最初は、確かに面白いものの、評判ほど面白いとは感じなかったものの、後半になるにつれて一気に盛り上がりました。
最後まで飽きずに楽しく読めて、これは読んで良かったと思います。

前半よりも、やはり後半に描かれる木津川合戦に突入してからが盛り上がります。
村上海賊側、真鍋海賊・泉州侍の主要人物が、それぞれしっかりと活躍、存在感を出して物語を盛り上げます。極端な事を言えば、文庫本の3・4巻だけでも十分に楽しめます。(おいおい・・・)


ただ。
ブログで各巻毎に感想を書いて来ましたが、やはり最後まで主人公である“村上海賊の娘”の村上景には、ちょっと感情移入出来なかったです。
主役の位置づけなのだけど、その通りに終盤で物語上やっと躍動するものの、全体としてはそこまで目立たず、どこか中途半端感ありました。
個性的であるようで、そうでない・・・微妙でした。

私の中では、真鍋海賊の若き当主・真鍋七五三兵衛に魅かれました。この超個性的な人物が登場しなかったら、この小説は大して面白くもない、魅力半減だったと思います。
村上景と違って、その人物設定の勝利だと思います。

一方、真鍋七五三兵衛を含め、登場人物の設定・キャラクター(特に泉州侍側)に馴染めるか・・・で、この作品、好き嫌いが分かれそうな気もしますね。


以上、全巻読了しての感想でした。(あくまでも個人的な感想なのであしからず・・・)


「村上海賊の娘」・・・時代(歴史)小説が苦手な方々でも、同じ和田竜の作品「のぼうの城」同様に、この手の小説にありがちな小難しさ・堅苦しさがなく、楽しく面白く読めると思います。

お薦めです。




コメント
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