Straight Travel

日々読む本についての感想です。
特に好きな村上春樹さん、柴田元幸さんの著書についてなど。

「これだけは、村上さんに言っておこう」村上春樹著(朝日新聞社)

2006-03-09 | 村上春樹
「これだけは、村上さんに言っておこう」村上春樹著(朝日新聞社)を読みました。
村上さんが開いていた「村上朝日堂ホームページ」に寄せられた読者との交換メール330通を新たに編集したもの。
また、台湾、韓国の読者からの質問に答えた未発表回答も収録されています。
『そうだ、村上さんに聞いてみよう』の続編です。絵は安西水丸の描き下ろし。
一読して、村上さんの質問に対する真摯な受け答えに感じ入ります。
「今、落ち込んでいます」というだけの抽象的なメールにも優しいことばを送ってくれる村上さん、すごい。
全体的にカジュアルな感じの日本のメールに対して、韓国・台湾の作品分析的な固いメールとが対照的でした。
村上さんの「妻と別れたあと、ひょっこり蛇使いの娘と再婚したりしてね」のコメントが笑えました。

「鳩よ!2001年8月号」特集:柴田元幸アメリカ文学おもちゃ箱(マガジンハウス)

2006-03-09 | 柴田元幸
雑誌「鳩よ!2001年8月号」特集:柴田元幸アメリカ文学おもちゃ箱(マガジンハウス)を読みました。
ブライアン・ウィルソンの歌詞やシコーリャックのマンガなど、原文とともに柴田さんの翻訳が楽しめます。
特にみどころは、柴田さんが本人からもらったという、非売品のダイベックの冊子からの短篇3つ。
なかでも「靄(もや)の物語」はとても美しくてためいき・・・。
「句読点は人格の問題」や、「時制にいい加減になるな」など、柴田さんの翻訳に対するこだわりも随所にちりばめられていて、興味深い特集でした。