森岡 周のブログ

脳の講座や講演スケジュールなど・・・

記憶の断片化

2006年11月09日 23時13分42秒 | 過去ログ
今日はいったい何をしたんだろうと,思う日が増えてきた。
前を向き続けないといけない,すなわち,次から次えと仕事(情報)を処理することだけに脳が使われ,ワーキングメモリがフル作動な関係で,短期で捨てられ続けている。
一呼吸すると,「あっ」今日はそうだったと沸きあがってくる。
しかし,誰と会ったのかも定かでない。
ということは,注意が常にいろいろなベクトルに向けられていると,記憶に残らず,誰とあったのか,いつ食事したのかも記憶に残らないということだ。

とはいうものの,少しずつではあるが意識に再生される。

AM,島津製作所の方々とそういえばあった。
いくつかの測定の疑問を解くことが出来た。
PT学会登録後だったので,もう解析は無理と判断したが,運動前野のみならず,前頭前野背外側部にも有意差が出ている。抄録を修正したいが,ときすでに遅し。ま,データが間違っているのではないし,解析を変えれば有意差が出たと報告すればよし。

PM,3回生の授業,パーキンソニズムの総仕上げ。
研究室に立ち寄り,あ~でもない,こ~でもない治療の議論をしましょう。

3回生の面談を終え,会議に入る。
意外と早く終了した。

そうして,いつもの卒論指導に入る。
いろんなメンツが来たと思ったが,省略しよう。
最近来てない面子がいるな。
早く書くように。
データは20名ともに処理は終了したんだから。

合間に,研究費申請の書類を書く。

おかげで,土日の公募推薦入試監督の出張申請をするのをわすれた。
明日は早朝,岡山に立つのでどうしよう。

福本先生か,松尾先生に頼もうか。

さてさて,明日からの出張の準備準備。

奈良リハの佐藤先生,2/11でも2/25,どちらでもいいよ。
これで,三月末までびっちりだ。

来年度の11月の学会シーズンの講演も早くもブッキングしはじめたぜ~


冷静さを失うということ

2006年11月08日 22時53分27秒 | 過去ログ
昨日は協同医書出版社の中村さんの3時間に渡り,新著の構想をねる。
とはいうものの,にんげんのとは何か,本質はどこにあるのか,どこに向ける意識なのか,などなど,互いの実体験からきわめて感情的にお話しする。
今度は,「脳」をどう教育していくかという視点で,今までとは違った形で世に問えればいいと思う。

社会問題,教育問題,医療問題,そして全世界の平和へのメッセージを発生学的な視点を踏まえ,何のための「脳」なのかを問えればいいと考えている。

中村さんを見送り,卒論指導を行うが,母親の入院している病院から電話がかかり,2時間ほど,リハ医と話す。その中で今のリハビリの志向性に問題があること,あること,これでは診療報酬があのような形であらわれてもしかたない。5回ほど冷静さを失う。

世間一般の患者の家族は閉口するのみなんだろうな。
「裏切られた期待」
機能回復よりもっと大事なもの,「こころ」,そして,どう生きていくか,それすら考える知能がない。
「私」がつねに,「何」ができるか,ということを自問すべきであるが,そのプロセスがない。
もはや「リハビリ」は思想にもならない。

「だったらどうすればいいのですか」と・・・一番いやなせりふを聞いた。
お前は「馬鹿か」と一蹴した。

0か1かの判断しか下せないのに,どうして学生たちに「問題解決能力」を求めるのか・・・どこか矛盾している。

どうしようもない世界に,わが子を送り出す教育者として,とても許せない気持ちでいっぱいだった。母親の今回のことを契機に,これからどうすべきかを決断できたようだ。

僕として甘かった。

今日,セラピストたちとリハ医のミーティング結果を聞いたが,やはり結果は同じであった。僕という先入観がなければ,それは治療放棄であり,一般企業であれば,クビである。いかに医療者が守られているか,それを痛感した。
他の世界で暮らしてはいけない。
医療者とは悲しいものである。
もう一度,人間教育をやりなおさないといけない。

今の大学で1回生前期から必ず教育するようにする。
3回生からでは遅すぎる。


僕は今,多重人格になっている。
いろんな自分が脳のなかで格闘している。
これが人間なんだろう。

その中の一人が今も執筆しようとがんばろうとしている。


今日もお客様,卒論などで,10行ほどしか進まなかった。

明日には必ずフィニッシュさせる。


学生はまだ卒論がんばっているだろうか。



みなさんから,私が診(看)ましょうか。いや,「みたい」というあたたかいお言葉をいただいております。

だから,僕は心底「認知運動療法/認知神経リハビリテーション」に出会ってよかったと思っている。
人間のあたたかさ,すばらしさを感じれるからだ。

「治療手技」に一喜一憂していた若き日の自分は患者のためといいつつ,そこには本質的な,人間らしさはなかったと思う。

この素晴らしき世界に導いてくれた恩師をはじめ,みなさんに心から感謝している。

だから,僕は闘っていこうと思う。
僕らしい表現の仕方で。

みなさんを守るために,成果を残していきますよ。



もっとゆっくりと意識を発生したい

2006年11月07日 07時29分53秒 | 過去ログ
昨日は朝5時より大学で仕事。
9時からの授業で使用する脳損傷のビデオを編集し,3回生にCD-Rとして配布し,検討してもらう。
みなさん,さまざまな思考をお願いします。
同時に2回生の科学英語論文講読法に入る。
英語でやりたいが,日本語で結局はカツを入れる。
1回生からの教育に入りたい。
もうすでに,大学のぬるま湯感覚になりつつある。
いい能力を持っていると思うんだが・・・もったいない。
取り上げたのはガレーゼのミラーニューロンの論文。
患者とのコミュニケーション。
ミラーニューロンと恋愛。
英会話と子どもの脳,そんな話になる。

終了後,卒論生の指導。
穏明寺くんの接触と姿勢調節は仮説通り。
あとは身体図式なども含めて考察してください。

藤川さんの言語化と力量調節学習も仮説通り。
表象より言語化の効果が明らかになる。
身体に対する意識化,感覚に対する意識化,が内省より明らかになるが,あとは注意の焦点化が良いのか,分散化がよいのか,質的な研究へとシフトしていく。

遠藤さんの能動的学習と車椅子駆動の身体イメージの改変は仮説は棄却されたが,経験者と未経験者は,運動制御と知覚システムに差異があることが判明した。データは眺め続け,あらゆる視点からみることが必要である。
みえないものがみえはじめる。

水上さんの音読と会話の前頭葉機能も仮説は棄却されたが,いずれにしても言語として表現することは前頭葉を賦活するようだ。もう少し眺めよう。

3回生ゼミへ

取り上げられたのは注意,統合失調症のミラーニューロン,音楽療法。
体性感覚と聴覚の情報変換メカニズムに仮説が浮かんだ。
運動前野のリラックス機能によって,伸張反射亢進に対して効果があるかもしれない・・

6時過ぎに終わり,そのまま,研究室に。
平成記念病院から藤田君が。
fNIRSの実験について,ゼミ生から少し意見をいただき,交換する。
大学院研究を創造してください。

その後,松井君のデータを見る。
仮説は棄却されたが,系列運動の運動イメージは視覚イメージ化が避けては通れず,それによりdual taskとなり,逆に記憶を減退させるかもしれない。
それには個人差がありそうだ。
注意の集中のためにはモダリティを考慮する必要がある。
イメージ付与には,時間が必要だし,ある一つの動きに注意を集中させる必要がある。
なんでもかんでも,観察,イメージでは困る。

終わって,22時。
原稿は書けず,研究費関係の書類も書けず,しかし,PT学会には登録した。
仮と思い,登録したが,一回修正したために,もうあと一回しか見れない状況になってしまった。

読まない,注意しないということはダメだな。


身体が壊れる

2006年11月06日 23時37分36秒 | 過去ログ
金,土,日とコースに参加する。
金曜は3時間の講義を行うが,キレモードの講義となる。
母親が脳損傷になり,最近感情のコントロールができてないが,メッセージにはなっただろう。
反証主義,それにつきる。
科学的治療とはなにか,もう一度,若いセラピストに考えてもらいたい。

講義をしながらも,家族と連絡を何回か取る。
母親の病棟には装具が転がってたらしい。
即刻,リハビリを拒否する。

伸張反射の亢進がみられはじめているのに,どうして伸張するのか・・・
運動前野の制御ができておらず,逆の方向にストレッチしてごらんなさいよ。
それに反射の亢進で答えてきますよ。
急性期にストレッチなんかしてはだめ。
運動前野の制御には,どのような感覚がくるかという予測がともなう。
まだ,足がないという患者にどうしてROMやストレッチをするの?
二次的合併症の予防なの?
ROMを脳損傷の急性期にしても,「コウシュク」は予防できないって,エビデンスで確立されていますよ。
コラーゲンを破壊し,さらに痛みなんかを第二次体性感覚野に植えつけて,身体図式を間違った形で改変させてごらんなさい。
許さないよ。

痛みなんか起して御覧なさい。
脳は左側を否認してきますよ。
どのような感覚が得られない身体を想像してごらんなさい。
私たちでも伸張反射の亢進は出現しますよ。
最近の論文を読みなさい。
なんのために大脳皮質があるですか?
そうして,片麻痺はみな同じような運動になるのですか?
損傷は大脳にあるんですよ。
脊髄前角細胞に機能解離を起してごらんなさい。
許しませんよ。

いずれにしても,勉強不足だ。
外科にインフォムドコンセントの書面があるのに,リハビリにはない。
リハビリがなめられている証拠だ。

本日,担当PTより電話をもらう約束だったが,今までない。
ルールは守りなさい。
早速,今,ナースステーションにお電話。
インフォームドコンセントなしに,治療介入を開始したことにお灸。

明日より,リハビリを拒否する。
身体が壊れる。
脳が否認する。
学習された麻痺がつくられる。
学習された伸張反射の亢進が作られる。

PTがPTを拒否する。
さびしいもんだ。

臨床が変わらなければ教育が変わらない。
教育が変わらなければ臨床が変わらない。


おれは本気だ。



成長は苦労を伴う

2006年11月01日 23時30分29秒 | 過去ログ
昨日は京都の2つの病院を巡り,実習のお願いをする.
いい関係が構築できた.
夜は,京大の玉木先生,佛教大の越智先生,武田病院の阪下先生,バプテスト病院の小田線先生と談笑.
接待費などあればいいだが,それもなく・・・・
11時に京都駅に走る走る.
結局奈良の王寺についたのは1時過ぎ,JR最終だ.
しかし,近鉄,最終早すぎるよ!



今日はAM,教育改善プロジェクトのため,学内実習の見直しを行う.
いくつかの問題点が見えるが,その解決策に悩む.
教育には悩みがつきものだ.
他者のためを思うと,悩むが絶えない.

PM,その会議を終え,学生の卒論指導に入る.
fNIRS組は順調な仕上がりだ.
今日はミラーニューロン研究の一つに大きな成果があった.
他者コミュニケーションにも反映されるし,意図検出システムにも反映される.
福田さんの笑顔研究の執念が実る.
「本物の笑顔」に意味を持つ.
「作り笑顔」とは違う.
「本物の笑顔」に伝搬がある.
みなさん,対患者に,あるいは「こども」に作り笑顔で対応してませんか???

また,「無表情」には相当な意図検出のための前頭葉のニューロンが動員されるようだ.
おそらく「扁桃体」との神経ネットワークだと思うが,時間解析,そして皮質下のマッピングができず,そこまでは明らかにすることができない.

MRCP組は,中野君の利き手・非利き手の準備電位研究は残すは考察のみ,芝田さんはミラーニューロンの運動準備電位に格闘している.

Motor learningグループでは山崎さんがデータ処理.
介入研究なので,条件による分析がややこしい.
シンプルに処理することがいいのかもしれない.

合間に3回生の面接を行うと,なんか心が洗われる.


結局,自分の物書きはできず,今の時間に.
500字程度しか打てなかった・・・

昼飯,夜飯抜きの缶コーヒーで胃をごまかし続けているが,「健康」第一.
それもやめないといけない.

未読メールが蓄積されていくが・・・脳が使い分けている.

卒論生のみんな,データとにらめっこ,そして,相当なデータ入力で大変だと思うが,成長には苦労がつきものだ.
ゼミ生20名による,20の研究成果を発表する12/1が楽しみだ.

目に見えない苦労をしているものに本質がある.

それが人生である.

明日夜から明石入りだが,あさってのベーシックコースの講義資料は明後日のあさにするしかない.