2006-07シーズン、リーガ・エスパニョーラ最終節(第38節)、勝ち点73で首位のレアル・マドリードFCはホーム、サンティアゴ・ベルナベウ・スタジアムで12位のRCDマジョルカと対戦しました。
レアルは勝てば優勝、引き分け以下ならライバル、FCバルセロナ,セビージャFCの結果によって最大3位まで順位を縮めることになります。そんな中でファビオ・カペッロ監督はこの試合に出場できないイバン・エルゲラとミゲル・トーレスの穴をミチェル・サルガド、ロベルト・カルロスを両サイドバックに配置しました。
スターティングメンバー
レアル・マドリード GK 1 カシージャス DF 2 ミチェル・サルガド DF 3 ロベルト・カルロス DF 4 セルヒオ・ラモス DF 5 ファビオ・カンナバーロ MF 6 ディアラ MF 8 エメルソン MF 10 ロビーニョ MF 23デイビッド・ ベッカム FW 7 ラウル・ゴンサレス FW 17 ファン・ニステルローイ 監督 ファビオ・カペッロ |
選手 | RCDマジョルカ GK 1 モヤ DF 3 ナバロ DF 16 ヌネス DF 22 バレステロス DF 24 エクトル MF 4 ペレイラ MF 6 バシナス MF 7 バレーラ MF 23 グティエレス FW 18 アランゴ FW 19 ビクトル 監督 グレゴリオ・マンサーノ | ||||
MF 20 イグアイン MF 14 グティ FW 19 ホセ・アントニオ・レジェス |
控え | DF 2 ラミス FW 9 ロペス FW 20 トレホ | ||||
前半33分 ファン・ニステルローイ(17)⇒イグアイン(20) 後半0分 エメルソン(8)⇒グティ(14) 後半21分 ベッカム(23)⇒レジェス(19) |
交代 | 前半36分 ヌネス(16)⇒ラミス(2) 後半22分 ビクトル(19)⇒ロペス(9) 後半45分 ペレイラ(4)⇒トレホ(20 |
前半戦
6月17日 日曜日 PM9:00(日本時間6月18日 月曜日 AM4:00)、レアルの運命を決める90分がキックオフ。
前節のレアル・サラゴサ戦終了後にレアル会長ラモン・カルデロンが優勝したかのような喜びのパフォーマンスを見せたために闘志十分のマジョルカが前半1分、レアルゴールを襲いましたがアランゴのシュートはゴールポストに嫌われます。
前半5分、レアルが最初のチャンス。今季限りで退団するベッカムがフリーキックで狙いましたが枠外へ。その後もベッカムはセンタリングを上げるなど積極的にプレーしましたが、前半16分、アランゴの縦パスからバレーラがイケル・カシージャスと1対1となり、シュートしてゴール。マジョルカ先制、レアルはまさかの1点ビハインド。
何としても同点に追い付かなければならないレアルは、前半18分にベッカムのフリーキックがマジョルカゴールを捉えますが、これをモヤがセーブ。ここでレアルに悪いニュース、アウェイでヒムナスティックと戦っているバルサがプジョルのゴールで1点リード。
これで絶対に負けられなくなったレアルはベッカム、ロビーニョ、エメルソン、ディアラ、ファン・ニステルローイがマジョルカゴール目掛けて攻撃をしますがゴールは奪えず。前半24分にはベッカムのコーナーキックからカンナバーロがヘディングで狙いますが枠外へ、前半25分にはサルガドがセンタリングを上げますがマジョルカ守備陣がクリア。前半26分、主将ラウル・ゴンサレスのパスからロビーニョがシュートを放ちますがマジョルカ守備陣が再びクリア。
前半29分、ここまで立て続けに攻撃を仕掛けて流れを掴もうとしているレアルにアクシデント。チームの、そしてリーガの得点王であるファン・ニステルローイが左太ももを負傷、前半32分にゴンサロ・イグアインと交代。カペッロ監督が戦略外の交代を余儀なくされた直後、バルサがメッシのゴールで2点リードしました。
前半35分、マジョルカもヌーネスが負傷してラミスを投入。前半36分、今季限りで11年在籍したレアルを去るロベルト・カルロスのスローインのこぼれ球をサルガドがヘッドで合わせますがマジョルカの牙城は崩せず、同時にバルサはロナウジーニョのゴールで勝利を決定的なものにしました。
前半46分、ロベルト・カルロスセンタリングからイグアインがボレーシュートを放ちますがゴールには至らず、前半終了。
レアルの前半戦のボール保有率は59%、シュートは9本、枠内2本とマジョルカを上回っていますが(マジョルカは3本、枠内1本)1点ビハインドの大ピンチです。
![](https://img515.imageshack.us/img515/9022/2007061800000033spnavisgo0.jpg)
後半戦
カペッロ監督はエメルソンに代えて第2主将のグティを投入。交代枠は残り1つ。
後半3分、ベッカムのフリーキックからセルヒオ・ラモスがヘッドで狙いますがクロスバーほ超えます。直後、バルサがメッシのゴールで0-4でヒムナスティックにリード、セビージャはビジャレアルのフエンテスに決められて1点ビハインドというニュースが入りました。
最低でも2点奪わない限り優勝の夢を断たれるレアルは、後半9分にアランゴのパスからバレーラにカシージャスと1対1になる場面を作ってしまいますが、今回はゴールには至らず、危機一発を乗り越えました。
後半13分、レアルの一員としてリーガでプレーする最後の試合ということでロベルト・カルロスが熱くなり警告を受けます。その後もベッカムを中心に攻めたレアルでしたがゴールは奪えません。最悪の瞬間が脳裏を過った後半20分、カペッロ監督が動きます。今季でレアルを去るベッカムに代えてホセ・アントニオ・レジェスを投入、サンティアゴ・ベルナベウはベッカムに拍手喝さい。残り交代枠は0。
その交代から4分後の後半24分、ロビーニョを起点に左サイドから攻め上がったレアルは、思わぬアクシデンでピッチに立つことになったイグアインのパスからレジェスが決めて1-1!レアルが同点に追い付きます。
同点に追い付いたものの優勝には勝利が絶対条件となるレアルは後半28分、ロビーニョが左サイドから切り込んでシュートを放つも枠外へ。その後、いっきに攻めに入りたいレアルですが、マジョルカも懸命の攻めでレアルを抑え込みます。後半33分、マキシ・ロペスがカンナバーロをかわしてシュートを放ちましたが、カシージャスがセーブして危機一発難を逃れました。その直後、レアルはカウンターからいっきにボールを敵陣に運び、ロベルト・カルロスのパスからロビーニョが強烈なシュートで狙いましたがモヤの牙城を崩せずにコーナーキックへ。
試合が残り11分となった後半34分、ロビーニョが得たコーナーキックからレアルが貴重なゴールを得ます。イグアインのコーナーキックを今季リヨンから移籍したディアラがヘッドで決めて2-1!レアル逆転!!
逆転ゴールから3分後の後半37分、イグアインとロビーニョのカウンター攻撃のこぼれ球をレジェスが決めて3-1。試合は残り8分、レアルはマジョルカの攻撃を抑え込み試合終了。レアルが4年ぶり30回目の優勝を決めました。
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総括
長いシーズン、レアルはどん底の状態から立ち直り4年ぶりの優勝を決めました。
優勝のポイントとなったのはバルセロナとのエル・クラシコ2試合、1回目は下馬評を覆しての勝利、2回目はレアルが絶不調状態のときに行なわれ、レアル浮上の要因となりまし。試合は引き分けに終わりましたが、最終的にあの試合でついた自信がレアルを浮上へと導きました。
そして最終節ではファン・ニステルローイが負傷しなければ入らなかったイグアインが全てのゴール絡む活躍を見せ、カペッロ監督の采配もピタリあたり、運と実力がレアルを優勝に導いた形となりました。
ここ数試合、レアルは失点こそ多かったもののスペクタクルな展開で勝利を重ねて苦しみ抜いて優勝という結果に結びつけました。この苦しみ抜いての勝利は4年前の優勝と非常に似ています。その他に4年前と似通った点は…
・最終節(以下優勝決定戦)で優勝を決めている。
・優勝決定戦のスコアが3-1。
・優勝決定戦の舞台がサンティアゴ・ベルナベウ。
・FIFAワールドカップ後初のリーガで優勝。(02-03日韓W杯、06-07独W杯)
・その年のFIFAワールドカップ優勝メンバーを獲得したシーズンに優勝(02-03ロナウド、06-07カンナバーロ)
・最終戦の同点ゴール得点選手と3点目得点選手が同じ(02-03ロナウド、06-07レジェス)
・勝たなければ優勝はありえなかった。
今季で4年間在籍したベッカムと11年間在籍したロベルト・カルロスが抜けるレアル、来季への選手補強が失敗すようなことがあれば再び不調期に陥る可能性があります。
レアル・マドリード3-1RCDマジョルカ
前半16分、バレーラ(マジョルカ)
後半24分、レジェス(レアル)
後半34分、ディアラ(レアル)
後半37分、レジェス(レアル)
日程
平和のための試合 6月19日(火)ラマトガン・スタジアム(イスラエル)
パレスチナ・イスラエル代表vsレアル・マドリード
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