Google Play Music や Apple Music など、いよいよ音楽もCDや録音媒体で所有しないどころか、パソコンやモバイル端末ですら保管せず 定額の配信サービスで聞く時代になったようだ。
脳みそが昭和な私は、どうして音源すら収集して自分の手元に置きたい口で、いまだiTunesの中に約8千曲、およそ45GBがAACやMPEGなどのファイルとして保管してある。
先日、学友がfacebookでカセットの話題を提供してくれたことをきっかけに、昔カセットに曲入れて、沢山のカセットテープを専用の箱に入れてクルマの座席の横に置いたり旅行などに持って行ったりしたなあと思い出してどこかにあったか?・・・と調べてみたがどうやら3年前の引っ越し時に千枚ほどのレコードと共に処分したようで残っていたのは数本だけだった。
で、思い出したのが、カセットが役割を終えて、MDのデジタル音源でそろえて、カセットの時と同じように、こんなアルミのケースにいれたんだということ・・・
中をあけるとこんな感じでカセットの時と同じようにジャンルやアーティスト別などに区分してたくさんのMDが保管してあった。一枚に15曲くらい入っているのが60~70枚くらいある?ってことは全部で9,000曲くらいあるのかな・・・
もともとカセットもこうして分類してアーティストごとに分けたりしていた。表側も週刊誌などを切り抜いてこんな感じで写真を入れていた。(ちなみに写真のは結城アンナだからきっとガールフレンドかなんかのan-anだかnon-noから切って入れたのだろうね。)
まあ、いまでは既にカセットもかける機械がウチにない・・・
かろうじてMDウォークマンの一号機があるが果たしてかかるのかな??
カセットは学生時代に 流行のモノを春のトップ10とか夏のトップ10とかそんな感じで好き勝手に作っていた。
楽しかったのは、たとえば・・・
海辺の道をドライブするときのカセット・夜寝るときに聞いたまま眠れる静かな音のカセット・デートの時に都会の夜のドライブに聴くカセットとかね。女の子にカセットに好みの音楽を編集してあげるのは攻略の第一歩だったっけ(笑)
で、たまたまレコード会社に入っていて、企画ものの制作部門に配属を希望して一生懸命に場面別カセットを作ってアピールしていた。
たとえば、朝起きたときに 最初の曲は 静かなチェロの無伴奏曲から始まり、アルルの女のメヌエットあたりを経て徐々に優しく目覚めいていけるような曲順で、最後は大爆発の効果音で絶対眼をさまさせるカセットとか・・・
FENのラジオの音と波の音とクルマの爆音とサーフィン&ホットロッド系の曲をクロスフェードして作ったカセット。これはちゃんとカセットの表の絵もそれ風に海と椰子を書いて作った。これが大阪時代に良い先輩がいて、本社の企画の方に聞かせてくれて、それがヒントでその手のレコードが発売されるに至った。
とはいえレコード会社としてはなんってたってレコードやカセットを作って売るのが一番付加価値が高く収益に貢献するわけで、それらを制作販売するに越したことはない。そこでそのころ私の考えていたのが、前述のような生活の場面ごとに聞ける音楽を普及させればもっと大人に音楽が受け入れられ安定的な収益基盤の一助になると思っていて常々主張していた。事実、ステレオが世の中に普及している割に音楽を聴く時間は意外と短いというデータもあった。親会社がステレオなどハードウェアの会社だから社長のいうハードとソフトの両輪をしっかり回せ!に合致するでしょー!ってんで、なにかにつけて声を大にしていた。
ところが、実際は 声は大きかったがその割にあんまり受け入れられなかった。そんな環境音楽なんてダメよって・・・とよく言われた。
ところが そのころ写真家の浅井慎平がカリブ海にナグラ4Sという業務用のポータブル録音器を持って行って、写真を撮る傍らひたすら波の音だけを取った全編波の音のLPレコードが予想外に売れた。
この辺から環境音楽というジャンルが芽生えてその後、大ヒットはしなものの、静かに世の中に浸透していきひとつの音楽ジャンルを形成したが、その頃はもうレコード会社を離れ、親の会社で、製造現場で汗と油にまみれていた。
さて、時は流れ、Google Play MusicのTVCM、若者がみんなでドライブ!ひとりの少年が、スマートフォンに向かって「ドライブが盛り上がる曲」とかランニングしている女子が「ラストスパート!」って手元のスマートフォンに話しかける・・・
すると端末から勝手にジャンルや雰囲気ごとにプレイリストを提案してくれて音楽が流れるだすという仕組み(ステーションと呼ぶらしい)である。
Apple Music でも同様にMy Music と称す、予め自分の好きなジャンルやアーティストを記憶させておくと好きそうな音楽を提案してくれるらしい。
もはや私がシコシコとチマチマと楽しんできた小技は なんの役にも立たない時代になったようだ。
当時のガールフレンドたちが もし今の時代に生きていたら、そんなつまらないことにマメな男、ダメよっていいそうだな・・・・
そうだ、身近にいたわ。ウチの奥さんもカセットもらった人のひとりだから、明日起きたら聞いてみよう。
おやすみなさい・・・