伊藤匠が昨年竜王の挑戦者になったときに、「私は彼のファンとして将棋を見ていますから」と笑っていた宮田師匠。まあそのはずだ。70歳を超える師匠は、タイトル戦とは全くの無縁で棋士生活を終えた。
さらに聞くと、
「竜王の挑戦者になるだけで、タワマンを階段で登るようなもんですよ。普通は1階か2階までしか登れませんよ。私もそうだった」
計算すると、あの挑戦者になったときに、伊藤は予選から11連勝してその地位を獲得した。その後はタイトル戦で藤井聡太に11連敗する。こんなことが世の中にあるのか。
「心配いりませんよ。何連敗しても挑戦者とは常にNO2なんですから」
と公言していた。加えて、
「同じような将棋を指しているでしょ。あれの戦形が全く違えば、5回やったら1回勝てるかもしれないが、同じ戦形だと、わずかに劣るだけでも、そのまま負けてしまう。だから連敗しているだけ。でもいつか追いつけるでしょうね」
そして叡王で2勝1敗とリードした時に、
「そうだね、追いつかれたらきっと不利だから、このまま勝ちきれればね。でもここまで来られるとは、成長の証ですよ。私は伊藤のファンとして見ているだけだね」
なんだか余裕だったが、ついに制覇した。伊藤匠は、ついにタワマンを徒歩で登り上げたと思う。
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