Men's wear      plat du jour

今日の気分と予定に、何を合わせますか。 時間があれば何か聴きましょう。

エリゼッチ・カルドーゾ / Elizeth Cardoso

2009-12-08 | Others
 今日はブラジルのエリゼッチ・カルドーゾです。
普段音楽雑誌のたぐいを見ていないので、この人が1990年に亡くなっていたのも知らないまま過ごして来ました。
昔、来日したことがあって聴きに行った覚えがあるのですが、たぶん会場では最年少だったんじゃないかと思うくらいの年齢だったので、細かい記憶がありません。
録音された物からくるイメージとダブったのかもしれません、端正な折り目正しいステージだったような印象が漠然とあります。

そのころ日頃聴いていたブルースやソウルに比べて、こういう音楽は日本盤の訳詞など見るとだいぶ詩的というか文学的なので、畏まった感じに聴こえたものです。でも、詩的な部分というのはブルースにも共通する要素なので、手触りこそ違え詩人同士馴染むのにさほど時間はかかりませんでした。



溝口健二監督「残菊物語」は、池波正太郎のエッセイで知りました。また主演の花柳章太郎に会った時、「役になりきっていると小道具さんの用意してくれた物では飽き足らず、自分で買い足して出演料なんかすぐ足が出る」という話を聞いたと池波さんは書いています。
随分凝り性の人だなぁと思った覚えがあります。

その後、花柳章太郎には「わたしのたんす」という著書があることも知りました。その中の「きもの百枚」を引用させていただきます。

 「きもの百枚」といって、やはり百枚は見て研究しなければダメです。百枚作るというのは無理ですが、見るのならいいでしょう。いろんな機会に関心をもって、美的センスを養い、研究しなければモノになりませんよ。模様や色など、今までの物でも日本人の皮膚や気候、風土に合ったものなので動かせぬものがあります。そういったものを新しい感覚でとらえてみるんです。

さすがただの凝り性じゃありませんね。今でも立派に通用する言葉です。
この話を知ったのは、板坂元著「紳士の小道具」『ノンシャランス』の章です。
板坂氏も今世紀に入って亡くなったそうです。



スリー・パッチ紺ヘリンボーン・ジャケット。
タイはウール70%、シルク30%、ポケット・スクェアはカシミヤ・シルク。
シャツはエクルーと白のヘリンボーンに、黒と葡萄酒色のチェック。

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