私は子どもの頃から床屋が嫌いです。
理由は不明。
何がトラウマになっているか分かりませんが、旧清水市の大手町にある当時の清水女子高そばの床屋の椅子に座り大泣きしたことを今でも覚えています。
当時、床屋のご主人が泣いている私をなだめるためにオマケの入ったグリコのキャラメルをくれたことも記憶しております。
今でも髪を切ることを私はあまり好きではありません。
他人に理容室で洗髪されることや、髭をそられることも好まないのです。
薄くなってきたために貴重な髪ですが、
それでも1.5か月に1回程、行きつけの美容院に行って髪のみを切ってもらっているわけです。
さて、そこのマスターはお客さんのいない時間にご自分の趣味を楽しんでいるような方です。
1960年代~70年代を代表する骨董品を収集するのが彼の趣味です。
当時のスタバのカップ。
当時のコーラの空き瓶。
キューピー人形・・。
常に電動ノコギリと電動ドリルが常備されている珍しい美容院。
壁一面ハンドメイドの額にそれらを入れて取集されています。
店内は時代物でいっぱいであり、レトロなバーのような趣でもあります。
鏡とイスを見ないといったい何屋かが分からないほどです。
当然のこと、散歩番組では街の中で特色のある店舗としても時に紹介されています。
彼は際立った趣味人であり、日頃多くの人と接しているマスターとの会話はいつも楽しいものです。
床屋嫌いの私も、その会話を楽しみに髪を切りにいっているようなものです。
さて、そんなマスターとの会話で先日驚くような話を聞きました。
それは、福祉施設についての話です。
彼の出身地は東北地方のある県。
東北地方では冬場に老人ホームに入居するのは夏よりもずっとたいへんだそうです。
その理由は農作物を作っている老人たちが冬になると老人ホームに入居。
それらの人々は春、夏、秋と農業を営み、毎年、冬場に老人ホームに入居するのです。
それゆえに、一般の人が初めて老人ホームに入るのが大変な時期が冬だそうです。
地方といえども、介護のランクもあり好条件の施設にはなかなか入居できないようですから何か釈然としない話です。
もっとも、1年中老人ホームにいなければならないような農家の老人たちが、無理をしてある一定の時期になると施設を出て農業を営んでいるともいえるわけです。
ちょうど、冬のこの時期にマスターのお父様が老人介護施設に入居されるそうです。