今回の春休みはたった1日。
通常の仕事からしたら春休みがないのが普通です。
しかしながら心身ともに疲れを取れるのはこの時期しかありません。疲れたま残念ながら疲労を引きずったままで新学期に突入しそうです。
さてこの春休み中にはクラブ顧問の仕事を依頼されることが何度かありました。
そのクラブは軽音楽部です。
その際にたまたま、『デジレコ・ジュニア』という全国の高等学校の軽音楽部に無料配布されている雑誌を手にしました。
軽音楽部、あるいはロックに対しての私の偏見またはステレオタイプかもしれませんが・・。
若者の大人たちに対しての対抗心。
解せない社会に対しての訴え、または魂の叫びというようなことを私は感じます。
しかしながら、この雑誌の表紙を見て超ビックリです。
それはまさに学校教育におけるクラブ活動風景なのです。
ロックギターは行儀よく着座した生徒が一列に整然と並んで練習をしています。
さらにページをめくると
○ ○県高等学校軽音楽部新人大会
△ △県高等学校軽音楽音楽演奏会
□ □県高等学校軽音楽新人コンテスト
様々な県の演奏会風景写真は発表会そのもの。
宮入さんが言われているまさに発表会文化です。
興味がある方は「発表会文化論」をご一読ください。
さらに何ページかめくると・・。
押さえておきたい技術と知識:ボーカル編
・ステージングの技術
人を惹き付けるステージング
・ マイクの知識
マイクの扱い方の注意点
押さえておきたい技術と知識:ギター編
・ ビブラートのコツと練習方法
押さえておきたい技術と知識:ベース編
・ 3種類の弾き方と練習方法
フィンガー、ピック、スラップ
事細かに基本からのハウトゥーが書かれています。
ロックってそんなもの?という疑問が生じました。
さらに、「4月から新先輩になる前に」のページには
・ 部室の整理整頓と生活態度に気を付ける
・ 部員を増やす方法を考える
・ 伝統を守りながらチャレンジしていく姿勢を持つ
それは確実にロックの魂が抜けてしまった
「ロックのようなものを演奏するクラブ」なのです。
冒頭に挙げたようにこの雑誌は無料です。
ちなみに広告主は
ヤマハミュージックジャパン
ESP学園
ESPギタークラフト・アカデミー
キャットミュージックカレッジ
ローランド
ティアック
ゲートウェイスタジオ
東京スクールオブミュージック&ダンス専門学校
Greco
楽器屋さんや学校に欲望を喚起されている・・。
学校教育に取り入れられることでロック本来の魅力が失われてしまい、ロックのようなモノを学んでいる。
吹奏楽部に対しての軽音楽部。
その違いは、使用する楽器機材や演奏する音楽ジャンルの違いだけになってしまっているようです。
体育館や音楽室を真っ暗にして大音量で電子音を掻き立てるだけの表面的なロック。
雑誌一読後に何か釈然としない思いにかられた次第です。