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songzhaoのボケ封じ数学講座第16講

2006年06月01日 | Weblog
 副題:ジュリアス・シーザーの贈り物

 今回は、現在私たちが使っている太陽暦(グレゴリオ暦)ついて考察しよう。

 ジュリアス・シーザー(カエサルBC102~BC44)といえば、ヨーロッパ版の「始皇帝」とも言うべき歴史上の大人物であるが、戦士としての才覚もさることながら、文化に対しての憧憬もたいへん深い人で、文化面においても多大な業績を残した英雄であった。
 その一端が、当時としては画期的な太陽暦(ユリウス暦)を採用したことである。これは、後の人類への『素晴らしい贈り物であった』彼はキリスト誕生直前の人でもあったのだ。
 以後、このユリウス暦は、キリスト教会によって綿々と護られ、1603年にローマ教皇「グレゴリウス十三世」によって、長期にわたる使用で生じた誤差を修正され現在に至っている。
 こんなことを聞きつければ、中国あたりから、シーザーよりも1000年も前に中国人は太陽暦を知っていたというぐらいの横槍が入りそうであるが、はっきりと歴史に対しての貢献という立場で物申さば、「単発で上がった花火(或いは線香花火)のような発想にはまったく価値は無い。継続継承があってこそものの価値は生ずるというその意味を咀嚼してこその価値が問われる」と反論すべきである。 
 残念ながら中国には、文化の継承という概念は無い。あるのは破壊と革命である。

 ユリウス暦とはどのようなものかというと:

 アレキサンドリアの天文学者ソシゲネスの助言を受けて行なった改暦であったが、当時ソシゲネスが天文学的観測を基に計算した1年間というのは、365日と四分の一であった。紀元前後にこれ程の精度で、太陽の周りを回る地球の公転周期が計算できていたとは驚くべきことである。
 この時点で、1年目から3年目までは一年を365日とし、4年目に閏日を1日追加することで、1日分の修正を行なうという現在のパターンが出来上がった。因みに閏日は2月に繰り込まれるという習慣もこの時が起源である。
 
 しかし、年経るごとに、1年が365.25と定義したソシゲネスの計算値と現実の実相との間に誤差があることが判明していったのである。実際の地球の公転周期は365.24220であることが現在では知られている。
 したがって、ユリウス暦においては1年につき『365.25-365.2422=0.0078日』実体よりも暦のほうが進んでしまう。すなわち、1(日)/0.0078(日)=128.2012・・・(年)に1日の割合で暦のほうが早く進んでしまうのである。
 グレゴリウス十三世がユリウス暦を1583年に修正した時に10日のくるいが生じていたということであるから、最初にユリウス暦を採用してから少なくとも、128(年)*10=1280年の歳月が流れていたのである。

 それでは、グレゴリウス十三世はどのような修正をユリウス暦に対して施したのであろうか:

 グレゴリオ暦:

 当時使用されていたユリウス暦は一年の平均日数が365.25であったため、この暦法に従って閏日を置いていると100年で18時間、100年で8日近く実際の季節と創意をきたし、真の春分は暦上の春分よりそれだけ早くなる。
 16世紀終わりごろになると、325年にニカイヤ宗教会議で定められた3月21日の春分は3月11日となり、10日も早まった状態となった。
 時のローマ法王グレゴリウス十三世は、1582年の春分が3月21日となるように10日間を省いて「、10月4日の次を15日とし、将来相違が起きないようにするため、4年に一度閏日を置いたそれまでの置閏法を改め、「西暦起元源数が4で割る切れる数を閏年とする。ただし、100で割り切れる年のうち4で割り切れない年は平年とする。閏日は2月28日の次に置く」とした。これを「グレゴリオ暦」という。この置閏法によると1年の平均日数は『(365日*303回+366日*97回)/400回(年)=365.2425』となり、100年に0.03日、1万年で3日進む計算となる。このグレゴリオ暦の制定に当たっては、聖職者でもあり数学者でもあったクラビウスが大いに関与したといわれている。
 現在このグレゴリオ暦が世界各国で採用されているのであるが、今から、3000年の未来に人類は更に1日閏日を設けるのであろうか。そのようなことは我々の遥か先の子孫に委ねられているのである。現在の政治的不安定さを見るにつけ、その時まで人類が命を繋いでいてくれるかどうかのほうが余程心配である。

 最近では、大学生でさえ分数の計算もできないのだという。だから、(365*303+366*97)/400の意味を説明をしておこう。
 1から400のうちで100で割り切れ、かつ4で割り切れる数とは100、200、400である。したがって、400年に三回の割合でこの条件を満たす場合が出現する。この三回分は閏年に含ませないのであるから、400年につき、303回の平年と97回の閏年が出現するという意味である。本来の数学であれば最初の年が閏年の場合とか2年目が閏年の場合とか考察しないといけないのであるが、この場合は所謂、大数を扱う時の確率的な数値であるということを認識した上で、400年につき 303回の平年と97回の閏年というふうに認識するのである。 お分かりであろうか。そして、ミニマム400年周期で計算したとき、一年が365.2425日となるのである。(日本大百科全書を参照した) 

 私も暇でもあれば暦に関するコンピューター・プログラムを組んでみたいと思うのだが。何時の日になることやら。