昨日今日明日

きのうを思い、きょうを実感し、あすに想いを馳せよう。
若年性或いは老人性痴呆症にならない為にもね?

範をお示しになる両陛下

2006年06月17日 | Weblog
 天皇皇后両陛下は東南アジア歴訪の旅(平成18年6月8日~15日)を終えられ無事ご帰還されて一国民としてほっとしている。新聞報道等によれば実に実り多いご暦歴訪であった。

 折りしも、ワールドカップサッカーとこの両陛下の東南アジア三カ国歴訪が重なってしまい、国民の関心がそれてしまったのは、甚だ残念なことである。

 このたびの両陛下の歴訪の端緒となったのは、タイのプミポン国王在位60年の記念行事にご参列なさるためだったという。このご歴訪にあたり、両陛下は、6月7日に一時間にも及ぶ内外記者を集めた会見に臨まれていて、戦前からの、これらの地域の国々との皇室(王室)外交の歴史をつまびらかにされている。
 そのなかで陛下は日本国天皇のお立場で威厳をもって記者からの質問にお答えになっている。
 とりわけ、日本国民は明治以後の日本史について学校教育において教えることを放棄する歪な勢力が幅をきかせてしまって、正統なる歴史認識を教授されていないという国民的不幸を前に、陛下自らが我が日本国の栄光を「日本人が自己を賤しめる歴史の実相はそれほど悲観的なものではない」と堂々と知らしめてくださったことは誠に有り難いことである。
 私たちは、天皇皇后両陛下のお姿をテレビの映像を通して拝見するぐらいのものであるが、6月7日のご会見では、天皇陛下の天皇たる自負心と強い意志、また皇后陛下の一歩遠慮した神々しさに確かに触れることができたと思う。
 尚且つ、皇后陛下は国民に私は天皇のおきさきですというお立場を崩すことなく、堂々と自己のお考えを主張なされた。ご自身も体調をそこねられ、万全ではないにもかかわらず、お気遣いになるのは天皇陛下のご健康ばかりである。「何というけなげさであろう」、「日本女性は皇后陛下を範といたせ!」。
 更に付け加えれば、皇后陛下は、長時間に亘る機内においても、疲れたなどといって身を横になさることないという。なぜなら、四六時中緊張して両陛下に仕えている人たちに、自分だけ気を抜くようなことをしては礼を欠くと仰せになるそうである。
 また皇后陛下は、「(天皇陛下の)体調管理については、今も陛下が月々に治療を受けておいでですので、やはりそのことは常に心のどこかに掛っています。私にできることは毎朝の散策をご一緒することぐらいですが、旅行中は、できるだけ陛下と行動をともにし、陛下のお疲れの度合いを推し量れるようでありたいと思っております」・・・・かように仰せである。陛下は誠にお幸せなお方なのである。

 あまり褒められた慣行ではないのであるが、メディアが必ずする質問は、「先の大戦によって、日本に対する複雑な思いも残る地でもあります。戦後60年を経て再び訪問されることにどんな思いがおありでしょうか」。それに対して、天皇陛下は:
 戦後、日本は東南アジア諸国との友好関係を大切に育んできました。かつては、経済協力が中心でしたが、近年では交流の分野が広がってきていることは、非常に嬉しいことです。このたび訪れるシンガポール、マレーシア、タイには大勢の在留邦人がおり、それぞれの国との協力関係の増進に努めていることは、心強いことです。このたびの訪問が日本とそれぞれの国との相互理解と友好関係の増進に少しでも資するなら幸いに思います。
 先の大戦では、日本人を含め、多くの人々の命が失われました。そのことは返す返すも心の痛むことであります。私どもはこの歴史を決して忘れることなく、各国民が協力し合って、争いのない世界を築くために、努力していかなければならないと思います。戦後60年を経、先の大戦を経験しない人々が多くなっている今日、このことが深く心に掛っています。(サンケイ・ウェブより拾い読み)

 6月15日の「産経新聞記事」を写し取っておこう:両陛下「時の絆」再確認

 タイを訪問中の天皇、皇后両陛下は14日、古都アユタヤを見学し、東南アジア訪問の予定をすべて終えられた。日本と歴史的に縁の深いシンガポール、マレーシア、タイの三カ国。
 15年前の約束を果たされたマレーシア・ぺラ州お立ち寄り、長い交流のあるプロポン・タイ国王即位60年を祝う式典へのご出席。時間をかけ結んだ絆を再確認された旅だった。15日帰国の途につかれる。
 今回、マレーシア訪問は3カ国の中でも「お立ち寄り」という意義付けだった、ペラ州滞在は約6時間というあわただしさだった。 
 陛下は15年前、直前に山火事の影響で訪問中止を余儀なくされ、準備を整えていたペラ州クアラ・カンサーの人々をがっかりさせたことをずっと気に掛けておられたという。主賓の両陛下なしで開かれた700人規模の国王主催の食事会のことも聞き及んでおられただろう。
 当時の予定を再現された今回のご訪問。同国の人材養成校マレー・カレッジで両陛下を15年前に迎えるはずだった元生徒は「やっとお会いできた。微笑が素晴らしかったです」と感激の様子だった。
 現地の人々には「陛下は、私たちを忘れずにいてくださった」との思いが広がった。
 一方、両陛下を含め世界25カ国の王族らが参列した、プミポン国王の即位60年式典は、残念ながら報道規制のため地元放送局の生中継を見るしかなかったが、王族方が自然と両陛下を囲み、言葉を交わす様子は、戦後、昭和天皇の名代として皇太子同妃時代以来、培われた各国王室との厚い関係が目に見えた場面であったように思えた
 プミポン国王も両陛下との再会を楽しみにしていた。一同で国王の業績を振り返る展示会では、絶えず両陛下に付き添う国王の姿があった。宮内庁幹部は「国王と話された時間が一番長かったのは陛下だった」と語った。
 ご訪問直前に、皇后さまの体調不良があったが、両陛下ともスコールと厳しい暑さの中、旅を無事終えられた。・・・・・本当にご苦労さまでした。

 ここには、日本国皇室が普段に努力して各国王族や国民と交流して培ってこられた実績と名誉が滲み出ているのだ。日本国民は相応に評価申し上げ、敬意をはらうべきである。