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カバラと「生命の木」 1

2017-03-13 21:54:50 | 心身宇宙論

セミナーではしばらくルドルフ・シュタイナーの『オカルト生理学』について述べてきた(それについては、このブログでも「『オカルト生理学』を読む」というタイトルで記事を何本か書いてきたので、興味があれば検索してみていただきたい)が、それが一段落したので、今度はカバラと「生命の木」を取り上げることにした。

以下は2月に行った第1回のレジュメのようなものである。

カバラ(よりヘブライ語の発音に合わせてカタカナ表記するとカッバラーとなるが、ここでは一般的なカバラという書き方をする)についてWikipediaでは以下のように書かれている。

カバラ(qabbalah, Kabbala, Cabbala)、カバラーとは、ユダヤ教の伝統に基づいた創造論、終末論、メシア論を伴う神秘主義思想である。独特の宇宙観を持っていることから、しばしば仏教における密教との類似性を指摘されることがある。しかし、これはもっぱら積極的な教義開示を行わないという類似性であって、教義や起源等の類似性のことではない。

つまり、カバラとはユダヤ教における密教のような存在だが、仏教において密教が正当な仏教の1つに位置づけられているのとは異なり、カバラはユダヤ教においては異端であり、正当なユダヤ教の一部として認められていない。その意味でカバラとはオカルト、すなわち「隠されたもの」である。

カバラ関係の文献は日本でも数多く出版されていて、内容はカバラの歴史的な経緯から教義内容の詳細まで多岐にわたる。けれども、密教がその教義を言葉ではなく図像や音などによって伝えるものであるように、カバラもその教義の根本は言葉によって伝えることはできない、とされる(実際、カバラは長く師から弟子へ口伝によってしか伝えられてこなかった)。だから、どれだけ文献を読み解いても、それだけでは(カバラについての知識を増やすことはできても)本当の意味でカバラの本質に到達することはできない。

が、そうは言っても身近にカバラの導師がいるわけでもないので、文献を頼りに学ぶしかない。ここではイスラエル・リガルディーの『石榴(ザクロ)の園』とダイアン・フォーチュンの『神秘のカバラ―』(いずれも国書刊行会)を用いるが、それはたまたま私がそれを持っていたからで、特にこの2冊が優れているというわけではない(ついでに『石榴の園』に関して言えば、日本語版は訳文が日本語として意味不明な箇所がある上、原書とつき合わせるといくつもの誤りがあるので、日本語版(だけ)を読むことはお勧めしない)。

さて、カバラには大きく、護符の作成や典礼魔法を行うための実践カバラ、カバラ文献について研究する教義カバラ、文字と数字を扱う文字カバラ、そして「生命の木」の象徴体系を扱う「書かれざるカバラ」の4つがあり、そのうちセミナーで取り上げるのは「書かれざるカバラ」である。


「生命の木」は特殊な形に配置された10個の神聖セフィロトと、それらを結びつける22本の小径(パス)から構成される。セフィロトは創造的進化を構成する継起的な「神の流出」を、そしてパスは人間意識における宇宙的実現の継起的段階を表すとも、それぞれマクロコスモスとミクロコスモスを表すとも言われる。
この「生命の木」について、『神秘のカバラ―』には以下のように書かれている。

宇宙は実は「神」の精神から投射された思念形である。「カバラ―」の「木」は「神」の潜在意識的な思考の内容を演劇化した夢の映像に比べることができる。言い換えれば、もし宇宙が「ロゴス」の精神活動の意識的最終産物だとすれば、「木」は「神」の意識の原材料と、宇宙が存在するに至る諸過程を象徴的に表しているのである。
(中略)
人間の魂は水面下の通路によって海とつながっている珊瑚礁のようなものだ。外から見ると陸地だが、その水面は海の潮によって、上ったり下ったりする。隠された水路のためである。人間の意識も同じことがいえる。個々の魂と最も原初的な潜在意識の深層に隠されている「宇宙の魂」との間には、潜在意識的な結びつきががある。これによってわれわれは宇宙的な潮の満潮、干潮をともにしているのである。
「木」に割り付けられた一つ一つの象徴は、ある宇宙的な力もしくは要素を表している。心がそこに集中するとあの力に接触するようになる。言い換えれば、意識の中に個人の意識的な心と「宇宙の魂」の特殊な要素との間に、ある水面上の通路ができて、この水路を通して大海の水がその珊瑚礁へと流れ込むのである。



その「生命の木」のセフィロトの構成は進化の謎と関わり、カバリストは以下の4つの世界あるいは宇宙段階が生じたと考えた。それがアツィルト界(元型界、流出界、神界)、ブリアー界(創造界、座天使界)、イエツィラー界(形成界、天使界)、アッシャー界(活動界、物質界)である。そして「木」は、生命の創造的な、あるいは脈動する流れが進んでいく4つの宇宙段階における、意識の4つの異なる領域に分けられ、10個の神聖セフィロトはこれら4つの世界それぞれと接触点を持っているとされる。

これについては、セミナーのダイジェスト動画で解説する。


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