キネシオロジーで施術していると、どうしても「筋反射テストでの結果ありき」になっていく。「患者(クライアント)はこう言うけど、筋反射テストの結果から本当は違う」とか「筋反射テストでこう出ているから、これが正しい」とか…。だが、そう判断できるためには、筋反射テストの正しさが100%近いレベルで保証されていなければならないはずだが、本当にそうだろうか? 例えばスイッチングの存在がある。
「スイッチングって何?」ということについては、その1でも書いたので、そちらを見てもうらとして、一般にキネシオロジーの治療なりセッションなりを始める際は、必ずスイッチングの有無を確認して、あればそれを除去しておかなければならない。もちろん、それは患者に対してだけでなく施術者についても同じ。施術者自身がスイッチングを持っていたら、これまた正しい結果は保証されないから。
──とまぁ、ここまでは基本中の基本で、ここで「え、そうなの?」とか「初めて知った!」などと言っているとしたら、それは多分キネシオロジーではなくて「キネシオロジーごっこ」。だから一応、この辺りは当然クリアしているという前提で、話は更に続く(ここで終わりじゃないよ~)。
スイッチングは調べて処理した(もちろん施術者のも患者のも)。もうスイッチングは全て消えている。これで筋反射テストの正しさは保証されるはずだから、テストをバリバリ使うぜー──と考えていいかというと、そうはならない。取ったはずのスイッチングが、何の前触れもなく不意に出現することがあるからだ。
スイッチングを引き起こす要因は、基本的に何でもありだと思われる。例えば、ウチの治療室には今、柄沢齋(ひとし)の木口木版画『死と変容』のシリーズの中の1点『渦』を掛けているが、この絵を前にすると、取ったはずのスイッチングがまた出てきてしまう。実は以前から、この『渦』を掛けてる時は何か治療がうまくいかないな、と思っていたのだが、それはそういうことが一因としてあったようだ(それだけが原因かはわからないが)。
何でそんな絵をわざわざ掛けてるのか、ということは取りあえずこっちに置いといてー(笑)、取ったはずのスイッチングが絵1枚で簡単に出てしまうということは、きちんと考えておかなければならない問題だ。
もちろん、そうしたことは視覚情報によってだけ起こるわけではない。聴覚情報が引き金となるケースもある。斎藤慶太さんがYouTubeにupした「体感カウンセリング」のデモ映像(注)がそれ。
セッションの前、施術者(ここではカウンセラーと呼ぶべきか)にはスイッチングはないが、問題点の釣り上げで項目を1つずつ読み上げる中で「人間関係」と言った4:18に突然、彼にスイッチングが現れるのがわかる。そして、この後も彼は最後までスイッチングを持ったままセッションを続けている。
(注)似たようなことをやっているため、こういうものを見ると、ついあら探しをしてしまう(われながら嫌なヤツだ)のだが、それによって聴覚情報でスイッチングが出現する実例を見つけたのが、実は今回の話を書いた直接の動機だったりする。
ところで、ちょっと本題から外れるが、この映像と私自身の筋反射テストを使って、これを撮影した当時の彼について更に調べてみると、彼は「問題点の釣り上げ」の項目の中の「人間関係」で反応があったが、いわゆる人間関係に何か問題を抱えていたわけではなさそう。実際、彼は「人間関係」ではなく「関係」という言葉でも反応が出る。そして「関係」という言葉に反応しているのは彼の回盲弁の付近だが、その部分に内臓的な問題があるわけでもないようだ。回盲弁のメタファーでは「結びつき」「結びつける」ということに反応があり、先の「関係」という言葉での反応と不思議に呼応している。
そういうわけでこの映像からも、言葉1つでもスイッチングなんて簡単に出てしまうものなのだということがわかる。そして、そういう可能性に常に気を配っていない限り、治療(セッション)の途中で自分あるいは相手にスイッチングが現れたとしても、まず気づくことはない。結果としてスイッチングがあるのを知らずに、ここでの筋反射テストは正しい答が出る、という前提で治療(セッション)が続けられることになる。まさに「知らぬが仏」ってヤツ。
だが、筋反射テストの信頼性はスイッチングの有無だけで評価できるわけではない。いや、そもそも筋反射テストで得た答は何をもって「正しい」と言えるのだろう? それについては、またいつか。
「スイッチングって何?」ということについては、その1でも書いたので、そちらを見てもうらとして、一般にキネシオロジーの治療なりセッションなりを始める際は、必ずスイッチングの有無を確認して、あればそれを除去しておかなければならない。もちろん、それは患者に対してだけでなく施術者についても同じ。施術者自身がスイッチングを持っていたら、これまた正しい結果は保証されないから。
──とまぁ、ここまでは基本中の基本で、ここで「え、そうなの?」とか「初めて知った!」などと言っているとしたら、それは多分キネシオロジーではなくて「キネシオロジーごっこ」。だから一応、この辺りは当然クリアしているという前提で、話は更に続く(ここで終わりじゃないよ~)。
スイッチングは調べて処理した(もちろん施術者のも患者のも)。もうスイッチングは全て消えている。これで筋反射テストの正しさは保証されるはずだから、テストをバリバリ使うぜー──と考えていいかというと、そうはならない。取ったはずのスイッチングが、何の前触れもなく不意に出現することがあるからだ。
スイッチングを引き起こす要因は、基本的に何でもありだと思われる。例えば、ウチの治療室には今、柄沢齋(ひとし)の木口木版画『死と変容』のシリーズの中の1点『渦』を掛けているが、この絵を前にすると、取ったはずのスイッチングがまた出てきてしまう。実は以前から、この『渦』を掛けてる時は何か治療がうまくいかないな、と思っていたのだが、それはそういうことが一因としてあったようだ(それだけが原因かはわからないが)。
何でそんな絵をわざわざ掛けてるのか、ということは取りあえずこっちに置いといてー(笑)、取ったはずのスイッチングが絵1枚で簡単に出てしまうということは、きちんと考えておかなければならない問題だ。
もちろん、そうしたことは視覚情報によってだけ起こるわけではない。聴覚情報が引き金となるケースもある。斎藤慶太さんがYouTubeにupした「体感カウンセリング」のデモ映像(注)がそれ。
セッションの前、施術者(ここではカウンセラーと呼ぶべきか)にはスイッチングはないが、問題点の釣り上げで項目を1つずつ読み上げる中で「人間関係」と言った4:18に突然、彼にスイッチングが現れるのがわかる。そして、この後も彼は最後までスイッチングを持ったままセッションを続けている。
(注)似たようなことをやっているため、こういうものを見ると、ついあら探しをしてしまう(われながら嫌なヤツだ)のだが、それによって聴覚情報でスイッチングが出現する実例を見つけたのが、実は今回の話を書いた直接の動機だったりする。
ところで、ちょっと本題から外れるが、この映像と私自身の筋反射テストを使って、これを撮影した当時の彼について更に調べてみると、彼は「問題点の釣り上げ」の項目の中の「人間関係」で反応があったが、いわゆる人間関係に何か問題を抱えていたわけではなさそう。実際、彼は「人間関係」ではなく「関係」という言葉でも反応が出る。そして「関係」という言葉に反応しているのは彼の回盲弁の付近だが、その部分に内臓的な問題があるわけでもないようだ。回盲弁のメタファーでは「結びつき」「結びつける」ということに反応があり、先の「関係」という言葉での反応と不思議に呼応している。
そういうわけでこの映像からも、言葉1つでもスイッチングなんて簡単に出てしまうものなのだということがわかる。そして、そういう可能性に常に気を配っていない限り、治療(セッション)の途中で自分あるいは相手にスイッチングが現れたとしても、まず気づくことはない。結果としてスイッチングがあるのを知らずに、ここでの筋反射テストは正しい答が出る、という前提で治療(セッション)が続けられることになる。まさに「知らぬが仏」ってヤツ。
だが、筋反射テストの信頼性はスイッチングの有無だけで評価できるわけではない。いや、そもそも筋反射テストで得た答は何をもって「正しい」と言えるのだろう? それについては、またいつか。
気になるな~。
>ここで「え、そうなの?」とか「初めて知った!」などと言っているとしたら、
>それは多分キネシオロジーではなくて「キネシオロジーごっこ」。
またまた痛い御言葉だ! 笑
でも先生
「柄沢齋の『死と変容』」は文字だけでも
スイッチング出易いですよね。
わざわざ強化の為のトレーニングでしょうか?
尊敬します!
実は、入江FTの変形の漢方薬の流派があって
そこの門徒から一緒に研究を進められていますが
これがスイッチング出まくりと言いますか・・・
思い込みが・・・
感情のバイアスと言うのでしょうか
かなり答えがおかしいです。
一生懸命なのは解るのですが
FTの変形だから解るのだ!と、そしてそれを
習得して欲しい!と・・・・・
キネシオロジーごっこだと言う事に
いつ気付いてもらえるやら・・・・・
すみません、愚痴になっちゃいました。
>感情のバイアスと言うのでしょうか
かなり答えがおかしいです。
いや、鋭いですね。実は「その4」はそういうネタで書こうと思っていたのでした。いろいろ思うところがあって、まだ先になりそうですが。
それにしても
>>それは多分キネシオロジーではなくて「キネシオロジーごっこ」。
> またまた痛い御言葉だ! 笑
自分で書いといて何ですが、「キネシオロジーごっこ」という表現は、さすがにひどいなー、と。
個人が自分のヘルス・ケアのために、体温や血圧をチェックするように筋反射テストを使う場合は、スイッチング云々といった細かいことは、あまり気にしないでいいと思います。
ただ、それを業として行うとなると、やはりそのレベルではマズイでしょうね。
でも、(入江FTについてはよく知りませんが)O-リングなどはスイッチングという概念そのものがない、とも聞いてますし、そうなると、それしか知らない人たちとはスイッチングの議論そのものが成立しなくなってしまいますねー。困ったモンだ。