深く潜れ(Dive Deep)! キネシオロジー&クラニオセイクラル・ワーク(クラニオ)の蒼穹堂治療室

「ココロとカラダ」再生研究所、蒼穹堂治療室が送る、マニアックなまでに深く濃い、極私的治療論とお役立ち(?)情報の数々。

学校の風景

2018-05-02 10:59:53 | 趣味人的レビュー

毎月1日は「映画の日」なので、この日に見たい映画をまとめて見たりする。5/1は2本を見てきた。

『ミスミソウ』は押切蓮介のマンガが原作で、父親の転勤で東京から閉鎖的な田舎に引っ越してきた女子中学生、野咲春花は学校で壮絶ないじめに遭う。その上、いじめの首謀者たちはその春花の家に放火し、家族まで焼き殺してしまう。そして、そのことを春花に気づかれた彼らは春花を呼び出して口封じのために殺そうとするのだが、春花の逆襲によって次々に殺されていく、という非常に教育的配慮の行き届いた作品である。
ところで私は『ミスミソウ』を見る前、これは「家族を殺された主人公が復讐に立ち上がり、犯人たちを皆殺しにする」話だと思っていたが、実際はそんな単純な話ではなかった。主要な登場人物たちが見ていて清々しいほど人して壊れていて、物語が単なる「家族を殺された主人公が犯人に復讐する」といった陳腐な話から逸脱していくのだ。映画を見る時は常に何らかの期待をもって見に行くのだが、これは期待以上の作品だった。

 

『リズと青い鳥』はTVアニメとして制作され、劇場公開もされた『響け!ユーフォニアム』の続編。京都の北宇治高校吹奏楽部を舞台にした生徒たちの人間模様を描いた群像劇である。制作はTVシリーズと同じく京都アニメーション。
『響け!〜』の方は、ボロボロだった吹奏楽部に入部した1年の黄前(おうまえ)久美子(ユーフォ担当)が主人公で、同じ低音パートの仲間や中学から一緒だった高坂麗奈(トランペット担当)との関係を軸に物語が綴られた。『リズと青い鳥』はその1年後の話だが、主人公は2年生になった久美子ではなく、3年生の鎧塚みぞれ(オーボエ担当)と傘木希美(フルート担当)の2人である(なお、この2人が1年生だった時の出来事が『響け!〜2』で描かれている)。
次のコンクールで全国大会金賞を目指す北宇治の吹奏楽部。その課題曲となった『リズと青い鳥』にはオーボエとフルートの掛け合いがあり、それがこの曲の1つの聴かせどころになっている。その部分をそれぞれのパートのエースであるみぞれと希美が演奏することになったのだが、2人のギクシャクした関係によって肝心の掛け合いが上手く行かない…。
語られるのは2人の女子高生の心の揺れだけの、物語らしい物語のないこの作品を、ちゃんと「見られる物語」として成立させてしまうのは、さすがは京アニ・マジックと言うべきか。

 

ところで『ミスミソウ』と『リズと青い鳥』という、ほとんど対極にあるような2本を同じ日に見ることになったのは単なる日程上の都合にすぎないが、実際に見終わってみると、この2本はほとんど同じテーマを扱った非常に近い作品であったことが分かって、ちょっと驚いた。あなたも見るなら、この2本を連続して見てみてはどうだろう。


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