https://allabout.co.jp/gm/gc/299783/?FM=af_headlines.yahoo&af_type=guide&af_id=372813&utm_source=headlines.yahoo&utm_medium=af&utm_campaign=372813&utm_from=guide
胸の大きさは関係ない? 乳がんリスクが高いのは「高身長」?
両親の身長が高いと、一般的に子供の身長も高くなります。身長は遺伝的要素だけでなく、成長期の栄養摂取も関係しています。
多くの調査で明らかになっていることですが、体格に関して高身長だとがんになりやすい傾向があるようです。乳がんでもこの傾向は明らかです。
乳がんは女性ホルモンが関係する癌なので、更年期・閉経の前後で統計を分けるのが普通です。日本の調査では身長が160cm以上の人は閉経前でも閉経後でも乳がんになりやすいという結果が報告されています。
グラマーだと乳がんになりやすいのは嘘?本当?
乳がんに関しては、豊かな胸だと乳がんになり易いという俗説があります。残念ながら胸の大きさ、すなわち乳房の大きさと乳がんの関係は明らかでありません。乳がんの発育には女性ホルモンが関係しています。閉経前では肥満と乳がんの関係は明らかになっていません。
閉経後の女性では女性ホルモンは副腎から分泌された男性ホルモンにある酵素が作用して作られています。この酵素は脂肪細胞で活性が高いのです。閉経後に脂肪細胞が多いと女性ホルモンが高くなる可能性があります。乳がんのうち、女性ホルモンに反応する型では閉経後は肥満、BMI(BODY MASS INDEX:体重kg/身長m/身長m)が大きいと発症が増加します。
それでは、乳がん予防に効果があるとされている食生活にはどのようなものがあるのでしょうか?
魚を食べて乳がん予防!
身長が高いからといって乳がんの危険性が極端に増加するわけでありませんが、食事で予防効果は得られるものを摂取するなど、できることで予防策をとるのは良いと思います。
日本の調査では1週間に魚(魚介類)を1~2回しか摂らない人と比べて、毎日、魚を摂取する人では4割乳がんの発症が減るという報告があります。魚の摂取は脳卒中、特に脳梗塞の予防効果もあります。1日、1品は魚介類を食べるようにしましょう。
オリーブオイルが乳がん予防によいという報告も
また、日本人の食生活が西欧化しても、量的にあまり摂取してされてない油がオリーブオイルです。地中海沿岸地域では油=オリーブオイルです。地中海沿岸地域と他の地域では明らかにオリーブオイルの摂取量が違います。オリーブオイルの摂取が多い地域では乳がんが少ないことがわかっています。実験では、ある型の乳がん細胞の培養液にオリーブオイルを加えると癌細胞が死滅することも判明しています。
調理に使う油をオリーブオイルに変えてみましょう。オリーブオイルは大きく分けて絞ったままのバージンオイルと精製したものがあります。精製しておらず化学物質が使われていないバージンオイルがよいでしょう。
がんリスクが高い要因なども、あくまでも傾向でしかありません。早期発見に関して検診や人間ドックも万能とはいえませんが、セルフチェックや定期的な検診など、できることから予防と早期発見に努めるのがよいといえるでしょう。
https://allabout.co.jp/gm/gc/461218/
乳がんになりやすい人・なりやすい習慣
乳がんになりやすい要因は?…年齢・遺伝・エストロゲン・肥満
■年齢
日本人女性の乳がん発生率は30代から上がり、40代後半から50代前半がピークになります。30代でも頭の片隅に置いておくことは必要ですが、特に40歳以上は要注意です。
■遺伝的素因
乳がんにかかったことがある家族がいる方や、片方の乳房を乳がんで手術した方などがこれに当たります。またいわゆる遺伝的素因とはちょっと違いますが、乳房に放射線を多く浴びたり、過去に良性の乳腺疾患にかかったことがあるなど、なんらかの形で遺伝子変異を起こしやすい環境にいた方も気をつけてください。
ちなみに乳がんの発生にはBRCA1、BRCA2と呼ばれる遺伝子の変異が関わっているといわれており、ハリウッド女優のアンジェリーナ・ジョリーさんは、ご自身のBRCA1の遺伝子異常を知ったことで両乳房を切除したことは記憶に新しいところですね。
■エストロゲン
乳がんの発生にはエストロゲンが多く関わっているといわれます。というと難しく聞こえますが、『エストロゲンにさらされている期間』=『生理がある期間』と大雑把に考えていただければいいと思います。
そうすると初産の年齢が30歳以上の方、出産経験のない方(=妊娠している間は生理はないですよね)、初潮年齢が早かった方、閉経年齢が遅かった方、ホルモン補充療法を長期間続けている方、経口避妊剤を長期間使用した方は少し注意が必要ということになります。
■肥満
意外かもしれませんが閉経後の肥満の人も注意が必要です。これは、閉経後は脂肪組織のなかでエストロゲンが作られるからです。太っていると、その分エストロゲンが多くなるので乳がんになりやすいといわれています。ただし、閉経前の肥満は逆に乳がんのリスクを下げるといわれています。女性の体は閉経前と閉経後でかなり変わることの一例です。
こう考えると女性の社会進出、少子化、早い初潮年齢、どれをとっても、乳がんの危険因子が最近増えていますよね。乳がんの発生が年々増加しているのもうなずけます。その他、出生時体重が重い、高身長などの方も注意が必要なことがわかっています。
次に、習慣について見ていきましょう。
乳がんと習慣の関係……
運動・喫煙・アルコール・食事・夜間勤務・イソフラボンなど
■乳がんになりにくい習慣
- 授乳:長期授乳は予防に効果的
- 運動:閉経後の運動には乳がんの予防効果があると考えられています
- 食事:野菜、果物、食物繊維、緑茶、イソフラボンなどが予防要因として注目されていますが、現時点ではまだ根拠不充分
■乳がんになりやすい習慣
- 喫煙:リスクを上げる可能性が高いです
- アルコール:ほぼ確実にリスクを上げます
- 食事:閉経後の脂質の取りすぎはリスクを高める可能性があります
- 夜間勤務:リスクを上げる可能性があります
夜間勤務はちょっと不思議な感じがしますが、夜中に光を浴びると、メラトニンという生体の時間リズムの調節に関わっているホルモンの分泌が抑制され、それに伴って卵巣からのエストロゲンの分泌が亢進し、乳がんリスクが高くなるという仮説があります。
「乳がんが予防できる」と言い切れない理由
ちなみに、「可能性が高い」とか「ほぼ確実」とか、はっきり言えないの?と思われる方もいらっしゃると思いますが、それはその疑問の通り、そこまでしか言えないのです。
「医学的に効果がある」という場合には、適切な方法で効果を調べた論文をいくつも検討して、その結果を総合する必要があります。ひとつの論文の結果だけでは言い切ることはできません。
さらに、例えばアメリカやヨーロッパの結果が、人種が違う日本を含めたアジア圏では当てはまらないこともあります。医療関係者でない方とお話していてなんとなく感じることがありますが、「医学的に効果がある、科学として証拠がある」というためには、一般の方が思う「証拠」や「データ」よりも、はるかに厳密で、かつ多くの人々の膨大な労力(検証作業)と時間が必要とされていると思います。
ですので、余談ですが、情報過多の現在の情報取捨選択法として、もしひとつの論文を根拠に何かを言いきっている場合は、参考だけにして聞き流しておくことをお勧めします。
現時点では、一定の年齢以上では検診を受ける、喫煙・アルコールを控える、閉経後は適度な運動習慣で体重をコントロールする、ということが一番予防に重要といえそうです。