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石田雄:利用許されぬ特攻隊員の死

2007-01-09 19:53:53 | Weblog

年寄りの言うことは(たまには)聞くものだ。以下、『朝日新聞』2007年1月8日の「声」らんより。

 1日紙面第二部のテレビ・ラジオ版19ページの全面広告を見て驚いた。特攻隊を主題とした映画の広告だが、特攻機の周りに若者たちが全員、日の丸の腕章をつけ、これからオリンピックにでも行くように嬉しそうな顔をして写っている。
 これは死ぬことを強制された人の顔ではない。
 映画の内容がどんなものかはわからないが、石原慎太郎製作総指揮・脚本とあるところから見れば、都知事選挙の前宣伝のためかと思えてしまう。
 私たちは映画制作を指揮するほど暇な知事に高い給料を払っているわけではないし、休日だけでできるほど映画の仕事が簡単だとも思わない。
 多くの学友を特攻隊で失った者として、彼らが死を強制された上、愛国心の高揚に利用され、今度はまた愛国心を謳う知事に利用されるとしたら、やりきれない。死んだ学友たちは一体どのように思うだろうか。
 硫黄島で国旗を掲げた米兵は英雄化されることにより悲劇の主人公となった。特攻隊で死んだ学友たちを、もう声が出せないからといって、このように利用することが許されるのか。