南の国の会社社長の「遅ればせながら青春」

50を過ぎてからの青春時代があってもいい。香港から東京に移った南の国の会社社長が引き続き体験する青春の日々。

一晩たってシンガポールのヘイズは

2006-10-08 13:06:17 | シンガポール
今朝の家からみた景色です。昨日アップしたのとほぼ同じアング
ルですが、昨日にくらべてだいぶ空気が奇麗になりました。昨日
は一時150まであったPSI(汚染指数)が今朝は50以下に下がって
います。昨日は見えなかった、地平線のあたりも何とか見えてい
ます。でもまだ遠くの建物は霞んでいるし、空は晴れているのに
真っ白です。

ヘイズのレベルを測定するPSI (Pollutant Standards Index)と
いう指数は、アメリカやマレーシアで使われているのと同じ方式
のようです。一定量の空気中の硫黄酸化物、窒素酸化物、オゾン、
一酸化炭素の量を測定して指数化するもののようですが、健康へ
のレベルは以下のように示されています。

50以下:Good (良好)
51~100:Moderate (普通レベル)
101~200:Unhealthy(不健康レベル)
201~300:Very unhealthy (かなり不健康レベル)
300以上:Hazardous (災害レベル)


100を超えると、心臓や呼吸器の慢性病の人は注意が必要になる
そうですし、通常の人でも、咳や、目のかゆみ、くしゃみなどの
症状が出ることがあるそうです。400を超えると健康な人でも病
気になるレベルということです。

PSIの最新の指数はNATIONAL ENVIRONMENT AGENCYCAEのサイ
トに出ていますので、ご覧ください。3時間の平均値が一時間毎
に出ています。ヘイズが一段落したらなくなるかもしれませんが。

今回シンガポールのヘイズはかなりのレベルだったのだろうと
思っていたのですが、1997年には何と226まで行っていたのだそ
うですね。1997年といえば、私が正式にシンガポールに駐在と
なって、生活を始めた年。そういえば、その頃、ヘイズに関して
かなりさわがれていましたね。その時のほうが高かったのか。
そういえば何日も太陽の光が地上に届かないので、影のできない
日が続いた記憶があります。

1997年は、ヘイズもありましたが、その年の後半やってきた通貨
危機。こちらの衝撃もすごかったです。当時、うちの会社では、
タイやインドネシアとの仕事もやっていたので、最初は現地通貨
の為替レートがどんどん下がっていくので、それまでに受け取っ
ていた現地通貨表示の請求書の実際価格がどんどん下がっていき、
瞬間的にはウォール街のトレーダーのように興奮したのですが、
やがて仕事はどんどん縮小していきました。ずいぶん昔のことの
ように思います。

昨日は、東京は天気がよかったみたいですね。星が奇麗に
見えると下町娘が言っておりました。こちらはヘイズの
おかげで、星も月も見えませんでした。ほんとにこれは何とかし
てほしいです。シンガポール政府は、インドネシアに対して、今
後なんとか対策をとってよ言おうと思っているらしいのですが、
人為的な原因による災害なので、ふせぐ手段はあるのではないか
と思うのですが。

シンガポールは、地震もなければ、台風もない、河川の氾濫もな
ければ、崖崩れもない、津波もこないという、およそ自然災害の
危険のない国なのですが(あると言えば雷くらいかな)、
ヘイズさえなければよいのになあと思います。

ところで、昨日は、ヘイズがひどかったのですが、ちょっと外出
したら、シティホールの前の広場では、ラグビーの試合をやって
いたし、屋外での映画もやるようでした。最近、屋外で映画を
上映するイベントがよく行われていますが、ヘイズだと上映効果
も支障が出るし、だいたい空気が悪いところで長い時間いると体
によくないんじゃないかと思います。この時期にイベントを企画
した会社はちょっと困っているのではないかと思います。

たしか、マラソン大会の企画もあるようですが、ヘイズによって
は、参加を辞退する人も出てくるでしょうし、主催者側にとって
は頭の痛い問題となります。

ヘイズで迷惑を被っている人のほうが多いのでしょうが、屋内の
ショッピングモールは逆に人が集まってきますし、また空気清浄
機の売り上げが増えているとかききます。どんなときにもそれを
ビジネスチャンスにつなげる人たちは出てくるものですね。

私には残念ながら、そのような才覚はありません。せいぜい思い
つくのは、インドネシアで燃え盛っているホットスポットに飛行
機で行って、そこに大量のタバコを投下する、そうするとタバコ
の煙が南西風に乗ってシンガポールに押し寄せてくる。そうする
とシンガポールおよびマレーシアの愛煙家の人たちは思う存分、
タバコの煙を吸うことができます。24時間、胸一杯タバコの煙を
吸えるという天国のような体験をもたらすことができます。これ
は愛煙家にとっては夢のような事です。

しかし、本当にこんなことになってしまったら、禁煙家の皆さん
から大顰蹙をかうでしょう。という私もタバコは吸いません。
私たちタバコを吸わない人間にとっては、タバコの煙もヘイズの
煙も同じじゃないかと思ってしまう、などというと愛煙家の皆さ
んの顰蹙を買ってしまいますね。

冗談はさておき、日本とか欧米では、温暖化防止とかなんだかん
だでいろいろな規制をしてがんばっていますけど、こういうイン
ドネシアの山焼きによる火事の地球環境に与える影響はものすご
い規模のものがあると思うのですが、こういうのを野放しにして
おいてはいけないのではないかと思います。

シンガポールのヘイズ指数が130突破

2006-10-07 20:05:02 | シンガポール
今朝、窓を開けると一面の真っ白な世界。いよいよシンガポールが
雪景色になったのか、と思いきや、それはヘイズでした。ヘイズと
いうのは、霧や靄とかの自然現象ではなくて、インドネシアのスマ
トラ島あたりでの山火事の煙が風に乗って押し寄せてくる現象です。
この季節わりとよくある現象ですが、今朝の景色はちょっとひどい
です。上の写真は朝の9時頃、家の窓から撮影したものです。テレ
ビでは、9時のシンガポールのPSI (汚染指数)が119を越えたと
言っています。

この記事を書いているうちに10時半になってしまいましたが、最新
の指数が130というとんでもないレベルになったとテレビで報道
していました。今日はテレビの左上隅にこの指数がずっと映し出さ
れています。これは大変です。

ここ数日、ヘイズがひどくなっていました。昨日の中秋の名月も
時間の早いうちは見えていたのですが、だんだん空気がもやってき
て、夜、車で家に帰るときは、霧の都ロンドンか、霧のサンフラン
シスコといった感じですが、空気は煙によるものなので、あまり
よい感じではありません。健康にもよくないです。

昨日までの指数は80くらいでしたので、当局も楽観視していたので
すが、今朝方、指数が危険限度の100を超えました。130というのは
健康に害がある危険レベルで、屋外での活動は控えるようにとの
警告が出ています。これはシンガポールからマレーシアまでの広域
にわたる現象となっています。

今日のこの真っ白な景色は、今まで9年くらいこちらにいる中で一
番ひどいのではないかと思います。今週、観光でシンガポールに来
ている人たちはちょっと可哀想。でもまあ、どしゃぶりの雨になる
よりもいいのかもしれませんが。

この、ヘイズの原因は、スマトラ島などの山焼きの煙が、季節風の
南西風にのって運ばれてくるのだそうです。この地方では、昔から
焼き畑農法が行われていて、その日が森林に焼き映って大規模な
火事になったりするとも言われています。また自然発火でも山火事
が発生するとも言われています。でも自然発火ってどうやって起こ
るの?この時期は、スマトラ地域は雨が少なく、山火事はなかなか
消えないのだそうです。やがて雨の季節が来て、自然鎮火する
と、やっとヘイズは収まるということになっております。なんと
まあのんびりした話です。

ニュースでは、衛星の写真で、スマトラのどのへんに「ホット
スポット」があるのかを見せていましたが、原因がわかっている
のなら何とかできないものなんでしょうかねえ。山火事の規模は
相当にでかいもので、それも何カ所もあるようなのですね。科学
の時代になんとも原始的なことで悩まされるのはアジア的ではあ
りますが。

スマトラは、一昨年にスマトラ沖地震で、広域の国々に甚大な津
波被害をもたらしましたが、今週は近隣諸国にヘイズ被害をもた
らしています。被害といっても、シンガポールは農業がほとんど
ないので、農作物の被害はないですが、シンガポールにとって
重要な産業の観光が打撃を受けるのではと言われています。日本
から来る観光客はそんなことも知らされずにどんどん来てしまう
のでしょうが。

スタンダードナンバーで、「煙が目にしみる」という有名な歌が
あります。原題は"Smoke gets in your eyes"というもので、
プラターズとかいろんな人が歌っていました。ヘイズも目にしみ
て(光化学スモッグのような感じ)、目がしばしばします。
目だけではなく、基本的に煙なので、空気とかを吸うこともため
らわれるかんじです。気管支にはよくないと思われます。
屋外でのジョギングとか、スポーツとかは控えるようにとのアド
バイスが出ています。なるべく家にいたほうがよいという
感じです。

で、「煙が目にしみる」という歌なのですが、これはもちろん
ヘイズとかの歌ではなく、恋の痛手ゆえに出る涙を煙のせいに
して、「煙が目にしみただけさ」と開き直る歌です。
They asked me how I knew
My true love was true

という歌いだしの曲ですね。これはカラオケで何度か歌ったこと
がありますが、今日のようにヘイズが酷いときは、冗談がきつす
ぎるかもしれません。

まあ、こんなのを経験できるのも、シンガポール(およびマレー
シア)ならではですね。

PS: 昼過ぎになって指数は現在102に下がりました。
まだ限界レベルの100以下には戻っていません。

PS: 土曜日の夜8時、指数は143になっています!!!
気管支が何となく苦しいのはそのため?

PS: 土曜日の夜9時、指数は150になりました!!!
どこまで上がるのか?!

ムーン

2006-10-06 20:23:59 | シンガポール
今日のシンガポールの月を撮影しようと思ったのですが、気づいた
ときにはすでに空高く上がってしまっていて、大きめに撮影するこ
とはできませんでした。月だけを撮影するとただの白いマルになる
し、また手ぶれでぼけぼけになるので、周りの景色を入れて月を小
さめに撮ってみました。これはシティーホールの付近の景色です。
向こうに見えるのは、パンパシフィックホテルとか、サンテックの
建物です。

月を見ていると、昔、レベッカのNOKKOが歌っていた「ムーン」と
いう歌を思い出しました。
昔ママがまだ若くて小さなあたしを抱いていた月が
もっと遠くにあった頃~

という歌いだしの歌でした。80年代の終わり頃リリースされた歌で
カセットテープで夜中によく聴いていたものでした。

こわしてしまうのは一瞬でできるから
大切に生きてと彼女は泣いた
MOON あなたは知ってるの
MOON あなたは何もかも

というフレーズが印象的でした。この「彼女は泣いた」の彼女って
ママのこと?それとも月のこと?月かも知れないですね。月がこの
女の子のいろんな過去をずっと見続けてきて、見守ってきたという
ことですから、月が泣くのもありえるのでしょう。月はたしかに
「大切に生きて」というアドバイスくらいしてくれそうに思えます。

そういえば、9月に日本のマンションを引き払ったときに、大量の
カセットテープを処分したのを思い出しました。カセットテープを
持っていても、今はそれを再生する機械がないので、持ってても
しょうがないと思ってゴミ処理業者に引き取ってもらったのです。
今思い出すと、その中にレベッカのカセットテープがあったのです。
いつまでも過去に縛られていると、前進できないので、捨てるべき
時には捨てるのが正解ですが、そのレベッカのカセットテープの
ことを思い出したらちょっと切なくなってしまいました。でもまあ
CDを新たに買えばいいんですけどね。

ちなみにこのMOONの歌詞はウェブに出ているのですね。
こちらをクリックしてみてください。
これは『歌詞GET!!』というサイトですが、無料で歌詞を検索
できるんですね。以前は、著作権協会とかがうるさいことを言って
ましたが、このへんは法的にゆるくなったのでしょうか?日本を
長年留守にしているので、そのあたりの最新事情がわかりません。
これは私のように替え歌作りを趣味とする人間には非常に便利な物
です。以前は、替え歌を作るために『歌本』やCDを買ったりしなけ
ればならなかったのですから。

ご参考までにレベッカに関しては、http://rebecca.ac/
のサイトに詳しく出ていますので、興味のあるかたはクリックして
みてください。

今日は満月なのですが、東京地方は天気がよくないみたいですね。
いとしの下町娘にも月を見てもらって、つながっている
ことを確認してほしかったのですけど。でも彼女は、目だけはいい
のですね。というと「目以外はダメちゅうこと?」と言われかねな
いので、「目いいので」と訂正したいと思います。
目もいいので、雨の向こうの、雲の向こうの、はるか上空にある
月も見られるのではないかと思っております。

ところで、シンガポールの競争力は世界の五位という記事が目に
止まりました。一位がスイス、二位がフィンランド、三位がス
ウェーデン、四位がデンマークと北欧系ががんばっておりますね。
アメリカが一位から6位に転落です。これはどうしたことでしょ
う。日本は10位から7位に浮上です。これはWEFの世界競争力ラン
キングの結果です。

ついでに、もう一つ。8月にシンガポールを訪れた訪問者は、
トップは相変わらず隣国のインドネシアで16万4千人、二位は
中国の10万3千人、そして三位が何と日本で、6万3千人だっ
たそうです。夏休みを利用してシンガポールに来た人たちが
多かったといいうことなのですね。これから日本は寒くなって
きますので、常夏のシンガポールに皆さん来てくださいね。

まもなく中秋の名月

2006-10-05 02:33:06 | シンガポール
この写真は以前撮影したものですが、今週の金曜日が中秋の名月
です。シンガポールでも中秋の十五夜は重要な日となっています。
八月の終わり頃から月餅が売り出されていましたが、今週でそれ
も一段落です。

こないだ空を見上げたら半月だったのに、もうほとんど満月です。
なんだか月の満ち欠けってスピードがちょっと早いような気がし
ます。半月から満月になるまでが一週間くらいなので、まあそん
なものかもしれませんが、もっと時の流れがゆっくりしてほしい
と思うのであります。

今日の夜、月を撮ろうとしたのですが、はるか空高く上がってい
て、うまく撮影することができませんでした。月を撮影するのは
難しいものです。この上の写真は、まだ月があがりかけのところ
を撮影したので、月がわりと丸く撮影できました。もっと地平線
に低いところが撮れればもっと大きくとれますね。

満月というのは、オオカミ男の話でもそうであるように、人の心
を狂気にする力があるのだとか聞いたことがあります。スマトラ
沖地震のときもほぼ満月だったようですね。満月のときは、人間
も地球も異常を呈するのかもしれません。今週の金曜日は何もな
いことを祈ります。

月と言えばかぐや姫。何人もの求婚者を残して月に帰っていく
かぐや姫は、現代で言えばSFファンタジーですね。まだ科学が
発達していなかった昔は、月にも人がいるのかもしれないとい
う想像がまだ許されていたのですね。

何年か前のテレビドラマの『With Love』の中で、「満月を見ま
した」というメールがあって、これは今でも記憶に残っています。
まだ会った事のない二人が、とある偶然からメールを始めるので
すが、いつも非常に短いメールでした。今週の満月は、東京では
見えないかなあ。

ところで今、シンガポールで現代アートの祭典のビエンナーレが
開催されているんですね。ところどころにビエンナーレの看板が
出ているので、どっかでやってるんだろうなと思ったのですが、
そんなに意識して見ていませんでした。

シティーホールの建物の窓がピンク色の絵画になっているのは
どうしたのだろうかと疑問に思っていたのですが、これもその
ビエンナーレの作品なのですね。これは何と日本人の原高史と
いう人の作品なんだそうです。

このへんはまた詳しく取材してお知らせしますね。ではまた。

さらなるミリオネアーの秘密

2006-10-04 02:21:56 | シンガポール
今日もまた、マレービレッジのあたりで写真を撮ってきました。
今日は、感度が800まで上げられる別のカメラで撮影しました。
感度はISOと表記されていますが、感度が高くなるほど暗いとこ
ろでも撮影できるようになります。感度が低いと、その分長い
時間シャッターを開いていないといけないので、手ぶれをしたり、
物体が動いている場合はぶれてしまったりします。

感度が高ければいいのかというと、今度は別の問題が出てきます。
感度が高くなると、暗いところでも撮れるようになるのですが、
粒子が荒くなっていきます。この写真、昨日の写真に比べると
ブレは改善されているのですが、ざらついた感じになってしまい
ました。本当は車を降りて、きちんと撮影すればよいのですが、
なかなかうまくいかないものです。

シンガポールのマレービレッジのあたりは、マレー系の人々が多く
彼らはイスラム教で、この時期は夜店が出てにぎわっていま。
同じイスラムのアラブストリート付近(ブギスの近く)も飾り付け
が奇麗です。

さて、昨日に引き続き、トマス・J・スタンリーの『なぜ、この人
たちは金持ちになったのか』という本のことに関して述べたいと
思います。

この本の中で一番感動した話しは、「全米最高のコーチが最初に
教えること」という部分でした。

著者のトマス・J・スタンリーは、ある日、アラバマ州バーミン
ガムに行きます。そこで、彼はある企業で販売責任者をしている
男性に会います。その人は、有名なアラバマ大学フットボール・
チームで選手として活躍していた経験がありました。彼以外にも
アラバマ大学フットボール部卒で、会社役員になっているのが何
人もいると言うのです。

アラバマ大学のフットボール部は、名コーチとして有名なポール・
ブライアントのもと、大学選手権で何度も全米一の座を手にして
いました。著者が会った、その販売責任者は、ブライアントの元
でフットボールをやっていたのでした。

ブライアントは、アメリカ一金をかけて選手を養成したのではな
く、またアメリカ中から有能な選手をかき集めてきたわけではな
かった。それななのにこんなに最強のチームができたのはなぜか、
そしてその卒業生が実業界でも成功しているのはなぜか、著者は
それを探ろうとして、その販売責任者に次のような質問をします。

「大学のチームに入ったあなたがたスポーツ奨学生たちに、ブラ
イアントはまず、どんな話しをしましたか?」

その答えは、意外にも次のような言葉だったそうです。

「みんなもう、家に電話してご両親に礼を言ったか?」

選手たちはみんなこのブライアントの言葉にポカンとしていたそう
です。このおっさんいきないり何をゆうんか、おれたちゃフット
ボールで全米一になるためにここにきたんだぜ、もっとフットボー
ルの秘訣とかなんか教えてくれよ、そんなふうに思ったのでしょう。

ブライアントは、続けて次のように言ったそうです。

「今の自分のレベルまで、誰の助けもなしに
到達した人間なんていない。ご両親に電話してこい。
ありがとうって言うんだぞ」


つまり、抜群の素質に恵まれた者でも、必ずしも名選手になると
は限らない。両親が彼らを養い育て、犠牲を払ってくれたからこ
そ、彼らは今、アラバマ大でフットボールができるのです。選手
たちは、この最初の洗礼をずっと忘れずに、無敵の活躍をします。
そして卒業した後でも、ビジネスで成功している人も多いという
ことでした。

この教訓は、スポーツであれ、ビジネスであれ、人とうまくやっ
ていく能力が一番大切であるということになります。感謝の気持
を忘れず、周りの人を大切にしていく、それがミリオネアになる
ための最も重要な資質であると著者は言います。それは知能指数
の高さよりもはるかに重要であると結論づけています。

今の学歴一辺倒の日本の教育では、自分の学力さえ高ければそれ
でよい、他人は蹴落としても自分が希望の大学に入れればよいと
考えがちで、そこには、感謝とか人とうまくやっていくという事
は全くかえりみられることがありません。こういう環境だと、
「金儲けして何が悪い」という成金は出て来るでしょうが、真の
ミリオネアーはなかなか生まれてこないんじゃないかと思うので
すね。

ところで前、NHKの番組を見ていたら、日本のどこかの高校野球
の監督が同じようなことを言っていました。つまり「親に電話
してこい」というやつです。その監督がこのブライアントの話を
知っていたのか、それともその監督独自のオリジナルなアイデア
なのか、それともそういう優れたリーダーはみんなそういう
発想をするのかわかりません。

以前、SMAPが感謝して~!と歌っていましたが、本当に
感謝の気持を忘れたらいかんですね。と自転車操業の私も
肝に銘じたいと思います。

億万長者になれる人の資質とは

2006-10-03 01:03:02 | シンガポール
この写真は、シンガポールのハリラヤの飾り付けです。イスラム
のお祭りですが、断食月のラマダンという言葉のほうが日本では
有名ですね。この写真は、シンガポールのマレービレッジのそば
の通りです。いつも車でこの道を通るのですが、いきなり広がる
イルミネーションの世界に毎度毎度、感動を覚えてしまうのです。
クリスマスの飾り付けに比べればささやかなものなのですが、
イスラムの飾り付けなので、ちょっとアラビアンナイトな感じで
す。

いつもこのあたりで信号待ちになるので、時々写真を撮るのです
がいつもボケボケなのです。この写真はまだましなほうですが、
でもよくみるとかなりボケてるというか手ぶれです。おかしいなあ
ちゃんとしっかりと手でホールドしているのになあと思いながら、
今日、あらためて認識したのです、車ってかなり振動して
いるということを。

こういうときには、今はやりの手ぶれ軽減機能が役にたつので
しょうが、私のカメラには残念ながらその機能はついていません。
さらに、私のカメラはISOの感度が400までしか上げられませんが、
フラッシュなしで夜景を撮る場合には800くらいは欲しいところ
です。感度が高いと暗いところでも速めのシャッタースピードで
撮影できます。そうすると、ぶれも防げます。

私は長年カメラ関係の広告をやっているので、カメラの機能や
技術に関しては必要以上に詳しくなってしまっているのですが、
ちゃんとした写真が撮れなきゃ話しになりませんよね。

アラビアというと億万長者がごろごろといそうですが、昨日の
億万長者の話しが中途半端だったので引き続き、億万長者の話し
をします。(憲法九条の話しだってかなり中途半端だ
ぞとおしかりを受けそうですが、それはまた別の機会に

昨日言っていた本は、トマス・J・スタンリーという人が書いた
『なぜ、この人たちは金持ちになったのか』という本です。
日本経済新聞社から2001年にこの日本語版が出ました。原題は、
"The Millionaire Mind"というものです。ミリオネアは百万長者
なのですが、これは米ドルなので、円換算すると億万長者くらい
の雰囲気になるのでしょう。この本の表紙とか、帯にはいっぱい
宣伝文句がついていますので、ご紹介しましょう。

億万長者が教える成功の秘訣
これで納得!「金持ち等父さん」になる方法
NYタイムズ絶賛の全米ベストセラー
学校、仕事、結婚、買い物、ミリオネアの生き方・
考え方はココが違う!


というようなこれでもかという宣伝攻勢。思わず買ってしまい
たくなりますよね?シンガポールの紀伊国屋で36.40ドルもした
のですが、これで億万長者になれるんだったら全然安いと思い
購入を決意したのでありました。

この本は、アメリカで実際の億万長者の数百世帯への調査をベー
スにしています。その著者は、「現実に成功しているミリオネア
は、ハリウッド映画に出て来る紋切り型の大金持ちとは大違い」
と述べています。

億万長者にとって一番大事な資質は次の5つなのだそうです。

誠実:誰に対しても正直であること

自己鍛錬:自分で自分をコントロールすること

社会性:人とうまくやっていくこと

配偶者の支えがあること

勤勉:普通の人より一生懸命働くこと

これだったら、なんとなく自分も持っている資質のような気が
するんだなあ。さらに、「私が調査したミリオネアのうち、一人
としてギャンブルについてよく言う人はいなかった」という言葉。
実は、私も昔からギャンブルが嫌いだったのです。麻雀やパチンコ
はやったことはありますが、肌に合いませんでした。ラスベガスに
何度か言ったことはありますが、カジノではいつも居心地の悪さを
感じていました。ここでも億万長者の資質をまた一つクリアです。

また、学生時代、ずばぬけた成績だった優等生はミリオネアになれ
ないとも言っています。私は留年したくらいですから優等生ではあ
りませんでした。

さらに配偶者に関して、金持ちになるために資産家の娘や息子と
結婚しようとする人間はミリオネアにはなれないとも言っています。
「出会った当初、今の配偶者のどこに惹かれたのですか?」
という質問に対して、ミリオネアは、外見の美しさだけで結婚した
人はいないと答えています。結婚相手として惹かれた要因は次の
ようなものでした。
しっかり者
自己中心的でない
私の精神的な支え
辛抱強い
伝統的価値観を持つ
理解がある

回答者のほとんどが相手の「正直さ」を最も重要な要素として
見ているようなのです。正直さと聞いて、すぐに思いあたった
のは「功名が辻」の一豊の性格でした。一豊も千代もこの本に
照らしてみると、夫婦としてミリオネアの資質がある。実際、
戦国の世をうまく生き抜けて、最後には土佐の国主になってし
まいます。当時としてはこれはミリオネアだったのでしょう。

ミリオネアでない普通の人に対する調査では、普通の人が結婚
相手に望むものとして最も重要な要素は、男性の場合、女性の
肉体的魅力と、経済力、女性の場合は、相手の経済力という事
だそうです。こういう判断で結婚すると、ミリオネアになるの
はほど遠いということなのだそうです。

いろいろ見ていくと、自分は素質としては、ミリオネアになる
可能性もありえるなあと思えてくるのです。「ミリオネアは
ゴルフかテニスを行う」という項目だけは当てはまらなかった
ですが。私はゴルフもテニスもあまり好きでは
ないのです。

この本、まだまだ面白いことがいっぱい書いてあるのですが、
今日はこれくらいにしておきましょう。ではまた。

海と億万長者と憲法九条

2006-10-02 03:10:26 | シンガポール
今日は、シンガポールのイーストコースとパークに行ってきました。
家から車で10分ちょっとで行けてしまうのですが、のんびりした海
沿いの公園なので、気分転換には最適です。

この写真は、イーストコーストパーク内のビーチハットというお店
です。アジアのビーチリゾートによくありそうな雰囲気の店です。
ビールでも飲もうかと思って、空いていた席に座ると、メニューを
持ったお店の人(女性)が来て、笑いながら「あなたは、億万長者
ですか?」と唐突に聞いてくるのです。「違うけど、でもなぜ?」
と聞くと、「店長があの人は億万長者かもしれないと、冗談で言っ
たのです」との答え。

すぐにそのことを電話で下町娘に伝えたら、そのように
思われることだけでもすごいことと言うのです。私の格好はジョギ
ングの服装なので、全然金持ちには見えるわけはない。でもひょっ
として、未来の自分とかが見えていたのかな?あるいは、何かオー
ラのようなものが見えていたりして。そんなんだったらいいですね。

店員の何気ないその一言のおかげで、何だかとてもハッピーな気分
になりました。その億万長者というのは、まさか予言?そんな兆候
はないんだけどなあ。会社のほうも自転車操業だし、個人的に財産
があるわけでもない。家や親戚がお金持ちというわけでもない。

じつは一年ちょっと前は、ひょんなことから億万長者になるための
本とか読んでいたりしたのですね。ロバート・キヨサキの「金持ち
父さん」の本とか、ロバート・アレンの「億万長者入門」(フォレ
スト出版)なんて本を読んでいました。これ以外にも、アメリカで
億万長者になった人のタイプを分析した本とか何冊も読んでいまし
た。

その少し前に、ネットワークマーケティング(マルチレベル・マー
ケティング)に片足を突っ込んでいたので、ネットワークマーケ
ティングで億万長者になれるかもと、淡い夢を持っていたのです。
でもネットワークマーケティングは結局、自分にはしっくりきま
せんでした。売ろうとすれば、人間関係を犠牲にすることになるよ
うな感じになります。そういうのも面倒なのでやめてしまいました。

億万長者の本の中には、ネットワークマーケティングのことも一つ
の手段として登場してきます。でもそれはいろいろある方法の中の
一つの手段なのですね。

億万長者になる人の資質として、いくつか書いてありましたが、
親が大金持ちだとかいう場合、億万長者にはなれないという分析が
ありました。また、「他人を決して騙してはいけない」というよう
なことも書いてありました。この資質だけ見ると、自分はその素質
があると思った記憶があります。

でも私は、お金というものにそんなに執着はありません。億万長者
になりたいわけでもありません。満ち足りた生活をしたいとは思い
ますが、必要以上に巨額の財産を築きたいと思っているわけではない
のですね。物理的な満足よりも、精神的な満足のほうを優先する私
です。

シンガポールに、村上ファンドの村上さんが予定通り住んでいたら、
村上さんがひょっとして週末にふらりとイーストコーストパークに
来てビールでも飲んでいたかもしれない、なんて思うのですね。
村上さんはすごい金儲けをしたんだけど、ああいう人生は送りたく
ないですね。

お金というものは、追い求めるのではなくて、結果としてたまって
いくものであると思っています。という私、いまだにたまっていま
せんが。

この店で、ビールを飲みながら、太田光・中沢新一の『憲法九条を
世界遺産に』(集英社新書)を読んでいたのです。半分くらいまで
読みましたが、すごい面白いです。太田光さんは「爆笑問題」の
コメディアンなのですが、この人めちゃめちゃ頭がいいんですね。

テレビでは、お笑いでふざけた態度なのですが、その裏には実に
緻密な洞察がある。歴史分析などもへたな学者よりもよっぽど本質
をついている気がします。

昔、私は大学時代にシェイクスピアの演劇をやっていて、舞台では
「十二夜」の道化のフェストという役を演じたことがあります。
その時、道化というのはものすごく頭がよくて、すべてを見通して
いるというという話しをよく聞いたのですが、太田光さんを見てい
るとまさにその道化だなという気がします。

ところでディープインパクトが3位だったそうですね。勝てそう
だったのに残念です。

「功名が辻」、秀吉さんが死んでしまいましたね。淀の老人いじめ
はひどすぎますね。昔の恨みを忘れずにいて、ついに復讐を遂げる
という感じですね。ああ、おそろしい、おそろしい。

ではまた。

月餅と三日月

2006-10-01 01:43:53 | シンガポール
世界の中華圏では中秋節まっさかりです。中国も、台湾も、香港も
そして、シンガポールも同じように、季節物の月餅が出回っていま
す。日本では中村屋の月餅が有名で、一年を通して売られています
が、中華圏では、あくまでも季節物で、ここ一月ちょっとの間しか
出回りません。ちなみに本番の中秋は今年は10月の6日のようです。

今日やっと、もらいものの月餅を食べました。この上の写真の物で
す。ここ数年食べていますが、ほんのちょっと食べただけで、すぐ
にもう結構となってしまいます。基本的には濃厚な甘さなので、甘
のが苦手な人には耐えられません。私は甘いのは嫌いじゃないです
が、月餅の甘さはちょっとくどい気がします。

この上の写真のような月餅は一人で丸ごと食べるのは、ちょっと無
理な感じです。お中元のような感じで、この季節には、取引先とか
から月餅が届いたりもするのですが、ローカル社員も食傷気味です。

写真のように中に卵の黄身が入っているものは、典型的な月餅で、
蓮の餡を使っていて、外側は焼いて茶色くなっています。しかし
最近では、いろんな月餅があり、生和菓子のようなスノースキン
(外側の皮が生のままのもので、あまり日持ちがしない)のものと
かも多く、また中の餡も、いろいろなフレーバーのものがあります。
下町娘が大嫌いなドリアン味のものもあります。

私が好きなのは、一口サイズのミニ月餅で、スノースキンで中が
カスタードクリームのものです。これは月餅としては邪道なのです
が、スイーツとしては非常に美味です。スターバックスとかでも
毎年、月餅を出しているのですが、こちらのはあまり好きではあり
ません。

月餅はシンガポールではムーンケーキと言い、中秋節もムーンケー
キフェスティバルとか言うのが普通です。名前の通り、月餅は月を
象徴しています。それも満月。幸福が満ち足りた状況を満月で象徴
させているのでしょうか。

月と言えば、今日、NHKのつながるテレビ@ヒューマンを見ていたら、
このテーマ曲の「三日月」を歌っている絢香(あやか)さん
が出演していました。これまでにこのテーマ曲は何度か聞いたこと
があったのですが、あらためてフルで聴くと、あ、いい歌だなあと
感動してしまいました。とくにこの歌は、私たちのように遠距離に
なっている人にはぴったりの曲です。

♪がんばっているからねって
強くなるからねって...
君も見ているだろう
この消えそうな三日月
つながっているからねって
愛してるからねって
三日月に手をのばした
君に届けこの想い


と歌う絢香さん。「たとえ離れていても、心はつながっている」
というのはこのNHKの番組のコンセプトのようですが、「三日月」
の歌のテーマがまさにそれでした。NHKのホームページに書かれて
いるのですが、「この人の歌は、絶対に多くの人を救うだろう」
という小さな雑誌記事が、NHKの番組に起用された理由なのだそう
です。パワフルな彼女の歌は確かに、少なくとも私達を救って
くれているような気がします。

この「三日月」、9月の27日にシングルCDがリリースされたばかり
なんだそうですね。きっとすごく売れると思います。この歌の試聴
は、ワーナーミュージックのサイトでできるようになっています。
http://www.wmg.jp/public/d001?id=3472&m=1

満月ではなく、三日月というところがまた切ない感じですね。おそ
らく満月だと、もし月に手が届いても、つかみにくいのですが、
三日月だと、つかみやすいですよね。同じ月を見て、自分たちが
つながっていると実感する、それは遠距離にとっては必須です。

♪今度いつ会えるんだろう
それまでの電池は...

という歌詞が出てきます。電池というワードは今のパソコンの電池
をついつい思い浮かべてしまいますが、遠距離はそういう電池との
戦いなのですよね。で、それを充電してくれるのが、
♪抱きしめながら言った
あなたの愛してるの一言

ということなんでありましょう。

しかし、この絢香さんが作ったこの歌詞をじっくり見てみると、
いろいろ面白い点に気づきます。そこで羅列されている言葉は
いくつかの断片です。それは男性が女性に語りかけている言葉で
あったり、女性が男性に思いを伝えている言葉だあったり、
それがつなぎの言葉がないままにごちゃまぜになっているのです。

普通の歌は、男性の視点か、女性の視点かのどちらかで書かれる
ことが多いのですが、この歌は一人デュエットのようです。そう
いう部分で、離れた二人が精神的に融合しているということを
形として示しているのかもしれないと思ってしまいました。

さて、このブログも実は、月と同じようなもので、遠く離れば
なれになっていてもいつでもつながることができるというツールな
のですね。夫婦や恋人たちだけじゃなくても、全く知らない人たち
とも、たぶん、このブログでつながりあっている。普通の生活空間
では絶対に知り会う可能性のない人たちとつながっている。それは
とても素敵なことかもしれません。

話しは変わりますが、今日、NHKの連続ドラマの「純情きらり」が
最終回でした。私の故郷の三河弁が懐かしいのでたまに見ていた
のですが、何と今日は最終回。宮崎あおいさん扮する桜子さんが
みんなに見守られながら結核で死んでしまうという下り。よくある
パターンだなと思っていたのですが、泣いてしまいました。

桜子さんが死んだあと、息子に笑顔で次のようにコメントします。
お母さんの人生は人からみれば、あっけなくて、つまらない、
寂しいものに映るかもしれません。 あんたもそう思うかもしれんね。
ほいでもね。違うんだよ。お母さんは十分に生きた。
十分に輝いた。
お母さんの人生には素敵な事が山のようにあった。
その中でも一番素敵なことは、あなたのお父さんに出会えた事。
そして、あなたに出会えた事です。
意味のない人生なんてない。
輝きのない人生なんてない。
寂しい時はピアノを弾いてごらん。
きいちゃん、お母さんはそこにおる。ほら、あなたの側におるよ

「あなたのお父さんに出会えた事」というあたりで、
涙がぼろぼろ。もうちょっと長く生きてほしかったなあ。

その後、「功名が辻」の再放送。秀次が自分の運命を悟り、
潔く秀吉のもとに行くところでまた涙、そして、拾(ひろい)
が武士になるのをあきらめさせられて、仏門に入るという所
でこれまた涙。今日は、何だか、涙、涙の一日でありました。