南の国の会社社長の「遅ればせながら青春」

50を過ぎてからの青春時代があってもいい。香港から東京に移った南の国の会社社長が引き続き体験する青春の日々。

さらなるミリオネアーの秘密

2006-10-04 02:21:56 | シンガポール
今日もまた、マレービレッジのあたりで写真を撮ってきました。
今日は、感度が800まで上げられる別のカメラで撮影しました。
感度はISOと表記されていますが、感度が高くなるほど暗いとこ
ろでも撮影できるようになります。感度が低いと、その分長い
時間シャッターを開いていないといけないので、手ぶれをしたり、
物体が動いている場合はぶれてしまったりします。

感度が高ければいいのかというと、今度は別の問題が出てきます。
感度が高くなると、暗いところでも撮れるようになるのですが、
粒子が荒くなっていきます。この写真、昨日の写真に比べると
ブレは改善されているのですが、ざらついた感じになってしまい
ました。本当は車を降りて、きちんと撮影すればよいのですが、
なかなかうまくいかないものです。

シンガポールのマレービレッジのあたりは、マレー系の人々が多く
彼らはイスラム教で、この時期は夜店が出てにぎわっていま。
同じイスラムのアラブストリート付近(ブギスの近く)も飾り付け
が奇麗です。

さて、昨日に引き続き、トマス・J・スタンリーの『なぜ、この人
たちは金持ちになったのか』という本のことに関して述べたいと
思います。

この本の中で一番感動した話しは、「全米最高のコーチが最初に
教えること」という部分でした。

著者のトマス・J・スタンリーは、ある日、アラバマ州バーミン
ガムに行きます。そこで、彼はある企業で販売責任者をしている
男性に会います。その人は、有名なアラバマ大学フットボール・
チームで選手として活躍していた経験がありました。彼以外にも
アラバマ大学フットボール部卒で、会社役員になっているのが何
人もいると言うのです。

アラバマ大学のフットボール部は、名コーチとして有名なポール・
ブライアントのもと、大学選手権で何度も全米一の座を手にして
いました。著者が会った、その販売責任者は、ブライアントの元
でフットボールをやっていたのでした。

ブライアントは、アメリカ一金をかけて選手を養成したのではな
く、またアメリカ中から有能な選手をかき集めてきたわけではな
かった。それななのにこんなに最強のチームができたのはなぜか、
そしてその卒業生が実業界でも成功しているのはなぜか、著者は
それを探ろうとして、その販売責任者に次のような質問をします。

「大学のチームに入ったあなたがたスポーツ奨学生たちに、ブラ
イアントはまず、どんな話しをしましたか?」

その答えは、意外にも次のような言葉だったそうです。

「みんなもう、家に電話してご両親に礼を言ったか?」

選手たちはみんなこのブライアントの言葉にポカンとしていたそう
です。このおっさんいきないり何をゆうんか、おれたちゃフット
ボールで全米一になるためにここにきたんだぜ、もっとフットボー
ルの秘訣とかなんか教えてくれよ、そんなふうに思ったのでしょう。

ブライアントは、続けて次のように言ったそうです。

「今の自分のレベルまで、誰の助けもなしに
到達した人間なんていない。ご両親に電話してこい。
ありがとうって言うんだぞ」


つまり、抜群の素質に恵まれた者でも、必ずしも名選手になると
は限らない。両親が彼らを養い育て、犠牲を払ってくれたからこ
そ、彼らは今、アラバマ大でフットボールができるのです。選手
たちは、この最初の洗礼をずっと忘れずに、無敵の活躍をします。
そして卒業した後でも、ビジネスで成功している人も多いという
ことでした。

この教訓は、スポーツであれ、ビジネスであれ、人とうまくやっ
ていく能力が一番大切であるということになります。感謝の気持
を忘れず、周りの人を大切にしていく、それがミリオネアになる
ための最も重要な資質であると著者は言います。それは知能指数
の高さよりもはるかに重要であると結論づけています。

今の学歴一辺倒の日本の教育では、自分の学力さえ高ければそれ
でよい、他人は蹴落としても自分が希望の大学に入れればよいと
考えがちで、そこには、感謝とか人とうまくやっていくという事
は全くかえりみられることがありません。こういう環境だと、
「金儲けして何が悪い」という成金は出て来るでしょうが、真の
ミリオネアーはなかなか生まれてこないんじゃないかと思うので
すね。

ところで前、NHKの番組を見ていたら、日本のどこかの高校野球
の監督が同じようなことを言っていました。つまり「親に電話
してこい」というやつです。その監督がこのブライアントの話を
知っていたのか、それともその監督独自のオリジナルなアイデア
なのか、それともそういう優れたリーダーはみんなそういう
発想をするのかわかりません。

以前、SMAPが感謝して~!と歌っていましたが、本当に
感謝の気持を忘れたらいかんですね。と自転車操業の私も
肝に銘じたいと思います。